タチバナ

箕面四季

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 それでも、ギズモのおかげで束の間の家族ごっこができた。

 二人であたふたオロオロしながらギズモを育てた時間は、とても楽しかった。
 幸せだった。
 私たちは紛れもなく親だった。

 まだ大丈夫。私たちはまだ大丈夫。

 そんなある日、何の気なしにネットでドラマでも見ようかと思った。
 私はドラマを見ないから何が面白いかわからなくて、ドラマ好きの春ちゃんを参考にしようと履歴を確認して凍り付いた。

 春ちゃんの見ているドラマは全て、男女の恋愛ドラマだった。

 でも大丈夫。不倫ドラマを見ている人がみんな不倫したいわけじゃない。

 本当に?
 春ちゃんはやっぱり、男性と恋愛をして、結婚して、子どもを産みたいんじゃないだろうか。
 私と一緒にいたらそれができない。
 だから最近の春ちゃんは、機嫌が悪い。

 どうしよう。でも、まだ春ちゃんから何かを言われたわけじゃない。

 このまま、だましだまし関係を続けて行けば、そのうち春ちゃんのそういう恋愛願望が薄れる日も来るかもしれない。

 でも、それでいいの?
 春ちゃんはそれで幸せになれる?

 悩みながら日々を送っていた時『桜井春海様』と宛名の印刷されたゴージャスなはがきが届いたのだ。
 元彼の結婚式の招待状。
 送ってきたのは新婦だった。
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