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5 白馬に乗った王子様?
しおりを挟む「はあ……? 魔塔を辞めるってそれはいったいどういう事だ、ブランシェ答えなさい!」
何をそんな驚かれたのでしょうか。
アレクセイ様は急に大きなお声を出されました。
「えっ、そのままの意味ですよ? 私と婚約破棄された貴族の方も、結婚したら魔塔の仕事は辞めて欲しいと常々おっしゃっておりましたし」
多少危険なお仕事もあるけれど、お給金も沢山頂けるし魔塔の皆さんは優しい方達ばかり。
まあ仕事中毒な上司の相手をするのが面倒ですけれど、概ね働きやすい職場で私は気に入っていた。
なのにエクトル様は私が魔法使いとして魔塔で働く事を、何故かとても嫌がった。
それにお父様も成人の儀で私に魔法の才能があるとわかった時は喜んでくださいましたのに、魔塔で働きだしたら嫌な顔をするようになった。
「私はそんな話、一言も聞いていないが?」
「そりゃ……アレクセイ様には関係ありませんから言っておりませんでしたし?」
一応上司で師匠でもあるはずのアレクセイを、関係ないと言ってのけるブランシェ。
そんなブランシェにアレクセイは、げんなりと疲れたような顔で嘆息をついた。
「関係ないって、君ね……?」
「私だって結婚に夢や希望の一つや二つくらいあるわけでして! 綺麗なウェディングドレスを着て素敵な新郎と結婚式でキスがしたいのですよ! 何が悲しくてオジサンと結婚しなければいけないのか……」
平民なんですから好きな人と結婚がしたい。
結婚式では綺麗なウェディングドレスを着て、素敵な新郎とロマンチックなキスがしたい。
でもお父様の事です。
私がその辺の人と恋愛結婚なんかしようとすれば、何か裏で手を回して来そうな気がします。
いやあのお父様の事です。
絶対にして来るでしょう。
だってお父様って普通に性格悪いんですもん。
「貴族なら、君の父上はなんでもいいのか?」
「ええ、貴族と姻戚関係になりたいだけみたいですし……一度見た夢を忘れられないみたいですね! その夢に巻き込まれる私……可哀想過ぎますね!」
なんて可哀想な私なのでしょう。
めちゃくちゃ頑張ったのに。
そして頑張った結果が、好きだった人に『醜い』とか吐き捨てられて突然婚約破棄されちゃう?
挙げ句の果てにオジサンと結婚させられて、後妻で継母になるだなんて。
これはもしや私って悲劇の主人公って奴です!?
絵本に出てくる白馬に乗った王子様なんて、現実では迎えになんてやってこない。
実際にやって来るのはオジサンだなんて、もう絶望しかそこにはありません。
「なら……私と結婚するか?」
「へ……?」
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