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3章 学園中等部~
3-46 何も素材採取ばかりでは無くて
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‥‥‥コサックダンス踊り狂い事件も経ちつつ、一応何事もなく過ごせている今日この頃。
本日は研究所内にて、身体検査が行われていた。
【キュル、検査結果的には、どうなの?】
「ふむ、蜘蛛頭一つ無くなった時にも簡易的な検査をやっていたのじゃが‥‥‥現状、全体的な身体能力などは変化ないようじゃな」
身体検査の中間報告と言う事で休憩を入れ、現時点での分かっている範囲を確認しながらドマドン所長はそう告げる。
「とは言え、やはり人に近くなっているというか‥‥‥そもそも人の身に似せた姿になる分、モンスターの身体状態での力よりも出せなくなっているようじゃな。弱体化はしていると言っていいじゃろう」
【弱体化?でも、そんなに実感、ないよ?】
「無いのも当たり前じゃろう。筋力だけが落ちているようなものじゃからのぅ」
ぐっぱぐっぱと拳を握ったり開いたりしてハクロが口にすると、返答する所長。
まぁ、その弱体化自体は本当に僅かすぎる程であり、体調によって変化する程度ともいえるようだ。
「何にしても、こういうモンスター自体がそうそうお目にかかれぬし、詳しいデータは集めて見なければ分らぬ。だからこそ、貴重なデータになるじゃろうな」
人間に近い容姿を得ていくモンスターと言うのは不思議なものだが、だからこそ研究対象として興味を強く持つ様だ。
最終的に人そっくりになるのか、あるいはどこかでモンスターとしての部分を残すのか‥‥‥そのあたりが未だにつかめていないところも多いので、研究する対象としては話題が尽きない相手とも言えるだろう。
「後は、結ばれる関係上の問題の一つともいえる部分じゃが…‥‥うむ、内臓関係で見ればまだまだ未発達じゃが‥‥‥人の内臓に近い物も形成されているようじゃ。あと数回の脱皮で出来上がると推測していいじゃろう」
「近いものと言いますけど、できて大丈夫なんでしょうかね?」
「大丈夫じゃろ。そもそも人のものに近いと言っても、結局は自身の内臓が自ら変化をしているようじゃしな‥‥‥人に近い容姿を持ち、中身を詰めて来たけれども、むしろ全体的な処理能力などに関しては飛躍的に向上しているようじゃな」
ハクロが人に近い容姿になっていくぶん、外見だけではなく中身の方も色々と変化をしているらしい。
全てが人と同じとまではいかなくとも、それでも全体的な内臓の性能を推測するのであれば、人の持つ内臓よりも優れているそうだ。
「肺活量、エネルギー消費量及び増産量、完全生産分解…‥‥諸々の点で、明かに人以上と言えるからのぅ。こりゃ、長生きできるじゃろう」
とは言え、何もかもが優れているからこそ良い事ばかりと言う話でもないらしい。
「その代わりに、感覚のほうが一部が人以上じゃからこそ…‥‥ガスとかそのあたりには敏感になるようじゃな。特に、嗅覚の方は優れている分、きつい香水などは注意じゃな」
【キュル‥‥‥確かに匂い、きついのは、苦手】
犬ほどではないそうだが、それでも匂いに関しては敏感ゆえに、日常生活内で困る部分が出そうなところはある。
特に、ガスやその類なども効果的になってしまうそうだ。
「‥‥‥まぁ、面倒なガスなどはここで出ることは無いじゃろう。しいていうのであれば、研究所の飼育エリア内の方で、激臭エリアがあるのじゃからそこには立ち入り禁止を述べるぐらいか。入ったら最後、多分ひっくり返って気絶するのじゃ」
【向かわない。向かう前に、臭い漂って、逃げるもん】
「そう言えば、素早く逃げていたもんね…‥‥」
絶対にそこには入らないというように、首を横に振るハクロ。
確かにあそこは、ハクロは入らないほうが良いとは思う…‥‥と言うか、臭い満載の研究所エリアとはこれいかに。何を研究しろと。
とにもかくにも、ここまでの検査で半分ほどであり、まだまだやることは多い。
何かと異常なしと言う結果ではあるが、最後まで油断はできない。
「とりあえず休憩は終わりじゃ。さて、後半の検査を行うのじゃ」
【キュル、やる!】
ドマドン所長の言葉に対して、やる気満々のハクロ。
検査自体もきついものでもないので、気楽にこなしていくことだけを考えればいいかと思うのであった…‥‥
「…‥‥しかしのぅ、こうやって検査結果を並べて分かるのじゃが、やっぱり変化はあるようじゃな」
「グラフで丁寧に見やすくしているようですが…‥‥ある程度は変化しているのですね」
「所長、増減している部分があちこちに見られるようです」
全部の検査を終え、汗も流れたので風呂にハクロたちを向かわせる中で、出てきた結果の数々に所長と職員たちは目を通していた。
大体大丈夫な部分は告げたのだが…‥‥それでも、研究者と言う立場では気になる部分に関して話し合う部分が出てしまう。
無駄に心配もさせたくもないし、どうなるかもわからないところに関して不安も抱かせないために、大人たちだけで話をすることにした。
「そうじゃな、内臓形成状態などを見る限り…‥‥あの蜘蛛部分の中身は、糸を作る部分だけで他は全部、人の身にほぼ移り終わったと言っていいじゃろう。後は魔石にも変化がみられるようじゃな」
研究所内の魔道具による検査で、解剖しなくとも見える中身。
その状態を見ながら、所長たちは確認し合っていく。
「魔石はモンスターの動力源とも言うべきものなのじゃが、表面的な構造が人の心臓に近くなっているようじゃな。血液を送るのではなく、魔法の使用時に強く反応を示すようじゃが…‥‥魔力効率は、前回の検査時よりも30%向上しているようじゃ」
「その代わりに、火に関しての消費量だけは倍増‥‥‥より使えなくなってますね」
「うむ。この辺は種族上の問題と言うか、改善されぬのじゃろう。しかし、その他の方で見ればかなり強くあり、下手すると一国の軍隊すらも相手にできる魔法も発動可能なはずじゃ」
「蜘蛛の攻撃は基本的に糸なのに、糸がほぼ関係ないと言っていいですね、コレ…‥‥」
「それに、単純な身体能力だけでも、人を越えてますものね…‥‥」
調べれば調べる分だけ、いかに人の身を越えたオーバースペックというべき存在なのかを見せ付けられている気がしなくもない。
人に近い容姿を得てきているのだが…‥‥人と言うのは、言ってしまえばモンスターよりも脆弱でもあり、人の身に近くなるという事は弱体化も考えられていた。
だがしかし、一部の筋力が落ちている代わりに、その他の能力が向上しているのを見る限り、体全体の効率化によって、不必要な部分を必要な部分に回していると捉えられるのだ。
「そう考えると、あの豊満な胸も普通は削られる対象になりそうなんですけれどね」
「‥‥‥それ、目の前で言えばセクハラの一歩手前じゃからな?そこはそこで、魔石部分が近いからこそ、守るためにあるとも言えるじゃろうけれども‥‥‥それでも、人の身に近くなっている部分は多い様子なのじゃ」
モンスターの身から人の身へ、移り変わっていくように見える彼女の身体。
こういう変化を見ると、もしかすると人自体も実はモンスターだったのではないかと思いたくもなる。
けれども、そうとは言えないようなものも、最近情報として入ってきているのだ。
「機密的なものじゃが…‥‥彼女の祖先は人に作られたものの類じゃからなぁ…‥‥人に近いようにと言う部分は、もしかするとずっと秘められた遺伝子的なものであり、それが今顕現しているだけにすぎぬかもしれぬ」
「ああ、禁忌ともいえるような研究の話でしたよね…‥‥でもそう考えると、その他にもいるようですし、彼女のように人の身に近いモンスターが出てきてもおかしくはないですよね?」
話に聞いた、とある禁忌の研究。
モンスターの身に人と同様の知性を持たせようとした話は、研究所内では既に伝わっていた。
「それも気になるがのぅ…‥‥調べてみると、どうもあちこちでその類かもしれぬと疑わしいものがあるのじゃ。とは言え、そうそう簡単に人が辿り着けるものでもないようじゃし‥‥‥人の前に堂々として現れたのは、ハクロぐらいしかおらぬ」
何にしても、まだまだ分からないことも多いし、どのように変化するのかが予想もつかない。
このまま蜘蛛の身体も消えて人の体そのものになるのか、あるいはそうではないのか…‥‥どうなっていくのかは、神のみぞ知るのだろう。
「まぁ、今の儂らにできることは、できるだけデータも集めつつも、危険な兆候などが無いように見守るだけじゃ。不要なストレスでも与えて、手もつかぬような事態になるのは避けたいからのぅ‥‥‥愛情を注ぐのみじゃ」
どんな結末が待ち受けていようが、最悪の事態だけは絶対に避けたい。
いや、そんな事態にすらさせなければ、良いだけの話だ。
「儂らはただ、彼らの保護者と言う立場として、平穏に過ごせるように手助けをするだけでいいのじゃよ‥‥‥」
貴重な研究対象でもあるが、こうやって過ごしていく間に自然と情もできてくる。
自分たちの大事な娘のように思え、失いたくないと思えてしまう。
だからこそ今は、彼らが互いに告白しているのであれば、このままゴールインしてもらうのが良いと皆思うのであった‥‥‥‥
「‥‥‥ところで所長、まだ色々と問題もありますが‥‥‥一つ気になる点が」
「なんじゃ?」
「いや、彼女と彼の間に子ができるのかなって‥‥‥。人とモンスターの間に、まず子供ができるのでしょうか?」
「ふむ…‥‥まぁ、例が無いわけではないのじゃ。話的には儂ら女性にとってはきついのもあるのじゃが、子がなせぬわけではない。とは言え、今の彼女の内臓の変化などを見るに、おそらくは行為は可能なのじゃろうけど…‥‥どちらじゃろうな?」
「出来るかもしれないし、できないかもしれないと?」
「いや、そうではなく…‥‥胎生なのか卵生なのか、どうなのじゃろうかと」
‥‥‥蜘蛛のモンスターは基本卵から孵って来るが、人の身を持つハクロの場合それはどうなるのか?
今でもへそはないので、卵生の可能性も大きいがどうなるのかがわからない。
「‥‥‥それ、分かるのはまだ先になりそうですね」
「そうなのじゃなぁ‥‥‥ああ、早く回答も見たいものじゃ」
「その前に所長の寿命が持つと良いですけれどね」
「儂、できれば120歳まで生きる気があるのじゃ」
‥‥‥そこまで生きれるのだろうかと言う疑問もあるが、老いを全く見せない身体なので、冗談とも思えない。
職員たちはどう返答すべきなのか、しばらく悩まされるのであった‥‥‥‥
本日は研究所内にて、身体検査が行われていた。
【キュル、検査結果的には、どうなの?】
「ふむ、蜘蛛頭一つ無くなった時にも簡易的な検査をやっていたのじゃが‥‥‥現状、全体的な身体能力などは変化ないようじゃな」
身体検査の中間報告と言う事で休憩を入れ、現時点での分かっている範囲を確認しながらドマドン所長はそう告げる。
「とは言え、やはり人に近くなっているというか‥‥‥そもそも人の身に似せた姿になる分、モンスターの身体状態での力よりも出せなくなっているようじゃな。弱体化はしていると言っていいじゃろう」
【弱体化?でも、そんなに実感、ないよ?】
「無いのも当たり前じゃろう。筋力だけが落ちているようなものじゃからのぅ」
ぐっぱぐっぱと拳を握ったり開いたりしてハクロが口にすると、返答する所長。
まぁ、その弱体化自体は本当に僅かすぎる程であり、体調によって変化する程度ともいえるようだ。
「何にしても、こういうモンスター自体がそうそうお目にかかれぬし、詳しいデータは集めて見なければ分らぬ。だからこそ、貴重なデータになるじゃろうな」
人間に近い容姿を得ていくモンスターと言うのは不思議なものだが、だからこそ研究対象として興味を強く持つ様だ。
最終的に人そっくりになるのか、あるいはどこかでモンスターとしての部分を残すのか‥‥‥そのあたりが未だにつかめていないところも多いので、研究する対象としては話題が尽きない相手とも言えるだろう。
「後は、結ばれる関係上の問題の一つともいえる部分じゃが…‥‥うむ、内臓関係で見ればまだまだ未発達じゃが‥‥‥人の内臓に近い物も形成されているようじゃ。あと数回の脱皮で出来上がると推測していいじゃろう」
「近いものと言いますけど、できて大丈夫なんでしょうかね?」
「大丈夫じゃろ。そもそも人のものに近いと言っても、結局は自身の内臓が自ら変化をしているようじゃしな‥‥‥人に近い容姿を持ち、中身を詰めて来たけれども、むしろ全体的な処理能力などに関しては飛躍的に向上しているようじゃな」
ハクロが人に近い容姿になっていくぶん、外見だけではなく中身の方も色々と変化をしているらしい。
全てが人と同じとまではいかなくとも、それでも全体的な内臓の性能を推測するのであれば、人の持つ内臓よりも優れているそうだ。
「肺活量、エネルギー消費量及び増産量、完全生産分解…‥‥諸々の点で、明かに人以上と言えるからのぅ。こりゃ、長生きできるじゃろう」
とは言え、何もかもが優れているからこそ良い事ばかりと言う話でもないらしい。
「その代わりに、感覚のほうが一部が人以上じゃからこそ…‥‥ガスとかそのあたりには敏感になるようじゃな。特に、嗅覚の方は優れている分、きつい香水などは注意じゃな」
【キュル‥‥‥確かに匂い、きついのは、苦手】
犬ほどではないそうだが、それでも匂いに関しては敏感ゆえに、日常生活内で困る部分が出そうなところはある。
特に、ガスやその類なども効果的になってしまうそうだ。
「‥‥‥まぁ、面倒なガスなどはここで出ることは無いじゃろう。しいていうのであれば、研究所の飼育エリア内の方で、激臭エリアがあるのじゃからそこには立ち入り禁止を述べるぐらいか。入ったら最後、多分ひっくり返って気絶するのじゃ」
【向かわない。向かう前に、臭い漂って、逃げるもん】
「そう言えば、素早く逃げていたもんね…‥‥」
絶対にそこには入らないというように、首を横に振るハクロ。
確かにあそこは、ハクロは入らないほうが良いとは思う…‥‥と言うか、臭い満載の研究所エリアとはこれいかに。何を研究しろと。
とにもかくにも、ここまでの検査で半分ほどであり、まだまだやることは多い。
何かと異常なしと言う結果ではあるが、最後まで油断はできない。
「とりあえず休憩は終わりじゃ。さて、後半の検査を行うのじゃ」
【キュル、やる!】
ドマドン所長の言葉に対して、やる気満々のハクロ。
検査自体もきついものでもないので、気楽にこなしていくことだけを考えればいいかと思うのであった…‥‥
「…‥‥しかしのぅ、こうやって検査結果を並べて分かるのじゃが、やっぱり変化はあるようじゃな」
「グラフで丁寧に見やすくしているようですが…‥‥ある程度は変化しているのですね」
「所長、増減している部分があちこちに見られるようです」
全部の検査を終え、汗も流れたので風呂にハクロたちを向かわせる中で、出てきた結果の数々に所長と職員たちは目を通していた。
大体大丈夫な部分は告げたのだが…‥‥それでも、研究者と言う立場では気になる部分に関して話し合う部分が出てしまう。
無駄に心配もさせたくもないし、どうなるかもわからないところに関して不安も抱かせないために、大人たちだけで話をすることにした。
「そうじゃな、内臓形成状態などを見る限り…‥‥あの蜘蛛部分の中身は、糸を作る部分だけで他は全部、人の身にほぼ移り終わったと言っていいじゃろう。後は魔石にも変化がみられるようじゃな」
研究所内の魔道具による検査で、解剖しなくとも見える中身。
その状態を見ながら、所長たちは確認し合っていく。
「魔石はモンスターの動力源とも言うべきものなのじゃが、表面的な構造が人の心臓に近くなっているようじゃな。血液を送るのではなく、魔法の使用時に強く反応を示すようじゃが…‥‥魔力効率は、前回の検査時よりも30%向上しているようじゃ」
「その代わりに、火に関しての消費量だけは倍増‥‥‥より使えなくなってますね」
「うむ。この辺は種族上の問題と言うか、改善されぬのじゃろう。しかし、その他の方で見ればかなり強くあり、下手すると一国の軍隊すらも相手にできる魔法も発動可能なはずじゃ」
「蜘蛛の攻撃は基本的に糸なのに、糸がほぼ関係ないと言っていいですね、コレ…‥‥」
「それに、単純な身体能力だけでも、人を越えてますものね…‥‥」
調べれば調べる分だけ、いかに人の身を越えたオーバースペックというべき存在なのかを見せ付けられている気がしなくもない。
人に近い容姿を得てきているのだが…‥‥人と言うのは、言ってしまえばモンスターよりも脆弱でもあり、人の身に近くなるという事は弱体化も考えられていた。
だがしかし、一部の筋力が落ちている代わりに、その他の能力が向上しているのを見る限り、体全体の効率化によって、不必要な部分を必要な部分に回していると捉えられるのだ。
「そう考えると、あの豊満な胸も普通は削られる対象になりそうなんですけれどね」
「‥‥‥それ、目の前で言えばセクハラの一歩手前じゃからな?そこはそこで、魔石部分が近いからこそ、守るためにあるとも言えるじゃろうけれども‥‥‥それでも、人の身に近くなっている部分は多い様子なのじゃ」
モンスターの身から人の身へ、移り変わっていくように見える彼女の身体。
こういう変化を見ると、もしかすると人自体も実はモンスターだったのではないかと思いたくもなる。
けれども、そうとは言えないようなものも、最近情報として入ってきているのだ。
「機密的なものじゃが…‥‥彼女の祖先は人に作られたものの類じゃからなぁ…‥‥人に近いようにと言う部分は、もしかするとずっと秘められた遺伝子的なものであり、それが今顕現しているだけにすぎぬかもしれぬ」
「ああ、禁忌ともいえるような研究の話でしたよね…‥‥でもそう考えると、その他にもいるようですし、彼女のように人の身に近いモンスターが出てきてもおかしくはないですよね?」
話に聞いた、とある禁忌の研究。
モンスターの身に人と同様の知性を持たせようとした話は、研究所内では既に伝わっていた。
「それも気になるがのぅ…‥‥調べてみると、どうもあちこちでその類かもしれぬと疑わしいものがあるのじゃ。とは言え、そうそう簡単に人が辿り着けるものでもないようじゃし‥‥‥人の前に堂々として現れたのは、ハクロぐらいしかおらぬ」
何にしても、まだまだ分からないことも多いし、どのように変化するのかが予想もつかない。
このまま蜘蛛の身体も消えて人の体そのものになるのか、あるいはそうではないのか…‥‥どうなっていくのかは、神のみぞ知るのだろう。
「まぁ、今の儂らにできることは、できるだけデータも集めつつも、危険な兆候などが無いように見守るだけじゃ。不要なストレスでも与えて、手もつかぬような事態になるのは避けたいからのぅ‥‥‥愛情を注ぐのみじゃ」
どんな結末が待ち受けていようが、最悪の事態だけは絶対に避けたい。
いや、そんな事態にすらさせなければ、良いだけの話だ。
「儂らはただ、彼らの保護者と言う立場として、平穏に過ごせるように手助けをするだけでいいのじゃよ‥‥‥」
貴重な研究対象でもあるが、こうやって過ごしていく間に自然と情もできてくる。
自分たちの大事な娘のように思え、失いたくないと思えてしまう。
だからこそ今は、彼らが互いに告白しているのであれば、このままゴールインしてもらうのが良いと皆思うのであった‥‥‥‥
「‥‥‥ところで所長、まだ色々と問題もありますが‥‥‥一つ気になる点が」
「なんじゃ?」
「いや、彼女と彼の間に子ができるのかなって‥‥‥。人とモンスターの間に、まず子供ができるのでしょうか?」
「ふむ…‥‥まぁ、例が無いわけではないのじゃ。話的には儂ら女性にとってはきついのもあるのじゃが、子がなせぬわけではない。とは言え、今の彼女の内臓の変化などを見るに、おそらくは行為は可能なのじゃろうけど…‥‥どちらじゃろうな?」
「出来るかもしれないし、できないかもしれないと?」
「いや、そうではなく…‥‥胎生なのか卵生なのか、どうなのじゃろうかと」
‥‥‥蜘蛛のモンスターは基本卵から孵って来るが、人の身を持つハクロの場合それはどうなるのか?
今でもへそはないので、卵生の可能性も大きいがどうなるのかがわからない。
「‥‥‥それ、分かるのはまだ先になりそうですね」
「そうなのじゃなぁ‥‥‥ああ、早く回答も見たいものじゃ」
「その前に所長の寿命が持つと良いですけれどね」
「儂、できれば120歳まで生きる気があるのじゃ」
‥‥‥そこまで生きれるのだろうかと言う疑問もあるが、老いを全く見せない身体なので、冗談とも思えない。
職員たちはどう返答すべきなのか、しばらく悩まされるのであった‥‥‥‥
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