死ぬたびに少しだけ成長するけど、肉体は愚か精神ダメージでも即死。そんな男の異世界冒険者譚

Leiren Storathijs

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第5話 はじめての狩り

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 さて、俺は今までに何回死んだのだろう。毎度同じ行動ではなく、どうすれば長生き出来るのかと何度も別のパターンを試し、最適解を見つけたと思えば、予想外な展開で突然の死を迎える。

 普通ならこんな生き方。精神がぶっ壊れそうにるが、それは俺の耐性スキルが許さない。死んで死んで死ぬたびに、耐性スキルが成長し、いずれ『克服』してしまうからだ。

 そうして現在俺は、サバイバルに於ける弓矢の作り方を知り、獲物を探し求める狼の前にいる。

「そして構えて撃つ!!」

 最早深呼吸なんて必要ない。息を止める必要もない。集中すればするほど、要らない不安が募り、恐怖に体が反応するからだ。
 だから狙ってただ撃つ。

「当たれええええぇ! うわあああぁ!!」

 こんなに大声を上げれば当然か。狼は俺の声と姿に気が付き、矢を放った瞬間にこちらに体を向けたせいで惜しくも外した。
 矢を外すことはつまり、狼に食い殺されると同然。俺は叫びながら、恐怖で死亡した。

ショック死無効、光属性無効、刺突耐性0.2%、食らいつき耐性0.3%、グロ耐性0.1%、恐怖耐性0.3%、精神的苦痛耐性10%、言語理解0.1%

 うん。一旦落ち着こうか。まずはどうしたら狼に怯えずに、矢を放てるかを研究しなくてはならない。
 と言ってもそんなこと分かる訳ねぇだろ! とにかく回数を重ねて重ねまくれ!

ショック死無効、光属性無効、刺突耐性0.2%、食らいつき耐性0.3%、グロ耐性0.1%、恐怖耐性1.1%、精神的苦痛耐性10%、言語理解0.1%

 耐性スキル成長具合を見れば、俺の死亡回数は狼による恐怖死は累計110回を記録した。
 そんな頃にはもう俺は弓矢作りの達人と化していた。
 深呼吸せずとも息を止めなくとも、叫びながらでも狼を殺す方法を自己習得もした。

 この方法ならこちらに気づいた狼でも、確実に脳天を貫けるという確固たる自信があり、もう少しで恐怖を克服するところだった。

「てりやぁああ!! 死ねぇい!」

「キュウンッ!」

「÷〒:〒・%÷!?」

 当たったぜゴラアアアア!!

──────────────────
《特殊条件達成:グロウループを開始します》
──────────────────

ショック死無効、光属性無効、恐怖無効、刺突耐性0.2%、食らいつき耐性0.3%、グロ耐性0.1%、精神的苦痛耐性10%、言語理解0.1%、獣耐性0.1%

 あれ、死んでない……。あぁ、恐怖をスキル外で克服したからか?
 いやでもこれって狼に対する恐怖なんだよなぁ。本当にこれでいいのか?
 いや待て……この獣耐性ってなんだ? まさか恐怖無効を手に入れたことに関係するのか? んーいくら念じても詳細とか出てこねえからいいや。

 さて、初めて狼を狩ること成功した。ただそれだけである。

 本来なら異世界人である彼に教えてもらう手筈だったからな。食糧補充でもなければ、危険排除した訳でもない。
 という訳でこれなら森をいよいよ脱出出来るだろう。不意打ちによる恐怖も克服している訳だし、反応さえ出来ればこっちのもんよ。

 そうして俺は彼の後ろをついて行くようにして、遂に森を脱出した。これが2回目だ。当たり前だが驚きもしないし、興奮もしない。ただ普通に疲れた。

 さぁ、あとは不意打ちに気をつけるのみ。

 俺は地平線がずっと見える平原を歩き、その時出て来る魔物はほとんど狼だったので対処出来た。
 そしてついに彼がテントに記していた都市らしき場所にたどり着く。

 あぁ、感動だ。異世界転生してから単純計算で約3~400回の死亡で初めての町にたどり着いた。自然と涙が流れてくる。

「+:〒:%・?」

 不思議そうな表情で俺の顔を覗いてくる彼。俺は「なんでもない」と答えて涙を拭った。
──────────────────
《所定位置に到達。オートセーブを完了しました》
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