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性的嗜好
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クロードの帰宅後、夕食を済ませたわたくしは意を決してクロードに、言いました。
「今日は、湯浴みを一緒にいたしましょう。」
自分の顔が赤くなるのがわかりました。でもわたくしが今からしようとしていることは、こんなことで恥ずかしがっていては出来ないことなのです。
クロードは一瞬ぽかんとした顔になりましたが、頬を染めて嬉しそうに頷きました。
「ねえさ、…エリーからこんなことを言って貰えるなんて信じられません。お腹がかなり大きくなったので一緒に浴槽に入ることは遠慮をしていたのです。ねえさ、え、エリー、僕は嬉しいです。」
クロードはわたくしのことを『エリー』と呼ぶようになりました。メリッサや、皆さんの前で姉さま、と呼ぶのは不自然だからです。
「二人の時は姉さま、と呼んでも構いませんよ。では、入りましょうか。」
「はい。姉さま!」
クロードに服を脱がせてもらい浴室に入りました。手を取り、お湯の張った浴槽に入ろうとするクロードをわたくしは制しました。
「あのっ、クロード、わ、わたくし、お手洗いが、したく、なりましたわ。」
段々と声が小さくなってしまいました。
この言い方では、服を着せられてお手洗いに連れていかれる可能性があります。けれどわたくしとしてはこう言うのが精一杯でした。
クロードは常々、わたくしの小水を飲みたいと言っておりました。恥ずかしいのでずっと拒否しておりましたが、これをすれば男女の交わりを持ちたいと思えるほど、クロードがその気になってくれるかもしれないのです。
「…ねえ、さま。」
クロードの声が掠れています。
彼はわたくしの意図を正しく理解したようでした。
クロードは浴室の床に仰向けに寝て、わたくしに自身の顔の上に座るように言ってきました。
その体勢はかなり恥ずかしいです。でもわたくしが、一番安全な体勢がこれなのだと思います。
わたくしはおずおずと腰を下ろしました。クロードはその腰を掴み、わたくしが安定するように支えます。
「んっあっ。」
クロードの舌がわたくしの会わせ目を上下に往復しています。
その行為自体はいつもしてもらっていて慣れているはずなのですが、下から見られているかと思うといつもより感じてしまいます。
早く出してしまいましょう。
でないと何度も気をやってしまいそうです。
「んっ。」
けれど、緊張している為か全く小水が出てこないのです。
結局、ちょろっと小水が出たのはわたくしが何度も達した後でした。
クロードはそれを口で受け、ごくり、と喉を鳴らして飲み込みました。
二人の荒い息が浴室に響きます。
やがてクロードはわたくしを起き上がらせると、抱きついてきました。
「姉さまのものが、僕の体内を巡っていくのが、感じられるような気がします。」
そんなはずはありません。
でもクロードの嬉しそうな顔を見るとわたくしも達成感のようなものを感じます。
「ハァ。本当に、嬉しいです。これで、姉さまの体液8種類の内の7つを体内に収めることが出来たのです。」
「……。」
……メリッサ、性的嗜好というのは本当に人それぞれなのですね。
わたくしは、体液8種類とは何か、今回以外の6つはどうやって摂取したのか、そして後一つ残されているものは何なのか、聞くのはやめました。おそらくわたくしにとっては羞恥以外の何者でもないはずですので、忘れることにいたしましょう。
体を洗い、うがいをして歯も磨き、浴槽で温まりイチャイチャとした後、わたくしはベットに座らされました。
あそこまでしたのです。今日はきっと男女の交わりが出来るはずです。
でも何故か、クロードは自分はベットに上がって来ずに、その場に跪きました。
「姉さま、僕はこれから、もっともっと働きます。姉さまと子を必ず幸せにします。ですのでこれを受け取ってください。」
クロードの手のひらの上には金の指輪がありました。
「今日、やっと指輪の加工が出来上がったのです。姉さまと本当の夫婦になる前に渡したかったのです。」
そう言って微笑むクロードの顔は、いつもより大人びて見えました。
わたくしは溢れてくる涙を止められませんでした。
クロードはわたくしの左手を取ると、薬指にそれをはめました。
「ぴったりです。」
それはもとからわたくしの指にあったかのように馴染んでいます。
「わたくし、幸せですわ。」
クロードはわたくしを抱き締めてくれました。また少しクロードが逞しくなったように感じて、くすぐったいような暖かな気分になりました。……ですが、頭の端っこの方で少しだけ嘆いているわたくしもおりました。
こんな素敵なプロポーズをしてもらった日に、なんてことをしてしまったのでしょうか。よりによってあんな変態行為を……。と。
けれどクロードは嬉しそうに、
「初夜記念日とおしっこ記念日が同じ日になるなんて、夢みたいです。」
こう言ったので、良しとしました。
「今日は、湯浴みを一緒にいたしましょう。」
自分の顔が赤くなるのがわかりました。でもわたくしが今からしようとしていることは、こんなことで恥ずかしがっていては出来ないことなのです。
クロードは一瞬ぽかんとした顔になりましたが、頬を染めて嬉しそうに頷きました。
「ねえさ、…エリーからこんなことを言って貰えるなんて信じられません。お腹がかなり大きくなったので一緒に浴槽に入ることは遠慮をしていたのです。ねえさ、え、エリー、僕は嬉しいです。」
クロードはわたくしのことを『エリー』と呼ぶようになりました。メリッサや、皆さんの前で姉さま、と呼ぶのは不自然だからです。
「二人の時は姉さま、と呼んでも構いませんよ。では、入りましょうか。」
「はい。姉さま!」
クロードに服を脱がせてもらい浴室に入りました。手を取り、お湯の張った浴槽に入ろうとするクロードをわたくしは制しました。
「あのっ、クロード、わ、わたくし、お手洗いが、したく、なりましたわ。」
段々と声が小さくなってしまいました。
この言い方では、服を着せられてお手洗いに連れていかれる可能性があります。けれどわたくしとしてはこう言うのが精一杯でした。
クロードは常々、わたくしの小水を飲みたいと言っておりました。恥ずかしいのでずっと拒否しておりましたが、これをすれば男女の交わりを持ちたいと思えるほど、クロードがその気になってくれるかもしれないのです。
「…ねえ、さま。」
クロードの声が掠れています。
彼はわたくしの意図を正しく理解したようでした。
クロードは浴室の床に仰向けに寝て、わたくしに自身の顔の上に座るように言ってきました。
その体勢はかなり恥ずかしいです。でもわたくしが、一番安全な体勢がこれなのだと思います。
わたくしはおずおずと腰を下ろしました。クロードはその腰を掴み、わたくしが安定するように支えます。
「んっあっ。」
クロードの舌がわたくしの会わせ目を上下に往復しています。
その行為自体はいつもしてもらっていて慣れているはずなのですが、下から見られているかと思うといつもより感じてしまいます。
早く出してしまいましょう。
でないと何度も気をやってしまいそうです。
「んっ。」
けれど、緊張している為か全く小水が出てこないのです。
結局、ちょろっと小水が出たのはわたくしが何度も達した後でした。
クロードはそれを口で受け、ごくり、と喉を鳴らして飲み込みました。
二人の荒い息が浴室に響きます。
やがてクロードはわたくしを起き上がらせると、抱きついてきました。
「姉さまのものが、僕の体内を巡っていくのが、感じられるような気がします。」
そんなはずはありません。
でもクロードの嬉しそうな顔を見るとわたくしも達成感のようなものを感じます。
「ハァ。本当に、嬉しいです。これで、姉さまの体液8種類の内の7つを体内に収めることが出来たのです。」
「……。」
……メリッサ、性的嗜好というのは本当に人それぞれなのですね。
わたくしは、体液8種類とは何か、今回以外の6つはどうやって摂取したのか、そして後一つ残されているものは何なのか、聞くのはやめました。おそらくわたくしにとっては羞恥以外の何者でもないはずですので、忘れることにいたしましょう。
体を洗い、うがいをして歯も磨き、浴槽で温まりイチャイチャとした後、わたくしはベットに座らされました。
あそこまでしたのです。今日はきっと男女の交わりが出来るはずです。
でも何故か、クロードは自分はベットに上がって来ずに、その場に跪きました。
「姉さま、僕はこれから、もっともっと働きます。姉さまと子を必ず幸せにします。ですのでこれを受け取ってください。」
クロードの手のひらの上には金の指輪がありました。
「今日、やっと指輪の加工が出来上がったのです。姉さまと本当の夫婦になる前に渡したかったのです。」
そう言って微笑むクロードの顔は、いつもより大人びて見えました。
わたくしは溢れてくる涙を止められませんでした。
クロードはわたくしの左手を取ると、薬指にそれをはめました。
「ぴったりです。」
それはもとからわたくしの指にあったかのように馴染んでいます。
「わたくし、幸せですわ。」
クロードはわたくしを抱き締めてくれました。また少しクロードが逞しくなったように感じて、くすぐったいような暖かな気分になりました。……ですが、頭の端っこの方で少しだけ嘆いているわたくしもおりました。
こんな素敵なプロポーズをしてもらった日に、なんてことをしてしまったのでしょうか。よりによってあんな変態行為を……。と。
けれどクロードは嬉しそうに、
「初夜記念日とおしっこ記念日が同じ日になるなんて、夢みたいです。」
こう言ったので、良しとしました。
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