ようこそ、むし屋へ2 ~麗しの碧ちゃん&むしコンシェルジュの卵編~

箕面四季

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見習いほたるの初仕事

豆乳甘茶ラテの作り方

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 ガーデンテーブルに肘をつき、目をつぶって、黒鉄器3号の奏でる音を聞いていると、カチャカチャっと、陶器のぶつかる小気味よい音が重なった。
 目を開けたら、いつの間にかアキアカネさんが戻っていて、銀色のお盆に乗せた真っ白い陶器製のミルクピッチャーと、青空色のマグカップをガーデンテーブルに置いているところだった。

(やば! あたし、一瞬寝てた??)

「目を閉じて、アマチャポットが湯を沸かす音を聞くの、僕も好きなんだ」
 アキアカネさんがにっこり微笑んで、ほたるを見ている。
 口の端のよだれを気づかれないように拭いて、ほたるはへへっと、ごまかし笑いを浮かべた。

「なんかこう、冬の寒い朝、丸ストーブの上に置いたヤカンが立てる音みたいで、聞いてたら妙に和んじゃいました」
「ああ、なんかわかるなー。この黒鉄器3号は、郷愁の音がするよね」

「他のポットは違うんですか?」
「アマチャポットにはそれぞれ個性があるからね。湯が沸く音もいろいろさ」

「へえ~。他の音も聞いてみたいなぁ」
「そのうち聞けるさ。なにせ、君はここの従業員なんだから」
「従業員……」
 なんという甘美な響き。

「おっと、話している間に、煮出しが完了したみたいだよ」
 さっきまで、シューシューと注ぎ口から勢いよく出ていた湯気は、細い糸のようにたなびき、黒鉄器3号はひっそり静まり返っていた。
 アキアカネさんが、ミルクピッチャーを持ち上げ、青空色のマグカップの中にそれを半分ほど注ぐと、マグカップの中で、乳白色の液体がゆらんと波打った。

「ミルクですか?」
「温めた豆乳が入っているんだ。豆乳甘茶ラテにしようと思ってね」

「うわっ、オシャレ! 聞いてるだけで美味しそう~」
「適切な甘茶を適量飲んでもらうためには、美味しさも重要だからね。せっかく適量を淹れても、お客様が残してしまえば、適量じゃなくなってしまうだろう?」

「なるほどー」
「さて、ここからは、スピードも大切。一気に行くよ」

 言うが早いか、アキアカネさんは優雅な手つきで黒鉄器3号を持ち上げ、甘茶を豆乳の入った青空色のマグカップに注いでいく。
 上下に長く細く注いだり、スタッカートのように弾ませながら区切ったり、カップを縁どるように回したり。
 まるで指揮者のような鮮やかな注ぎ方に、ほたるは見惚れた。
 くるくると、乳白色の液体と、琥珀色のアマチャが渦巻きになって混ざり合う。

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