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神明山の遊歩道
神明神社の参道
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碧ちゃんの指さしたところには、山の上部に向かって細い道が続いていた。
「さっきまでこんな道、なかったような」
「あっはっはー。ほたるちゃんには見えていなかっただけだよー。道は必要とするモノにのみ見える性質があるからねー」
どういう意味だろうと考えていたら「ほら、ここに看板もあるよー」と、碧ちゃんが分かれ道の端を指さした。
葉の生い茂ったどんぐりの木の根元に『神明神社参道 こっち』と、簡素な板の案内板が捨てられ……立てかけられている。
「ほたるちゃん、と、ついでに神明三家の子どもも、行ってみよーよー」
「行ってみるって」
案内板の先に続くのは、見ただけで疲れる急こう配の上り坂。それこそ獣道。
しかも結構長い。
登っている間に日が暮れちゃうのは自明の理。
頂上の辺りに目を凝らすと、赤茶けた古い鳥居のようなものが見えた。
見るからにボロボロなんですけど。
いろいろ鑑みるに、あそこに祀っている神様は、貧乏な神様的なやつでは。
「あっ!」
いきなり叫んだ優太君が、だだっと走り出す。
「え、ちょっと、優太君どうしたの?」
「人間の子どもって元気だよねー。ほたるちゃんも早くおいでよー」
水黄緑のワンピースをふわりと翻し、碧ちゃんも軽やかな足取りで獣道を登っていく。
走っているようには見えない碧ちゃんの足取りは、滑らか。てゆーか、ちょっと浮いてない?
いやいや、そんな、まさか。
「ちょっと待ってよ、二人とも~」
あっという間に小さくなっていく二人を、ほたるもひぃひぃと追いかけた。
「さっきまでこんな道、なかったような」
「あっはっはー。ほたるちゃんには見えていなかっただけだよー。道は必要とするモノにのみ見える性質があるからねー」
どういう意味だろうと考えていたら「ほら、ここに看板もあるよー」と、碧ちゃんが分かれ道の端を指さした。
葉の生い茂ったどんぐりの木の根元に『神明神社参道 こっち』と、簡素な板の案内板が捨てられ……立てかけられている。
「ほたるちゃん、と、ついでに神明三家の子どもも、行ってみよーよー」
「行ってみるって」
案内板の先に続くのは、見ただけで疲れる急こう配の上り坂。それこそ獣道。
しかも結構長い。
登っている間に日が暮れちゃうのは自明の理。
頂上の辺りに目を凝らすと、赤茶けた古い鳥居のようなものが見えた。
見るからにボロボロなんですけど。
いろいろ鑑みるに、あそこに祀っている神様は、貧乏な神様的なやつでは。
「あっ!」
いきなり叫んだ優太君が、だだっと走り出す。
「え、ちょっと、優太君どうしたの?」
「人間の子どもって元気だよねー。ほたるちゃんも早くおいでよー」
水黄緑のワンピースをふわりと翻し、碧ちゃんも軽やかな足取りで獣道を登っていく。
走っているようには見えない碧ちゃんの足取りは、滑らか。てゆーか、ちょっと浮いてない?
いやいや、そんな、まさか。
「ちょっと待ってよ、二人とも~」
あっという間に小さくなっていく二人を、ほたるもひぃひぃと追いかけた。
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