幸福の神様

渡辺 佐倉

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願い2

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花屋の前まで僕が行くと、赤い石は光ったかと思うと、サラサラと粉の様にくだけてなくなってしまった。

これでいいのだろうか。
よく分からず、お花屋さんでお花をいくつか買った。

お会計の最中、二階から子供がおりてきた。

「あら、熱が下がったのね!」

奥さんの嬉しそうな声が聞こえる。

今日もこの街は平和だと思った。

* * *

帰って見ると土地神様は畳の上でゴロゴロとしていた。

けれど、今日は注意する気にはならなかった。

「お子さん、熱が下がったそうですよ」

僕がそう言うと「そうかい」と言って土地神様は笑顔を浮かべていた。
その笑顔もとても綺麗に見えた。

剣の柄は穴が空いたままだった。


「お花買ってきたんですよ」

飾りますか?と僕が聞くと「ありがとう」と土地神様は言った。

それがお花を飾ることへのお礼なのか、お使いのお礼なのかは僕にも分からなかった。

けれど、神様にお礼を言われることが少しうれしくて「どういたしまして」と答えた。



それから何度か、そういったお願いをされることがあった。
普通のお使いと違うことは雇用主には言わなくていいと言われた事、それから、渡されたものが元に戻っているのを見たことが無かったことだ。


それから数ヶ月たっても剣は飾りがなくなったままだった。


ただ、大抵のお使いはお団子が食べたいとか、雑誌が読みたいとか、そういうどうでもいいことで占められていて僕もそのことについて深く考えることは無かった。


相変わらず、街の人は皆土地神様のことを美しいと言ってはうっとりと眺めていたし、皆の自慢だった。


僕も穏やかに勉強をしながら時間が経っていった。
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