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再会~春香伝より
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「ああ、来て下さったのですね」
首枷をはめられた春香は夢龍の姿を見て感涙にむせんだ。
「ああ、可哀想に。私が絶対、ここから出してやるからな」
格子越しに夢龍は力強く言って春香を慰めた。だが
「科挙に失敗し落魄れた貧乏士人に何が出来るんだ」
と春香の母・月梅は冷たく言い放つのだった。
翌日、春香は官衙の庭に引き出された。暗行御史が投獄された者たちを再審議したのだ。
官舎に座した御史が目の前に伏す春香に言った。
「汝は前太守の側に侍すことを拒んだそうだが、どうだ、わしに仕えんか」
「既に嫁した身ゆえ出来ません」
春香が答えると
「わしの顔をよく見よ」
と御史が言った。
春香が面を上げると夢龍の笑顔が見えた。
首枷をはめられた春香は夢龍の姿を見て感涙にむせんだ。
「ああ、可哀想に。私が絶対、ここから出してやるからな」
格子越しに夢龍は力強く言って春香を慰めた。だが
「科挙に失敗し落魄れた貧乏士人に何が出来るんだ」
と春香の母・月梅は冷たく言い放つのだった。
翌日、春香は官衙の庭に引き出された。暗行御史が投獄された者たちを再審議したのだ。
官舎に座した御史が目の前に伏す春香に言った。
「汝は前太守の側に侍すことを拒んだそうだが、どうだ、わしに仕えんか」
「既に嫁した身ゆえ出来ません」
春香が答えると
「わしの顔をよく見よ」
と御史が言った。
春香が面を上げると夢龍の笑顔が見えた。
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娘は二人いて、一人はとめ15歳。もう一人は梅、8歳。
さて|黄昏《たそがれ》は、一日のうち日没直後、雲のない西の空に夕焼けの名残りの「赤さ」が残る時間帯のことを言う。「|黄昏時《たそがれどき)」。 「黄昏れる《たそがれる》」という動詞形もある。
「たそがれ」は、江戸時代になるまでは「たそかれ」といい、「たそかれどき」の略でよく知られていた。夕暮れの人の顔の識別がつかない暗さになると誰かれとなく、「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いという意味で日常会話でよく使われた。
今回の私の小説のテーマはこの黄昏である。
この風習は広く日本で行われている。
「おはようさんです」「これからですか」「お晩でございます。いまお帰りですか」と尋ねられれば相手も答えざるを得ず、互いに誰であるかチェックすることでヨソ者を排除する意図があったとされている。
「たそかれ」という言葉は『万葉集』に
誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ」
— 『万葉集』第10巻2240番
と登場するが、これは文字通り「誰ですかあなたは」という意味である。
「平安時代には『うつほ物語』に「たそかれどき」の用例が現れ、さらに『源氏物語』に
「寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 夕顔の花」
— 『源氏物語』「夕顔」光源氏
と、現在のように「たそかれ」で時間帯を表す用例が現れる。
なおこの歌は、帖と登場人物の名「夕顔」の由来になった夕顔の歌への返歌である。
またこの言葉の比喩として、「最盛期は過ぎたが、多少は余力があり、滅亡するにはまだ早い状態」をという語句の用い方をする。
漢語「|黄昏《コウコン》」は日没後のまだ完全に暗くなっていない時刻を指す。「初昏」とも呼んでいた。十二時辰では「戌時」(午後7時から9時)に相当する。
「たそがれ」の動詞化の用法。日暮れの薄暗くなり始めるころを指して「空が黄昏れる」や、人生の盛りを過ぎ衰えるさまを表現して「黄昏た人」などのように使用されることがある。
この物語はフィクションです。登場人物、団体等実際に同じであっても一切関係ありません。
それでは、小説「黄昏夫婦」をお楽しみ下さい。
読者の皆様の何かにお役に立てれば幸いです。
作家 蔵屋日唱
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