16 / 20
Elect me1
しおりを挟む
アルフレート視点
家族3人で暮らす様になってしばらく経つ。
シャーリーは自分の事をしたってくれるし、グレンは慣れない生活だろうに文句をいうこともせず奮闘している。
絵にかいた様な幸せだったし、事実人生最高に今が幸せだと思う。
でも、だからこそ、シャーリーが生まれてからここまで自分がいない生活が続いていたと実感するときも多い。
今日は、グレンの元同僚としてスコットが遊びに来ている。
「スコットおじちゃま!」
「お兄ちゃんだよ。」
シャーリーがスコットに駆け寄る。
スコットは慣れた手つきでシャーリーを抱きあげた。
「ああ、これ、シャーリーちゃんの好きなラズベリージャムのクッキーです。」
シャーリーが何が好きなのか少しずつ知っていってはいるけれど、知らないこともまだ多い。
慣れた手つきでシャーリーを抱きあげて、グレンも慣れた風にキレイにラッピングされた箱を受け取っている。
ああ、そうか。グレンの友人として家に来るスコットよりも、よその人なのだ。
過ごして来た時間が違うのだと思い知る。
「馬鹿だろお前。」
手土産を受け取って戻ってきたグレンにシャーリーに聞こえない位の声で言われた後、脛を強か蹴られる。思わず、眉を寄せると、ニヤリと笑われる。
普通、伴侶を殴ったりしないことは、多分この人も承知のことだろう。
多分、俺の考えた後ろ向きの感情もお見通しなのだろう。
「シャーリーにとって親は俺とお前の二人きりなんだから。」
ほれ行ってこいと背中を押される。
さすがによろめくような醜態をさらす事は無かったが、一歩一歩確かめるようにシャーリーに向かって歩く。
「ようこそ。」
スコットと目が合うとやや緊張気味に挨拶を返される。
初めて野営地であった時から、終始そんな感じだ。
シャーリーが「お父さま!」と言って、スコットから飛び降りる。
「みんなでお茶にしましょう!」
シャーリーに手を引かれバルコニーへ向かう。
後ろでグレンが柔らかに笑っている気がした。
家族3人で暮らす様になってしばらく経つ。
シャーリーは自分の事をしたってくれるし、グレンは慣れない生活だろうに文句をいうこともせず奮闘している。
絵にかいた様な幸せだったし、事実人生最高に今が幸せだと思う。
でも、だからこそ、シャーリーが生まれてからここまで自分がいない生活が続いていたと実感するときも多い。
今日は、グレンの元同僚としてスコットが遊びに来ている。
「スコットおじちゃま!」
「お兄ちゃんだよ。」
シャーリーがスコットに駆け寄る。
スコットは慣れた手つきでシャーリーを抱きあげた。
「ああ、これ、シャーリーちゃんの好きなラズベリージャムのクッキーです。」
シャーリーが何が好きなのか少しずつ知っていってはいるけれど、知らないこともまだ多い。
慣れた手つきでシャーリーを抱きあげて、グレンも慣れた風にキレイにラッピングされた箱を受け取っている。
ああ、そうか。グレンの友人として家に来るスコットよりも、よその人なのだ。
過ごして来た時間が違うのだと思い知る。
「馬鹿だろお前。」
手土産を受け取って戻ってきたグレンにシャーリーに聞こえない位の声で言われた後、脛を強か蹴られる。思わず、眉を寄せると、ニヤリと笑われる。
普通、伴侶を殴ったりしないことは、多分この人も承知のことだろう。
多分、俺の考えた後ろ向きの感情もお見通しなのだろう。
「シャーリーにとって親は俺とお前の二人きりなんだから。」
ほれ行ってこいと背中を押される。
さすがによろめくような醜態をさらす事は無かったが、一歩一歩確かめるようにシャーリーに向かって歩く。
「ようこそ。」
スコットと目が合うとやや緊張気味に挨拶を返される。
初めて野営地であった時から、終始そんな感じだ。
シャーリーが「お父さま!」と言って、スコットから飛び降りる。
「みんなでお茶にしましょう!」
シャーリーに手を引かれバルコニーへ向かう。
後ろでグレンが柔らかに笑っている気がした。
24
あなたにおすすめの小説
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
乙女ゲームのサポートメガネキャラに転生しました
西楓
BL
乙女ゲームのサポートキャラとして転生した俺は、ヒロインと攻略対象を無事くっつけることが出来るだろうか。どうやらヒロインの様子が違うような。距離の近いヒロインに徐々に不信感を抱く攻略対象。何故か攻略対象が接近してきて…
ほのほのです。
※有難いことに別サイトでその後の話をご希望されました(嬉しい😆)ので追加いたしました。
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王
ミクリ21
BL
姫が拐われた!
……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。
しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。
誰が拐われたのかを調べる皆。
一方魔王は?
「姫じゃなくて勇者なんだが」
「え?」
姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる