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1章
36
『その日世界は、俺たちの敵となった』
教会正面の扉を出た先は、想像を絶するものだった。
そこには、俺たちが生きて愛した……あの美しい王都アトランティウムの姿は何処にもなかったのだから。
閉じられた門の向こうには、まるでゾンビ映画かのように、かつてヒトだったのであろう生き物達が押し寄せている。
「突破するしかねぇか」
先頭に立っていたギルバートとアレフが、光り輝く槍と黒龍巻き付く大剣を構える。
「とりあえずここは私たちで抑えよう。残りの者は間を掻い潜って先に行け。……もしかしたらもう……アトランティムはダメかもしれないな」
俺の心に、どうしようも無い不安が過ぎる。
――アトランティウムはダメかもしれない。
ならばこの先、俺たちはどうなってしまうのだろうか。
『先生! お茶淹れましたよー』
『アオさーん! ちょっと診てくれよ!』
あの穏やかで優しい時間を……もう取り戻す事は出来ないのだろうか。
人とは思えない叫び声が耳に入る度、不安と恐怖が身体中を蝕み、俺はぎゅっと目を閉じる。
「俺の、所為で……」
そんな弱った心を、手から伝わる熱が勇気づけてくれる。
「大丈夫だ、今は何も考えるな。余計な事は考えず、アオはただ俺に着いてくればいい」
耳元で囁かれたそんな言葉に、俺は何度も「うん、うん」と頷いた。
「もう間もなく、防護壁が破られます。……皆、準備はいいですか」
キーファのいつに無い真面目な様子に、その場の全員が息を飲み、そして静かに頷いた。
「……よし、行くぞォ!!」
イーサンの威勢の良い声を合図に、ギルバートとアレフが外へと飛び出していく。
「こっちだ、アオ」
2人が切り開いた道に、4人は飛び込む。イーサンが片手で剣を振るい、襲いかかるアンデッドを蹴散らしながら前へと進む。
「おい、イーサン! ……間違いない、もう此処はダメだ。外へ逃げるぞ」
少し離れた場所から、アレフの大きな声が響く。
「とりあえずここは俺らに任せて行け! ……聖域だ、ミアランジェで落ち合うぞ!! 全員……何がなんでも生き延びろよ」
続けて聞こえて来たギルバートの言葉に、イーサンも相応の声で返事を返す。
しばらく走り続けていると、大きな通りに出た。ここは先日、ライザ王子の生誕パレードが行われていた場所。
――あの時はキラキラとしていたのに。
壊された店の看板があちらこちらに散らばり、道端に咲き誇っていた白い花々は踏み躙られてしまっている。
もう……あの頃の見る影もない。
向かいから『グァァァ……』と唸り声が聞こえる。
「正面から来ます、キーファ!!」
「はいっす。準備出来てます……よっ、と」
尚も行き手を阻む狂信者を、大地より這い出づる大樹の根がその足を止める。そいつらを踏み台に、飛び越えてくるアンデッドの騎士達は、赤黒い閃光が瞬く間に切り刻んでいった。
「此処は俺達が……逃げてください、早く!!」
ジェイスのその言葉に、それ迄真っ直ぐ走っていた俺の腕が右に大きく引っ張られる。
「命令だ。お前ら、必ず生きろ!!」
イーサンの叫び声を最後に路地へと入り、ついに2人の姿は見えなくなってしまった。
「団長達も、気を付けてくださいっすよー」
そんなキーファの明るい声が聞こえた気がして、空いた手をぎゅっと胸の前で握った。
――皆、どうか……どうか無事で逃げ延びてくれ。
割れた街灯の破片が散らばる道を、腕を引かれどれだけ走っただろうか。
足は縺れ、息は絶え絶えになるが、走るのを止める訳にはいかない。何よりイーサンは、俺を片手で庇いながら次々と襲い来る奴らを薙ぎ払っている。これ以上彼の足を引っ張るなんて出来ない。
『知らない、こんな展開。ゲームには無かった』
俺の心にそんな言葉が過ぎる。
国を追われるような展開なんて……あるはずがない。
先程から膝が笑っている。
それでも、大きな背中を必死に追い掛けた。
『いや、もう此処は……ゲームとは別世界になってしまったんだ。……転生者たちの存在によって』
俺は転生者だ。
そして恐らくフタバ……アークも転生者なのは間違いない。2人の存在によって、この世界は大きく変わってしまったのか。
余計な事を考えていたせいか、割れたレンガに足が取られる。
――正直、もう足も息も限界に近付いていた。
傾く身体を、漆黒のロングコートを翻した男が抱き留めた。
「大丈夫か、アオ。悪い……無理させてるな」
「んな、こと……っは、ふ……大丈夫だから、俺こそ……足でまといでごめん……」
「そんな言い方するな。足でまといなんかであるものか」
「……うん、ごめん。ありがとう……イーサン」
そのまま強く抱き締められた2人の影は、まるで元より1つのもののようだった。
「安心しろ。何があっても、お前のことは必ず護る。……お前さえ居れば、俺は……」
応えるように、背中へと回した腕に力を込める。
「イーサン……」
眼前には、漆黒に彩られた夜空が広がっている。それでもこの温もりだけは手放すまいと、身体の全てで彼を抱き締める。
「……アオ、いいか。俺の後ろから離れるな、絶対だ」
何かに気が付いたイーサンが後ろ手に俺を庇い、正面に剣を向ける。今俺たちが立っている場所は袋小路になっていたようで、いつの間にか周りをアンデッド達が囲んでいた。
「かかって来いよ、バケモン共がァ……!!」
一斉に飛びかかってくる敵たちを、青い軌跡が横に描かれ、それらを一気にふたつの塊へと変えていく。
だが尚も後ろから襲ってくる敵の数は無尽蔵。
キリがない。イーサンだって、かなり消耗しているはず。なにか……何か手が無いか。
その時、腕にキラッと光る物が嵌って居ることに気が付いた。
それはアークが欲しがっていた、例の腕輪。どさくさ紛れでいつの間にか腕に嵌めていたのか。
「……確かキーファが、これはソーサラーの魔具だって言っていた。これで召喚術を行えば、空から逃げる事だって出来るかもしれない」
思い付いたとばかりに一瞬明るくなった表情は、次の瞬間再び暗いものへと変わった。
「……だめだ、魔導書……教会に置いてきたままだ……」
レオンに腕輪を奪われた時、一緒に腰へ携えていた魔導書は床へ落としたままにしてしまっていた。
「ピッ、ピッ」
「ん? ピーちゃん?」
それまで静かに、俺の背中に張り付いていたピーちゃんの手が、腕輪をペチペチと叩く。
「これを……?」
「ピ、ピピッ!」
ピーちゃんは次に、自分の頭をさわさわと撫でる動きをして見せた。
「頭を撫でろって事……?」
言われるがまま、ピーちゃんの頭を撫でる。すると突然その白いモフっとした体が、目を開けられない程の光に包まれた。
「う、そ……! え、ピー、ちゃん……?」
「なんだ、アオ。何が……」
強い光に、イーサンが気が付かない筈もない。
彼が振り向いた先にあったのは、呆然と立ち尽くす俺と、見た事も無いほど大きな、そして神々しい光を放つ純白の大鳥が……そこに君臨していた。
「イー、サン……あの、ピーちゃんが……」
目を白黒させてる俺の身体をイーサンは急いで横に抱くと、瞬く間にその鳥の背に乗り込んだ。
「やるな、トリ。いいぞ、そのまま飛んで……アトランティウムから脱出しろ」
「キィィィィ!!」
高らかに咆哮を上げたピーちゃんは、暗い空へと羽ばたき始めた。
>>>
眼下のアトランティウムはもう、目視が出来ないほどに小さくなってしまった。
ピーちゃんは一気に雲間を抜け、上へ上へと飛び続る。
雲の上は、それはそれは綺麗な星空が広がっている。
今はそれを、イーサンの胸にもたれ掛かりながらゆっくりと眺めていた。
「やっと落ち着いたな」
後ろから覆われた彼の体温は、他のどんなものよりも心の安寧を俺に与えてくれる。
「うん、……良かった。皆、無事かな」
「大丈夫だろ。なんせ殺したって死なない奴らだからな」
「た、確かにそう言われると」
優しく頭を撫でる彼の手の動きで身体から、一気に力が抜ける。
――色々考えなければならない事が山積みではある。
フタバのこと。
転生者のこと。
腕輪のこと。
アークとレオンのこと。
――「結城」
最後にアークはそう言った。
前世の俺の名前は結城蒼生。
どうして、奴がその名を知っている。
……まさか? ……いやでもそれ以外有り得ない。
どんな確率なんだよ。
転生者同士が、前世で知り合い……だなんて。
頭が痛い。色んな事が一遍に起きすぎた。今はもう……思考が上手く働きそうにない。
「……愛してる、アオ」
「ど、どうしたの急に……」
突然耳に掛けられた甘い声に、俺は少し恥ずかしそうに彼の方へと頭を向ける。
「また色々悩んでいるんだろ? ……今は何も考えなくていい。俺に愛されている事だけ考えていろ」
「イーサン……」
イーサンこそ、途轍も無く疲れて……仲間とは散り散りになって不安があるだろうに。
本当に優しすぎるよ。
「大丈夫だ、俺が付いてるから、安心しろ」
「うん、……あのね、正直不安はある。だけどイーサンが一緒だから平気だよ。……俺はイーサンが居れば、充分だから」
いつの間にか俺は、自分の気持ちを素直に口にする事が出来るようになった。今までだったら「大丈夫だから」そんな上っ面の言葉で終わらせていただろう。……これも全部、彼を愛したからこそ出来るのだろうか。
「アオ……。あぁ、俺もだ。お前さえ居れば、何処に行っても構わない。例え違う国で生きる事になろうが、お前さえ俺の傍に居ればそれでいい」
「うん……愛してる、イーサン」
首を後ろに傾け、彼と口付けを交わしながら俺は改めて心に誓った。
――例え全世界が敵になったとしても、生きる場所が奪われたとしても……俺は貴方を、愛し続ける――
教会正面の扉を出た先は、想像を絶するものだった。
そこには、俺たちが生きて愛した……あの美しい王都アトランティウムの姿は何処にもなかったのだから。
閉じられた門の向こうには、まるでゾンビ映画かのように、かつてヒトだったのであろう生き物達が押し寄せている。
「突破するしかねぇか」
先頭に立っていたギルバートとアレフが、光り輝く槍と黒龍巻き付く大剣を構える。
「とりあえずここは私たちで抑えよう。残りの者は間を掻い潜って先に行け。……もしかしたらもう……アトランティムはダメかもしれないな」
俺の心に、どうしようも無い不安が過ぎる。
――アトランティウムはダメかもしれない。
ならばこの先、俺たちはどうなってしまうのだろうか。
『先生! お茶淹れましたよー』
『アオさーん! ちょっと診てくれよ!』
あの穏やかで優しい時間を……もう取り戻す事は出来ないのだろうか。
人とは思えない叫び声が耳に入る度、不安と恐怖が身体中を蝕み、俺はぎゅっと目を閉じる。
「俺の、所為で……」
そんな弱った心を、手から伝わる熱が勇気づけてくれる。
「大丈夫だ、今は何も考えるな。余計な事は考えず、アオはただ俺に着いてくればいい」
耳元で囁かれたそんな言葉に、俺は何度も「うん、うん」と頷いた。
「もう間もなく、防護壁が破られます。……皆、準備はいいですか」
キーファのいつに無い真面目な様子に、その場の全員が息を飲み、そして静かに頷いた。
「……よし、行くぞォ!!」
イーサンの威勢の良い声を合図に、ギルバートとアレフが外へと飛び出していく。
「こっちだ、アオ」
2人が切り開いた道に、4人は飛び込む。イーサンが片手で剣を振るい、襲いかかるアンデッドを蹴散らしながら前へと進む。
「おい、イーサン! ……間違いない、もう此処はダメだ。外へ逃げるぞ」
少し離れた場所から、アレフの大きな声が響く。
「とりあえずここは俺らに任せて行け! ……聖域だ、ミアランジェで落ち合うぞ!! 全員……何がなんでも生き延びろよ」
続けて聞こえて来たギルバートの言葉に、イーサンも相応の声で返事を返す。
しばらく走り続けていると、大きな通りに出た。ここは先日、ライザ王子の生誕パレードが行われていた場所。
――あの時はキラキラとしていたのに。
壊された店の看板があちらこちらに散らばり、道端に咲き誇っていた白い花々は踏み躙られてしまっている。
もう……あの頃の見る影もない。
向かいから『グァァァ……』と唸り声が聞こえる。
「正面から来ます、キーファ!!」
「はいっす。準備出来てます……よっ、と」
尚も行き手を阻む狂信者を、大地より這い出づる大樹の根がその足を止める。そいつらを踏み台に、飛び越えてくるアンデッドの騎士達は、赤黒い閃光が瞬く間に切り刻んでいった。
「此処は俺達が……逃げてください、早く!!」
ジェイスのその言葉に、それ迄真っ直ぐ走っていた俺の腕が右に大きく引っ張られる。
「命令だ。お前ら、必ず生きろ!!」
イーサンの叫び声を最後に路地へと入り、ついに2人の姿は見えなくなってしまった。
「団長達も、気を付けてくださいっすよー」
そんなキーファの明るい声が聞こえた気がして、空いた手をぎゅっと胸の前で握った。
――皆、どうか……どうか無事で逃げ延びてくれ。
割れた街灯の破片が散らばる道を、腕を引かれどれだけ走っただろうか。
足は縺れ、息は絶え絶えになるが、走るのを止める訳にはいかない。何よりイーサンは、俺を片手で庇いながら次々と襲い来る奴らを薙ぎ払っている。これ以上彼の足を引っ張るなんて出来ない。
『知らない、こんな展開。ゲームには無かった』
俺の心にそんな言葉が過ぎる。
国を追われるような展開なんて……あるはずがない。
先程から膝が笑っている。
それでも、大きな背中を必死に追い掛けた。
『いや、もう此処は……ゲームとは別世界になってしまったんだ。……転生者たちの存在によって』
俺は転生者だ。
そして恐らくフタバ……アークも転生者なのは間違いない。2人の存在によって、この世界は大きく変わってしまったのか。
余計な事を考えていたせいか、割れたレンガに足が取られる。
――正直、もう足も息も限界に近付いていた。
傾く身体を、漆黒のロングコートを翻した男が抱き留めた。
「大丈夫か、アオ。悪い……無理させてるな」
「んな、こと……っは、ふ……大丈夫だから、俺こそ……足でまといでごめん……」
「そんな言い方するな。足でまといなんかであるものか」
「……うん、ごめん。ありがとう……イーサン」
そのまま強く抱き締められた2人の影は、まるで元より1つのもののようだった。
「安心しろ。何があっても、お前のことは必ず護る。……お前さえ居れば、俺は……」
応えるように、背中へと回した腕に力を込める。
「イーサン……」
眼前には、漆黒に彩られた夜空が広がっている。それでもこの温もりだけは手放すまいと、身体の全てで彼を抱き締める。
「……アオ、いいか。俺の後ろから離れるな、絶対だ」
何かに気が付いたイーサンが後ろ手に俺を庇い、正面に剣を向ける。今俺たちが立っている場所は袋小路になっていたようで、いつの間にか周りをアンデッド達が囲んでいた。
「かかって来いよ、バケモン共がァ……!!」
一斉に飛びかかってくる敵たちを、青い軌跡が横に描かれ、それらを一気にふたつの塊へと変えていく。
だが尚も後ろから襲ってくる敵の数は無尽蔵。
キリがない。イーサンだって、かなり消耗しているはず。なにか……何か手が無いか。
その時、腕にキラッと光る物が嵌って居ることに気が付いた。
それはアークが欲しがっていた、例の腕輪。どさくさ紛れでいつの間にか腕に嵌めていたのか。
「……確かキーファが、これはソーサラーの魔具だって言っていた。これで召喚術を行えば、空から逃げる事だって出来るかもしれない」
思い付いたとばかりに一瞬明るくなった表情は、次の瞬間再び暗いものへと変わった。
「……だめだ、魔導書……教会に置いてきたままだ……」
レオンに腕輪を奪われた時、一緒に腰へ携えていた魔導書は床へ落としたままにしてしまっていた。
「ピッ、ピッ」
「ん? ピーちゃん?」
それまで静かに、俺の背中に張り付いていたピーちゃんの手が、腕輪をペチペチと叩く。
「これを……?」
「ピ、ピピッ!」
ピーちゃんは次に、自分の頭をさわさわと撫でる動きをして見せた。
「頭を撫でろって事……?」
言われるがまま、ピーちゃんの頭を撫でる。すると突然その白いモフっとした体が、目を開けられない程の光に包まれた。
「う、そ……! え、ピー、ちゃん……?」
「なんだ、アオ。何が……」
強い光に、イーサンが気が付かない筈もない。
彼が振り向いた先にあったのは、呆然と立ち尽くす俺と、見た事も無いほど大きな、そして神々しい光を放つ純白の大鳥が……そこに君臨していた。
「イー、サン……あの、ピーちゃんが……」
目を白黒させてる俺の身体をイーサンは急いで横に抱くと、瞬く間にその鳥の背に乗り込んだ。
「やるな、トリ。いいぞ、そのまま飛んで……アトランティウムから脱出しろ」
「キィィィィ!!」
高らかに咆哮を上げたピーちゃんは、暗い空へと羽ばたき始めた。
>>>
眼下のアトランティウムはもう、目視が出来ないほどに小さくなってしまった。
ピーちゃんは一気に雲間を抜け、上へ上へと飛び続る。
雲の上は、それはそれは綺麗な星空が広がっている。
今はそれを、イーサンの胸にもたれ掛かりながらゆっくりと眺めていた。
「やっと落ち着いたな」
後ろから覆われた彼の体温は、他のどんなものよりも心の安寧を俺に与えてくれる。
「うん、……良かった。皆、無事かな」
「大丈夫だろ。なんせ殺したって死なない奴らだからな」
「た、確かにそう言われると」
優しく頭を撫でる彼の手の動きで身体から、一気に力が抜ける。
――色々考えなければならない事が山積みではある。
フタバのこと。
転生者のこと。
腕輪のこと。
アークとレオンのこと。
――「結城」
最後にアークはそう言った。
前世の俺の名前は結城蒼生。
どうして、奴がその名を知っている。
……まさか? ……いやでもそれ以外有り得ない。
どんな確率なんだよ。
転生者同士が、前世で知り合い……だなんて。
頭が痛い。色んな事が一遍に起きすぎた。今はもう……思考が上手く働きそうにない。
「……愛してる、アオ」
「ど、どうしたの急に……」
突然耳に掛けられた甘い声に、俺は少し恥ずかしそうに彼の方へと頭を向ける。
「また色々悩んでいるんだろ? ……今は何も考えなくていい。俺に愛されている事だけ考えていろ」
「イーサン……」
イーサンこそ、途轍も無く疲れて……仲間とは散り散りになって不安があるだろうに。
本当に優しすぎるよ。
「大丈夫だ、俺が付いてるから、安心しろ」
「うん、……あのね、正直不安はある。だけどイーサンが一緒だから平気だよ。……俺はイーサンが居れば、充分だから」
いつの間にか俺は、自分の気持ちを素直に口にする事が出来るようになった。今までだったら「大丈夫だから」そんな上っ面の言葉で終わらせていただろう。……これも全部、彼を愛したからこそ出来るのだろうか。
「アオ……。あぁ、俺もだ。お前さえ居れば、何処に行っても構わない。例え違う国で生きる事になろうが、お前さえ俺の傍に居ればそれでいい」
「うん……愛してる、イーサン」
首を後ろに傾け、彼と口付けを交わしながら俺は改めて心に誓った。
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