魔王を倒すために召喚されたけど、人間社会があまりにも腐敗していたので、反乱軍を立ち上げることにしました。

尾関 天魁星

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【第七話】練兵場

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 舵難かじだと別れた後、俺は軍営や道場の裏手にある、広大な練兵場も見に行った。
 
 
 学校の運動場の何倍も広い広場が、そこには広がっている。
 
 
 そしてそこで、ちょうど集団戦の調練が行われていた。
 
 
 土煙が上がっていて細かいところまでは分からなかったが、千~二千の集団同士がぶつかっている。
 
 
 これが古代の戦闘というものなのか。
 
 
 調練とは言っても、本物かと思うほど迫力があった。
 
 
 魔王軍との戦闘になれば、こういった戦いをしていくのだろうか。
 
 
 少しだけ、胃がキリキリとしてくる。
 
 
 二つの集団はぶつかったり離れたり、いくつかの小集団に分散したりして次々と様相が変わっていった。
 
 
 いつの間にか、俺はその集団戦に見入っていた。
 
 
 それぞれの部隊の中に、馬上で戦っている兵がいた。
 おそらく、その部隊の指揮官だろう。
 
 
 かっこいい。
 
 
 見ているうちに、いつしかそう感じるようになった。
 
 
 どのくらい見学していたのだろう。
 
 
 気付けば、陽はかなり傾いていた。
 
 
「雪斗様、ここに居られましたか」
 
 
 忠翔ちゅうしょうだった。
 軍営での用事が済んだようだ。
 
 
「どうでしたか、ここの見学は」
 
 
 馬車まで戻る途中だった。
 
 
「道場での稽古や、練兵場での集団戦を見学しましたが、すごい迫力です」
 
 
 素直な感想だった。
 
 
「実際の戦では、もっと規模が大きいでしょう」
 
 
「そうなのですか?」
 
 
「魔王軍との戦闘は本格的には始まっていませんが、おそらく何万、何十万同士の戦闘になると思います」
 
 
 何万、何十万。
 
 
 想像すら出来なかった。
 
 
 千や二千でも、あれだけ激しく、迫力があったのだ。
 
 
「俺は、これからそんな戦いをしていくんですね」
 
 
 不安だった。
 
 
 そんな規模の戦いを乗り越えられるのか。
 
 
 この俺に。
 
 
「それは、雪斗様のこれからの訓練次第です」
 
 
 忠翔ちゅうしょうが言った。
 
 
「さて、わたくしは馬車を取りにいくので、雪斗様はここで少しだけお待ちください」
 
 
「ああ、分かりました」
 
 
 忠翔ちゅうしょうが、馬を停めてある所に向かった。
 
 
 俺は仕方なく、門と本棟を繋ぐ道の端で待つことにした。
 
 
「おい」
 
 
 不意に、声を掛けられた。
 
 
 顔を上げると、声を掛けてきたのは数人の兵士だった。
 
 
「な、なんでしょうか」
 
 
 相手の兵は喧嘩腰だった。
 
 
「俺らと立ち合え」
 
 
 唐突だった。
 思わず、そのまま聞き返す。
 
 
「立ち合うって、どうゆうことですか?」
 
 
「とぼけるなよ、この野郎。最近親父おやじから聞いたんだよ、皇宮で英雄の召喚が行われてるんだとよ。お前、召喚された英雄だろ?」
 
 
「ど、どうして俺だって分かるんですか・・・」
 
 
 不良に絡まれているような気持ちだった。
 
 
「そんな変な身なりしてりゃ、この世界の人間じゃねぇってすぐに分かんだよ」
 
 
 
 
 
 その男は言い終わるのと同時に、拳を突き出してきた。
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