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【第一章】王都追放編
【第二話】目が覚めると
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~王国暦七〇九年 二月~
目が覚めた。
どれくらいの間、意識を失っていたのだろう。
ほんの数分だけのような気もするし、何日も倒れていたような気もする。
とれあえず、身体に怪我は無いようだった。
体を起こして周りを見渡したが、真っ暗だった。
あの地震によって、天井が崩落して閉じ込められたのだろうか。
だとしたら、救助は期待出来るのか。
意識を失う直前、床が輝いたのを思い出した。
あれは結局なんだったのか。
「うぅ、な、なんだここは・・・」
「おい、真っ暗じゃねぇか・・・」
「くそ、何が起こってるんだ?」
周りでぽつりぽつりと声がした。
声というより、うめきのようだ。
どうやら僕以外にも生きている人は居る。
それが分かっただけでも、少しは安心である。
「目が覚めたようだな」
不意に、落ち着いた声がした。
その声は空間に反響していて、どの方向に居るのか分からない。
「明かりを」
落ち着いた声がそう言うと、時間差で火の明かりがついた。
ロウソクの火だろうが、急な光で目がくらむ。
「ようこそ、英雄の方々。テレスリアム王国へ」
声の主は、石段の上にいた。
頭には黄金の冠があり、立派な台座に堂々と座っていた。
王道ファンタジーのアニメや漫画などでよく見る、典型的な王様のようである。
「えっ、ど、どこだよそれ!」
「ふざけた格好しやがって!」
「一体、何がどうなって・・・」
クラスメイトは全員無事なようで、それぞれ怒鳴ったり困惑したりしている。
しかし、僕はある程度状況を察し始めていた。
異世界召喚。
それにクラスメイトもまとめて召喚されたということは、クラス転移といった所だろう。
ちゃっかり担任と副担任の教師も揃っている。
「目が覚めたばかりで申し訳ないが、静粛にしてもらおうか」
国王と思われる人物は堂々と、それでいて威圧的に言った。
僕たちの周りには、鎧を着た衛兵がぐるりと囲んでいる事に気付く。
他のクラスメイトもそれに気付いたのか、全員が口を閉じた。
「単刀直入に言おう。英雄の方々には、魔王を討伐してもらいたいのだ」
テンプレ通りの展開だ。
「ま、魔王だって・・・?」
「まさか、冗談に決まってる」
「何が何だか・・・」
他のクラスメイトは、状況が理解出来ないようだった。
「現在、魔王は結界によって封印されているものの、あと数年で結界の効力は弱まると言われている。そうなれば、恐ろしく強大な魔王は復活してしまう」
その魔王を倒す為に、僕たちが召喚されたという訳だ。
この手の設定は腐るほどあるが、いつ聞いても、勝手極まりないと思ってしまう。
わけも分からず召喚されて、自分たちの代わりに魔王を倒してくれと頼まれるのだから。
しかし、僕は内心、ワクワクしていた。
目が覚めた。
どれくらいの間、意識を失っていたのだろう。
ほんの数分だけのような気もするし、何日も倒れていたような気もする。
とれあえず、身体に怪我は無いようだった。
体を起こして周りを見渡したが、真っ暗だった。
あの地震によって、天井が崩落して閉じ込められたのだろうか。
だとしたら、救助は期待出来るのか。
意識を失う直前、床が輝いたのを思い出した。
あれは結局なんだったのか。
「うぅ、な、なんだここは・・・」
「おい、真っ暗じゃねぇか・・・」
「くそ、何が起こってるんだ?」
周りでぽつりぽつりと声がした。
声というより、うめきのようだ。
どうやら僕以外にも生きている人は居る。
それが分かっただけでも、少しは安心である。
「目が覚めたようだな」
不意に、落ち着いた声がした。
その声は空間に反響していて、どの方向に居るのか分からない。
「明かりを」
落ち着いた声がそう言うと、時間差で火の明かりがついた。
ロウソクの火だろうが、急な光で目がくらむ。
「ようこそ、英雄の方々。テレスリアム王国へ」
声の主は、石段の上にいた。
頭には黄金の冠があり、立派な台座に堂々と座っていた。
王道ファンタジーのアニメや漫画などでよく見る、典型的な王様のようである。
「えっ、ど、どこだよそれ!」
「ふざけた格好しやがって!」
「一体、何がどうなって・・・」
クラスメイトは全員無事なようで、それぞれ怒鳴ったり困惑したりしている。
しかし、僕はある程度状況を察し始めていた。
異世界召喚。
それにクラスメイトもまとめて召喚されたということは、クラス転移といった所だろう。
ちゃっかり担任と副担任の教師も揃っている。
「目が覚めたばかりで申し訳ないが、静粛にしてもらおうか」
国王と思われる人物は堂々と、それでいて威圧的に言った。
僕たちの周りには、鎧を着た衛兵がぐるりと囲んでいる事に気付く。
他のクラスメイトもそれに気付いたのか、全員が口を閉じた。
「単刀直入に言おう。英雄の方々には、魔王を討伐してもらいたいのだ」
テンプレ通りの展開だ。
「ま、魔王だって・・・?」
「まさか、冗談に決まってる」
「何が何だか・・・」
他のクラスメイトは、状況が理解出来ないようだった。
「現在、魔王は結界によって封印されているものの、あと数年で結界の効力は弱まると言われている。そうなれば、恐ろしく強大な魔王は復活してしまう」
その魔王を倒す為に、僕たちが召喚されたという訳だ。
この手の設定は腐るほどあるが、いつ聞いても、勝手極まりないと思ってしまう。
わけも分からず召喚されて、自分たちの代わりに魔王を倒してくれと頼まれるのだから。
しかし、僕は内心、ワクワクしていた。
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