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ありがとう
しおりを挟む弾むようないつもよりママの高い声。
なんだろうと振り返って見上げれば、みどり色のくまさんがマ
マにだっこされて手を振っていた。
ママは夜にお歌を歌うお仕事をしてる。
お姉ちゃんは私より11も上で学校に行っている。パパになる人は私の家にはいません。だからママはお姉ちゃんがちっちゃい頃から無理をして朝から晩まで働きます。
何年かたった頃、お姉ちゃんはお喋りもしてくれず遊んでもく
れなくなりました ずっとずっと一人でいます 一人の方が楽だと
言います。
お友だちはくまさんだけで、色んなお喋りをしてもママがいな
きゃ返事もありません。
小学生に上がっても私はお友だちが出来ません。
中学生になって 消しゴムを投げられ、笑われて、近寄るなと言
われました。私の事を笑うみんなの目が視線が怖くなりました。
保健室に逃げ込む事が多くなりはじめて、最後には誰のことも
嫌いになってトイレに一日中引き込もって、私を引きずり出そうとした先生やお母さん、学校を早退してきた私を怒るお姉ちゃんに殴りかかったことありました。
ある日お母さんが倒れました。
仕事中ほとんど立っての仕事はもうその年では辛くなっていたのです。お母さんが体を壊して仕事を休んだ時、はじめて生まれつきお母さんの股関節の骨が一本少なく、水が溜まっていて痛いこと。それがある場所が悪く、治せないことを知りました。
この時私にある思い出が頭をよぎりました。
忘れもしない小学2年生の秋、私は風邪をこじらせてインフルエンザにかかりました。ただそれだけだったなら良かったのですが、私のいる所は田舎で車で一時間もしなければ大きい病院はなく、インフルエンザが悪化して肺炎になってしまいました。
大きな私をお母さんは抱えて病院へ何度も連れていった後、
ある日体の痙攣が止まらなくなり、入院することに…
十日分の食事や荷物を一人で母は持って私の隣で寝泊まりしました。
あの頃、私が病気にならなければ…私がお母さんに無理をさせていなかったら…そう考えると今までの自分がどれ程馬鹿だったのだろうか感じ、自分と別れを告げ、また一から新しい私の一歩を踏み出した。
お正月前の大掃除、押し入れの整理をしようと戸を開けた時、
ころりんっ、と山になった道具の上から私の手へ待ち焦がれていたかのように転がり落ちてきた友人はくたびれて、ボロボロになったいまでもあの頃と変わらぬキラキラとした目で私を映していた。
前の私がいままで言えなかった言葉を、新しい私は大切な人達へと今届けようと思う
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