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慈悲の目
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芬皇寺に着いた希明は左側の仏殿に向かった。この中の北側の壁の掛かっている千手観音像に用事があるためだ。
画像前に来ると抱いていた息子を座らせ、自身も隣に座った。
「この観音さまにお願いすれば、お前の目も見えるかも知れない。一緒にお祈りしよう」
希明がこう言い終えると二人は熱心に祈り始めた。
千手観音さま、その千の手で千の目のうち一つを抜き取り、この身に授け下され。
希明の息子は五歳の時、視力を失った。以来、彼女は息子のためにあらゆることをしたが駄目だった。そんな折、この観音像を知り、遥々訪ねて来たのだった。
祈りの言葉を数回繰り返した時、息子が歓声をあげた。
「母さん、目が見えます」
画像前に来ると抱いていた息子を座らせ、自身も隣に座った。
「この観音さまにお願いすれば、お前の目も見えるかも知れない。一緒にお祈りしよう」
希明がこう言い終えると二人は熱心に祈り始めた。
千手観音さま、その千の手で千の目のうち一つを抜き取り、この身に授け下され。
希明の息子は五歳の時、視力を失った。以来、彼女は息子のためにあらゆることをしたが駄目だった。そんな折、この観音像を知り、遥々訪ねて来たのだった。
祈りの言葉を数回繰り返した時、息子が歓声をあげた。
「母さん、目が見えます」
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