充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~

中畑 道

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第六章 生徒編

第二十七話 妹よ、俺は今反省室に居ます。その2

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 前世での生涯。その後、この世界に転生してから今日まで。トキオは頭の中で何度も思い返す。

 妹を失った時の喪失感。直後に得た二度目の人生。創造神様から頂いた加護やスキル。カミリッカさんとの修行。魔獣の大森林最奥地を出てから今日まで。何度も、何度も、思い返す。

 そして出た結論。

 ──トキオ セラは神に贔屓されている

 転生者には漏れなく「自動翻訳」と「鑑定」、二つのスキルが与えられる。さらに好きなスキルを一つ。これは成人した状態で異世界に転移した者への救済措置。セイ ジョウデンこと上田誠(仮)はその状態で異世界に降り立った。
 それに比べてトキオ セラはどうだ。「自動翻訳」と「鑑定」は初めからカンストのレベル10。しかも、スキル選びでは使用不可とされていた「勇者」や「魔王」スキルの上位互換と言っても過言ではない創造神様の加護まで頂いた。
 さらには、いきなり異世界へ放り出されたであろう上田誠(仮)と違い、後に女神となるカミリッカさんの修行付き。復活魔法を使えるフェニックスがお供となり、妹とカミリッカさんの加護までもらっている。ただでさえ、上田誠(仮)が第二の人生を終え、生活の質が向上した環境の異世界で、至れり尽くせりのスタート。

 ──本当の世良登希雄は、優れた知能も圧倒的な力も持ってはいない

 前世で知世の兄だったというだけで、世良登希雄に秀でた能力など何もない。すべては、神の贔屓によって得た力。たしかに努力はした。だが、その努力で得た対価は、この世界の一般人に対して何倍、何十倍にもなる。同じ様に努力をしても、この世界の人間はトキオ セラのような力は得られない。

 ──トキオ セラと世良登希雄は本当に同一人物なのか?

 わからない。認めたくないのかもしれない。聖獣やドラゴンの主となれるような人間でもなく、凄腕の冒険者や有能な貴族に師匠と呼ばれるような人間でもなく、子供達に何かを教えられるような人間でもないと。
 カルナの書いた「シスター物語」の登場人物、謎の冒険者トッキに嫌悪感を持った理由が今はわかる。読んだ時は気付かなかった、否、気付かない振りをしていたのかもしれない。謎の冒険者トッキのモデルはトキオ セラだ。無意識にトッキの欠点を探していたのではないか?トッキが活躍すればするほど、トキオ セラのハードルが上がるようで嫌だったのではないか?そうだとすれば、あまりに情けない。だが、世良登希雄とはその程度の人物だ。教師になる夢から挫折したのを妹のせいにするような人物だ。

 ──トキオ セラは神が創り上げた虚像。中身は何も持っていない人物。世良登希雄が演じているに過ぎない。

 結局ボロが出る。貴族と揉め事を起こし、感情のまま理性を放棄した。このままでは周りに迷惑を掛けるのが目に見えている。ここが世良登希雄の限界。
 あとは認めるだけだ。本当の自分は知識も力も無い世良登希雄であり、トキオ セラではないと認めればいい。女神となった妹のおかげでVIP待遇の新たな人生を貰っただけ。本来は他人様に何かを教えられるような人物ではない。教師という職業に就けるような人物ではない。それを認めるだけ。

 ──認められない・・・認めたくない・・・教師として充実した人生を送ることを、諦めきれない

 思考は振り出しに戻る。何度も、何度も。


 ♢ ♢ ♢


 トキオが反省室という名の独房に入って直ぐ、現場にいた貴族達はブロイ公爵邸に場所を移した。

 ブロイ公爵、エリアス、クルトの三人だけでなく、オリバー男爵、アマヤ イオバルディ、フィオナ夫人も同席して会議は始まる。


「先ずはイオバルディ学長、ブロイ公爵家とブラックモン伯爵家の揉め事に巻き込んでしまって申し訳ない」

 アマヤ イオバルディは頭を下げようとするブロイ公爵を手で制する。

「おやめください、謝罪など必要ありません。わたくしはブロイ公爵家とブラックモン伯爵家の揉め事に巻き込まれたのではなく、心の師と仰ぐトキオ セラ様の今後について、どの様に助力できるかを話しに来たのです」

 アマヤ イオバルディがトキオと出会ったのは僅か数日前。そして今日、一番弟子であるサンセラに誓いを立てた。まるで神が、トキオに迫る危機を知っていたかのようなタイミング。ブロイ公爵邸に来る前から、アマヤ イオバルディは自分が成すべきことを理解している。

「先に申しておきます。ブロイ公爵家がどのような行動に出るかは関係なく、わたくしは今日中に王都へ立ちます。ブラックモン伯爵も自領のオクラドには戻らず直接王都に向かうでしょうが、単身のわたくしなら途中の街々で馬を乗り換え先に王都へ到着できるでしょう。ブラックモン伯爵のことです、急ぎとはいえ途中に立ち寄る街では豪華な食事や暖かいベッドでの睡眠を摂るでしょうから。必ずやブラックモン伯爵より先に王へ謁見し、トキ オ セラ様に危害が加わらぬよう尽力いたします」

「ならば、私も同行しよう」

 声をあげたのはオリバー男爵。だが、アマヤ イオバルディは厳しい眼差しで首を横に振る。

「オリバー、貴方はトロンに残るべきです」

「なぜだ、トキオ君は私の友だぞ!」

「だからです。今、トキオ セラ様は自らを見つめ直しておいでです。そこから立ち上がった時、友の貴方が傍に居なくてどうするのですか。悔しいですが教会関係者を除けば、トキオ セラ様は貴方に一番心を開いておいでです。何か相談事があれば友である貴方を頼るでしょう。わたくしは一人で大丈夫です。それとも、わたくしのことは信用できませんか?」

「・・・わかった・・・頼む、アマヤ」

 そう言って深々と頭を下げるオリバー男爵。アマヤ イオバルディがオリバー男爵に頭を下げられるのは二度目、どちらもトキオが関わっている。

「その安い頭を上げなさい。貴方に頼まれなくても、わたくしの決意は変わりません。トキオ セラ様こそ、この国の教育、いいえ、人類の教育を変えるお方。わたくし如きが助力させていただけるのなら、たとえ相手が王家であろうとも、わたくしは戦います」

「アマヤ・・・」

 オリバー男爵は言葉が続かなかった。つい先日、同じようなことを言った自分を止めようとしていたアマヤ イオバルディが、今度は自ら決意を語った。オリバー男爵はアマヤ イオバルディをよく知っている。これ程心強い同志は他に居ない。

 それはここに居るブロイ公爵家の面々も同じ。アマヤ イオバルディとオリバーが交わした盟約を聞かされていないブロイ公爵家にとって、中央との太いパイプを持つアマヤ イオバルディがトキオの成そうとしていることに協力してくれるのは、万の援軍を得たに等しい。

「イオバルディ学長、私もすぐに王都へ向かう。それまでの間、王が誤った判断を下さぬよう尽力してほしい。何かあれば、イオバルディ学長はブロイ公爵家が全力で保護することを約束する」

「何かとは?」

 覚悟を決めているアマヤ イオバルディの鋭い視線がブロイ公爵を射抜く。ブロイ公爵はその視線を平然と受け止めた。当然だ、ブロイ公爵家は疾うに覚悟を決めている。

「王家が今回のことでトキオ殿は勿論、セラ教会や学校を罰する決断を下した場合、トキオ殿の成そうとしていることに反対の立場を示した場合、ブロイ公爵家はこのどちらも受け入れない。国を割ってでもだ!」

 王家の決断いかんでは独立も辞さない、領主としてこれ以上に強い言葉は無い。あらためて、アマヤ イオバルディはブロイ公爵家の覚悟を知る。責任は重大だ。自分の動き一つで戦争が起きる可能性すらある。それでも、アマヤ イオバルディの決意は揺らがない。

「ブロイ公爵家の決意、このアマヤ イオバルディしかと承りました。王は聞く耳を持たぬ御方ではありません。ブロイ公爵が王都へ到着するまで、必ずやこのアマヤ イオバルディが間違った判断を下さないよう、命を賭して時間を作ってみせます」

 決意には決意を。ブロイ公爵家もアマヤ イオバルディの決意と覚悟を知る。それと同時に、あらためてトキオの凄さを感じずにはいられなかった。今回、アマヤ イオバルディがトロンに滞在したのは僅か数日。その数日でアマヤ イオバルディはトキオに心酔している。ブルジエ王国の教育機関トップに立つ、あのアマヤ イオバルディが、だ。

「クルト、直ぐに馬と護衛を準備せよ。馬は最良のモノ、護衛は最も頼りになる者を四人。必ずイオバルディ学長を安全に王都まで送り届けるのだ。護衛にはブロイ公爵家の紋章が目立つ鎧を着せ、王都到着後はイオバルディ学長の警護に当たらせろ」

「畏まりました。直ぐに揃えます」

 これでアマヤ イオバルディはブロイ公爵家の要人となり、手を出そうものならブロイ公爵家に喧嘩を売ったのと同じになる。本来、公爵家を前面に出す如何にも貴族らしいやり方はブロイ公爵の好むところではない。だが、事がトキオのこととなれば話は別。いかなる手段を使おうとも、今アマヤ イオバルディを失う訳にはいかない。

「フィオナ、フランを連れて御父上の下へ向かえ。安全が保障されるまで・・」

「お断りします!」

 一歩間違えば戦争にも発展しかねない現状。妻と娘だけでも安全を確保しようとしたブロイ公爵の言葉は、言い終わる前に夫人によって却下された。

「私もフランもブロイ公爵家の一員です!ましてや、事はトキオ先生が関わる問題!大恩あるトキオ先生の危機に背を向け、自分達だけが安全な場所に身を隠すなど到底受け入れられません。公爵家の妻を舐めないでください、私も戦います!」

「戦うと言っても・・・」

「勿論、私に剣を取って戦う力はありません。ですが、私には口とペンがあります。私が何年公爵家の妻をやっていると思っているのですか。いざとなれば国中の貴族の奥方に揺さぶりをかけることも、やぶさかではありません!」

 夫人の言葉にブロイ公爵家の男性陣はゾッとする。公爵家より身分の低い貴族からすれば、そんなことをされてはたまらない。やり方は卑劣極まりないが、効果は絶大だ。

「フフフッ、流石は公爵夫人、肝の据わり方が男性陣にも引けを取りませんね。本当に敵に回してはいけない方が誰なのか、大変勉強になりました」

「いえ、いえ、こちらこそ。イオバルディ学長のお覚悟、同じ女性として心より尊敬いたします。流石は女性というハンデを乗り越え、国の教育機関トップに立たれるお方ですわ」

「「フフフッ」」

 ここにまた、一つの友情が芽生える。男たちの背中に冷たい汗が流れていることなど、二人はまったく気付いていない。




 一時間ほどで準備が整ったとの知らせを受けると、アマヤ イオバルディは直ぐに席を立った。

「それでは、わたくしは王都向かいます」

「頼みますぞ、イオバルディ学長。私もすぐに向かいます、王都で会いましょう」

「ええ、お任せください」

 出発に際しブロイ公爵と短い会話を交わすと、アマヤ イオバルディの視線はオリバー男爵へ。言葉は無い。だが、互いの視線がぶつかると、二人は強く頷く。


 トキオが反省室で自身を見つめ直している間、既に貴族の戦いは始まっていた。
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