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二章
十二話
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心配そうに、早紀が口を開く。
「化け物が見える様になったのは、昨日からだっけ?」
(さっきの言葉とは裏腹に、どこか嬉しそうだな)と、和義は思った。
「うん、昨日から。悪いんだけどさ、少し教えてくれない? 俺、こういうのに疎くてさ」
「教えるのは問題無いけど、どこから話せばいいかな」
彼女は、自分の足下を見ながら考え込む。視線は当てもなく動きだし、和義と目が合ったところで静止した。そして無言で顔を向かい合った後、どちらともなく笑い出す。
「まさか、こんな事になるとは思わなかった」
「まさかね」
そう言った後、僅かに間を置いてから説明が始まった。
「超自然的な存在…化け物の事は、思想や生活環境によって、各々が勝手に解釈してる。今からする話も、私自身の主観が入ってると思う。それを念頭に置いて、話を聞いてくれる?」
和義は、短く頷いて先を促す。
「化け物はね、それを必要としている人だけが、見えるんだよ」
「必要としている人?」
「そう。日々の生活を送っていくのに、必要な人だけ。そういう人が化け物を信じると、見えるようになる」
和義の顔に、怪訝な表情が浮かんだ。
「よく分からないな。別に必要となんかしてないし、昔から信じてなかった」
早紀は、顔に表れてしまった哀憐の情を引っ込めると、和義の発言を無視して話を進めた。
「たまたま悪夢を見てしまったり、不幸な出来事が身の周りで起こると、人は少しだけ化け物を信じやすい状態になる。時間が経てば錯覚か何かだったと、大抵の人は納得する。でも連続して悪夢を見たり、不幸に見舞われたりすると、非常に信じやすい状態となる。化け物を信じられるかどうかは、偶然がどれだけ重なるかによっても違ってくるんだよ」
和義は、一馬を殺した犯人が異常な死に方を遂げたので、化け物を信じ易い状態になったのかと思ったが、何かをはぐらかされた気もした。
「化け物が見える様になったのは、昨日からだっけ?」
(さっきの言葉とは裏腹に、どこか嬉しそうだな)と、和義は思った。
「うん、昨日から。悪いんだけどさ、少し教えてくれない? 俺、こういうのに疎くてさ」
「教えるのは問題無いけど、どこから話せばいいかな」
彼女は、自分の足下を見ながら考え込む。視線は当てもなく動きだし、和義と目が合ったところで静止した。そして無言で顔を向かい合った後、どちらともなく笑い出す。
「まさか、こんな事になるとは思わなかった」
「まさかね」
そう言った後、僅かに間を置いてから説明が始まった。
「超自然的な存在…化け物の事は、思想や生活環境によって、各々が勝手に解釈してる。今からする話も、私自身の主観が入ってると思う。それを念頭に置いて、話を聞いてくれる?」
和義は、短く頷いて先を促す。
「化け物はね、それを必要としている人だけが、見えるんだよ」
「必要としている人?」
「そう。日々の生活を送っていくのに、必要な人だけ。そういう人が化け物を信じると、見えるようになる」
和義の顔に、怪訝な表情が浮かんだ。
「よく分からないな。別に必要となんかしてないし、昔から信じてなかった」
早紀は、顔に表れてしまった哀憐の情を引っ込めると、和義の発言を無視して話を進めた。
「たまたま悪夢を見てしまったり、不幸な出来事が身の周りで起こると、人は少しだけ化け物を信じやすい状態になる。時間が経てば錯覚か何かだったと、大抵の人は納得する。でも連続して悪夢を見たり、不幸に見舞われたりすると、非常に信じやすい状態となる。化け物を信じられるかどうかは、偶然がどれだけ重なるかによっても違ってくるんだよ」
和義は、一馬を殺した犯人が異常な死に方を遂げたので、化け物を信じ易い状態になったのかと思ったが、何かをはぐらかされた気もした。
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