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2章 学園初等部~
小話 間諜日記
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…‥‥最近、皇帝陛下が目を付けた、とあるモンスター。
それは、男爵家の子息‥‥‥いや、色々と訳があるようだが、その少年が飼っているというモンスターのようだ。
蜘蛛の体もあるが人の体も持ち、知性と心もあり、意志疎通がある程度可能な者らしい。
そして、皇帝陛下の許可を経て、公表された存在ではあるが…‥‥本当に危険性が無いのかという疑いはある。
ゆえに、主の命を受けて私はそのモンスターを密かに観察することにした。
これは、そんな観察記録の一つだが‥‥‥‥
――――――――――――――――――――
「ふわぁぁぁ‥‥‥おはよう、ハクロ」
【キュルル♪】
朝日が昇り、太陽の光が寮内へ入りこむ早朝。
奇妙な薬で小さくなっているハクロという者は、その蜘蛛の体を主とされるアルスという少年の枕として使われつつ、挨拶を交わし合った。
その後にベッドから降り立ち、机の上に置かれていた別の薬を飲み干すと、元の大きさに戻った。
‥‥‥この時点で、私はツッコミを入れたい。
うん、少年に懐いている様子とか、枕として扱われていても優しく接しているのはともかく、なんだろうかあの薬は。
体の伸縮を自在にするような薬なんぞ聞いたこともないのだが…‥‥今、天井裏に潜んで様子を見ている私の目の前にいる同職の方は「考えるのを諦めろ」というような目を向けてきた。
微笑ましい様子だけど、扱い方によってはとんでもない代物をどう報告すれば分からないのだが‥‥‥数日間ほどこの光景を見ていたが、うん、諦めるべきだろうという結論には直ぐに至った。考えたら負けだ。
少々同職の方々と仲を深めつつその場を分かれ、私は観察を続けることにした。
起床して着替えを終え、朝食のために彼らは寮の食堂に揃って出向いていた。
存在が公表され、堂々とハクロという者も一緒にいるのだが…‥‥寮内の者たちは最初こそ驚きはしていたようだが、最近はだいぶ慣れたようで、気軽に挨拶を交わし合っていた。
「おはよーハクロちゃん!」
「今日も可愛いねー!!」
【キュルルゥ】
挨拶に答えて鳴くようだが、その言葉は人の言葉ではない。
とはいえ、色々と勉強しているようで、発音練習なども入れているようだが…‥‥果たしていつ、人の言葉を話せるようになるかが気になるところではある。
それはそうとして、朝食の場。
食堂には起床してきた人たちがそれぞれ朝食を食べ、彼らも共に食べていた。
本日の朝食は東方から伝わって来たとされるコメやみそ汁を使った物のようだが、行儀よく彼らは食事をしていた。
ハクロの方も、器用に食器を使って食べているが…‥‥モンスターと言えば、人を襲って人肉を喰らうイメージもあったが、彼女はそうではないらしい。
むしろ、調査を詳しく行うと、ハクロは肉も確かに好むのだが、どちらかと言えば野菜や果物の方を良く欲しているらしい。
どちらかと言えば、草食のモンスターに近いような気がしなくもないが…‥‥うん、でも肉も食べるし、雑食と言って良いのかもしれない。
ついでに、体の構造もかなり特殊なようだが‥‥‥人の体を持つ割には、人の生理的行動をそこまで持っていないようだ。
体内で全部を自身のエネルギーにしているようだが…‥‥そのあたりは、詳しい専門機関にでも尋ねることにしよう。
それはともかくとして朝食も終え、ハクロの主であるアルスは学園の授業に出向く時間。
ハクロも彼に合わせてついていくが、教室前で別れていた。
‥‥‥授業を一緒に受けようと思えば受けられるようだが、ずっとくっ付いているわけでもない。
むしろ、彼がより真剣に受けられるように身を引いているようにも見えるのだが、それはどうなのだろうか?
何にしても、ここからは昼食時まで、彼女は学園内をうろつくことになるのだが‥‥‥彼女の存在が公表されて周知されているからこそ、うろついても問題はないらしい。
【キュ~キュキュ♪】
機嫌良さそうに歩み、窓から出て糸で立体軌道を展開してすばしこく動くハクロ。
どうやら体を思いっきり動かして楽しんでいるようだが、その動きの速さは正直ついていきにくい。
うん、流石モンスターというか、人間離れしているというか、この動きを追うだけでもへとへとになる。
まぁ、一応ハクロの主が学園で授業を受けている間は、学園外へ出ることはしないようだが‥‥‥その遊びの合間に、別の授業に潜り込むこともある。
「「「わっせ!!わっせ!!わせっせ!!」」」
【キュ?】
っと、何やら学園の運動場の方で走る生徒たちを見て、彼女は興味を示したようだ。
この時間に使用しているのは‥‥‥確か、騎士を目指す者が行う体力づくりの授業であったか。
普通に体育の授業とすればよさそうなものだが、それとはまた別物であり、こちらの授業では騎士にふさわしい体力づくりを中心に体を動かしているらしい。
ハクロは走って体力づくりをしている彼らの近くへ向かい、並走し始めた。
【キュッ!キュッ!キュッ!!】
…‥‥未だに言葉がまだ鳴き声にしかなっていないせいで、なんか皿を洗っている音にしか聞こえない。
でも、彼女が走り込み始めたことに気が付いた生徒たちはその姿を見て何やらやる気を出し始めた。
「うぉおおおお!!ハクロちゃんが並走し始めたぞー!!」
「それだけで力がもりもり湧いて来たぁぁあ!!」
「今なら何周でも駆け抜けられるぞぉおおおおおおお!!」
うん、人って単純なモノなのだなと、その光景を見て私は思ってしまった。
でも、彼らのやる気向上に関してなのだが、観察して分かったが、単なる気分向上によるものだけではないらしい。
というのも、ハクロの今の姿の前は「ホーリータラテクト」という種族らしく、その特性が自然と解放されているようだ。
自身へ効果は無いのだが、周囲に癒しを与えるようで、そのおかげで並走されると体力が勝手に回復して、やる気も大量噴出してしまうようである。要は動くヒーラーというか、自動回復並走者‥‥‥ううむ、言い方が無い。転生者という輩の存在があるようで、そう言う輩はうまい言い回しを出すらしいが‥‥‥どうなのだろうか?
とにもかくにも、この特性を見ると、平時は特に何も問題は無さそうだが…‥‥戦争時などには大いに影響を与えると見ていいだろう。
兵士の横を並走するだけで、彼らの体力を回復させていき、疲れが一気に吹き飛び、士気も向上する…‥‥そう考えると、中々恐ろしい能力ではないだろうか?
まぁ、単純に絶世の美女のような容姿ゆえにやる気を出しただけとも見えなくもないが‥‥‥それはともかくとして、しばらく並走していて飽きたのか、彼女はその場を離れた。
「「「「ああああああああああ!!」」」」
離れた瞬間に、生徒たちはものすごく残念そうな声を出し、一気にやる気を失った。
‥‥‥うん、戦争時に使えそうだとしても、こうもやる気の上下が激しいと難しいだろう。
そもそも、嫌がって逃げそうだが…‥‥まぁ、落ち込まれようがどうでもいいか。
時間をある程度潰しつつ、他の授業にも混ざり込み、ハクロは色々と影響を与えていく。
美術の授業では絵画のモデルとなったのはいいのだが、その容姿を描こうとしても納得のいくものが作れずに、教員が悔しさのあまり号泣。
高等部の方で数学を教えている授業に混ざったかと思えば、何やら難しい問題を見て、さっさっと計算式を書いて退出したが、その問題は普通は解けないような類で驚愕される。
中等部では貴族作法の授業をやっていたところで、女子たちに混ざって何やらマナーを学んでいた。
…‥‥初等部、中等部、高等部とある学園ゆえに、行われている授業の幅は広い。
そしてそれらを適当に渡り歩いているようだが、それなりにとんでもないスペックを発揮しているような気がする。
見た目以上に、中身も人外じみていたようだが‥‥‥‥うん、教員が数名ほど自信を無くしてしまう程度の被害しかないので、それは気にしないでおこう。
あと、そこにいる同職の間諜の人、潜んでいることに気が付かれずに思いっきり踏まれていたが、恍惚の笑みを浮かべていたことは記憶から消去したい。‥‥‥あとで、警備員にそれとなく伝えてやろう。
そうこうしているうちに昼食時になった途端、ハクロは素早く動き出した。
その速さは目にも止まらなかったが、大体の目的を私は理解していたので先回りしていた。
「ハクロ―!昼食の時間だから食べにいこー!!」
【キュルルルル♪】
授業を終え、食堂へ向かう前にアルスがそう発すると、瞬時に彼の側へ現れるハクロ。
その動きは残像を残すほどであり、どれだけの勢いで寄っているのかが良く分かる。
そして昼食後も、放課後までに自由な時間が出来たようで…‥‥その間も彼女は学園中をうろつきまわり、あちこちの授業に紛れて参加していた。
一応、間諜という事を隠して聞き込みをして見たが‥‥‥迷惑に思っている人はいないらしい。
「いや、むしろ彼女がいてくれることで、やる気が向上しているかな」
「頭の良さには驚くけど、わからなかったところが分かるのは良いよね」
「運動神経も意外に良いし、良い訓練とかできるのは素晴らしい」
「美術の先生が、旅に出てしまったけど…‥‥まぁ、それは良いよね?」
‥‥‥迷惑ではないが、また一人旅立った教員が出たようだ。2,3日もすれば自信を取りもどして帰って来るか、あるいは新しい教員が来るので考えないでおこう。
学園中を神出鬼没に動き回り、困っている人もそれとなく助けている行動も見られるからね。心優しくもあり、ある程度は手助けをしたくなるようだ。
ただ、武器を扱う授業に潜り込んだ際に、一瞬びくっと震える姿があるのだが‥‥‥それでも、何も起きなかったふりをして素通りする様子が気になる。
何か、武器にトラウマでもあるのだろうか?例えば後ろから、鋭い刃物で貫かれたとか‥‥‥‥
とにもかくにも時間が経過し、放課後になると学園うろつきも終え、ハクロはアルスの元へ戻った。
【キュルルゥキュルゥ♪】
「あははは、くすぐったいよ、ハクロ」
授業に集中させるために離れていたようだが、離れていた分アルスに甘えるようなそぶりを見せていた。
彼を自身のモフモフな背中に乗せていたり、撫でて欲しそうに背を低くしたり、ぎゅっと抱こうとしていたりと‥‥‥なんとなくだが、甘えん坊の子猫を連想させられる。
うん、蜘蛛の美女なのに猫に見えるとはこれいかに。そして周囲では、その様子に微笑ましそうな目を向ける人と、羨ましそうに嫉妬と羨望の目を向ける人がいる。
中にはどういう訳か興奮して、その様子を描きまくっている人もいるが…‥‥あ、後ろの方に連行されているやつ、さっき警備員にチクってやったやつだ。無事に捕まったようだな。
そしてある程度じゃれ合って落ち着いたところで、ちょっとした小遣い稼ぎを彼らは始めていた。
この学園では、小遣い稼ぎのためにアルバイトも許可されているのだが…‥‥どうやら薬屋になる人向けの授業で作った初歩的なポーションやその他ちょっとした効能の薬を販売しているようだ。
一応、安全性も確かめられて許可を得ているらしく、それなりに売り上げは出しているらしい。
でも、薬草とかを使って調合して作っている姿などは見るのだが、時折そんな調合をせずに作った薬が混ざっているように見える。
大丈夫なのかと思い、ちょっと購入して見たことがあったが、驚くべきことに普通の薬。
ただし、効果はちょっと高めになっているようだが…‥‥薬草などの含有を調べてみると、いくつか未知の反応があった。
安全性は保障されているようだが…‥‥それらはどうやって作っているのか。その細かい部分は後日観察して調べておいた。
そしてその際に、効果が非常に優れた胃薬を偶然入手出来て上司にあげたら、毎回購入して欲しいと懇願されまくったのはまた別の話である。
‥‥‥放課後の時間も過ぎ、学生たちは寮へ戻り夕食をとる。
その後は、寮の共同風呂へ彼らも向かったが……流石に男湯と女湯で分かれているので、一緒に入ることはなかった。
一応、間諜である私も女故に、女湯の方へ入りこんでみたが‥‥‥ハクロはモンスターでもあっても、女性の体を持つ以上、女の子としてここへ入浴する許可をもらっているらしい。
ただ、その裸体がなんというか、これまた美しいというか悔しいというか‥‥‥しかもまだ成長する予定が見えており、同性なのに思わず嫉妬の炎を燃やしそうになる。
なぜモンスターなのに、必要なさそうな部分がしっかりと成長するのか、そのあたりが物凄く疑問だ。しかも必要ない場所もしっかりしており、胸囲や腰の格差に恨めしく思う。
ついでにその同じ気持ちを持つ同志は存在していたようで、間諜なのにここを利用していた女子生徒や教員と仲良くなってしまった。
ああ、それと美しい彼女の裸体を拝みたいのか、覗こうとしている者たちがいたが‥‥‥生憎、この学園では大昔にその手の馬鹿で問題が起きたことがあったそうで、覗き対策はされている。
ドッガァァン!!
バッゴォォォン!!
「「「「「ぎゃあああああああああ!!」」」」」
ああ、今日も被害にあう馬鹿がいるのかと、爆発炎上する音を聞きながら、その根性に内心感心するのであった。
【キュルルゥ♪】
時間も進み、風呂から上がって乾かし、ハクロは寝間着に着替えてアルスの元へ戻った。
「それじゃハクロ、宿題を僕はするけど、そっちは発声練習とかをやろうね」
【キュル!】
日課にしているのか、アルスが宿題をしている傍らで、ハクロは人の言葉を覚えようとしているのか、発声練習をしてた。
いつまでもキュルキュルとか鳴くのではなく、きちんとした言葉を出したいようで、その努力する様もまた美しく見えるだろう。
ついでに、その発声練習方法は、この学園のモンスター研究科目の教員、ガルバンゾー様‥‥‥いえ、今はただの教員をなさっているお方に相談して、作ったもののようだ。
そしてそのおかげか、今はまだ鳴き声でも、ほんのわずかにだけ言葉を発せるようになったようで…‥
「じゃ、おさらいとしてまずは僕の名前を言ってみて」
【キュ、キュア、ア、アリュ、アリュツ、アルス、アルス!】
一生懸命口を動かし、鳴き声ではない言葉を話そうと頑張り、ちょっとだけ言葉が言えた。
「うん、言えていたよハクロ」
【キュルルゥ♪】
ほんのわずかな間だけで、直ぐに鳴き声に戻ってしまったが‥‥‥褒められて嬉しいのか、すりすりと彼にすり寄るハクロ。
微笑ましくもあるが、なんか羨ましくもなる。良いなぁ、あの関係は。
っと、だんだん外も暗くなり、星明かりが出て月が姿を現し始める。
夜中になり、深まってきたころに、寮内の消灯時間となる。
【キュルウゥ】
「あ、今日も枕になるの?そのまま寝てもいいんだけど‥‥‥」
【キュ】
小さくなる薬を飲みつつ、アルスの言葉に対してこれで良いよと言うようにハクロが答える。
どうも彼の枕になることは譲れないようで、定位置にスタンバって手招きをする。
そして、室内の明かりが消され、暗くなった。
「それじゃ、お休みハクロ」
【キュルルゥ】
アルスの言葉にうなずきながら答え、二人はそろって寝息を立てはじめた。
どうやら寝るタイミングも一緒のようだが…‥‥なんとなく、仲のいい二人には微笑ましく想えてしまうだろう。
ああ、こういう争いも何もない、平和な日々を送る光景は、何となく羨ましく思えるなぁ‥‥‥
――――――――――――――――――――
「‥‥‥以上が、観察した中での、とある一日の報告となります」
「…‥‥ツッコミどころがあるというか、ただの日記になってないか、コレ?」
間諜が密かについているとはいえ、ずっと同じ人が担当しているわけでもなく、交代する時がある。
そしてその交代の時に、どのような相手なのかという引継ぎ用の報告がなされるのだが…‥‥ちょうど同席して、その報告を見ていた上司はその内容に呆れたような声を出した。
「ええ、日記ではありません。きちんとした報告書としてまとめ上げた、観察記録です」
「途中でさらっと同職の奴を売っているのがあるのだが。というか、ゲジゲジの奴が逮捕されていたのはお前が原因か」
はぁっと溜息をつかれるが、これは仕方がない。
なにしろ、どう観察しても脅威には見えず、むしろ絆されそうな光景ばかりなせいなのである。
「ええ、何も私の責任ではありません。今でこそ仲のいい家族にしか見えませんが、将来的にバカップルになりそうなのが目に見えているカップルのせいなのです」
「なんとなくそうなりそうだなと、確かに思えてしまうがそこまで堂々と言うほどか!?」
…‥‥言い切った間諜のその言葉に、上司は思わずそう叫ぶのであった。
「‥‥‥いやまぁ、確かにそうとしか思えなくなるような内容だが…‥‥色々とツッコミ箇所が多すぎるぞ」
「まぁ、最終的に陛下の元に、これを報告として渡しますが…‥‥修正すべきでしょうか?」
「いや、出来ないな。変にやるとおかしくなりそうだし…‥‥仕方がない、このまま提出させる道を選ぶか」
上司としては、出来ればある程度手を加えてまともにしたい。
けれども、これまで何人か交代しても同じようなものが多くなったので…‥‥この際、彼らの主である皇帝陛下には臣下の想いを分かってもらおうと考え、これ以上何も言わないのであった。
「しかしなぁ‥‥‥モンスターなのに、ここまで美女と同棲できるその少年が羨ましくも思えるな」
「ああ、上司はこの間離婚して独身してましたっけ」
「浮気されたんだよ‥‥‥‥ああ、間諜としての上司なのに、妻の浮気すら見抜けなかった自分が悲しい…‥‥」
…‥‥なんとなく物悲しくなったので、この間諜が上司に対して優しくして、ソレはソレで別の騒動を引き起こしてしまうのはまた別の話である。
それは、男爵家の子息‥‥‥いや、色々と訳があるようだが、その少年が飼っているというモンスターのようだ。
蜘蛛の体もあるが人の体も持ち、知性と心もあり、意志疎通がある程度可能な者らしい。
そして、皇帝陛下の許可を経て、公表された存在ではあるが…‥‥本当に危険性が無いのかという疑いはある。
ゆえに、主の命を受けて私はそのモンスターを密かに観察することにした。
これは、そんな観察記録の一つだが‥‥‥‥
――――――――――――――――――――
「ふわぁぁぁ‥‥‥おはよう、ハクロ」
【キュルル♪】
朝日が昇り、太陽の光が寮内へ入りこむ早朝。
奇妙な薬で小さくなっているハクロという者は、その蜘蛛の体を主とされるアルスという少年の枕として使われつつ、挨拶を交わし合った。
その後にベッドから降り立ち、机の上に置かれていた別の薬を飲み干すと、元の大きさに戻った。
‥‥‥この時点で、私はツッコミを入れたい。
うん、少年に懐いている様子とか、枕として扱われていても優しく接しているのはともかく、なんだろうかあの薬は。
体の伸縮を自在にするような薬なんぞ聞いたこともないのだが…‥‥今、天井裏に潜んで様子を見ている私の目の前にいる同職の方は「考えるのを諦めろ」というような目を向けてきた。
微笑ましい様子だけど、扱い方によってはとんでもない代物をどう報告すれば分からないのだが‥‥‥数日間ほどこの光景を見ていたが、うん、諦めるべきだろうという結論には直ぐに至った。考えたら負けだ。
少々同職の方々と仲を深めつつその場を分かれ、私は観察を続けることにした。
起床して着替えを終え、朝食のために彼らは寮の食堂に揃って出向いていた。
存在が公表され、堂々とハクロという者も一緒にいるのだが…‥‥寮内の者たちは最初こそ驚きはしていたようだが、最近はだいぶ慣れたようで、気軽に挨拶を交わし合っていた。
「おはよーハクロちゃん!」
「今日も可愛いねー!!」
【キュルルゥ】
挨拶に答えて鳴くようだが、その言葉は人の言葉ではない。
とはいえ、色々と勉強しているようで、発音練習なども入れているようだが…‥‥果たしていつ、人の言葉を話せるようになるかが気になるところではある。
それはそうとして、朝食の場。
食堂には起床してきた人たちがそれぞれ朝食を食べ、彼らも共に食べていた。
本日の朝食は東方から伝わって来たとされるコメやみそ汁を使った物のようだが、行儀よく彼らは食事をしていた。
ハクロの方も、器用に食器を使って食べているが…‥‥モンスターと言えば、人を襲って人肉を喰らうイメージもあったが、彼女はそうではないらしい。
むしろ、調査を詳しく行うと、ハクロは肉も確かに好むのだが、どちらかと言えば野菜や果物の方を良く欲しているらしい。
どちらかと言えば、草食のモンスターに近いような気がしなくもないが…‥‥うん、でも肉も食べるし、雑食と言って良いのかもしれない。
ついでに、体の構造もかなり特殊なようだが‥‥‥人の体を持つ割には、人の生理的行動をそこまで持っていないようだ。
体内で全部を自身のエネルギーにしているようだが…‥‥そのあたりは、詳しい専門機関にでも尋ねることにしよう。
それはともかくとして朝食も終え、ハクロの主であるアルスは学園の授業に出向く時間。
ハクロも彼に合わせてついていくが、教室前で別れていた。
‥‥‥授業を一緒に受けようと思えば受けられるようだが、ずっとくっ付いているわけでもない。
むしろ、彼がより真剣に受けられるように身を引いているようにも見えるのだが、それはどうなのだろうか?
何にしても、ここからは昼食時まで、彼女は学園内をうろつくことになるのだが‥‥‥彼女の存在が公表されて周知されているからこそ、うろついても問題はないらしい。
【キュ~キュキュ♪】
機嫌良さそうに歩み、窓から出て糸で立体軌道を展開してすばしこく動くハクロ。
どうやら体を思いっきり動かして楽しんでいるようだが、その動きの速さは正直ついていきにくい。
うん、流石モンスターというか、人間離れしているというか、この動きを追うだけでもへとへとになる。
まぁ、一応ハクロの主が学園で授業を受けている間は、学園外へ出ることはしないようだが‥‥‥その遊びの合間に、別の授業に潜り込むこともある。
「「「わっせ!!わっせ!!わせっせ!!」」」
【キュ?】
っと、何やら学園の運動場の方で走る生徒たちを見て、彼女は興味を示したようだ。
この時間に使用しているのは‥‥‥確か、騎士を目指す者が行う体力づくりの授業であったか。
普通に体育の授業とすればよさそうなものだが、それとはまた別物であり、こちらの授業では騎士にふさわしい体力づくりを中心に体を動かしているらしい。
ハクロは走って体力づくりをしている彼らの近くへ向かい、並走し始めた。
【キュッ!キュッ!キュッ!!】
…‥‥未だに言葉がまだ鳴き声にしかなっていないせいで、なんか皿を洗っている音にしか聞こえない。
でも、彼女が走り込み始めたことに気が付いた生徒たちはその姿を見て何やらやる気を出し始めた。
「うぉおおおお!!ハクロちゃんが並走し始めたぞー!!」
「それだけで力がもりもり湧いて来たぁぁあ!!」
「今なら何周でも駆け抜けられるぞぉおおおおおおお!!」
うん、人って単純なモノなのだなと、その光景を見て私は思ってしまった。
でも、彼らのやる気向上に関してなのだが、観察して分かったが、単なる気分向上によるものだけではないらしい。
というのも、ハクロの今の姿の前は「ホーリータラテクト」という種族らしく、その特性が自然と解放されているようだ。
自身へ効果は無いのだが、周囲に癒しを与えるようで、そのおかげで並走されると体力が勝手に回復して、やる気も大量噴出してしまうようである。要は動くヒーラーというか、自動回復並走者‥‥‥ううむ、言い方が無い。転生者という輩の存在があるようで、そう言う輩はうまい言い回しを出すらしいが‥‥‥どうなのだろうか?
とにもかくにも、この特性を見ると、平時は特に何も問題は無さそうだが…‥‥戦争時などには大いに影響を与えると見ていいだろう。
兵士の横を並走するだけで、彼らの体力を回復させていき、疲れが一気に吹き飛び、士気も向上する…‥‥そう考えると、中々恐ろしい能力ではないだろうか?
まぁ、単純に絶世の美女のような容姿ゆえにやる気を出しただけとも見えなくもないが‥‥‥それはともかくとして、しばらく並走していて飽きたのか、彼女はその場を離れた。
「「「「ああああああああああ!!」」」」
離れた瞬間に、生徒たちはものすごく残念そうな声を出し、一気にやる気を失った。
‥‥‥うん、戦争時に使えそうだとしても、こうもやる気の上下が激しいと難しいだろう。
そもそも、嫌がって逃げそうだが…‥‥まぁ、落ち込まれようがどうでもいいか。
時間をある程度潰しつつ、他の授業にも混ざり込み、ハクロは色々と影響を与えていく。
美術の授業では絵画のモデルとなったのはいいのだが、その容姿を描こうとしても納得のいくものが作れずに、教員が悔しさのあまり号泣。
高等部の方で数学を教えている授業に混ざったかと思えば、何やら難しい問題を見て、さっさっと計算式を書いて退出したが、その問題は普通は解けないような類で驚愕される。
中等部では貴族作法の授業をやっていたところで、女子たちに混ざって何やらマナーを学んでいた。
…‥‥初等部、中等部、高等部とある学園ゆえに、行われている授業の幅は広い。
そしてそれらを適当に渡り歩いているようだが、それなりにとんでもないスペックを発揮しているような気がする。
見た目以上に、中身も人外じみていたようだが‥‥‥‥うん、教員が数名ほど自信を無くしてしまう程度の被害しかないので、それは気にしないでおこう。
あと、そこにいる同職の間諜の人、潜んでいることに気が付かれずに思いっきり踏まれていたが、恍惚の笑みを浮かべていたことは記憶から消去したい。‥‥‥あとで、警備員にそれとなく伝えてやろう。
そうこうしているうちに昼食時になった途端、ハクロは素早く動き出した。
その速さは目にも止まらなかったが、大体の目的を私は理解していたので先回りしていた。
「ハクロ―!昼食の時間だから食べにいこー!!」
【キュルルルル♪】
授業を終え、食堂へ向かう前にアルスがそう発すると、瞬時に彼の側へ現れるハクロ。
その動きは残像を残すほどであり、どれだけの勢いで寄っているのかが良く分かる。
そして昼食後も、放課後までに自由な時間が出来たようで…‥‥その間も彼女は学園中をうろつきまわり、あちこちの授業に紛れて参加していた。
一応、間諜という事を隠して聞き込みをして見たが‥‥‥迷惑に思っている人はいないらしい。
「いや、むしろ彼女がいてくれることで、やる気が向上しているかな」
「頭の良さには驚くけど、わからなかったところが分かるのは良いよね」
「運動神経も意外に良いし、良い訓練とかできるのは素晴らしい」
「美術の先生が、旅に出てしまったけど…‥‥まぁ、それは良いよね?」
‥‥‥迷惑ではないが、また一人旅立った教員が出たようだ。2,3日もすれば自信を取りもどして帰って来るか、あるいは新しい教員が来るので考えないでおこう。
学園中を神出鬼没に動き回り、困っている人もそれとなく助けている行動も見られるからね。心優しくもあり、ある程度は手助けをしたくなるようだ。
ただ、武器を扱う授業に潜り込んだ際に、一瞬びくっと震える姿があるのだが‥‥‥それでも、何も起きなかったふりをして素通りする様子が気になる。
何か、武器にトラウマでもあるのだろうか?例えば後ろから、鋭い刃物で貫かれたとか‥‥‥‥
とにもかくにも時間が経過し、放課後になると学園うろつきも終え、ハクロはアルスの元へ戻った。
【キュルルゥキュルゥ♪】
「あははは、くすぐったいよ、ハクロ」
授業に集中させるために離れていたようだが、離れていた分アルスに甘えるようなそぶりを見せていた。
彼を自身のモフモフな背中に乗せていたり、撫でて欲しそうに背を低くしたり、ぎゅっと抱こうとしていたりと‥‥‥なんとなくだが、甘えん坊の子猫を連想させられる。
うん、蜘蛛の美女なのに猫に見えるとはこれいかに。そして周囲では、その様子に微笑ましそうな目を向ける人と、羨ましそうに嫉妬と羨望の目を向ける人がいる。
中にはどういう訳か興奮して、その様子を描きまくっている人もいるが…‥‥あ、後ろの方に連行されているやつ、さっき警備員にチクってやったやつだ。無事に捕まったようだな。
そしてある程度じゃれ合って落ち着いたところで、ちょっとした小遣い稼ぎを彼らは始めていた。
この学園では、小遣い稼ぎのためにアルバイトも許可されているのだが…‥‥どうやら薬屋になる人向けの授業で作った初歩的なポーションやその他ちょっとした効能の薬を販売しているようだ。
一応、安全性も確かめられて許可を得ているらしく、それなりに売り上げは出しているらしい。
でも、薬草とかを使って調合して作っている姿などは見るのだが、時折そんな調合をせずに作った薬が混ざっているように見える。
大丈夫なのかと思い、ちょっと購入して見たことがあったが、驚くべきことに普通の薬。
ただし、効果はちょっと高めになっているようだが…‥‥薬草などの含有を調べてみると、いくつか未知の反応があった。
安全性は保障されているようだが…‥‥それらはどうやって作っているのか。その細かい部分は後日観察して調べておいた。
そしてその際に、効果が非常に優れた胃薬を偶然入手出来て上司にあげたら、毎回購入して欲しいと懇願されまくったのはまた別の話である。
‥‥‥放課後の時間も過ぎ、学生たちは寮へ戻り夕食をとる。
その後は、寮の共同風呂へ彼らも向かったが……流石に男湯と女湯で分かれているので、一緒に入ることはなかった。
一応、間諜である私も女故に、女湯の方へ入りこんでみたが‥‥‥ハクロはモンスターでもあっても、女性の体を持つ以上、女の子としてここへ入浴する許可をもらっているらしい。
ただ、その裸体がなんというか、これまた美しいというか悔しいというか‥‥‥しかもまだ成長する予定が見えており、同性なのに思わず嫉妬の炎を燃やしそうになる。
なぜモンスターなのに、必要なさそうな部分がしっかりと成長するのか、そのあたりが物凄く疑問だ。しかも必要ない場所もしっかりしており、胸囲や腰の格差に恨めしく思う。
ついでにその同じ気持ちを持つ同志は存在していたようで、間諜なのにここを利用していた女子生徒や教員と仲良くなってしまった。
ああ、それと美しい彼女の裸体を拝みたいのか、覗こうとしている者たちがいたが‥‥‥生憎、この学園では大昔にその手の馬鹿で問題が起きたことがあったそうで、覗き対策はされている。
ドッガァァン!!
バッゴォォォン!!
「「「「「ぎゃあああああああああ!!」」」」」
ああ、今日も被害にあう馬鹿がいるのかと、爆発炎上する音を聞きながら、その根性に内心感心するのであった。
【キュルルゥ♪】
時間も進み、風呂から上がって乾かし、ハクロは寝間着に着替えてアルスの元へ戻った。
「それじゃハクロ、宿題を僕はするけど、そっちは発声練習とかをやろうね」
【キュル!】
日課にしているのか、アルスが宿題をしている傍らで、ハクロは人の言葉を覚えようとしているのか、発声練習をしてた。
いつまでもキュルキュルとか鳴くのではなく、きちんとした言葉を出したいようで、その努力する様もまた美しく見えるだろう。
ついでに、その発声練習方法は、この学園のモンスター研究科目の教員、ガルバンゾー様‥‥‥いえ、今はただの教員をなさっているお方に相談して、作ったもののようだ。
そしてそのおかげか、今はまだ鳴き声でも、ほんのわずかにだけ言葉を発せるようになったようで…‥
「じゃ、おさらいとしてまずは僕の名前を言ってみて」
【キュ、キュア、ア、アリュ、アリュツ、アルス、アルス!】
一生懸命口を動かし、鳴き声ではない言葉を話そうと頑張り、ちょっとだけ言葉が言えた。
「うん、言えていたよハクロ」
【キュルルゥ♪】
ほんのわずかな間だけで、直ぐに鳴き声に戻ってしまったが‥‥‥褒められて嬉しいのか、すりすりと彼にすり寄るハクロ。
微笑ましくもあるが、なんか羨ましくもなる。良いなぁ、あの関係は。
っと、だんだん外も暗くなり、星明かりが出て月が姿を現し始める。
夜中になり、深まってきたころに、寮内の消灯時間となる。
【キュルウゥ】
「あ、今日も枕になるの?そのまま寝てもいいんだけど‥‥‥」
【キュ】
小さくなる薬を飲みつつ、アルスの言葉に対してこれで良いよと言うようにハクロが答える。
どうも彼の枕になることは譲れないようで、定位置にスタンバって手招きをする。
そして、室内の明かりが消され、暗くなった。
「それじゃ、お休みハクロ」
【キュルルゥ】
アルスの言葉にうなずきながら答え、二人はそろって寝息を立てはじめた。
どうやら寝るタイミングも一緒のようだが…‥‥なんとなく、仲のいい二人には微笑ましく想えてしまうだろう。
ああ、こういう争いも何もない、平和な日々を送る光景は、何となく羨ましく思えるなぁ‥‥‥
――――――――――――――――――――
「‥‥‥以上が、観察した中での、とある一日の報告となります」
「…‥‥ツッコミどころがあるというか、ただの日記になってないか、コレ?」
間諜が密かについているとはいえ、ずっと同じ人が担当しているわけでもなく、交代する時がある。
そしてその交代の時に、どのような相手なのかという引継ぎ用の報告がなされるのだが…‥‥ちょうど同席して、その報告を見ていた上司はその内容に呆れたような声を出した。
「ええ、日記ではありません。きちんとした報告書としてまとめ上げた、観察記録です」
「途中でさらっと同職の奴を売っているのがあるのだが。というか、ゲジゲジの奴が逮捕されていたのはお前が原因か」
はぁっと溜息をつかれるが、これは仕方がない。
なにしろ、どう観察しても脅威には見えず、むしろ絆されそうな光景ばかりなせいなのである。
「ええ、何も私の責任ではありません。今でこそ仲のいい家族にしか見えませんが、将来的にバカップルになりそうなのが目に見えているカップルのせいなのです」
「なんとなくそうなりそうだなと、確かに思えてしまうがそこまで堂々と言うほどか!?」
…‥‥言い切った間諜のその言葉に、上司は思わずそう叫ぶのであった。
「‥‥‥いやまぁ、確かにそうとしか思えなくなるような内容だが…‥‥色々とツッコミ箇所が多すぎるぞ」
「まぁ、最終的に陛下の元に、これを報告として渡しますが…‥‥修正すべきでしょうか?」
「いや、出来ないな。変にやるとおかしくなりそうだし…‥‥仕方がない、このまま提出させる道を選ぶか」
上司としては、出来ればある程度手を加えてまともにしたい。
けれども、これまで何人か交代しても同じようなものが多くなったので…‥‥この際、彼らの主である皇帝陛下には臣下の想いを分かってもらおうと考え、これ以上何も言わないのであった。
「しかしなぁ‥‥‥モンスターなのに、ここまで美女と同棲できるその少年が羨ましくも思えるな」
「ああ、上司はこの間離婚して独身してましたっけ」
「浮気されたんだよ‥‥‥‥ああ、間諜としての上司なのに、妻の浮気すら見抜けなかった自分が悲しい…‥‥」
…‥‥なんとなく物悲しくなったので、この間諜が上司に対して優しくして、ソレはソレで別の騒動を引き起こしてしまうのはまた別の話である。
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