6 / 18
本編6
「そもそも、オメガは発情期があるから差別されてきたと思っているだろう。」
そう言うと、都築さんは自嘲気味に笑う。
「一定期間行動を制限される位で誰かの庇護が絶対的に必要とされる筈がないだろう。
それこそ、ベータの女性には生理があって数日体調不良に悩まされるのに扱いはオメガよりよほどいい。
大体、抑制剤で抑えられる程度のもので一生を左右どころか誰かにすがらないと生きていけないこと自体がおかしいだろう。」
「じゃあ、なんで……。」
聞き返した自分に都築さんは逡巡した後答えた。
「本当の意味での発情期があるのはアルファの方だからだ。」
オメガのそれと違って、かなり凶暴性の高いものなんだ。ぽつりぽつりと都築さんは言う。
「それが、オメガと何の関係が……。」
「ベータだと相手が務まらないそうだ。
結局のところ、オメガの発情期はアルファのそれに耐えるためにある様なものだからな。」
まともな抑制剤なんてものは存在しないし、アルファは元々支配階級だ。だから、今のままの体制でいいと思っているアルファも多い。
それだけ言うと、都築さんは俺の上からどいて、ベッドの淵に座った。
のそのそと碌に動かない体を起き上がらせて都築さんを見る。
「……俺は、貴方の為の生贄に差し出されたってことですか?」
「有り体に言えばそうなるな。」
都築さんに言われて、ようやく安藤の言った過保護だの意味が分かった。
都築さんは知っていて、けれどその事実を今まで自分に言わなかったということだ。
「じゃあ、なんで今になって他のアルファの匂いをつけて来たなんて言うんですか?
とっとと抑制剤代わりに俺を使うか、それとも女のオメガを探すなりすればいいじゃないですか。」
最初から、都築さんの好みに合っていないことは知っていた。
ならば、他に行けばいいのだ。
自分自身は今も全く分からないが、こうやって人の匂いをつけて来たことに怒る必要なんてないのだ。
「他の人間に反応しないんだ。」
「それは……、俺が運命の番だからですか?」
絞り出すように言った都築さんの言葉はとても残酷に聞こえた。
「それの影響が全く無いとは思ってはいない。
だけど、そうじゃない。最初に話した時のお前の強さを見て、他では無理だと思った。」
じゃあ、なんで抱いてくれなかったんですか?とは言えなかった。
それはお互い様だ。
俺も最初都築さんにまるで興味は無く、酷い嫌味のような事を言った。
それを俺の強さだと思ってくれた都築さんに言うべき言葉では無かった。
そう言うと、都築さんは自嘲気味に笑う。
「一定期間行動を制限される位で誰かの庇護が絶対的に必要とされる筈がないだろう。
それこそ、ベータの女性には生理があって数日体調不良に悩まされるのに扱いはオメガよりよほどいい。
大体、抑制剤で抑えられる程度のもので一生を左右どころか誰かにすがらないと生きていけないこと自体がおかしいだろう。」
「じゃあ、なんで……。」
聞き返した自分に都築さんは逡巡した後答えた。
「本当の意味での発情期があるのはアルファの方だからだ。」
オメガのそれと違って、かなり凶暴性の高いものなんだ。ぽつりぽつりと都築さんは言う。
「それが、オメガと何の関係が……。」
「ベータだと相手が務まらないそうだ。
結局のところ、オメガの発情期はアルファのそれに耐えるためにある様なものだからな。」
まともな抑制剤なんてものは存在しないし、アルファは元々支配階級だ。だから、今のままの体制でいいと思っているアルファも多い。
それだけ言うと、都築さんは俺の上からどいて、ベッドの淵に座った。
のそのそと碌に動かない体を起き上がらせて都築さんを見る。
「……俺は、貴方の為の生贄に差し出されたってことですか?」
「有り体に言えばそうなるな。」
都築さんに言われて、ようやく安藤の言った過保護だの意味が分かった。
都築さんは知っていて、けれどその事実を今まで自分に言わなかったということだ。
「じゃあ、なんで今になって他のアルファの匂いをつけて来たなんて言うんですか?
とっとと抑制剤代わりに俺を使うか、それとも女のオメガを探すなりすればいいじゃないですか。」
最初から、都築さんの好みに合っていないことは知っていた。
ならば、他に行けばいいのだ。
自分自身は今も全く分からないが、こうやって人の匂いをつけて来たことに怒る必要なんてないのだ。
「他の人間に反応しないんだ。」
「それは……、俺が運命の番だからですか?」
絞り出すように言った都築さんの言葉はとても残酷に聞こえた。
「それの影響が全く無いとは思ってはいない。
だけど、そうじゃない。最初に話した時のお前の強さを見て、他では無理だと思った。」
じゃあ、なんで抱いてくれなかったんですか?とは言えなかった。
それはお互い様だ。
俺も最初都築さんにまるで興味は無く、酷い嫌味のような事を言った。
それを俺の強さだと思ってくれた都築さんに言うべき言葉では無かった。
あなたにおすすめの小説
当たり前の幸せ
ヒイロ
BL
結婚4年目で別れを決意する。長い間愛があると思っていた結婚だったが嫌われてるとは気付かずいたから。すれ違いからのハッピーエンド。オメガバース。よくある話。
初投稿なので色々矛盾などご容赦を。
ゆっくり更新します。
すみません名前変えました。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
クローゼットは宝箱
織緒こん
BL
てんつぶさん主催、オメガの巣作りアンソロジー参加作品です。
初めてのオメガバースです。
前後編8000文字強のSS。
◇ ◇ ◇
番であるオメガの穣太郎のヒートに合わせて休暇をもぎ取ったアルファの将臣。ほんの少し帰宅が遅れた彼を出迎えたのは、溢れかえるフェロモンの香気とクローゼットに籠城する番だった。狭いクローゼットに隠れるように巣作りする穣太郎を見つけて、出会ってから想いを通じ合わせるまでの数年間を思い出す。
美しく有能で、努力によってアルファと同等の能力を得た穣太郎。正気のときは決して甘えない彼が、ヒート期間中は将臣だけにぐずぐずに溺れる……。
年下わんこアルファ×年上美人オメガ。
記憶の代償
槇村焔
BL
「あんたの乱れた姿がみたい」
ーダウト。
彼はとても、俺に似ている。だから、真実の言葉なんて口にできない。
そうわかっていたのに、俺は彼に抱かれてしまった。
だから、記憶がなくなったのは、その代償かもしれない。
昔書いていた記憶の代償の完結・リメイクバージョンです。
いつか完結させねばと思い、今回執筆しました。
こちらの作品は2020年BLOVEコンテストに応募した作品です
恋した貴方はαなロミオ
須藤慎弥
BL
Ω性の凛太が恋したのは、ロミオに扮したα性の結城先輩でした。
Ω性に引け目を感じている凛太。
凛太を運命の番だと信じているα性の結城。
すれ違う二人を引き寄せたヒート。
ほんわか現代BLオメガバース♡
※二人それぞれの視点が交互に展開します
※R 18要素はほとんどありませんが、表現と受け取り方に個人差があるものと判断しレーティングマークを付けさせていただきますm(*_ _)m
※fujossy様にて行われました「コスプレ」をテーマにした短編コンテスト出品作です