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壱、
しおりを挟む丸尾末広か?花輪和一か?判然としないのだけども、どちらかの特集が為されているアックスを立ち読みしている。それからしばらくして、おなじく立ち読みをしている連れのところへ戻り、なんかくっちゃべってると、丸尾末広か?花輪和一か?判然としないがどちらか特集号のアックスの話題に至り、ちょうど、真後ろの本棚に在ったから、連れはそれを手に取り、ビニルで封がされているのを眼にするなり(えなりかずき、渡る世間は鬼が救う!)「…お~い、誰か、これ、剥がしてくれよ~?」店主や店員らと顔見知りらしく、大声で叫ぶものだから、俺は気恥ずかしくてたまらず真っ赤になってよがりだしたい気分。「…いや、あっちに見本本が平置きしてあったよ?」「…あっそ!」機転を利かし側転を促しながら、ふと、丸尾末広か?花輪和一か?どちらの特集か?判然としないアックスの裏表紙を見ると、¥2700とバーコードの下に印字されている。「…それにしても、本の値段が高くなったよね?」「そうだよね?舞台の観劇代とおんなじだよ?」「あ、そうなんだ?」なんてやりとりをしてから、連れは丸尾末広か?花輪和一か?判然としないアックス特集号が置いて在るべきその場所に行くと、まったくもって見つからないらしい。見つからなくて、なんたかいたたまれなくなりいてもたっても無言でもいられなくなった様子で、えへらえへらしながら、近くのひとになんか盛んに話し掛けているのだけれどもやめられないとまらないマシンガンケリートーク状態。仕舞いには、漫談みたいなものまで始めてしまった。挙げ句の果てには、ひっこみがつかなくなって、照れ隠しにのべつまくなしつれづれなるままに日暮らし硯に向かわず (I was ...) 心に移りゆくよしなしごとを*、虚空に向かいそこねてそこはかとなくべしゃりまくっている。俺は、助け舟を出す気は毛頭なかった。連れを見捨てる決意万端。それにしても、こんなに真っ暗な本屋なんてある?ふと周囲を見渡すと、店内は蛍光灯の照明なく真っ暗で、かろうじて本が読める程度の薄明かりすらない。先程まで、どのようにして読んでいたのか?もう、既に記憶にはない。しかも、ふと気づくとみんな机に突っ伏している。そして、もう誰も、一言も喋ってない騒いでいない。マナーの行き届いた書店である。本棚はそれぞれが突っ伏しているその後ろに在る。暗闇書店か。こんなところでこんなことしてても余計な油を売っていても埓が明かずのたくっいてもあれなので、出入口に於ける外から差し込むかすかな光を便りに、本のタイトルを確認してから会計しようとしたら、ちょうど蛭子さんが会計をしている能収。…あれ?蛭子さん、頭、大丈夫じゃん?と、一旦、感心したのだけれども(…ってか、ここは、闇のサブカル書店か?)、…やっぱ、ダメか?黒電話で緊急連絡先に電話している。それを傍目に見ながら、店員さんが並行して会計をしてくれるみたいだから、(会計を)済まそうとしたら、バーコード読み取るスキャニング端末を手渡されセルフ奉仕か?、三種のバーコード、ひとつは、普通のバーコード、いまひとつは、動物の骨型バーコード、いまいまひとつは、 なのだけらども、それぞれバーコードが何度なぞっても読めない。また、みんなちゃんと理由があり、店員のオススメ等の情報を読み込んでいるのだそう。また、後ろを振り向くと(クリムト)、俺がレジに たのを皮切りに一斉に浮塵子の如く他の客が押し寄せていて曲がりくねった長蛇の列。そして、真後ろに並んでいる柳葉敏郎風の男に、俺は、どーも、すいません!卑屈な笑顔でこうべを垂れる。(了)
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