ああ、もういらないのね

志位斗 茂家波

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ああ、もういらないのね

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「ああ、もういらないのね」

 私……エルミアは、目の前の相手…‥‥つい先ほどまで、婚約者であった愚物にそう告げた。

「いらない?ああ、まったくもってその通りだ!」

 私の問いかけに対して、目の前の愚物こと、この国の第1王子殿下とやらはそうハッキリと返答した。

……もう少し間を開けるとか、少し考えるそぶりとか見せずに即答するのね。

 見れば、その傍にいる見た目は可愛らしそうだけど、中身はそれとは正反対の少女が物凄い意地の悪い笑みを深めていた。

 

 今宵、本来であれば皆が和気あいあいと楽しみつつ、学園であったことを思い出しながら、卒業していき、将来への想いを話し合う祝いの場であったはずだ。

 だが、目の前の愚物が何をもったのか、私との婚約破棄をいきなり告げてきたのである。

・・・まぁ、わかっていたけどね。十分隠す気もない馬鹿馬鹿すぎる行動が筒抜けで、むしろいつやらかすのか考えてはいたのだが、私との婚約を破棄することは、どうなるのかわかっていたのだろうか?

 いや、わかってないわね。これぜんぜんわかっていない完全なる汚物よね。


 ふと気が付けば、バタバタという足音が聞こえて向かってくる人たちが見える。

「ま、待ってくれエルミア嬢!!」

 あの愚物の親であり、この事態を知って急いで駆けつけてきたのだろうけれども、もう遅い。

 慌ててかけられた声が付くよりも早く、その場から私は、一瞬のうちに違う場所に転移していたのだから……



――――――――――――――――――――――

 今宵、たった一人愚息がしでかした情報がすぐさま伝えられ、私は妻も引き連れて、慌ててその場へ向かっていた。

 ああ、あの者を失ってしまえば、我が家は、いや、我が国はお終いだというのに。


 幼いころから散々と言い聞かせつつ、いかにこの婚約が大事なのか分からせたつもりであったが‥‥‥他のものであればすぐに理解できたかもしれぬが、愚息のあの頭では全く入っていなかったのだろう。

 ただ、私たちの言う事を聞いたふりをして、全然聞いていなかったのかもしれない。



 取り返しのつかない事態になる前に、愚息にどのような罰でも、どのような欲しいものでも、その要求を問いかけ、それに答えて何とかこの国へとどまってもらおうと急いだのだが…‥‥




「ま、待ってくれエルミア嬢!!」

 会場に駆けつけ、なんとか遠距離からでも声を張り上げて見たのは、ちょうどエルミア嬢が動き出し、その場を去ろうとしている動作を取っていた。

 何とかして去られる前にと思ったが…‥‥結果としては間に合わず、彼女は瞬時に姿を消してしまった。

 違う場所へ転移し、その行方をくらませるという転移魔法。

 その使い手はこの国にはおらず、他国にいたとしても誰もここへは来ないだろう。


「ふん、何を使ったのかはわからんが、速攻で去ったな」

 ぜぇぜぇっと息を切らしつつ、なんとか整えている中、愚息はそう言葉にする。

 怒りがこみあげてこようとしたが、これから起こるであろうことを考えると、もはやそれは意味をなさないことでもあると、私たちは悟った。

 ああ、教育を施したのに、なぜ愚息はこうなってしまったのか。

 かつて、滅んだという国の例を聞き、しっかりとそうならないようにしたはずなのに、やはり愚息の元々もつ人間性から、今の不味い事態を理解できないような愚か者になってしまったのだろうか。

 後悔しても、もう遅い。

 彼女はいらない娘ではなく、この国にとって無くてはならない人物であったのに………



――――――――――――――――――――――

 やったわ!ようやくあの女が去ったわ!!

 目の前から瞬時に消えたエルミアを見て、私は内心勝利に酔っていた。


 私はこの国の男爵家の令嬢。

 学園で学んでいる中、偶然とはいえこの第1王子様に見初められ、恋仲になった。

 けれども、王子様には邪魔者がいて、それがあのエルミアだった。

 

 なんでも、幼い時に決められてしまった婚約であり、何やら重要っぽいけど、王子様よりも優秀‥‥‥いえ、おそらくはずるをしていて、その能力の虚偽に王子様は嫌気がさしていたらしい。

 ああ、なんて可哀想な王子様。

 でしたら、私にいい案があるわよ。

 それはね、ちょっと友人に聞いたのだけれども、彼女はこの世界の未来が見えるとか言って、色々面白い話をしていたのよ。

 で、そのアイディアの中にあの女を陥れる事によって婚約者にふさわしくないと決定づけてね…‥‥






……そのアイディアを話すと、王子様はにこりと微笑み、良い考えであると褒めてくれた。

 二人で協力し、あの女を婚約者の座から引きずり落とすための証拠を作り、あの場で盛大に婚約破棄をしてもらった。

 これであの女は婚約者の座から落ちて、私が代わりにその座へはまるのよ!!

 ああ、ようやく、ようやくこれで彼と結ばれて、皆に祝福されるのね‥‥‥‥





――――――――――――――――――――――


……何を考えていたのだろうか、あの愚物は。

 そう思い、俺は祝いの場に用意されていた料理を食べ、目の前であの愚物の父であるらしい国王陛下にぶっとばされている愚物を見て、そう思った。

 いや、一応あれこの国の王子らしいけれども…‥‥絶対に次期国王とか無理じゃないかな?


 と思い、友人に問いかけてみると、この場にいたほとんどが同意見であった。

 元々、あのエルミア嬢が愚物の婚約者となって王妃となり、この国を支えつつ、愚物を飾り物の王として陰から政治を行う事も目的に含まれていたらしいけれども‥‥‥‥まぁ、その目論見ははかなくも消え去ったのか。

 とは言え、実はそれだけではないことを、俺たちは知っている。


 今まさに、平和に繁栄しているこの国だが、かつては戦乱が絶えず、病も流行り、人々は暗く過ごしていた亡国という有様であった。

 でも、その状態をどうにかしたいと考えていた当時の国王が神に願った時に、どうやら叶えてもらったらしい。

 改善され、病も消え失せ、人々は希望をもって暮らせる国へと変貌した。

 けれどもその代償として、国の跡継ぎが産まれた時に、極稀に神託がおりて、指定された者を王族へ入れる決まりが出来たのである。

 その指定された者たちはどれもこれも優秀だったようで、一説によれば神託が下りる時というのは、その後継ぎが本当にダメであり、そのため代行して国を守らせつつ、発展させるべく産まれた存在らしいけれども…‥‥この様子を見る限り、どうやら本当だったようだ。


 その重要さを、あの愚物は分かっているのだろうか?

 神託で決められたこと…‥‥いわば、神の言葉を無視して行った愚かな行い。

 この国が平和に反映し続けるためにと思い、託された願いでもあるのに、あの愚物は見事に粉砕してしまった。


「…‥‥もう、この国終わったな」

 そう思い、俺は同級生たちと共に各々の家へ帰り、親たちへ向かって、今回の件を伝えるのであった…‥‥


――――――――――――――――――――――


「…‥‥どうしてだ、どうしてこうなった」

 あの日、あの卒業の宴の場で幸せの絶頂にあり、あの生意気な女を婚約者の座から引きずり降ろし、愛しい彼女の手を取って、これからの国政を担うはずであった。

 だが、あの女が去ったところへ父が来て、急にぶん殴られたのである。

 痛みが襲い、反論しようとしたところで…‥‥父の顔を見た。

 その顔は激怒しつつ、もはやどうにもならない後悔が入り混じった複雑な顔。

 様々な感情が混ざっているようで、言うべきことがあるはずなのに、言えなくなったとでもいうべき表情であろうか。


 急に殴られたことへ怒りを感じたのだが、父のその顔を見て何やら嫌な感じがして、怒りが収まってしまった。

 そして、すぐに引きづられ、謁見室へ、いや、他の貴族たちも集まる会議室へと入れられ、今回の件についての説明を行った。

 そこであの生意気な女との婚約破棄のために作った証拠も提出し、正当性を訴えたが‥‥‥‥たかが一介の王子が、国の持つ情報網を越えられるはずもなかったようだ。

 すぐに虚偽がすべてバレてしまい、一時的に牢へ入れられてしまった。

 あの愛しい令嬢も一緒にと思われたが、こちらは強制的に男爵家へ送り返されたようで、行方が知れない。

 何がいけなかったのかと理解できない状態が続いて数日後、急に牢から出された。

 どうも父が、直ぐに退位を決めて隠居する気のようで、跡継ぎは自分しかいなかったから仕方がなく次の王にすることを決めたとか言っていたが…‥‥何やら嫌な予感を覚える。

 あれよあれよという間に即位させられて、父も母も王城を去った。

 残された自分だったが、とりあえずすぐに政務へ移って、令嬢をここへ呼び戻して婚姻式でも上げようとしたが…‥‥もう、遅かったらしい。


「な、なんだこれは!?」

 他の者たちが即位式の間隠していたらしい、外の光景。

 王城から見えるその惨劇に、思わず驚愕の声を上げた。



 普段なら王城をぐるっと囲むように見える城下街。

 そこは繁栄しており、行き交う人々は活気にあふれ、明るい未来が見えていたというのに‥‥‥‥今のこの状態は、もはやその名残すらなくなっていた。

 あちこちで黒煙が上がり、怒号があがり、悲鳴も上がる。

 道行く人々は皆暗い顔をしており、平然と犯罪行為を行う者たちも見える。

 あの女が残した厄介事かと思ったが、どうやら違う。

 ふと気が付いたが、自分の体も何やら重く、見ればあちこちにイボや吹き出物などが出ており、息苦しさや立ち眩みなどを感じ始めた。


……そう言えば、父たちは何やらあの女についての重要性を言っていたはずだ。

 ありえない話だろうと一蹴し、聞いたふり、従ったふりをして忘れていたが…‥‥まさか、それなのか?


 記憶を手繰り寄せ、その事実が書かれているであろう本を王城内の図書室から探し当てる。

 気が付けば城内も何やら汚れており、一部では崩れてさえもいる。


 急な衰退という余地もない、滅亡への道というのだろうか。

 恐る恐るその本を開き、内容を読み、理解した時‥‥‥‥絶望しかなかった。



 かつて、この国は今のようではなかった。

 ひどいありさまで有り、昔の国王が神に願い、神託によって王族の伴侶が時々決められる掟が出来てから、ようやく今のようになったようだ。


……と言っても、巷では神と言われているようだが、その実態は違う。

 それは神ではなく、悪魔である。

 とは言え、悪さをするのではなく、純粋に国を想う気持ちを感じ取って、その当時の国王と平和を約束するための契約を行い、この国はこれまで栄えてきたのだ。

 神託と言われているのは、それは悪魔が隠れて行ったものであり、国を滅亡へ導きかねない愚王が誕生するのを阻止するために、わざわざ悪魔が自身の分身を作り上げ、宿らせ、王族へ流し、愚王誕生を防ぎつつ陰から国を操っていたのである。

 あくどい事をしなかったのは、その契約によるものだが‥‥‥‥その神託もとい悪魔からのお告げが成されなかった時に、どうやら契約は切れるようになっていたらしい。

 それも、これまで防いできた厄災などまとめてすべて噴き出す形で。




……今さらながらその事実に気が付いたが、もう遅い。

 これまで防がれてきた厄災がまとめてくるという事は、もう滅亡が決定したも同然なのだ。

「あ、あ、あああああ‥‥‥‥」

 どうしようもない絶望が襲い、何もできず、ただ声にならない恐怖が出るのみ。

 あの時、彼女が言っていた「もういらないのね?」という問いかけは…‥‥この国を守っていた契約を、破棄するかどうかという問いかけだったのだろう。

 そして今、その問いかけに返答したせいで‥‥‥‥


 気が付けば、何やら地面が揺れ始めていた。

 遠くでは爆発音が聞こえ、崩れるような音が聞こえ、国の終わりが迫って来た。

 でも、もういらないと言ってしまったがゆえに‥‥‥‥取り返しはつかない。

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

 
 この非常な現実に、もはや気が狂うしかないという状態になったが、いくら叫んでもこの現実は目の前に迫り、狂うこともできず、国の終焉を見せさせられるのであった………




――――――――――――――――――――――


「‥‥‥思ったよりも、早かったわね」
「全くそうだとは思うが‥‥‥うわぁ」

 国全体を見渡せる山の頂上で、その男女は滅びゆく国の様子を見て、そうつぶやいていた。

「まぁ、当時の国王の心がそれなりによかったので、わざわざ契約を結んでいたが…‥‥結局、代償はあったと言う訳か」
「そのせいで、私の人生は変えられてしまったけれどもね」

 
 隣に立つ、あの滅びゆく国を契約によって守っていた悪魔の言葉に対して、私はそう答えた。

……昔の国王が、この悪魔と契約し、国の安寧は守られていた。

 代々の国王はその重要性を理解しつつ、時出る愚王に関しては選ばれた人が王妃となり、その重要性を次代に伝えていたのだ。

 だが、人の口伝などはあてにはならず、何時しか忘れさられていた。



 今の国王は、数少ないその理解者でもあったのだが…‥‥まぁ、これも運命だとしか言えまい。

「さてと、一応俺の分身体のようなものとはいえ、もう個人として成立しているお前は、この先どうするんだ?」

 悪魔がそう問いかけて来て、私は少し考える。


「‥‥‥そうね、どうせなら世界を見て回りたいわ。平凡な国とかではなく、ありとあらゆる荒れ狂う国や、統率された国、極寒の大地にある国、その逆の熱波の国‥‥‥様々なところを見て回り、この自由を謳歌しようかしらね」
「そうか」

 にやりと悪魔が笑みを浮かべ、その場から姿を消した。

 ‥‥‥私はあの悪魔の分身体。けれども、もう別の個体のようなものであり、この世界を自由に見て回る事が出来るだろう。


「さぁ、それじゃさようなら。契約も何も、もはやいらない国よ」

 そうつぶやき、私はまずはどこへ向かうべきか考えつつ、その場を去った。




 後に残るのは、滅びゆく国だけ。

 あの問いかけは、私ではなく国を守る契約に関してだったのだけれども‥‥‥‥まぁ、理解されなくとも、あんなものが出続ける限り、いつかは起きていたのかもね‥‥‥‥



――完――



【登場人物】
エルミア:この国のとある令嬢。悪魔の分身体であるがゆえにその力を有していたが、成長して別個体となっていた。この後、世界各国を見て回りつつ、再びこの地へ戻り、新たな国を興すことになるのだが、それはまた別のお話。

名前無き国王:愚息の育て方を間違えた、ちょっと哀れな人物。婚約破棄で国が亡びる例などをしっかりと理解しており、エルミアの重要性をなんとなく理解しつつも、止める事が出来なかった。隠居後は田舎にて国が滅びる情報を聞きつつ、後悔の日々を送る。

とある男子学生:婚約破棄によって、この先どうなるのか早々に理解した人物。神託の重要性などもしっかりと確認しており、国の崩壊を予感して早々に去った。

第1王子:名前つけ忘れた。親の前では聞いた・見たふりをしてやり過ごしていたが、エルミアの重要性を理解しておらず、男爵令嬢の案に乗って愚かにもやらかした愚物。実は国の災厄は貯まっていた分だけではなく、虚偽の断罪もやらかした分が上乗せされていたりもした。愚者とは言え、最後にようやく自分がやらかした過ちを理解できたが、もはや遅かった。

男爵令嬢:エルミアの優秀さを王子と共にそれは偽りであると思い込んだ娘。転生者ではなかったのだが、友人がそれらしく、婚約者の座を奪うためにちょっと案を出してもらった。幸せになれると信じて疑わなかったが、国の滅びに巻き込まれつつ、この婚約破棄の情報及びエルミアの重要性がそれとなく市井に流れ‥‥‥

大昔の国王:当時の国の悲惨さをどうにかしたいと真摯に訴え、悪魔と契約を結び平和を手に入れた人物。その志は立派な物だったのかもしれないが、何時かは契約なしでもどうにかしたいとも考えていた。けれども、考えるだけで実行できず、そのまま亡くなってしまった。

悪魔:大昔の国王の願いを叶えるために現れた存在。国がどうなろうともどうでもよかったが、その国王の想いの強さを見て、面白そうかと思って願いを叶えた。だがしかし、一応限度はあり、愚王が産まれそうになったらそれをどうにかするために自信の分身体を宿した娘(たまに息子)を生まれさせ、支えさせた。とは言え、いつまでもできるわけもなさそうなので、いつの日かやらかした時に全部まとめて災厄をぶちまけるような契約を結んでいた。


男爵令嬢の友人:ある意味今回の諸悪の根源。転生者らしく、この世界が何かの乙女ゲームのように思えており、実は男爵令嬢を陥れつつ、その流れでこっそり自分が婚約者の座に就くつもりであった。しかし、その出番は省かれつつ、国の災厄に巻き込まれてしまった。なお、その事実は悪魔がしっかりと調査済みで有り、死後に…‥‥






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