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壱、
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寅さんみたいな格好をした奴らが次々とオレの眼前を通り掛かって、寅さんみたいだと勝手気ままにオレは呟くのだけれどもしかし、その後にそいつらは輩らしいことが判明、同じく寅次郎スタイルでそいつらの親分がやって来て、オレに向かって、「あんた何処中やか?」とかって訊いてくるも、しかとシカトキメ込むもすると突然、オレの前で、顎をしゃくり上げて声を張り荒らげ、「イケメンとデラべっぴんからしょっぴくゾーーー!!!美しいもんしか拐かさねぇゾーーー???」ってんでシャウト大宣言し、またそして、続々と車寅次郎スタイルの輩どもが集いやって来て、次々と野蛮なスカウト活動を繰り拡げていたのだけれども、早々と拉致られたイケメンが早速亥の一番にカタギから足を洗い顔を洗って出直し明後日の方向を向いてこちらからしたら、「一昨日来やがれ!」と言いたくなるような輩ATTITUDE剥き出しそれに心をそっくりそのまま入れ換えたが如くお澄ましFACEで何喰わぬ顔で輩の手先となり、輩メンタリティが憑依されたっつぅ無茶苦茶な設定でオレに手を掛け、「お前ぇ…。」っつぅのを喰い気味で遮って、「…これでも、オレ、不細工、醜いんすよ!」とグラサン傾け小粋に答え、「…あ、何だ、ダメか…?」と溜め息を突かれ、かっ浚いガチ拉致マジ余裕でされんのを何とか回避し、なかなかだな?オレ、なかなかやりおるな?とテメエでテメエを誇らしく思った。それから親分は舐めるように舌をペログリ出しながら周囲を見渡し、突如激昂、松田優作のプリミティヴなソウルを召還して、「何じゃァこりゃァァァァァァ????この街にゃァバケモンしかいねぇのかァァァァァァァ??????尋常ジャネーーーーーナァァァァァ?????人間は何処にいるだよォォォォ??????」と、獣の如くに咆哮した。そんなことは心底どーでもいいので、こちとらさっさとおいとましますよ?ドロンしまっせ?ってんで、解放されたことに悦びを得たオレは意気揚々と何ら躊躇わず速攻で退却しようとしたのだけれども、一難去ってまた一難。You Know(What Im)Saying?(意;さもありなん!)通りたくても通れない。行きたくても行けない。あの場所には、到底辿り着けそうに、ない。ふと周りを見渡すと、いつの間にか、人なのか?何なのか?判然としないダカリ。細胞分裂と核融合を繰り返すようにして、次々と現れては消えてゆくクリーチャーたち。乱入組、突入組、飛入組、殴込組、カチコミ組、入り乱れ大暴れして立ち廻りくんずほぐれつ一大ムーブメント@大喝采。カオスの如くに呑めや唄えや狂えやの酔狂カーニバル絶賛開催中!(FUCKIN’)ジーザスクライストTHE お祭り騒ぎ状態。それにしても、物凄ぇ生命力だな?オイ!じゃなきゃァ、あんなとこでこんな大盛り上がりカシマシtalkin’世間話出来ねぇって!(いや、マジで!)生命力が充ち満ちている。そのエネルギー照射がマジハンパねぇ。オレの近くで、やめてくんねぇかな?何だともってんだよ?人のことを。話の内容は筒抜け丸聴こえ。「…あの、すいません!」とかつっても話に夢中で意に介さない。あらこんなところに生物なんていたのね?なんてな感じで蔑んだような、狐狸妖怪の類いでも見つけたが如くクソ忌々しい会議が一時中断して、一瞬だけ、ほんの一瞬だけ、喧騒がやみ、刹那、オレの話で持ち切ってから、やっかみを自ら発していたクソ忌会議が再開するのだけれども。オレは日本人で、向こうも日本人。それなのに、日本語が通じない。不可解である。わざとらしく物音たてても平気のへいちゃら平太郎。無駄な足掻き & なしの礫ズだった。気がつくとメンズはオレだけで、あちらこちらから黄泉仕様のカラーリングでグラデーションが掛かるようにして何れ劣らぬ選り取りみどり選り抜き生え抜き粒ぞろいで人浚いもそうそうザラには浚わないであろうそうそうたる面子の総SHITFULスカリッシュスカムFACEバケモンが勢揃いしていた。傍らにいたそいつらは、「何じゃァKOREAAAAAA???????この街にゃァバケモンしかいねぇのかァァァ???尋常ジャネーナァァァ???まともな人間は何処にいるだよォォォ???」←それを聴くなり、急に焦ったように焦燥フェイスでお互い顔を見合せ一瞬笑みをこぼしたかと思うと躊躇いがちにお互いをどうぞどうぞと譲り合うようにして互いにお互いの股間を蹴り上げてから真っ赤になってよがりだしエクスタシーの絶頂に達したかの如くアクメ顔を批瀝してキス顔連発しビックリフェイスのbeautiful美SHITerが享楽の宴。みんながみんな、タッパが1メーターちょいくらいしかないから、そいつらがまた畸形ッティーで、しかし、そいつらは、「バケモンだ!バケモンだ!バケモンがいる!」と、今度はオレのことを囃し立てながらオレの後をついて来たりしていたのだけれども、それからその後、そいつらがオレを取り囲むようにしてライク・亜・かごめかごめ。輪っかンなって悪ノリ全開でハシャギだしタッパが1メーターちょいしかなくまた、マスゲームのように統一された行動様式がが美醜すらを超克(超越)しているような気もして、そしてそいつら、子供なのか?老人なのか?アッパー系なのか?ダウナー系なのか?判然としないのだけれども、オレを取り囲みがてら更に、バケモンだのユーレイだのオバケだのとオレのことを捲くし立て糾弾し訴追し、且つ、受験合格発表会場みたいにオレを見上げ、オレを見下したような@眼差し。またそして、それに対して何も言えないでいる自分がもどかしかった。こいつらは生命力のゆらぎを全身全霊で得ているのだから、意味もなく儚い。それだけで世界は廻っている。寧ろ、成り立っていると言った方が正しいかもしれない。裏を返せば、人類に取っての最後の砦と化す可能性を孕んでいるとも言える。何だか恐ろしくなって蹲ると、粘着質なペチャクチャペチャクチャ人と人の触れ合う音がしだして、恐る恐る見上げてみると何かそいつら一つんなってグチャグチャになってるから、オレは心底恐ろしくなった。きつく抱き締め合って抱き合っていたり、視線を複雑に絡ませ合っていたり、唇と唇を濃厚に重ね合わせていたり、指を執拗なまでに絡ませていたり、胸と胸を突き合わせぎゅううとしていたり、腹と腹をこすり合わせ擦れる音を出していたり、心の底から楽しそうに腰をクネラセていたり、足を乱暴に絡ませていたりして、迸る汗と汁。一心不乱にお互いを弄ぶようにしてお互いを取り込もうとしてお互いの魂の融合を目論見、同時多発的に所々で狼煙を上げ、結合してイヤガル。不穏なダンス。申し合わせたように位相の異なる結界、つまり異界で現地集合して暗黒舞踏。ザクロの熟れたような饐えたような異様な臭気が周辺地域に漂っていた。すると一瞬、雷【IKAZUCHI】のような、栗が火中で爆ぜた時の拡大解釈版のような音を立てたかと思うと、その音に驚いて伏せっていたのを中止して立ち上がり周囲を見渡すと其処には辺り一面に煙が立ち込めていたのだけれども、暫くして視界が開け晴れ渡り見晴らしが良くなった場所には肉片の塊が飛び散ってい、血の海が拡がっていた。爆心地;GROUND ZEROのようになったオレの眼前には、虚仮脅しのようなほんの僅かな美を駆使して魅惑的に輝き、稀有速度で我々を煙に巻き、蠱惑的で雅やか、華やかなようで手弱女々しいそして愛らしい、若干;一名のうら若き純情可憐絶対乙女チルドレンが佇んでいた。しかし、輩親分は、「バカヤロー!どっちにしろタッパがねぇからバケモンじゃねぇかよ?」何ら驚いた表情を見せずに、吐き捨ててから唾棄し、愉快な仲間たちを引き連れて去って行った帰って行った。何とか難とかを逃れたオレは、酌み交わされた憐れみの盃を破棄し、自然発生的に現れた焦燥しきった表情でお疲れパーティーに向かう。何か、不穏な空気が漂っていたかと思うとKATAWARAにはすがりつくような眼で犯される牝猫と正常位で交尾する牡猫の後ろ姿があった…。
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