幸福の神様

渡辺 佐倉

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期限3

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病院の前の交差点にはそれらしき人は見当たらなかった。

そもそも、僕が相手が誰かをわかっている必要は多分無い。

けれど、そこにいるのは普通の親子連れと僕より少し年上の男の人。身なりもみんないい方で元気そうだ。


土地神様が何を気にしていたのかがよくわからない。

金色の雫が淡く光る。
そこには誰もいないようにみえたけれど金の雫はサラサラととけてなくなってしまう。


次の瞬間車同士が衝突思想になっていた。
間一髪、急ブレーキの音があたりに響き渡る

ボンネットから煙が出ている。


何が起きたのか一瞬分からなかった。
タイヤの焦げた匂いがする。

乗っていた人は大丈夫だろうか。

一人はおりて来ているけれど、もう一人は車外に出てこない。

慌てて車に駆け寄ると、意識を失っているみたいだった、近くにいた人に声をかけて、そっと車外に連れ出す。

そうしていると、病院に向かって一台の救急車が滑り込む様に走ってきた。

もしこの車が接触事故を起こしていたらどうなっていたのだろう。
その騒ぎで、救急車が迂回していたらどうなっていたのだろう。

初めて、ぞっとした。

花屋さんのときは、土地神様に発言権がもっとあればいい話じゃないかと思った。
困っている人が特例で保護されればあの人は何かをする必要は無いんじゃないかとさえ思っていた。

けれど、今回の件は多分そういうのとは違う。

あの人が事故を防いだのではないかと思った。

あの人の腕から手に刻まれた美しい文様はもう戻らないのだろうか。
こんな風に何かを捧げて危険を回避できてもそれが長い間続くようには思えなかった。

彼がこれからも何かを差し出し続けられるのだろうか。

僕はあまりにも土地神様というものを知らなさすぎた。

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