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素質ある子
妖しい微笑
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「普通に持ってりゃ、いや、握力強いやつが握りしめても、そう簡単に曲がる代物じゃないんだよ! ああ~、特注品の愛用ピンセットちゃんだったのにぃ」
確か、むし屋のアルバイトに関係する大事なことだったはず。
とても重要な……
「ああ~、お前なんかに任せたオレがバカだった~」
一生懸命思い出そうとしているのに、向尸井さんが喚くせいでちっとも思い出せない。
うるさいなー。
「もう、過ぎたことをウジウジ悔やんでも仕方ないですよ。修理すれば直るんでしょ? てゆーか、これを機に、ババンと新しいモノを新調するってのはどうですか? 気分も上がって一石二鳥かも」
「お~ま~え~」
「いいぞ~。ほたるちゃん、もっとやれ~~~」
隣であおる碧ちゃんを、ギロンと向尸井さんが睨んだ。
「とゆーか、オオミズアオ! 今回の件、お前、全部知ってて黙ってたな」
「ええ~、なんのことぉ?」
わかりやすくしらばっくれた後、ふと碧ちゃんが大きな黒目を妖しく光らせ、ソファで眠る優太君をちらりと見やった。
「神明三家のあの子どもは、素質があるからねー。素質があるってことは僕らにとって、味方にも脅威にもなりうる存在ってことでしょー。手を貸すかどうか、じっくり見極めさせてもらったのさー」
にっこり笑う碧ちゃんの笑顔に、怖いものを感じる。
笑っているのに冷酷で、感情が推し量れない。
人にはない種類の感情みたいなものが、憑りついて見える。
向尸井さんはしゅっと凛々しい眉を顰め、ちらりとアキアカネさんにも視線を投げた。
その視線を受け止めたアキアカネさんまで、怪しい微笑を浮かべている。
なんなのだろう。この空気。
ぴりぴりと、ちょっと痛い感じ。
「はあ」と、向尸井さんがため息を吐いた時、「もう~、うっるさいなー」と、ソファで優太君が吠えた。
確か、むし屋のアルバイトに関係する大事なことだったはず。
とても重要な……
「ああ~、お前なんかに任せたオレがバカだった~」
一生懸命思い出そうとしているのに、向尸井さんが喚くせいでちっとも思い出せない。
うるさいなー。
「もう、過ぎたことをウジウジ悔やんでも仕方ないですよ。修理すれば直るんでしょ? てゆーか、これを機に、ババンと新しいモノを新調するってのはどうですか? 気分も上がって一石二鳥かも」
「お~ま~え~」
「いいぞ~。ほたるちゃん、もっとやれ~~~」
隣であおる碧ちゃんを、ギロンと向尸井さんが睨んだ。
「とゆーか、オオミズアオ! 今回の件、お前、全部知ってて黙ってたな」
「ええ~、なんのことぉ?」
わかりやすくしらばっくれた後、ふと碧ちゃんが大きな黒目を妖しく光らせ、ソファで眠る優太君をちらりと見やった。
「神明三家のあの子どもは、素質があるからねー。素質があるってことは僕らにとって、味方にも脅威にもなりうる存在ってことでしょー。手を貸すかどうか、じっくり見極めさせてもらったのさー」
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向尸井さんはしゅっと凛々しい眉を顰め、ちらりとアキアカネさんにも視線を投げた。
その視線を受け止めたアキアカネさんまで、怪しい微笑を浮かべている。
なんなのだろう。この空気。
ぴりぴりと、ちょっと痛い感じ。
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