12 / 39
二章
十二話
しおりを挟む
心配そうに、早紀が口を開く。
「化け物が見える様になったのは、昨日からだっけ?」
(さっきの言葉とは裏腹に、どこか嬉しそうだな)と、和義は思った。
「うん、昨日から。悪いんだけどさ、少し教えてくれない? 俺、こういうのに疎くてさ」
「教えるのは問題無いけど、どこから話せばいいかな」
彼女は、自分の足下を見ながら考え込む。視線は当てもなく動きだし、和義と目が合ったところで静止した。そして無言で顔を向かい合った後、どちらともなく笑い出す。
「まさか、こんな事になるとは思わなかった」
「まさかね」
そう言った後、僅かに間を置いてから説明が始まった。
「超自然的な存在…化け物の事は、思想や生活環境によって、各々が勝手に解釈してる。今からする話も、私自身の主観が入ってると思う。それを念頭に置いて、話を聞いてくれる?」
和義は、短く頷いて先を促す。
「化け物はね、それを必要としている人だけが、見えるんだよ」
「必要としている人?」
「そう。日々の生活を送っていくのに、必要な人だけ。そういう人が化け物を信じると、見えるようになる」
和義の顔に、怪訝な表情が浮かんだ。
「よく分からないな。別に必要となんかしてないし、昔から信じてなかった」
早紀は、顔に表れてしまった哀憐の情を引っ込めると、和義の発言を無視して話を進めた。
「たまたま悪夢を見てしまったり、不幸な出来事が身の周りで起こると、人は少しだけ化け物を信じやすい状態になる。時間が経てば錯覚か何かだったと、大抵の人は納得する。でも連続して悪夢を見たり、不幸に見舞われたりすると、非常に信じやすい状態となる。化け物を信じられるかどうかは、偶然がどれだけ重なるかによっても違ってくるんだよ」
和義は、一馬を殺した犯人が異常な死に方を遂げたので、化け物を信じ易い状態になったのかと思ったが、何かをはぐらかされた気もした。
「化け物が見える様になったのは、昨日からだっけ?」
(さっきの言葉とは裏腹に、どこか嬉しそうだな)と、和義は思った。
「うん、昨日から。悪いんだけどさ、少し教えてくれない? 俺、こういうのに疎くてさ」
「教えるのは問題無いけど、どこから話せばいいかな」
彼女は、自分の足下を見ながら考え込む。視線は当てもなく動きだし、和義と目が合ったところで静止した。そして無言で顔を向かい合った後、どちらともなく笑い出す。
「まさか、こんな事になるとは思わなかった」
「まさかね」
そう言った後、僅かに間を置いてから説明が始まった。
「超自然的な存在…化け物の事は、思想や生活環境によって、各々が勝手に解釈してる。今からする話も、私自身の主観が入ってると思う。それを念頭に置いて、話を聞いてくれる?」
和義は、短く頷いて先を促す。
「化け物はね、それを必要としている人だけが、見えるんだよ」
「必要としている人?」
「そう。日々の生活を送っていくのに、必要な人だけ。そういう人が化け物を信じると、見えるようになる」
和義の顔に、怪訝な表情が浮かんだ。
「よく分からないな。別に必要となんかしてないし、昔から信じてなかった」
早紀は、顔に表れてしまった哀憐の情を引っ込めると、和義の発言を無視して話を進めた。
「たまたま悪夢を見てしまったり、不幸な出来事が身の周りで起こると、人は少しだけ化け物を信じやすい状態になる。時間が経てば錯覚か何かだったと、大抵の人は納得する。でも連続して悪夢を見たり、不幸に見舞われたりすると、非常に信じやすい状態となる。化け物を信じられるかどうかは、偶然がどれだけ重なるかによっても違ってくるんだよ」
和義は、一馬を殺した犯人が異常な死に方を遂げたので、化け物を信じ易い状態になったのかと思ったが、何かをはぐらかされた気もした。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
ハズレ職業の料理人で始まった俺のVR冒険記、気づけば最強アタッカーに!ついでに、女の子とVチューバー始めました
グミ食べたい
ファンタジー
現実に疲れた俺が辿り着いたのは、自由度抜群のVRMMORPG『アナザーワールド・オンライン』。
選んだ職業は“料理人”。
だがそれは、戦闘とは無縁の完全な負け組職業だった。
地味な日々の中、レベル上げ中にネームドモンスター「猛き猪」が出現。
勝てないと判断したアタッカーはログアウトし、残されたのは三人だけ。
熊型獣人のタンク、ヒーラー、そして非戦闘職の俺。
絶体絶命の状況で包丁を構えた瞬間――料理スキルが覚醒し、常識外のダメージを叩き出す!
そこから始まる、料理人の大逆転。
ギルド設立、仲間との出会い、意外な秘密、そしてVチューバーとしての活動。
リアルでは無職、ゲームでは負け組。
そんな男が奇跡を起こしていくVRMMO物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる