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7.凛風の計画
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それから、あっという間に数日が過ぎた。
憂炎の忙しさはかなりのもので、小間使いをしているだけで目が回りそうだ。
(っていうか、絶対いらん仕事まで押し付けられてるだろ、これ)
ついこの間まで空席だった東宮位に、これほど仕事が回ってくるなんて普通に考えたらおかしい。不在でも国が回っていたのだから、もう少し段階的に仕事を貰って然るべきだ。
大方、皇后一派による嫌がらせか、後継者を早く育てたい皇帝の焦りのせいだろう。
(大体、憂炎も憂炎だ)
いらん仕事は断ってしまえば良いものを、全部一手に引き受けてしまっている。執務室の扉が躊躇いがちに鳴る度、わたしはため息を吐きたくなった。
(憂炎の奴、あんな顔して負けず嫌いだからなぁ)
中性的で大人しい顔つきをしている癖に、憂炎は身の内に獰猛な獣を飼っている。「できないだろう?」と聞かれたら、意地でも可能に変えてしまう。あいつはそういう男だ。
もっと手を抜けばいいのに――――そんなことを思っていたら、ふわりと何かが頭をかすめる。
「疲れただろう? 少し休憩したらどうだ? 侍女に茶を用意させようか?」
頭上から憂炎の声が降り注ぐ。言いながら、奴はわたしの頭をそっと撫でた。
目の下には黒々とした隈が出来ている。見るからに疲れ切った表情だ。
(いや、おまえが休憩しろよ)
心の中で悪態を吐きつつ、わたしはそっと唇を尖らせる。
憂炎は意地っ張りだから、休めといった所で休みはしない。
寝ろと言っても寝やしないし、寧ろ逆効果だろうと思う。
(しかし……)
憂炎の手のひらは無駄に温かくて大きいし、触り方はまるで壊れ物を扱う時みたいに丁寧で優しい。
気持ちが良いかもしれない、なんて錯覚しかけて、わたしは首を横に振った。
(憂炎の癖に)
わたしの知らないところで、華凛のことをこんなに大事にしていたんだな――――そう思うと何だかとても腹立たしい。
「ありがとうございます。でも、わたくしは大丈夫ですから」
憂炎の手をやんわり退けながら、わたしは上品な笑みを浮かべた。
華凛としてこいつの前に立って以降、わたしは何度も、大きな違和感に襲われている。
だけど、どれだけわたしの知らない一面を突き付けられたとしても、ゴツゴツした手のひらは、間違いなく憂炎のものだった。まるで別人みたいに思えるのに、憂炎はあくまで憂炎で。
(ただ、わたしが知らなかっただけ)
そう思うと、胸がチクリと痛む。
憂炎のことなら何でも知っているつもりだった。
生い立ちも性格も、好きなものも、何もかもを知っている気になっていた。
だけどわたしは、本当は何も知らなかった。
アイツが『凛風』に何を望むのか、どうして『華凛』をこんな風に扱うのか――――憂炎の何もかもをわたしは知らない。
「失礼します」
その時、部屋の戸が遠慮がちに開いた。見れば白龍がじとっとした瞳でこちらを見つめている。
「どうした、白龍」
姿勢を正し、憂炎が白龍に尋ねる。
「宰相が主と話をしたいとのこと。できればご足労願いたい、との伝言でございますが」
「ん……分かった。今行く」
憂炎はそう言うと、唐突にわたしを見つめてきた。
先程までの甘ったるい表情じゃなくて、挑むような何かを欲するような、そんな瞳。凛風としてのわたしには馴染みの、憂炎らしい表情だった。
(何だよ、憂炎の奴)
唐突にそんな瞳を向けられると困ってしまう。こんな時に華凛がどうするかなんて、わたしは知らない。想像すらできなかった。
「あの……いってらっしゃいませ」
何だか居た堪れなくなって、わたしは華凛らしい笑みを浮かべる。
すると憂炎は小さくため息を吐き、もう一度わたしの頭を撫でてから踵を返す。憂炎が部屋を出た途端、わたしは思わずため息を吐いた。
(疲れる……マジで疲れる)
毎日毎日こんな調子なのだ。帰宅後は疲労困憊だった。
侍女の紀柳が淹れてくれるお茶が、ここ数日やけに美味しく感じられる。身体はさして疲れていないものの、胸のあたりがズドンと重い。どうやらこれが心労というものらしい。
(…………あれ?)
再び溜息を吐きそうになったその時、わたしはふと誰かの視線を感じた。
ゆっくりと視線を彷徨わせれば、その先に白龍を見つける。彼は憂炎について行ったものと思っていたが、部屋に残っていたらしい。仕事は山ほど溜まっているし、他にも護衛がいるからだろう。
(白龍と二人きりになるのってそういや初めてだなぁ)
この数日間で分かったのは、白龍は優秀らしいという表面的な事実だけだった。
最初は恵まれた体躯から武官だとばかり思っていたのだが、白龍はどうやら文官として登用されているらしい。
口数が少なく控えめだが、仕事はそつ無くこなしているし、憂炎が望むことをいつも先回りして終わらせている。綺麗だけど男性らしい勢いのある文字をしていて、そういう性格なんだろうなぁって勝手に邪推している。――――というか、そういうことからしか白龍がどういう人間が読み取る術がなかった。
(憂炎が側近に置いてるぐらいだし、信用の出来る男なんだろうけど)
残念ながら口を開くこと自体が稀なので、このままではちっとも白龍と仲良くなれる気がしない。わたしはそれが、とても残念だった。
(凛風なら、遠慮なく個人情報を聞きまくるんだけどなぁ)
自分とは全く異なる何かを持っている白龍に興味がある。だけど、淑女である『華凛』はそういう行動を慎むので、わたしも我慢するしかない。
(あぁ、面倒くさい……『凛風』としての自分に戻りたい)
そう思うと、重ね重ね、憂炎のことが恨めしくなる。あの涼し気な――――寧ろ燃えるような不思議な瞳を、手のひらで覆い隠してやりたくなる。
(憂炎の奴……これだけ『華凛』を溺愛してるんだ。今からでも遅くはないから『凛風』と離縁してもらえないだろうか)
そうすれば凛風は無罪放免。憂炎は『華凛』を妃にして、わたしたち姉妹は本来の自分に戻ることができる。みんなが自分の望むように生きられるし、ウィンウィンじゃなかろうか。
(いや……待って! それ本当に良くない⁉)
己の発想に感動しながら、わたしは心臓を高鳴らせる。
このシナリオが上手くいくなら、わたしはわたしとして、華凛は華凛として、幸せを掴むことができる。
誘導尋問とか誘惑とか、色々と工夫は必要だけど、ローリスク・ハイリターンの賭けだから、試してみる価値は十分にあるだろう。
(でもなぁ……華凛が憂炎と上手くやってるなら、この作戦は上手くいかないかも)
『凛風』が既に妃としての地位を確固たるものにしているなら、『華凛』は姉の夫である東宮をたぶらかした悪女という汚名を着ることになる。本当の華凛のためにも、そういったことは何としても避けたい。
(――――というか、『どちらも妃に』とかいう話になったら、いよいよ逃げ道が無くなってしまう)
すべては後宮に行って、華凛に話を聞いてからだ。
もしも二人が上手くいっていないなら、わたしは『華凛』として、全力で憂炎を落とせばいい。
心の中でほくそ笑みながら、わたしは憂炎の去っていった方角を見つめる。
「――――主も主だが、お前も相当だな」
「へ?」
その時、部屋の隅から何やら声が聞こえた気がした。だけど、白龍は淀みなく手を動かしているし、こちらを気にするような素振りは一切ない。
(空耳か)
そう結論付けて、わたしは己の計画がもたらすであろう今後の展開に、ドキドキと胸をときめかせるのだった。
憂炎の忙しさはかなりのもので、小間使いをしているだけで目が回りそうだ。
(っていうか、絶対いらん仕事まで押し付けられてるだろ、これ)
ついこの間まで空席だった東宮位に、これほど仕事が回ってくるなんて普通に考えたらおかしい。不在でも国が回っていたのだから、もう少し段階的に仕事を貰って然るべきだ。
大方、皇后一派による嫌がらせか、後継者を早く育てたい皇帝の焦りのせいだろう。
(大体、憂炎も憂炎だ)
いらん仕事は断ってしまえば良いものを、全部一手に引き受けてしまっている。執務室の扉が躊躇いがちに鳴る度、わたしはため息を吐きたくなった。
(憂炎の奴、あんな顔して負けず嫌いだからなぁ)
中性的で大人しい顔つきをしている癖に、憂炎は身の内に獰猛な獣を飼っている。「できないだろう?」と聞かれたら、意地でも可能に変えてしまう。あいつはそういう男だ。
もっと手を抜けばいいのに――――そんなことを思っていたら、ふわりと何かが頭をかすめる。
「疲れただろう? 少し休憩したらどうだ? 侍女に茶を用意させようか?」
頭上から憂炎の声が降り注ぐ。言いながら、奴はわたしの頭をそっと撫でた。
目の下には黒々とした隈が出来ている。見るからに疲れ切った表情だ。
(いや、おまえが休憩しろよ)
心の中で悪態を吐きつつ、わたしはそっと唇を尖らせる。
憂炎は意地っ張りだから、休めといった所で休みはしない。
寝ろと言っても寝やしないし、寧ろ逆効果だろうと思う。
(しかし……)
憂炎の手のひらは無駄に温かくて大きいし、触り方はまるで壊れ物を扱う時みたいに丁寧で優しい。
気持ちが良いかもしれない、なんて錯覚しかけて、わたしは首を横に振った。
(憂炎の癖に)
わたしの知らないところで、華凛のことをこんなに大事にしていたんだな――――そう思うと何だかとても腹立たしい。
「ありがとうございます。でも、わたくしは大丈夫ですから」
憂炎の手をやんわり退けながら、わたしは上品な笑みを浮かべた。
華凛としてこいつの前に立って以降、わたしは何度も、大きな違和感に襲われている。
だけど、どれだけわたしの知らない一面を突き付けられたとしても、ゴツゴツした手のひらは、間違いなく憂炎のものだった。まるで別人みたいに思えるのに、憂炎はあくまで憂炎で。
(ただ、わたしが知らなかっただけ)
そう思うと、胸がチクリと痛む。
憂炎のことなら何でも知っているつもりだった。
生い立ちも性格も、好きなものも、何もかもを知っている気になっていた。
だけどわたしは、本当は何も知らなかった。
アイツが『凛風』に何を望むのか、どうして『華凛』をこんな風に扱うのか――――憂炎の何もかもをわたしは知らない。
「失礼します」
その時、部屋の戸が遠慮がちに開いた。見れば白龍がじとっとした瞳でこちらを見つめている。
「どうした、白龍」
姿勢を正し、憂炎が白龍に尋ねる。
「宰相が主と話をしたいとのこと。できればご足労願いたい、との伝言でございますが」
「ん……分かった。今行く」
憂炎はそう言うと、唐突にわたしを見つめてきた。
先程までの甘ったるい表情じゃなくて、挑むような何かを欲するような、そんな瞳。凛風としてのわたしには馴染みの、憂炎らしい表情だった。
(何だよ、憂炎の奴)
唐突にそんな瞳を向けられると困ってしまう。こんな時に華凛がどうするかなんて、わたしは知らない。想像すらできなかった。
「あの……いってらっしゃいませ」
何だか居た堪れなくなって、わたしは華凛らしい笑みを浮かべる。
すると憂炎は小さくため息を吐き、もう一度わたしの頭を撫でてから踵を返す。憂炎が部屋を出た途端、わたしは思わずため息を吐いた。
(疲れる……マジで疲れる)
毎日毎日こんな調子なのだ。帰宅後は疲労困憊だった。
侍女の紀柳が淹れてくれるお茶が、ここ数日やけに美味しく感じられる。身体はさして疲れていないものの、胸のあたりがズドンと重い。どうやらこれが心労というものらしい。
(…………あれ?)
再び溜息を吐きそうになったその時、わたしはふと誰かの視線を感じた。
ゆっくりと視線を彷徨わせれば、その先に白龍を見つける。彼は憂炎について行ったものと思っていたが、部屋に残っていたらしい。仕事は山ほど溜まっているし、他にも護衛がいるからだろう。
(白龍と二人きりになるのってそういや初めてだなぁ)
この数日間で分かったのは、白龍は優秀らしいという表面的な事実だけだった。
最初は恵まれた体躯から武官だとばかり思っていたのだが、白龍はどうやら文官として登用されているらしい。
口数が少なく控えめだが、仕事はそつ無くこなしているし、憂炎が望むことをいつも先回りして終わらせている。綺麗だけど男性らしい勢いのある文字をしていて、そういう性格なんだろうなぁって勝手に邪推している。――――というか、そういうことからしか白龍がどういう人間が読み取る術がなかった。
(憂炎が側近に置いてるぐらいだし、信用の出来る男なんだろうけど)
残念ながら口を開くこと自体が稀なので、このままではちっとも白龍と仲良くなれる気がしない。わたしはそれが、とても残念だった。
(凛風なら、遠慮なく個人情報を聞きまくるんだけどなぁ)
自分とは全く異なる何かを持っている白龍に興味がある。だけど、淑女である『華凛』はそういう行動を慎むので、わたしも我慢するしかない。
(あぁ、面倒くさい……『凛風』としての自分に戻りたい)
そう思うと、重ね重ね、憂炎のことが恨めしくなる。あの涼し気な――――寧ろ燃えるような不思議な瞳を、手のひらで覆い隠してやりたくなる。
(憂炎の奴……これだけ『華凛』を溺愛してるんだ。今からでも遅くはないから『凛風』と離縁してもらえないだろうか)
そうすれば凛風は無罪放免。憂炎は『華凛』を妃にして、わたしたち姉妹は本来の自分に戻ることができる。みんなが自分の望むように生きられるし、ウィンウィンじゃなかろうか。
(いや……待って! それ本当に良くない⁉)
己の発想に感動しながら、わたしは心臓を高鳴らせる。
このシナリオが上手くいくなら、わたしはわたしとして、華凛は華凛として、幸せを掴むことができる。
誘導尋問とか誘惑とか、色々と工夫は必要だけど、ローリスク・ハイリターンの賭けだから、試してみる価値は十分にあるだろう。
(でもなぁ……華凛が憂炎と上手くやってるなら、この作戦は上手くいかないかも)
『凛風』が既に妃としての地位を確固たるものにしているなら、『華凛』は姉の夫である東宮をたぶらかした悪女という汚名を着ることになる。本当の華凛のためにも、そういったことは何としても避けたい。
(――――というか、『どちらも妃に』とかいう話になったら、いよいよ逃げ道が無くなってしまう)
すべては後宮に行って、華凛に話を聞いてからだ。
もしも二人が上手くいっていないなら、わたしは『華凛』として、全力で憂炎を落とせばいい。
心の中でほくそ笑みながら、わたしは憂炎の去っていった方角を見つめる。
「――――主も主だが、お前も相当だな」
「へ?」
その時、部屋の隅から何やら声が聞こえた気がした。だけど、白龍は淀みなく手を動かしているし、こちらを気にするような素振りは一切ない。
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