魔王を倒すために召喚されたけど、人間社会があまりにも腐敗していたので、反乱軍を立ち上げることにしました。

尾関 天魁星

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【第四話】首都案内

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 扉が開くと、二人の男が入ってきた。
 
 
 一人は背が高く、筋骨隆々りゅうりゅうとしていた。
 一目で戦いが得意なのだと分かった。
 
 
 一方、もう一人の男は細身で、着ていた服も忠翔ちゅうしょうと同じようなものだったので、文官みたいな役人だと分かった。
 
 
「この二人が、雪斗様の教育を担当します」
 
 
 二人は膝まづき、深々と頭を下げた。
 
 
呉進ごしんと申します」
 
 
 筋骨隆々とした方が、先に名乗った。
 
 
 俺の予想どおり、彼は武官だった。
 近衛このえ軍の将校をしているという。
 
 
「わたくしは文官の亜黄あきです。宜しくお願い申し上げます」
 
 
 丁寧にそう言ったのは、細身の男の方だった。
 
 
 男だが髪は長く、とてもサラサラしているのがよく見えた。
 
 
呉進ごしんが武術を、亜黄あきが座学を教えます」
 
 
 俺は彼らの名前をなんとか覚えた。
 
 
 カタカナの名前を想像していたが、まさかの漢字だったとは。
 
 
 さすが中華テイストの異世界。
 
 
 その後も、しばらく忠翔ちゅうしょうからの説明を受け、ようやく部屋から出された。
 
 
 今、俺が居る建物は皇帝が住んでいる皇宮の一画らしく、これから首都の各地を案内するという。
 
 
 忠翔ちゅうしょうと共に馬車に乗り、皇宮を出た。
 
 
界峰府かいほうふはこの国の首都なだけあって、国内最大規模の都市なのです」
 
 
 自信満々に忠翔ちゅうしょうは言った。
 
 
 皇宮の外には貴族や上級役人の屋敷、そして様々な行政施設が集まっているようで、賑わっているというより、上品さが感じられる雰囲気だった。
 
 
 皇宮を含めた、ここら一帯を【内城ないじょう】と言い、城壁の外側を【外城がいじょう】と呼んでいるらしい。
 
 
 外城の外側にも城壁があり、更にその外には民家が集まっていて、それを囲むように田畑が広がっているという。
 
 
 首都【界峰府かいほうふ】ひとつを取っても、覚える事はたくさんありそうだった。
 
 
 しばらくはこの街で生活するらしいから、早く慣れないといけないだろう。
 
 
 俺が生活する家は外城にあるそうで、馬車はそこに向かっていた。
 
 
「この門を抜けると、外城です。外城には店や商人の屋敷が多くあり、むしろ内城よりも賑わっております」
 
 
 忠翔ちゅうしょうの言った通り、門を抜けるとガラリと雰囲気が変わった。
 
 
 大通りの両端には露店が建ち並び、民衆が溢れていた。
 
 
 馬車が通るのがやっとのようだ。
 
 
「確かにすごい人ですね」
 
 
界峰府かいほうふは首都なだけあって、人も物資も情報も、何もかもが集まります。十日に一度は大規模な市場が開かれ、そこで手に入らない物は存在しないとまで言われていますよ」
 
 
「こんなに人がいるという事は、今日がその市場の日ですか?」
 
 
「これが平常です」
 
 
「なんと」
 
 
 市場の日には、さぞ賑わうことだろう。
 
 
 
 
 
「着きましたよ、ここが雪斗様のお屋敷です」
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