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恐れ ※エンリ視点
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中年のオスの使うゲストルームで、言われるままに必要なものを手帳に書き留めていると、オスは話すのを止め、じっと私を見つめてきた。
一気に落ち着かない気分になる。
若きオスや子どものオスは、可愛らしいところもあると最近やっと思えてきたが、このオスは何から何まで規格外で、視界に入る度に軽い衝撃を受ける。
「なぁ、秘書さん。」
「はい。どうなさいました?」
私の顔は今、引きつっていないだろうか。
「あんたのこと、エンリって呼んでいいか?」
「……お好きにお呼びください。…必要なものは、以上でよろしいですか?」
無駄話はしたくないとやんわりと伝える。
「ああ、言い忘れていた。避妊具も必要だ。ペニスに被せるタイプのやつで、サイズは一番大きいものを。」
中年のオスは口元にだけ笑いを浮かべ、挑むような目で私を見た。思わず背筋が寒くなり、目を逸らしてしまう。この私が何故オスごときに怯えなくてはならないのか。いくら体躯が化け物のように大きくても、ベッドに横になっている状態で怪我もしているのだ。圧倒的に自分が有利な体勢であるはずなのに。
自分にも相手にもイライラする。
それにしても避妊具を誰と使うつもりなのか。
娼館ではそういった避妊具は使われない。そこで働く者は皆、避妊薬を飲んでいるからだ。
「……恋人が、いらっしゃるのですか?」
個人的なことに踏み込み過ぎている自覚はあるが、もし避妊具を使う相手を『わたくしのボス』と想定してのことならば……、社長ならば、何だと言うのだ。私にはそれを止める権利などないし、止めたところで私のものになるわけでもない。
でもこのオスは危険だ。今まで会った3人のオスとは明らかに違う。3人が羊ならばこのオスは狼だ。
「ハハッ、気になる?まぁ、いざという時の為に用意だけはしておいた方がいいと思って。ね、エンリ。」
「……左様ですか。では、言われた物、ただちに用意しておきます。…失礼します。」
誰に使うつもりか想定している訳でないのなら、別にいい。これ以上長居をしたくはないので返事を待たずに部屋を出た。
エンリ、と名前を呼ばれた時、鳥肌が立ってしまった。
悔しい。
このオスは何を考えているか分からず不快だ。
初対面の時から嫌な予感がしたのだ。会って間もないこのオスに、社長が惚れ込んでスカウトをした時から。悪い人間ではないと社長は言っていたが私からすれば『一番の部下』の座を揺るがし兼ねない相手は敵で害悪でしかない。しかも考えが読めず食えないタイプなので対応が難しい。
ああ、本当にイライラする。
苛立ち紛れに手帳を強く握る。しかし、すぐに力を抜いた。いけない、手帳が傷んでしまう。あんなオスのせいで使えなくなったら目も当てられない。
これは大事なものだ。
私の誕生日に社長が『仕事で使うものでごめんなさいね』と渡してくれたもの。社長はそう言ったけれど、何時でも肌身離さず持ち歩けることを思えば、これ以上ない素敵なプレゼントだった。
社に戻ることを一言告げる為、社長がいるであろうリビングに行くと、両開きのドアが片方開いていた。今日は暑いので、窓が開いている廊下へ風を通す為にそうしているのだろう。
中から話し声が聞こえる。
若きオスと社長のものだ。
二人は少し揉めているようだ。割り入ってよいものか、とりあえず開いていない方のドアの影に隠れながら思案する。
内容はおそらくあの中年のオスがらみだろう。一番の部下の座が奪われるのではと私が心を乱されているのだ。あの若きオスはもっと焦っていることだろう。
成人したオスが一人増えるということ。そのオスに対する社長の感情が好意的なものであるということ。若きオスの胸中を思うと僅かながら同情を覚える。
私がどうしてそのような気持ちになってしまうのかといえば、何故か悩み相談を若きオスから度々受けているからだ。
私がキスマークを発見した日以降、二人になる機会がある度に弱音を吐いてくるのだ。
若きオスは自分で『弁える』と決めたくせに、それが出来ていない自分を恥じていた。分不相応な感情を抱いてしまっている、と。
弁えなければ側にいられない私と違って、若きオスは捨てられたりなどしないのに、何を悩んでいるのか分からない私は、ただ話を聞いてやっている。
それにイライラすることもあれば、悩んでいるのは自分だけではないという、ある種の仲間意識のようなものも芽生えてしまっている。自分と重ね合わせるなどおかしいとは思うが、若きオスは恋に悩むただの人間だった。そこにオスも普通の人間もないのだと感じた。応援は出来ないが、社長に、もしこっぴどく振られても『ざまぁ見ろ』という気持ちにもならないだろう。
声をかけずに屋敷から出るべきか。しかし社長の『エンリ』と私を呼ぶ声を聞きたい。中年のオスの少し掠れた低い声が耳にこびりついたままでは帰りたくない。
若干空気の読めない行為だが、たった今この場に来たように声をかけてみようか、そう思いリビングを再度覗くと、若きオスと社長は抱き合っていた。あちらからは死角になっているので二人ともこちらに気づく様子はない。
もう声はかけられない。
早く社に戻りムカつくオスの身の回り品を手配しよう。そう思い場を離れようとした瞬間、二人は唇を合わせた。正確には若きオスの方から社長にキスをした。それを社長は拒まなかった。
合わさった唇はなかなか離れない。やがて粘着質な水音がするくらいにキスは深くなっていった。
ウェーブのかかった金の髪とストレートの銀の髪。それが絡み、キラキラと反射し合っている。
その光景は胸が痛くなるほど美しくて、自分は完全なる部外者なのだと理解するに十分だった。
若きオスは社長の胸に顔を埋めた。こちらからは社長の背中しか見えないが、スリップドレスの肩ヒモがずり落ちたことにより、直接その膨らみを食んでいるのだと分かる。
息を荒くし喘ぐ社長の声は艶かしくて、一瞬で下半身に血が集まってしまう。こういった事態の為に締め付けのある下着を普段から身につけている。なので見た目からは勃起がバレることはないが、窮屈で堪らない。思わずそこを手で押さえると、耳元で囁くような声がした。
「エンリは、覗き見をしながらマスターベーションをするのが趣味なのか?」
少し掠れた低い声が鼓膜をくすぐる。
いつから見られていた?気配に全く気が付かなかった。二人に気を取られていたせいか。
「っ、ちがっ――――、あっ!」
振り向いて反論しようとし、身体を動かした瞬間、持っていた手帳が自分の腿に当たり、手から滑り落ちてしまった。
手帳は床に落ち、革で出来たカバーが、パタンと音をたてた。
すぐさま拾うがもう遅い。
「――あ、え、エンリさんっ。……と、ガイナさんっ!?」
若きオスは私と中年のオスがいるのに気付き、社長から咄嗟に身体を離し、罪悪感を滲ませたような顔をした。おそらく『弁えられていない』ところを私に見られてそんな顔になったのだろうが、誰も何も咎めてはいないのだ。自分で勝手に枷を付けているだけだ。そこまで分析したところで、今は若きオスの心情など考えている場合ではないと我に返る。
服を直している社長の後ろ姿に『申し訳ございません』と頭を下げる。
気まずい空気が流れる中、背後で『あーあ』と愉快そうな声を漏らしたのは中年のオスだ。
私は、普段の無表情を作ることなど最早無理だった。おそらくだが、とても青い顔をしているだろう。
最悪だ。
覗き見などをしたのだ。呆れられて当然だ。
自分が悪いのは分かっているが、中年のオスに対する八つ当たりまがいの苛立ちを消し去ることが出来ない。
お前のせいだ!と中年のオスに当たり散らしたいのを我慢し、もう一度社長に謝った。声をかけるタイミングが分からず、結果として覗き見のようになってしまったと言い訳を述べると、社長はこちらに歩み寄ってきた。
何を言われるのか、不安で胃がキリキリと痛む。
しかし、社長が口にしたのは私への叱責ではなかった。
「あ、あの、誤解しないで。これは私が一方的にお願いしたことだから、ヒカルは仕方なく性処理をしてくれようとしただけなのよ。ほら、私、オスしか駄目でしょ?だから、ヒカルに頼ってしまっただけなの。……でも、やっばり、こういうことは良くないから、もう頼んだりしないわ。」
まるで恋人に浮気がバレてしまったかのように必死に、若きオスと自分の関係を、突発的で今だけのものとして私に話す社長。その顔は困ったような悲しいような悔しいような複雑な表情で、真意を見極めることが難しかった。
だから、社長が考えていることがどれなのかが分からない。
若きオスを庇っているのか。
中年のオスに誤解をされたくない為に、私に語りかけながら間接的に弁明をしているのか。
その両方なのか。
社長の背後にいる若きオスは二番目だと判断したのか、悲しげに顔を歪ませた。卑屈な若きオスらしい選択だ。
次の『悩み相談室』は、大層鬱々としたものになりそうだと、蚊帳の外からぼんやりと思った。
一気に落ち着かない気分になる。
若きオスや子どものオスは、可愛らしいところもあると最近やっと思えてきたが、このオスは何から何まで規格外で、視界に入る度に軽い衝撃を受ける。
「なぁ、秘書さん。」
「はい。どうなさいました?」
私の顔は今、引きつっていないだろうか。
「あんたのこと、エンリって呼んでいいか?」
「……お好きにお呼びください。…必要なものは、以上でよろしいですか?」
無駄話はしたくないとやんわりと伝える。
「ああ、言い忘れていた。避妊具も必要だ。ペニスに被せるタイプのやつで、サイズは一番大きいものを。」
中年のオスは口元にだけ笑いを浮かべ、挑むような目で私を見た。思わず背筋が寒くなり、目を逸らしてしまう。この私が何故オスごときに怯えなくてはならないのか。いくら体躯が化け物のように大きくても、ベッドに横になっている状態で怪我もしているのだ。圧倒的に自分が有利な体勢であるはずなのに。
自分にも相手にもイライラする。
それにしても避妊具を誰と使うつもりなのか。
娼館ではそういった避妊具は使われない。そこで働く者は皆、避妊薬を飲んでいるからだ。
「……恋人が、いらっしゃるのですか?」
個人的なことに踏み込み過ぎている自覚はあるが、もし避妊具を使う相手を『わたくしのボス』と想定してのことならば……、社長ならば、何だと言うのだ。私にはそれを止める権利などないし、止めたところで私のものになるわけでもない。
でもこのオスは危険だ。今まで会った3人のオスとは明らかに違う。3人が羊ならばこのオスは狼だ。
「ハハッ、気になる?まぁ、いざという時の為に用意だけはしておいた方がいいと思って。ね、エンリ。」
「……左様ですか。では、言われた物、ただちに用意しておきます。…失礼します。」
誰に使うつもりか想定している訳でないのなら、別にいい。これ以上長居をしたくはないので返事を待たずに部屋を出た。
エンリ、と名前を呼ばれた時、鳥肌が立ってしまった。
悔しい。
このオスは何を考えているか分からず不快だ。
初対面の時から嫌な予感がしたのだ。会って間もないこのオスに、社長が惚れ込んでスカウトをした時から。悪い人間ではないと社長は言っていたが私からすれば『一番の部下』の座を揺るがし兼ねない相手は敵で害悪でしかない。しかも考えが読めず食えないタイプなので対応が難しい。
ああ、本当にイライラする。
苛立ち紛れに手帳を強く握る。しかし、すぐに力を抜いた。いけない、手帳が傷んでしまう。あんなオスのせいで使えなくなったら目も当てられない。
これは大事なものだ。
私の誕生日に社長が『仕事で使うものでごめんなさいね』と渡してくれたもの。社長はそう言ったけれど、何時でも肌身離さず持ち歩けることを思えば、これ以上ない素敵なプレゼントだった。
社に戻ることを一言告げる為、社長がいるであろうリビングに行くと、両開きのドアが片方開いていた。今日は暑いので、窓が開いている廊下へ風を通す為にそうしているのだろう。
中から話し声が聞こえる。
若きオスと社長のものだ。
二人は少し揉めているようだ。割り入ってよいものか、とりあえず開いていない方のドアの影に隠れながら思案する。
内容はおそらくあの中年のオスがらみだろう。一番の部下の座が奪われるのではと私が心を乱されているのだ。あの若きオスはもっと焦っていることだろう。
成人したオスが一人増えるということ。そのオスに対する社長の感情が好意的なものであるということ。若きオスの胸中を思うと僅かながら同情を覚える。
私がどうしてそのような気持ちになってしまうのかといえば、何故か悩み相談を若きオスから度々受けているからだ。
私がキスマークを発見した日以降、二人になる機会がある度に弱音を吐いてくるのだ。
若きオスは自分で『弁える』と決めたくせに、それが出来ていない自分を恥じていた。分不相応な感情を抱いてしまっている、と。
弁えなければ側にいられない私と違って、若きオスは捨てられたりなどしないのに、何を悩んでいるのか分からない私は、ただ話を聞いてやっている。
それにイライラすることもあれば、悩んでいるのは自分だけではないという、ある種の仲間意識のようなものも芽生えてしまっている。自分と重ね合わせるなどおかしいとは思うが、若きオスは恋に悩むただの人間だった。そこにオスも普通の人間もないのだと感じた。応援は出来ないが、社長に、もしこっぴどく振られても『ざまぁ見ろ』という気持ちにもならないだろう。
声をかけずに屋敷から出るべきか。しかし社長の『エンリ』と私を呼ぶ声を聞きたい。中年のオスの少し掠れた低い声が耳にこびりついたままでは帰りたくない。
若干空気の読めない行為だが、たった今この場に来たように声をかけてみようか、そう思いリビングを再度覗くと、若きオスと社長は抱き合っていた。あちらからは死角になっているので二人ともこちらに気づく様子はない。
もう声はかけられない。
早く社に戻りムカつくオスの身の回り品を手配しよう。そう思い場を離れようとした瞬間、二人は唇を合わせた。正確には若きオスの方から社長にキスをした。それを社長は拒まなかった。
合わさった唇はなかなか離れない。やがて粘着質な水音がするくらいにキスは深くなっていった。
ウェーブのかかった金の髪とストレートの銀の髪。それが絡み、キラキラと反射し合っている。
その光景は胸が痛くなるほど美しくて、自分は完全なる部外者なのだと理解するに十分だった。
若きオスは社長の胸に顔を埋めた。こちらからは社長の背中しか見えないが、スリップドレスの肩ヒモがずり落ちたことにより、直接その膨らみを食んでいるのだと分かる。
息を荒くし喘ぐ社長の声は艶かしくて、一瞬で下半身に血が集まってしまう。こういった事態の為に締め付けのある下着を普段から身につけている。なので見た目からは勃起がバレることはないが、窮屈で堪らない。思わずそこを手で押さえると、耳元で囁くような声がした。
「エンリは、覗き見をしながらマスターベーションをするのが趣味なのか?」
少し掠れた低い声が鼓膜をくすぐる。
いつから見られていた?気配に全く気が付かなかった。二人に気を取られていたせいか。
「っ、ちがっ――――、あっ!」
振り向いて反論しようとし、身体を動かした瞬間、持っていた手帳が自分の腿に当たり、手から滑り落ちてしまった。
手帳は床に落ち、革で出来たカバーが、パタンと音をたてた。
すぐさま拾うがもう遅い。
「――あ、え、エンリさんっ。……と、ガイナさんっ!?」
若きオスは私と中年のオスがいるのに気付き、社長から咄嗟に身体を離し、罪悪感を滲ませたような顔をした。おそらく『弁えられていない』ところを私に見られてそんな顔になったのだろうが、誰も何も咎めてはいないのだ。自分で勝手に枷を付けているだけだ。そこまで分析したところで、今は若きオスの心情など考えている場合ではないと我に返る。
服を直している社長の後ろ姿に『申し訳ございません』と頭を下げる。
気まずい空気が流れる中、背後で『あーあ』と愉快そうな声を漏らしたのは中年のオスだ。
私は、普段の無表情を作ることなど最早無理だった。おそらくだが、とても青い顔をしているだろう。
最悪だ。
覗き見などをしたのだ。呆れられて当然だ。
自分が悪いのは分かっているが、中年のオスに対する八つ当たりまがいの苛立ちを消し去ることが出来ない。
お前のせいだ!と中年のオスに当たり散らしたいのを我慢し、もう一度社長に謝った。声をかけるタイミングが分からず、結果として覗き見のようになってしまったと言い訳を述べると、社長はこちらに歩み寄ってきた。
何を言われるのか、不安で胃がキリキリと痛む。
しかし、社長が口にしたのは私への叱責ではなかった。
「あ、あの、誤解しないで。これは私が一方的にお願いしたことだから、ヒカルは仕方なく性処理をしてくれようとしただけなのよ。ほら、私、オスしか駄目でしょ?だから、ヒカルに頼ってしまっただけなの。……でも、やっばり、こういうことは良くないから、もう頼んだりしないわ。」
まるで恋人に浮気がバレてしまったかのように必死に、若きオスと自分の関係を、突発的で今だけのものとして私に話す社長。その顔は困ったような悲しいような悔しいような複雑な表情で、真意を見極めることが難しかった。
だから、社長が考えていることがどれなのかが分からない。
若きオスを庇っているのか。
中年のオスに誤解をされたくない為に、私に語りかけながら間接的に弁明をしているのか。
その両方なのか。
社長の背後にいる若きオスは二番目だと判断したのか、悲しげに顔を歪ませた。卑屈な若きオスらしい選択だ。
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