韓劇♡三百字シアター

鶏林書笈

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三伏

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 避暑のために別荘に来てみたものの三伏の時季のためか汗は引くことはなかった。
 これでは書物を読む気分にもなれないと思った四佳先生は、手ずから茶を淹れた。
 佳い香りが漂ってきたが熱くなった椀を持てなかった。そこで一欠片の氷を器に入れてみた。冷えた茶を口に含むと気分が爽やかになり身体も涼しくなったように感じられた。ふと庭を見ると池の中の蓮が揺らいでいた。風も吹いてきたようだ。
 暑さが和らぐと眠気が襲ってきた。このところ忙しかったので疲れていたのだろう。
 竹枕を用意して横たわろうとした先生は側仕えに次のように言った。
 客人が訪ねて来ても絶対に返事をするな、たとえ百回門を敲いても応答してはならないと。
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