嗚呼、狂おしの涙も枯れ果てて、

クリスティーナ破れカブレラ

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壱、

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ノコギリをリュックから出したり入れたりしているところを、通行人に見られ通報され危うくの御用、令和捕物帖か。通報者の顔、俺ははっきり見ていた。しかし、このうらみはらさでおくべきかァあああああああああああ!!!!?????、と逆怨みエクスプロージョンはしないStyleでいくつもり。駆けつけたK官にこれでしょ?すぐさまノコギリを取り出し、あっさり自供する俺。呆気ない逮捕劇か?と、思いきや、いやいや、絶対、逮捕なんかされたくねぇええええええ!!!!!無駄な抵抗に、華麗な足掻き。仕事場から持ち出して、自宅で使用する為に、あっちとこっち往き来する為に、運んでただけなんすけど?????なにか?????問題でも?????あるんすかァあああああ??????執拗に喰い下がる!喰って掛かるのさ厭だと言っても愛してやるさ♪THE 国家権力!そして、駆けつけたK察官の顔をまじまじと見たら、よく見りゃァあいつじゃねぇか!俺を陥れようとしたあいつ!俺を辱しめたしたあいつ!俺を屈辱に塗れさせたあいつ!こいつァいい機会だ!ッてンで、権力のシャンデリアを纏ったこいつに一恥、掻かせてやろうじゃねぇか?復讐劇を企てる。…あの、□□事務所で働いてましたよねぇ??????十年まえくらい!!!!!…あ、ええ。あのときのこと憶えてます???????隣のデスクの??????○○○○です!!!!!!…うわ、うっそ!マジか?お前、あんときの○○○○か??????そうです!!!!!そうです!!!!!あんときの○○○○です!!!!!…なんて、意気投合はせず記憶の照合だけをさせて、思い出ばなしに華を咲かせることなく枯れ葉剤を塗布して話の展開を打ち止め。あのときは可愛がってくれましたよねえええええ?????お世話になりましたァあああああああ!!!!!…へっ?あ、あんときはごめんごめんごめん!!!!!!!ごめんで済んだらK察はいらねぇんだよ母系ぇえええええええ!!!!!徐々にヒートアップ & クラッシュドアップする俺はもう誰にも止められないやめられないこわいもんなしのつぶて気分はもう戦争ではなく逢仏殺仏の殉教者気取り、そして、図らずもリベンジが達成出来ることへの、半ば不安定な期待を胸に。
…と、そこで、記憶の糸は途切れてしまう。忘れようとしても思い出せない程に、近接した記憶を呼び醒まそうとすると虚脱状態に陥ってしまう。そして、その後の日々は、現実的出来事としての記憶は朧気に存在するものの、それらを時系列順に整列させることが何故か出来ない。何処から何処までが現実で、何処から何処までが幻想なのか?その境界線ラインが曖昧にして模糊。オレの精神は混濁しているのだろうか?そして、取り留めのない孤独な思考の氾濫が呼び醒まされる。人は死ぬ為に生きる。死に向かって毎日を生きる。そして、一人で生まれて、一人で死ぬ!(永山則夫の殺し文句を聴け!)死ぬことはこの世に生を受けた、その瞬間から全ての生物に課せられた運命だ。その運命から逃れることはできない。受け入れたくないと言っても、受け入れざるを得ない。しかし、敢えて自堕落な生活を送る必要もないし、希望に満ち溢れて生きる気力もオレにはない。逝き急ぐ本人の意志とは裏腹に延命させられたり、不条理な事故で絶命させられることもある。翻って、本人の意思とは裏腹に他者の力で絶命させられたり、不条理な事故に合ってさえも延命させられることもある。それを奇跡と呼ぶか?不慮の事故と呼ぶか?生に結びつくものは奇跡と呼び、死に結びつくものは不慮の事故と相成る。「あいつ」に対する感情は既にない。何らかの形で俺の人生にかかわっていることは確実性を帯び、更に、不穏な空気の存在も感じている。しかし、憎悪の感情の灯火は消えた。それにしても、振り返っても何もなかったなァ?オレの人生。今だって、テレビを見ながらそう考えて最初に喚起させられた幼少期の想い出って云うのが、海岸に流れ着いた、新聞紙に包まれたる鼠の屍体を手に取った光景なんDAZE!?一体、どんな幼少時代だよ。オレは。

「犯人の精神鑑定が、実施される模様です。」

報道番組が始まり、落ち着いた口調で、清楚に、そして、ダークネスを装いながら連続殺傷事件のニュースを読み終えた新人女子アナウンサーは、顔を上げると、「さて、コマーシャルの後は、みなさんお待ちかねの、セレビスタBitch必見!めざせファッショニスタ!ふわゆるStyler激烈こなれ感のスペシャリスト!抜け感で世界制覇を!のコーナーでーす!!」と、満面の笑みを浮かべ、溌剌として言い放った。その顔はとても美しかった。類稀な程に見目麗しく、生命感溢れる笑顔を擁するも、その存在は虚構的な美だった。オレは、半ば放心状態で眺めていた。そして、誓うのだった。「これから先、深い哀しみや苦しみ、そして、憎しみが訪れることになるのかも知れないのですよ。それでも、いいのですか?」と、訊かれても、「はい。私は、それでも生きていきます。」と、心置きなく言えるような人間になりたいと。しかし、そのアナウンサーは、直後、泡を吹きながら前のめりに倒れた。すると、傍らに座っていた神経質そうな文化人が突然ではあるが、徐に立ち上がって駆け寄り、その女子アナウンサーの横腹を思い切り蹴り上げてこう言い放った。

「この、役立たずの屑野郎がぁ!!」




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