水色と恋

和栗

文字の大きさ
42 / 114

※2人

しおりを挟む



「来年は絶対出るから」
夜中の道を2人で歩いていると、真喜雄がポツリと呟いた。
予選では結局負けてしまったので、初詣に行く最中だ。
「うん。楽しみにしてるよ」
予選で負けたとき、真喜雄は泣かなかった。スタンドにいる観客たちに深々と頭を下げ、帰りはみんなとバスで帰ってきた。僕はバスと電車を乗り継いで家に帰り、真喜雄からの連絡をひたすら待っていた。
2週間ほど連絡はなく、お昼も自然と教室で過ごし、冬休みになった。僕からした連絡は、ゆっくり過ごしてから会おうと、それだけしか送れなかった。うん、ごめん。と短い返事が来て、しばらくそっとしていた。
数日が過ぎて、突然、初詣に行こうという連絡がきて、今に至る。
横顔を見ると、しっかりと前を見ていた。凛々しく、かっこよかった。
「・・・真喜雄、かっこよかったよ」
「・・・ん」
「・・・今年はもっともっと長く、試合してる姿が見たいよ」
「・・・んっ、」
街灯に照らされて、ポツリと涙が落ちた。正面に周り込んで目元を拭う。熱い涙だった。冷えた僕の指を温める。
鼻をすすり目元を擦ると、よし、と小さく気合を入れて、突然僕の手を握りポケットに突っ込んだ。
「わ、ちょっと」
「暗いから、大丈夫だろ」
「うん、まぁ・・・」
「人が来たら離すから。透吾、おれ来年最後だから、頑張るから、そばにいてくれ」
「もちろんだよ」
「・・・透吾にだけ言っとく。もう、サッカー辞めるんだ」
驚いて声を失う。足も止まり、体の血の気が一気に引いた気がした。心臓が痛い。手を強く握られ、目線だけで周りを確認すると、抱き寄せられた。
「・・・まさかそんな顔するとは思わなかった。ごめん」
「・・・あ、いや、・・・君が、決めたことなら・・・」
「透吾に勉強を教わったときに、人に教えるっていいなと思った。知識が豊富で、人のためになるんだって思ったんだ。おれはサッカーのことしかないから、だから、サッカー、教えたいって思ったんだ」
「・・・じゃぁ、本格的に辞めるんじゃないんだね、君は、教える側に回るんだね?」
「そうしたい。クラブチームとか、ボランティアとかで、教えたい。大学からスカウトも来てもらったけど、断ろうかと思ってる」
ひどく勿体無い話だと思った。そんなありがたい話、もう2度とないだろう。
空いている手を伸ばし、ぎゅっと腰を抱く。もっと、彼がサッカーをしている姿が見たかった。
「・・・あの、こんなこと僕が言うの、とてもおこがましいのだけど」
「ん?何?」
「大学でもサッカーをやって、それで、教え方を身につけて、からに、したらどうかな。これからの子供達に、サッカーをする環境はたくさんあるんだって、教えてあげたらきっと、夢が広がると思う・・・」
僕の欲がダダ漏れの提案だった。悪く思われるだろうか。
でも正直な話、本当に勿体無い気がしたのだ。スカウトになれば大学受験も免除されるかもしれないし、何より、彼の技術が認められていることが、僕にとって誇らしかったのだ。
欲をぶつけてしまって恥ずかしくて、顔を胸に押し付ける。顔を見られたくなかった。自分でもどんな表情をしているのか分からなかったから。
突然真喜雄の腕の力が強くなった。体を縮こませると、耳に唇が触れた。息がかかり、背中が震える。
「透吾、それ、すごくいいな」
「ちょっ、耳は、」
「うん。それ、いい。透吾はやっぱりすごい。おれもそんな風にいろんな提案ができるようになりたい」
「わ、わ、」
「もう一度考えてみる。透吾に話してよかった」
「耳はもう、やめて、」
「じゃぁ、後でな」
顔も体も熱くなる。体を離すと、真喜雄の笑顔が見えた。久しぶりの表情。ほっと胸が落ち着いた。
神社に近づくにつれて人が多くなってきて、自然と僕達の手も離れた。
参拝者の列に並ぶ。ここは僕の家から割と近いところにある神社だった。見かけたことがある程度の場所。ここを選んだ理由は1つだ。同級生がいなさそうだから。
「透吾、甘酒がある」
「そうだね」
「お好み焼きもあるぞ」
「うん」
「唐揚げ食べよう。わたあめもある。りんご飴も」
「君、今さっき蕎麦食べてきたんじゃないの?その前に晩御飯も食べて、さらに間食とかしたんじゃないの?」
「食べたけど」
「その細い体のどこに入るんだ」
「だって腹減る」
「・・・分かったよ、終わったらね」
「うん」
表情は変わらないが嬉しそうに頷いた。楽しそうに、食べたいという姿を拒否できる術を、誰かに教わりたい。
お参りをして列から外れて出店の方へと足を向けると、隣にいた真喜雄がバランスを崩した。慌てて顔を向けると、後ろを見て、あぁ、と気の抜けた声で何かに返事をしていた。
「やっぱり、なっちゃんだった。追いかけてきたんだ」
なっちゃん??
見てみると、クリーム色の髪の毛の男子が立っていた。
目はグレーで、クリクリとして印象的だった。身長は僕と同じくらいだが、足が長かった。
どこかで見たことがある気がしたが、思い出せない。
真喜雄のダウンの裾を掴んだまま、ぐるっと顔をこちらに向けた。
「あ、水出くんだ」
ギョッとしてしまう。なぜ僕のことを知ってるんだ。微笑まれた。女の子みたいな笑顔。
「1人なのか?」
「まさか。ちゃんとよっちゃんと一緒」
「・・・あ、ごめん。水出、こいつは皇。皇アデルバート」
「すめらぎ、あでるばーと・・・??」
「え?1年の時同じクラスだったじゃない。覚えてないの?」
「・・・名前までは、ちょっと、」
「えぇっ。僕結構目立つのに、水出くんてぼんやりしてるんだね」
否定はしないが腹が立つ。
視線を真喜雄に移すと、きょろきょろして何かを探しているようだった。
「なっちゃん元気になってよかったよ。よっちゃんもだいぶ復活してきたんだ」
「・・・そうか」
「ところで2人って仲良いの?」
「「・・・普通」」
声が重なった。
お互いに気を遣い合ってるのが手に取るように分かる。皇くんはキョトンとすると、そうなんだと笑った。
「アデル、お前いきなりいなくなるなよ」
突然視界に入ってきたのは、大きな男子だった。真喜雄よりも大きいのだ。
僕や皇くんが小さく見える。
眉を寄せた、険しい顔をした人だった。顔立ちは爽やかだからきっとすごくモテるだろう。
真喜雄とはまた違った感じだ。
やっぱりこの人も見たことがあった。学校が同じなのは理解できる。でも、同じクラスだった記憶はない。
「成瀬、久しぶり。・・・隣は誰だ?」
無礼者だな。無視すると、皇くんが、水出くんだよーとのんびり答えた。
「久しぶり・・・。水出、こっちは・・・良人だ」
「今苗字忘れたんだろ、お前」
「よっちゃんの苗字、覚えられないもん。勘解由小路良人っていうんだ」
か、かでのこうじ、よしと・・・。すごい名前だ。漫画みたいな名前だ。
皇も中々だけど。
「僕は今サッカー部のマネージャーで、元々小学生の時になっちゃんとよっちゃんとサッカーしてたんだよ」
「・・・それで、高校も同じとこに・・・。アデルと良人は、小さい頃からの幼馴染なんだ」
アデルと、良人、ね。
まぁ、小さな頃からの知り合いだからそりゃ、仲はいいだろう。
だけど、部活の仲間でも頑なに下の名前で呼ばない彼が、この2人は下の名前で呼び捨てなのだ。なんだかいい気分ではなかった。
醜い嫉妬だとは分かっているが、止められない。
ポーカーフェイスが得意でよかった。
「あ、ねぇ!4人でどっか行こうよ。せっかく会ったんだし」
皇くんからとんでもない提案が出た。
断ろうかと思ったが、真喜雄の友達なのだ。空気が悪くなったら申し訳ないと思い真喜雄の返事を待とうとした時、勘解由小路くんが思い切り顔をしかめた。
「嫌だよ。帰る」
「えー。よっちゃん空気読めよー」
「読めてないのはお前だ、バカアデル。成瀬見てみろ。もう限界なんだよ」
「ん、ちょっと眠い」
「えー、そっかぁ。じゃぁまた今度4人で遊ぼう。しばらく部活も休みだし、ね!水出っち!」
衝撃的な呼ばれ方に体が固まる。
反応できないでいると、勘解由小路くんが皇くんを引っ張っていった。
ぼんやりしていると、とんと背中を押されて歩き出す。
真喜雄は被っていたニット帽を外すと、僕に被せた。
「わ、」
「耳が真っ赤だから、被ってて」
「あー・・・ありがとう」
神社から出てまた暗い道に戻る。出店は行かなくてよかったのだろうか。
言葉もなく歩いていると、真喜雄は公園へ入っていった。遠くの方ではしゃぐ声が聞こえる。ベンチに座る前に自販機でココアを買い手渡せば、鼻を赤くして受け取ってくれた。
「・・・あの、さ、あの2人・・・」
「うん」
「・・・良人の方は、ちょっと家庭が複雑で、苗字が何度か変わってるんだ」
「え?あぁ、そうなの」
「だから、覚えられなくて・・・やっと定まったと思ったら、かで、の、こうじ・・・?だし、呼びづらくて・・・。アデルも呼びづらいから、アデルって、呼んでる」
やっぱり気づいたか。恥ずかしくて適当な返事になってしまう。
気にさせないように、小さく耳を引っ張る。
「君さ、それ嘘でしょ。呼ぶ呼ばないの前に、覚える気なかったんでしょ」
「や、だって、難しいし、」
慌てたように、真喜雄は僕に寄りかかった。
結構図星だったようだ。
確かに彼らの名前は呼びづらいから、仕方ないことだ。
「あの2人は幼馴染なんだね」
「・・・確か、アデルのお父さんとお母さんと、良人のおじさんが同級生で・・・あとは知らない」
「本当に他人に興味ないよね」
「透吾に言われたくない」
しばらくそのベンチで、2人で話をした。勘解由小路くんはキーパーで、1年生の頃からレギュラーになったもう1人のチームメイトなのだという。皇くんはサポート役が好きなことに気づいて中学の頃からマネージャーに転身したらしい。みんなで遊びでやるときは参加するようだ。割と仲のいい人達らしく、表情は変わらなくとも真喜雄は楽しそうだった。
すっかり話し込んでしまい、空が明るくなってきた。もう眠いかなと様子を伺うと、うとうとしていた。ふっと目を閉じ、僕に体を預けて寝息をたて始める。体が冷えてしまう。慌てて起こすと、不機嫌そうに眉を寄せた。
「真喜雄、寝るなら僕の家に行こう」
「んんっ・・・いや、帰らん」
「僕の部屋だよ」
「・・・透吾といる」
「僕の部屋で僕といよう」
やっと話が通じたのか、真喜雄はのろのろ立ち上がった。腕を引っ張ってなんとか家まで戻り、部屋に押し込む。
友達を連れてきたことに驚いたのか、両親はギョッとしていたが、すぐにお茶だのなんだのと騒ぎ始めて忙しなく準備を始めた。僕が友達を連れてきたのは初めてなのである。
年の離れた弟は興味津々で僕にまとわりついたが、押しのけてお茶を持って部屋に入った。
力尽きた真喜雄がホットカーペットの上で倒れていた。流石に脱力した体を持ち上げる力はないので、コートを脱がせてハンガーにかけ、長座布団の上に体を転がして毛布をかける。
規則正しく寝息を立てる頰を撫でると、少し身じろいだ。
こうやって家に呼べる余裕ができたことに、少し嬉しく思ったり、寂しく思ったり。本来であれば試合をして、テレビ中継されるはずだったのだ。
短い髪をといてやり、左側だけにある前髪を避けて目元にキスを落とす。
もしかしたら、試合に負けてからちゃんと眠れていなかったのかもしれない。後悔と、悔しさと、悲しさで苦しんでいたのかもしれない。今はそっとしておこうと、机に向かい、宿題と予習に集中した。


***************


昼ごろ、両親と弟が出かけた。隣町の祖母の家に行くと言っていた。きっとおもちゃを買ってもらうのだろう。送り出し、部屋に戻ると、真喜雄がキョトンとして座っていた。
「おはよう」
「・・・おはよ、・・・ここ透吾の部屋?」
「うん」
「・・・模様替えしたの?大人みたいな部屋だな」
感想がおかしくて笑ってしまう。
ベッドに腰掛けると、目をこすりながら隣に移動してきた。
「ごめん、家族の人に挨拶してない。今日は、いるよな?」
「大丈夫。早く寝かせてやれって言われたし、今は出かけた。夜まで帰ってこない」
「そか・・・」
「寝てていいよ」
「大丈夫。ありがとう」
いきなり肩を掴まれて、押し倒された。
ベッドが大きくバウンドする。真喜雄が覆いかぶさってきて、首筋に鼻を押し付けた。
「透吾、いい匂いする」
「突然すぎるよ。びっくりした」
「もっと近づきたかった」
「僕もだけどさ」
「・・・試合、負けて、虚しくてさ」
「え?うん・・・」
「イメトレとかしてて・・・途中で透吾のこと考え始めて、1人でして・・・近くに行きたいなーって思ってたんだ、ずっと」
「・・・連絡くれたらよかったのに。僕からは出来なかったよ」
「んー・・・利用してるみたいで、嫌だった」
「・・・そう」
「・・・今は違う。その、ほったらかしにして、ごめんな」
「・・・うん」
「・・・触ってもいいか?」
「僕もいい?」
服を脱がし合い、くしゃくしゃになったままベッドの下に投げる。
真喜雄の焼けた肌はやっぱり綺麗だった。硬くて大きな手が全身をくまなく撫でると、今度は唇を押し付けてきた。敏感なところには触れずに、でも全身に、キスを落とす。ひっくり返された時にはすでに息が上がってしまった。
肩に唇が触れる。
「うっ・・・こんなこと、どこで覚えて来たんだ」
「え、嫌だったか?反応してるけど」
「後で僕にもやらせてくれ。不公平だ」
「・・・今日、おれ、透吾にいっぱいしたいんだけど」
「ずるいぞ」
そんな顔で言われたら、拒否できない。
大人しく背中を向けていると、また唇が押し付けられた。尻を撫でながらするすると下っていく。
時折甘噛みされたり、舐められたり、堪えるので精一杯で必死にシーツを掴んだ。
足の指まで唇を押し付け終わると、突然尻をそっと割った。慌てて上半身を起こすと、そっとあてがわれた。
「真喜雄、」
「違う違う。挿れない。ただ、その・・・挟んだら気持ちいいかなって・・・これ使ってもいいか?」
枕元にあったハンドクリームを差し出される。頷くと、たっぷりと手に取り、ペニスに塗り込んだ。腰を高く持ち上げられ、また挟まれる。
ぬるぬると、スライドした。クリームでベタベタになった手で僕のペニスを包む。
「う、んっ!」
「透吾、すごく気持ちいい」
「うぅっ、んっ!」
「・・・透吾のここ、ピンク色なんだな・・・可愛い」
自分でも見たことのない箇所。カッと全身が熱くなる。顔だけ振り返ると、真喜雄の興奮した顔が見えた。目が合い、くしゃくしゃと頭を撫でられた。
「大人になって、透吾のこともっと気持ちよくできるようになったら、入ってもいいかな・・・」
「ぅんっ・・・僕も、真喜雄に・・・」
「うん。2人でしよう」
手を握る。真喜雄のペニスが足の間に入ってきた。ぎゅっと締める。2つのペニスが重なった。たまらない気持ちになって、僕の右手を添える。
「ん、くっ・・・!透吾、これ、気持ちいい。すごくいい、」
「僕も、真喜雄のが、ここで動いてるのがすごく、いい」
「透吾、擦って。おれもするから」
腰に手が添えられ、激しく前後に揺さぶられた。繋いだ手に力が入る。
陰嚢に擦れる真喜雄のペニスが気持ちよかった。熱くてとろけそうだ。カウパーがとめどなく溢れ出して、手の動きがスムーズになる。2つのペニスは悦びで泣いているかのように、ビショビショだった。
「はぁっ、うんっ、んっ、んっ!」
「透吾、おれ、動き方、合ってるかな・・・ん、」
「分からない、あっ!あぁっ、気持ちいいっ!」
「おれも、いい・・・!透吾、あっ、」
「まき、あっ、あ゛っ!もう、もう、」
「イって、透吾・・・」
ガブ、と肩を噛まれた。喉の奥から声が出て、勢いよく射精した。ガクガクと体が震えているが、真喜雄の動きは止まらず、繋いだ手を離して腰に添え、さらに打ち付けた。
「待って!待って!いまいっ、あっ!あぁっ!」
「透吾、手、離すな・・・!んあっ、!はぁ、気持ちい、っ!」
「ひっ!ひぅっ!あー!あーっ、!」
「あ、イく、透吾っ、」
腰を抜かれ、ぐいっと腕を引っ張り起こされた。壁に押し付けられ、痛みに目を閉じる。目の前からくちゃくちゃと水音が聞こえたと思ったら、熱く、粘り気のあるものが顔にかかった。
真喜雄の、乱れた呼吸が大きく聞こえた。目を開けると、膝立ちになってペニスを支える姿があった。指先で拭うと、精液がべたりとついている。
力をなくした真喜雄のペニスがだらりと下がり、それをそっと撫でると、また天井を指した。
「透吾・・・可愛い、ごめん、なんか、おれ、」
「・・・いいよ。びっくりしたけど・・・」
「ごめん、乱暴にするつもりなかったのに・・・」
「乱暴じゃないよ。気持ちよかったんでしょ?僕にかけたかったんでしょ?」
「うん・・・」
「今度僕もかけるからね」
「うん」
ぐっと引っ張られ、膝の上に乗せられる。
少し戸惑ったが、顔を寄せると唇が重なった。唇を何度も舐められた。そっと口を開けると、舌が滑り込んでくる。くっと後頭部を押さえられ、逃げようとすると力が込められた。
熱いため息が唇の隙間から漏れていく。その度に隙間がなくなるように塞がれた。歯を撫でられ、舌を甘噛みされ、強く吸われた。ぞわりと腰が震えた。首に腕を回して、ペニスを擦り付ける。ぐっと腰を寄せられた。胸がくっつく。
「んぁっ、・・・ぷ、」
「とぉご、ひもひぃ?」
「ぅん・・・」
「おれも」
「ぅあっ、」
優しく握られた。秘部に指があてがわれる。ペニスをしごくスピードに合わせて、擦られる。
「んぁっ!あぁっ、くすぐったい、真喜雄っ!」
「透吾、可愛いっ。可愛いっ、おれのも、しごいて・・・」
辛そうな顔でねだられて、嫌だと言える人間はいるのだろうか。手を添えて激しくしごくと、カクカクと2人で腰を動かす。
「イきそ、透吾・・・好き、」
「真喜雄、僕も、イくっ、また、」
「あ゛っ、」
「ん゛ぁっ!」
ブルブルと体を震わせ、2人で達した。
汗と精液でベトベトになった体をくっつけたまま、ベッドに倒れこむ。覆いかぶさってまた唇を塞がれた。今度は触れるだけのキスを、何度も何度も繰り返した。


***************



「本当に、ごめん」
「大丈夫だよ。母さんも弟も喜んでたし」
結局疲れて、あの後は眠ってしまった。起きて慌ててシャワーを浴びて部屋で身なりを整えていると家族が帰ってきた。
真喜雄を見て喜んだ母さんがおせちを並べ、サッカーに興味津々だった弟は真喜雄のそばから離れず質問攻め。父さんは疲れて眠ってしまった。
「あんなに小さい弟が居たんだな」
「うん。話したことなかったね。真喜雄はお姉さんだっけ」
「あと、兄貴がいる。今社会人」
「末っ子なの」
「うん。透吾は一人っ子だと思ってた」
「僕だって、7年前までそう思ってたよ」
顔を見合わせて笑う。
手を握り、澄んだ寒さの中歩いていく。
「楽しかった。ありがとう」
「ん。またね」
「・・・あのさ、」
「ん?」
「明日も、会わないか・・・?」
「え、君、サッカー部の人とかは、」
「透吾といたい」
強く求められて、胸が締まる。うん、と頷くと、嬉しそうに笑ってくれた。手を離し、また明日、と声を重ね、ランニングするように駆け出した真喜雄の背中を見送る。明日は何をしよう。楽しいことがいい。なんたって、久々の2人きりを堪能できるのだから。








しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

先生と俺

春夏
BL
【完結しました】 【エールいただきました。ありがとうございます】 ある夏の朝に出会った2人の想いの行方は。 二度と会えないと諦めていた2人が再会して…。 Rには※つけます(7章)。

はじまりの朝

さくら乃
BL
子どもの頃は仲が良かった幼なじみ。 ある出来事をきっかけに離れてしまう。 中学は別の学校へ、そして、高校で再会するが、あの頃の彼とはいろいろ違いすぎて……。 これから始まる恋物語の、それは、“はじまりの朝”。 ✳『番外編〜はじまりの裏側で』  『はじまりの朝』はナナ目線。しかし、その裏側では他キャラもいろいろ思っているはず。そんな彼ら目線のエピソード。

サラリーマン二人、酔いどれ同伴

BL
久しぶりの飲み会! 楽しむ佐万里(さまり)は後輩の迅蛇(じんだ)と翌朝ベッドの上で出会う。 「……え、やった?」 「やりましたね」 「あれ、俺は受け?攻め?」 「受けでしたね」 絶望する佐万里! しかし今週末も仕事終わりには飲み会だ! こうして佐万里は同じ過ちを繰り返すのだった……。

マネージャー~お前を甲子園に連れて行ったら……野球部のエース♥マネージャー

夏目碧央
BL
 強豪校の野球部に入った相沢瀬那は、ベンチ入りを目指し、とにかくガッツを認めてもらおうと、グランド整備やボール磨きを頑張った。しかし、その結果は「マネージャーにならないか?」という監督からの言葉。瀬那は葛藤の末、マネージャーに転身する。  一方、才能溢れるピッチャーの戸田遼悠。瀬那は遼悠の才能を羨ましく思っていたが、マネージャーとして関わる内に、遼悠が文字通り血のにじむような努力をしている事を知る。

ある少年の体調不良について

雨水林檎
BL
皆に好かれるいつもにこやかな少年新島陽(にいじまはる)と幼馴染で親友の薬師寺優巳(やくしじまさみ)。高校に入学してしばらく陽は風邪をひいたことをきっかけにひどく体調を崩して行く……。 BLもしくはブロマンス小説。 体調不良描写があります。

坂木兄弟が家にやってきました。

風見鶏ーKazamidoriー
BL
父子家庭のマイホームに暮らす|鷹野《たかの》|楓《かえで》は家事をこなす高校生。ある日、父の再婚話が持ちあがり相手の家族とひとつ屋根のしたで生活することに、再婚相手には年の近い息子たちがいた。 ふてぶてしい兄弟に楓は手を焼きながら、しだいに惹かれていく。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

すずらん通り商店街の日常 〜悠介と柊一郎〜

ドラマチカ
BL
恋愛に疲れ果てた自称社畜でイケメンの犬飼柊一郎が、ある時ふと見つけた「すずらん通り商店街」の一角にある犬山古書店。そこに住む綺麗で賢い黒猫と、その家族である一見すると儚げ美形店主、犬山悠介。 恋に臆病な犬山悠介と、初めて恋をした犬飼柊一郎の物語。 ※猫と話せる店主等、特殊設定あり

処理中です...