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1 断罪回避できませんでした
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私はどこにでもいる――普通の社畜だったはずだ。
朝は始発で出社し、終電で帰宅する。
そして週一の休みは屍と化す。
会社の命令は絶対厳守。
出張指示も二つ返事で快諾し、新幹線に駅弁片手に飛び乗る。
そして夜は行きつけのビジネスホテル系列に颯爽とビール片手にチェックイン。
深夜の上司コールにも笑顔で「はいっ!」と嫌な顔せず対応できる、良い社畜だったのに。
……なのに。
死んだらなぜか悪役令嬢になっていた。
これはいったいどういうことなのか。
この世界の神でもここに呼びつけて、オールナイトで文句が言いたい。
そこはほら、どうせならピンク髪のヒロインとかさー?
もうちょっと夢のある転生先とか色々とあったんじゃないかな?
……とか言いたいけれど。
そんなことできないし。
ただ、まだ悪役令嬢してない今からならば。
断罪を回避して、逆ハーレムとかまでは全然いかないまでも平穏に生き延びるくらいはできるかなって思ってた。
ヒロインである義理の妹もいじめたりしなかったし。
取り巻きも作らなかったし、婚約者にもなるべく関わらず大人しくしていたのに。
なぜか私は今。
絶賛、断罪されています!
えっ、なんで!?
妹をいじめなかったのに……! ひどい!
どうしていじめたことになっているのか。
話したこともない令嬢たちが「スカーレット様のご命令で!」とか言い出すし。
挙げ句の果てに存在も今知ったばかりの暗殺ギルドに妹を殺害しようと依頼していたことになっているのか。
令嬢達の子分とか、私は知らない。
というか暗殺ギルドなんて存在するんだ?
このゲームの世界観どうなってるのだろう。
普通に怖いな、このゲーム。
もっと平和に行こう?
ただこのゲーム私はやったことないんだよね。
会社の女子社員が「今流行ってるの」って勧めてくれたけど、そんな時間あったら寝ないと死ぬ。
社畜舐めんな……?
「スカーレット、君がまさかそんな酷い事をしていたなんて……悲しいよ私は」
切なそうに私を責めながら、義理の妹を庇うのは。
私の婚約者であり、この国の王太子・サミュエル殿下。
顔はいいし声もいい。
雰囲気もなかなかいい。
こりゃモテるわ……と、思うけれど。
いかんせん頭が悪い。
くっ、残念っ……!
「わたしがサミュエル様とお話をしていた事が……そんなに嫌だったなんて! お姉様……! ごめんなさい、わたし、わたし!」
妹フローレンスはしなだれかかるようにサミュエルの腕に縋る。
辛そうに、とても悲しそうに。
一応私の婚約者にすがり付いて必死に泣こうと努力されている姿は称賛に値します。
が、どれだけ待ってもに涙の一粒も流れ落ちません。
涙まだですかー?
と、心の中で実況していたら。
「フローレンス、君は悪くない! 私が……!」
サミュエル殿下が感極まったように叫んだ。
一瞬、え……妹じゃなくてお前が泣くの?
とか思ってしまったのは許してほしい。
そして目の前でイチャイチャ始まりました。
まだ一応、私が婚約者なんですけどね?
いや全然別に、いいんですけど……。
そんな義理の妹フローレンスはこれぞヒロイン!
ロングのピンク色の髪は可愛らしく。
あざと可愛い系で隣にいたら目が行くし、確かに男ウケしそうだ。
だが、ピンクの髪とか社会人的に無しだなと私の中の社畜がそう囁く。
とはいえ、私も私でなかなかの金髪縦ロール。
鏡を見るたびに笑いが込み上げる。
もしや、笑かしにかかってるのかな?
……というかこのゲーム作った会社、絶対にふざけてるだろ、いい加減にしろ。
私だったら、こんなゲームの営業はまっぴらごめんである。
私はどこにでもいる――普通の社畜だったはずだ。
朝は始発で出社し、終電で帰宅する。
そして週一の休みは屍と化す。
会社の命令は絶対厳守。
出張指示も二つ返事で快諾し、新幹線に駅弁片手に飛び乗る。
そして夜は行きつけのビジネスホテル系列に颯爽とビール片手にチェックイン。
深夜の上司コールにも笑顔で「はいっ!」と嫌な顔せず対応できる、良い社畜だったのに。
……なのに。
死んだらなぜか悪役令嬢になっていた。
これはいったいどういうことなのか。
この世界の神でもここに呼びつけて、オールナイトで文句が言いたい。
そこはほら、どうせならピンク髪のヒロインとかさー?
もうちょっと夢のある転生先とか色々とあったんじゃないかな?
……とか言いたいけれど。
そんなことできないし。
ただ、まだ悪役令嬢してない今からならば。
断罪を回避して、逆ハーレムとかまでは全然いかないまでも平穏に生き延びるくらいはできるかなって思ってた。
ヒロインである義理の妹もいじめたりしなかったし。
取り巻きも作らなかったし、婚約者にもなるべく関わらず大人しくしていたのに。
なぜか私は今。
絶賛、断罪されています!
えっ、なんで!?
妹をいじめなかったのに……! ひどい!
どうしていじめたことになっているのか。
話したこともない令嬢たちが「スカーレット様のご命令で!」とか言い出すし。
挙げ句の果てに存在も今知ったばかりの暗殺ギルドに妹を殺害しようと依頼していたことになっているのか。
令嬢達の子分とか、私は知らない。
というか暗殺ギルドなんて存在するんだ?
このゲームの世界観どうなってるのだろう。
普通に怖いな、このゲーム。
もっと平和に行こう?
ただこのゲーム私はやったことないんだよね。
会社の女子社員が「今流行ってるの」って勧めてくれたけど、そんな時間あったら寝ないと死ぬ。
社畜舐めんな……?
「スカーレット、君がまさかそんな酷い事をしていたなんて……悲しいよ私は」
切なそうに私を責めながら、義理の妹を庇うのは。
私の婚約者であり、この国の王太子・サミュエル殿下。
顔はいいし声もいい。
雰囲気もなかなかいい。
こりゃモテるわ……と、思うけれど。
いかんせん頭が悪い。
くっ、残念っ……!
「わたしがサミュエル様とお話をしていた事が……そんなに嫌だったなんて! お姉様……! ごめんなさい、わたし、わたし!」
妹フローレンスはしなだれかかるようにサミュエルの腕に縋る。
辛そうに、とても悲しそうに。
一応私の婚約者にすがり付いて必死に泣こうと努力されている姿は称賛に値します。
が、どれだけ待ってもに涙の一粒も流れ落ちません。
涙まだですかー?
と、心の中で実況していたら。
「フローレンス、君は悪くない! 私が……!」
サミュエル殿下が感極まったように叫んだ。
一瞬、え……妹じゃなくてお前が泣くの?
とか思ってしまったのは許してほしい。
そして目の前でイチャイチャ始まりました。
まだ一応、私が婚約者なんですけどね?
いや全然別に、いいんですけど……。
そんな義理の妹フローレンスはこれぞヒロイン!
ロングのピンク色の髪は可愛らしく。
あざと可愛い系で隣にいたら目が行くし、確かに男ウケしそうだ。
だが、ピンクの髪とか社会人的に無しだなと私の中の社畜がそう囁く。
とはいえ、私も私でなかなかの金髪縦ロール。
鏡を見るたびに笑いが込み上げる。
もしや、笑かしにかかってるのかな?
……というかこのゲーム作った会社、絶対にふざけてるだろ、いい加減にしろ。
私だったら、こんなゲームの営業はまっぴらごめんである。
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