魔王を倒すために召喚されたけど、人間社会があまりにも腐敗していたので、反乱軍を立ち上げることにしました。

尾関 天魁星

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【第五話】俺の屋敷

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 俺が住む屋敷だと言われた建物は、あまりにも広かった。
 
 
 敷地はへいと柵に囲まれており、広い庭もあった。
 建物も立派で綺麗だったが、俺一人が住むにはあまりにも広い。
 
 
「こ、こんなに立派な屋敷に住んでも良いんですか?」
 
 
宰相さいしょうが直々にお選びになった屋敷です。それだけ、雪斗様には期待しているということでしょう」
 
 
 宰相さいしょうとは確か、皇帝の元で政治を取りまとめている役職だったはずである。
 
 
 それだけのお偉い様が、わざわざ選んでくれたとは。
 
 
 しかし、それにしても広過ぎである。
 
 
「これは、手入れが大変そうですね・・・」
 
 
「ご安心ください、雪斗様。身の回りの世話をする使用人も付いています」
 
 
「使用人?」
 
 
「ええ、ちょうどあそこに」
 
 
 忠翔ちゅうしょうが指差した方は、庭の隅っこだった。
 よく見ると、木造の小さくて粗末な小屋がある。
 
 
「あれは、物置き小屋ではないんですか?」
 
 
「あの小屋で、使用人は寝泊まりしているのですよ。たかが使用人があるじと同じ建物で生活するなど、ありえませんからね」
 
 
 忠翔ちゅうしょうは、大きく笑いながら言った。
 
 
 何が面白いのか、俺には全く分からなかった。
 
 
「そ、そういうものですか・・・」
 
 
 おそらく、この国には身分制度が当たり前のように存在しているのだろう。
 
 
 内城には貴族が良い暮らしをしていると言うし、おそらく奴隷のような身分も存在しているのだろう。
 
 
 まだ見て回る所があるそうなので、俺たちは馬車から降りずに次の場所に向かった。
 
 
 どの通りも、やはり人で溢れ返っていた。
 
 
 ◇◇◇◇◇
 
 
 次に馬車が到着したのは、俺の屋敷から程近くにある、広大な敷地を有する施設群だった。
 
 
「ここは、近衛このえ軍が普段使用している軍営ぐんえいです。大規模な練兵場れんぺいじょうもあります」
 
 
 軍営は高い塀にぐるりと囲まれていて、外から中は覗けないようになっていた。
 
 
 重厚な門扉は開け放たれているものの、門番や見張りの兵はとても多い。
 
 
「とても広い所ですね」
 
 
 純粋に関心していると、忠翔ちゅうしょうは満足そうに頷いた。
 
 
「それも当然です。超規模の近衛軍の軍営ですから、それだけの大きさが必要です。練兵場も、うんと広くないと調練が出来ませんからね」
 
 
 馬車はそのまま門を潜った。
 
 
 上級役人である忠翔ちゅうしょうが乗っているからだろう。
 門番に止められることも無かった。
 
 
 門を抜けると、巨大な建物が正面にそびえ立っており、その周りに無数の施設が立ち並んでいた。
 
 
 皇帝の住む皇宮と比べても、そん色ないほどである。
 
 
「あの正面の建物が軍営の本棟で、周りにあるのは牢屋や道場です。これらの裏には、数千人が集団戦を行えるだけの広場もあります」
 
 
 
 
 
 道場のどこかしこからも、近衛兵たちの気合いが聞こえてきた。
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