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Elect me2
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グレン視点
ベッドの淵に腰掛けてアルフレートを見上げる。
「済みませんでした。」
スコットが帰った後アルフレートに言われる。
シャーリーははしゃぎすぎてもうぐっすりと眠っている。
「勝手に除け者みたいに思ってるんじゃねーよ。」
少なくとも俺は、お前をちゃんと伴侶だと思ってるし、家族だって信じてる。ゆっくりそう伝えると、アルフレートは静かに息を吐きだした。
「正直言って、あなたがあのスコットという男と仲良くしているのが気にくわないだけなんですよ。」
ポツリと言った言葉は力なく、そんな話を初めて聞いた俺は思わずたじろぐ。
「そりゃあまるで嫉妬みたいじゃねーか。」
「いつでも、嫉妬してますよ。
シャーリー以外の人間とあなたが話している時、やめさせたくて仕方が無い。」
いつも通りの口調で、いつも通りの表情で言われる。
多分、これがこいつの本音なのだろう。
誰とも話もしないで欲しい。叶えてやることは不可能だが、それでも、この馬鹿みたいな本音を口にできるようになったことは嬉しかった。
アルフレートの金髪をぐちゃぐちゃに撫でる。
折角綺麗な髪の毛だ、もう少し丁寧にすいてやりたいが大体こういう時は乱暴になってしまう。
誰にも弱音を言えず、無理矢理記憶を無くして俺に当たる。そんな事しかできなかったアルフレートが言っていることは割と無茶苦茶だけれど、俺に思ったことを話してくれている。
上機嫌で笑いかけると、ぎっちぎちに抱きしめられたのち、唇を奪われる。
コイツのスイッチの入り方が理解できなかった。
といっても、負荷がかかりすぎるとキレてセックスがしたくなるという程度のことしか知りはしない。
俺だって男だから意味も無くムラムラすることはあるし、気にしても仕方が無いのだろう。
唇を離すとアルフレートの瞳が揺れている様に見えた。
まだ、グダグダと悩んでいるらしい。
「するかしないのかはっきりしろ。」
触れて欲しいとは言えなかった。
もう一度、アルフレートは静かに息を吐いてそれから膝をついた。
足先を掴まれて、何事かと固まる。
アルフレートはそのまま跪いて俺の足の甲に唇を落とした。
それから、指との境目を舌で舐められる。
くすぐったい様な、むずむずした様な変な感触におもわず震える
「おい、よせっ、……ふぁっ。」
思わずあえぎに似た声が出て、慌てて口を手でふさぐ。
よせと言ったのに、アルフレートはそのまま足から口を離さない。
「汚いだろ。」
「今、洗ってきたばかりでしょう。」
足の指と指の間にアルフレートの舌が滑り込む。
そんなところは舐められたことも無かったし、そんなところが性感帯だと知りたくも無かった。
必死に、声を出さないように口を押えるが、くぐもった声はどうしても出てしまう。
「もう、いいからとっととこいっ!」
半ば叫ぶように言うと、ようやくアルフレートはベッドに乗った。
* * *
「あ゛ああっ……。」
体を穿つ熱に思わず声を上げる。
けれど、直ぐに歯を食いしばって耐える。
「声、聞かせてください。」
抽送を繰り返しながらアルフレートに言われる。
そのまま、アルフレートは俺の口に指を入れて歯列をなぞってこじ開ける。
もはや声を抑えるのが癖になっていることはアルフレートも気が付いているのだろう。
必要以上に丁寧にほぐされて、そうして、こうやって声を出す様に促される。
俺はアルフレートが気持ちよくなればそれで充分だったのに、アルフレートは大体において、そうしてはくれない。
今だって、ぐちゃぐちゃになった俺の中でとっとと動けばいいのに、そっといたわるみたいな動きで俺の口の中をまさぐっている。
「うんぁっ、あっ、ああッ……。」
アルフレートの手を噛むこともできず思わず声を出してしまう。
アルフレートが吐息だけで笑う。
このくすぐったい時間はいたたまれないけれど、存外好きなのかもしれないと最近思う様になった。
「もっと、好きにうごけ、あっ、……俺で気持ちよくなって欲しっ……やぁっあああっ。」
全て言い切る前に最奥を貫かれる。
一瞬息が詰まって目の奥に星が散る。
その位の衝撃だった。
可愛いと囁かれて、でもそれを否定することもできずひたすら喘ぎ続けた。
* * *
目が覚めて周りを見るがまだ真っ暗だ。
夜半過ぎなのだろう。
俺の身じろぎでアルフレートが起きてしまう
寝ているアルフレートを確認して、ほっと息を吐く。
仕事柄わずかな物音でも起きてしまうアルフレートがこんな深い眠りについていることは珍しい。
俺も数年前までは同じだったし、今も人よりは覚醒しやすいのだろうと思う。
だからこそ、こんな風に寝息を立てて眠るアルフレートを見ることはほとんどなく、おそらく初めての夜以来初めてだったのかもしれない。
それ以降はどんなに体が悲鳴を上げていようが行為が終わればすぐにアルフレートの元を離れていた。
こんな穏やかに眠るアルフレートを見るのは初めてだった。
そっと、髪の毛を撫でる。
先程やったみたいにぐしゃぐしゃとじゃなくて、そっと整える。
金色の髪はまるで宝石の様に輝いていてそれを見ただけで涙がこぼれ落ちそうになった。
「愛してる。」
普段はあまり言わない言葉を呟いた。
了
お題;R18、嫉妬をするアルフレートと最終的にいちゃいちゃ
ベッドの淵に腰掛けてアルフレートを見上げる。
「済みませんでした。」
スコットが帰った後アルフレートに言われる。
シャーリーははしゃぎすぎてもうぐっすりと眠っている。
「勝手に除け者みたいに思ってるんじゃねーよ。」
少なくとも俺は、お前をちゃんと伴侶だと思ってるし、家族だって信じてる。ゆっくりそう伝えると、アルフレートは静かに息を吐きだした。
「正直言って、あなたがあのスコットという男と仲良くしているのが気にくわないだけなんですよ。」
ポツリと言った言葉は力なく、そんな話を初めて聞いた俺は思わずたじろぐ。
「そりゃあまるで嫉妬みたいじゃねーか。」
「いつでも、嫉妬してますよ。
シャーリー以外の人間とあなたが話している時、やめさせたくて仕方が無い。」
いつも通りの口調で、いつも通りの表情で言われる。
多分、これがこいつの本音なのだろう。
誰とも話もしないで欲しい。叶えてやることは不可能だが、それでも、この馬鹿みたいな本音を口にできるようになったことは嬉しかった。
アルフレートの金髪をぐちゃぐちゃに撫でる。
折角綺麗な髪の毛だ、もう少し丁寧にすいてやりたいが大体こういう時は乱暴になってしまう。
誰にも弱音を言えず、無理矢理記憶を無くして俺に当たる。そんな事しかできなかったアルフレートが言っていることは割と無茶苦茶だけれど、俺に思ったことを話してくれている。
上機嫌で笑いかけると、ぎっちぎちに抱きしめられたのち、唇を奪われる。
コイツのスイッチの入り方が理解できなかった。
といっても、負荷がかかりすぎるとキレてセックスがしたくなるという程度のことしか知りはしない。
俺だって男だから意味も無くムラムラすることはあるし、気にしても仕方が無いのだろう。
唇を離すとアルフレートの瞳が揺れている様に見えた。
まだ、グダグダと悩んでいるらしい。
「するかしないのかはっきりしろ。」
触れて欲しいとは言えなかった。
もう一度、アルフレートは静かに息を吐いてそれから膝をついた。
足先を掴まれて、何事かと固まる。
アルフレートはそのまま跪いて俺の足の甲に唇を落とした。
それから、指との境目を舌で舐められる。
くすぐったい様な、むずむずした様な変な感触におもわず震える
「おい、よせっ、……ふぁっ。」
思わずあえぎに似た声が出て、慌てて口を手でふさぐ。
よせと言ったのに、アルフレートはそのまま足から口を離さない。
「汚いだろ。」
「今、洗ってきたばかりでしょう。」
足の指と指の間にアルフレートの舌が滑り込む。
そんなところは舐められたことも無かったし、そんなところが性感帯だと知りたくも無かった。
必死に、声を出さないように口を押えるが、くぐもった声はどうしても出てしまう。
「もう、いいからとっととこいっ!」
半ば叫ぶように言うと、ようやくアルフレートはベッドに乗った。
* * *
「あ゛ああっ……。」
体を穿つ熱に思わず声を上げる。
けれど、直ぐに歯を食いしばって耐える。
「声、聞かせてください。」
抽送を繰り返しながらアルフレートに言われる。
そのまま、アルフレートは俺の口に指を入れて歯列をなぞってこじ開ける。
もはや声を抑えるのが癖になっていることはアルフレートも気が付いているのだろう。
必要以上に丁寧にほぐされて、そうして、こうやって声を出す様に促される。
俺はアルフレートが気持ちよくなればそれで充分だったのに、アルフレートは大体において、そうしてはくれない。
今だって、ぐちゃぐちゃになった俺の中でとっとと動けばいいのに、そっといたわるみたいな動きで俺の口の中をまさぐっている。
「うんぁっ、あっ、ああッ……。」
アルフレートの手を噛むこともできず思わず声を出してしまう。
アルフレートが吐息だけで笑う。
このくすぐったい時間はいたたまれないけれど、存外好きなのかもしれないと最近思う様になった。
「もっと、好きにうごけ、あっ、……俺で気持ちよくなって欲しっ……やぁっあああっ。」
全て言い切る前に最奥を貫かれる。
一瞬息が詰まって目の奥に星が散る。
その位の衝撃だった。
可愛いと囁かれて、でもそれを否定することもできずひたすら喘ぎ続けた。
* * *
目が覚めて周りを見るがまだ真っ暗だ。
夜半過ぎなのだろう。
俺の身じろぎでアルフレートが起きてしまう
寝ているアルフレートを確認して、ほっと息を吐く。
仕事柄わずかな物音でも起きてしまうアルフレートがこんな深い眠りについていることは珍しい。
俺も数年前までは同じだったし、今も人よりは覚醒しやすいのだろうと思う。
だからこそ、こんな風に寝息を立てて眠るアルフレートを見ることはほとんどなく、おそらく初めての夜以来初めてだったのかもしれない。
それ以降はどんなに体が悲鳴を上げていようが行為が終わればすぐにアルフレートの元を離れていた。
こんな穏やかに眠るアルフレートを見るのは初めてだった。
そっと、髪の毛を撫でる。
先程やったみたいにぐしゃぐしゃとじゃなくて、そっと整える。
金色の髪はまるで宝石の様に輝いていてそれを見ただけで涙がこぼれ落ちそうになった。
「愛してる。」
普段はあまり言わない言葉を呟いた。
了
お題;R18、嫉妬をするアルフレートと最終的にいちゃいちゃ
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