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壱、
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…今日、これから、深夜映画館;ミッドナイトシネマに行ってカリオストロの城を観よう!だなんて、妙な提案をされるのだけれども、俺は、計;36時間以上、飯を腹に収めていないので、尚且つ、24時間以上、眠りに就いていないので、いやいや、今日は無理、無理!そう伝えると、そのテキトーな返事が鉄爪となり(租庸調)増長を促してしまう。…そうやってさァ?みんな外に出られなくなっちゃうみたいよ?ほら?あそこのなになにさんも、そうやってずうっと引きこもって外に出られないでいるみたいじゃないの?所謂、謂うところの鬱病5.5のことをのたまっているらしく、俺は、被害妄想 & 僻み根性を剥き出しに、俺がいつ自分のことを鬱病だなんて言ったァ?憶えているなら、言ってみろよ?あァ~!?と、何故か輩アティチュード全開に陰鬱な昂奮を擁しながら捲し立てる。しかし、変にやる気を出して行く気になり、その前に取り敢えずは寝室だけでも片づけていこうとするのだけれども、いつまで経ってもベッドメイキングが終わらない。フローリングは埃ダラケ。その上を裸足で移動するものだから、足裏が本当に気持ち悪い。天井と壁には蜘蛛の巣が張っている。…果たして一体、なんなのだろう?多分、これは記憶であって、今現在のものではない。それなのに、如何してこんなにもはっきりとした感覚があるのだろうか?そしてその正体が、なんなのか?俺にはまったくもって判らない。俺はもうすぐ死ぬのかも知れない。しかし、すぐにはまだ死にたくない…。生き急ぐには遅すぎる。死に逸るには速すぎる。そして、誰に対して、何を祈り捧げているか?よく判らないまま、手を合わせてみるものの、神の声なんか聴こえてくる筈もなく。結局のところ、人間、一人で生まれて、一人で死ぬ!(永山則夫の殺し文句を聴け!)そんなことを考えていたら、涙が止まらなくなってしまった。決して、泣きたい訳ではないのだけれども、止めどなく涙があふるる。自分が情けないような気がするものの、そんな自分を受け入れることは逞しくもあり、わんぱくでもいい、たくましく老いさらばえて欲しいと自らに乞い願う。…ふと気づくと、母親を助手席ハーネットに乗っけて車を運転してい、元よりバリバリのペーパードライバーだから運転に於ける勘はとっくのとおに忘れ記憶の彼方、震える手でハンドルを握り、勝手がまるで判らない。ハンドルさばきは覚束なく、ギアチェンジの仕方に関しては手の施しようがない。そんなめちゃくちゃなドライビングテクニクスで、なんとか、黄信号が点滅した後、青い右折表示と赤信号が表示されている信号機を上空に見上げながら、路肩に寄せるだなんて高等テクニックは俺には到底出来ず、そのまんま左折して歩道に向かって突進、無理矢理、縁石を乗り上げてあわてないあわてない、ひとやすみひとやすみ。取り敢えず、タイヤとホイールのメンテナンスでもしてみようと、ありもしない知識をフル動員して交換していると、 のメンバーが後方からやって来て、寄って集って、俺を、喰い物にして弄ぶものだから、怒り心頭、幾ら滅却しようとしても業火は涼しとならず、燃え滾る怒りの炎に身を任せ、本能の赴くままに、タイヤのホイールを外して鞣し、そいつらを鞭打ちの刑に処する俺はまるでキングコング。
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