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4章 中等部後期~高等部~
4-15 思い付きはやってみるけど
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【‥‥‥キュル、キュルっと‥ん、脱げた】
ぐいいいっと体を伸ばしつつ、自分がさっきまで来ていた皮を脱ぎ、ハクロはそうつぶやいた。
今の時間はまだ夜中であり、月明かりが差し込んでいる中で脱皮をしていたのである。
衣服もきちんと丁寧に脱ぎ去って、一糸まとわぬ姿になりつつ、先ほど脱いだ抜け殻を隅へ置く。
【成長、している‥‥‥のかな?まだ、大人じゃないのかな?】
脱ぎたてながらも自分の体を見まわし、何か変化がないのか細かく観察をするハクロ。
こうやって脱皮を繰り返すことで大人になるとは思うのだが…‥‥まだ大人になっていないのだろうか?
いや、違う。もう間もなく脱皮をしなくなる時が来ると、ハクロは感じている。
自分の体の変化もそれまでのはずであり…‥‥その時が来たら、ようやく大人の仲間入りを出来るはずだろう。
【出来れば、アルスと同じ、人間になりたいけど‥‥‥でも、やっぱりなり切れないのかも】
自分の蜘蛛の身体や、調子を確かめるために出した魔力の翅を見つつ、ハクロはそうつぶやく。
人の身体に近い容姿を得たとはいえ、それでも人ではない。
人ならざる存在が人の身に近づくのは容易い事ではないだろうし、そもそも自分の変化自体が制御できているわけでもないのだ。
少々要望が入っているだろうが…‥‥それでも完全ではない。
【お月様‥‥‥色々与えてくれるなら、人の身体もくれたらいいのになぁ】
月明かりが差し込む中で外を見て、彼女はそうつぶやく。
‥‥‥自分が人であろうともなかろうとも、アルスはハクロを受け入れてくれた。
なので、自分が人間でなくても問題はないのかもしれないのだが…‥‥それでもやっぱり、人間になってあげて同じように過ごしたいと思う時があるのだ。
【アルス乗せて、喜んでもらえて、色々出来るけど…‥‥人の身体も、ちょっと羨ましい】
蜘蛛の身体に乗せて移動できるし、ふわもこな毛で喜ばせられるけど、アルスと同じような視点に立ってみたい。
彼が大好きだからこそ、よりよく知るためにその視点も感じ取りたいのだ。
【でも、そうできないけど…‥‥何か良い手段がないかな?】
うーんと腕を組んで考え込むが、そう良いアイディアは出てこない。
それと先ほどから裸なので、ちょっと薄ら寒くなってくる。
【キュル‥‥‥良いアイディア、無いのかなぁ…‥‥】
衣服を着こみ、小さくなる薬で小さくなり、寝ているアルスの頭部の下へ潜り込む。
今晩は枕として働きつつ、アルスの頭を背中に乗せながら考えこむ中で…‥‥ふと、ハクロは気が付いた。
【‥‥‥そういえば、お月さまの光って壁は通さないけど、窓は通すよね?光がとおって、さえぎって‥‥‥あ、もしかして、これならできるかも?】
差し込む月明かりを見る中で、ハクロは光の見え方に気が付く。
通すものもあるし、通さないものもある。鏡があれば反射し、やりようによっては光を後ろから前に移して透明になるような真似もできるだろう。
であれば、その光の性質を利用してできることはないのか?
そう思いつきつつ、眠気に誘われて眠り…‥‥朝になって、その考えをすぐにまとめ上げた。
「‥‥‥見せたいもの?何なの、ハクロ?」
【思いついたの、私の見え方、変える方法】
朝、朝食後に授業まで時間がある中、ハクロが話をしてきた。
なんでも夜中に思いついたことがあるそうで、それを実践したいらしい。
周囲には他の生徒たちもおり、何かハクロがするらしいというので興味を持って野次馬となっているが‥‥‥何をする気なのか?
【私、蜘蛛の身体ある。人の容姿に近いけど、人じゃない。それ、わかるよね?】
「まぁ、そりゃ見た目通りだもんね」
【だったら、この蜘蛛部分、見えなくなったらどうなの?私のこの食指、足に見えたらどう?】
「…‥‥人間っぽい姿になるんじゃ?でも、そう都合よく体を消せないよね?」
【ううん、私、出来るはず。魔法の中に、光を利用するのが合って‥‥‥多分、これで良いはず】
いうが早いがハクロは手をかざし、魔法を使用した。
周囲に小さな光の弾が浮かび上がり、ハクロの周囲をくるくる回り始める。
【屈折の仕方、見え方、通過率計算‥‥‥‥角度調整して、これでいける!!】
その言葉と共に光の弾が強く輝き、一瞬その姿が光に飲み込まれた後‥‥‥‥直ぐにその姿を現した。
そしてその姿を見て、周囲で見ていた生徒たちも、僕も驚愕をさせられる。
「「「‥‥‥え?」」」
そこにいたのは、確かにハクロなのだろう。
だがしかし、その容姿は慣れ親しんだものではなく、しっかりと‥‥‥人間のような足で立っていた。
蜘蛛の身体は失せて、しっかりと立つような様子は…‥‥一人の人間のように見えるのであった。
【成功したよ!!】
「どうなってんのそれ!?」
‥‥‥詳しく聞くと、どうやら光の進み方などを無理やり魔法で捻じ曲げ、蜘蛛部分を見えなくしたらしい。
そして補うように食指を脚らしくみせつつ、大地に立つように‥‥‥魔力の翅を透明化させて、浮いているのだとか。
つまり、体の存在その物は変化はなく、実際に魔法を解除すればただ浮いているだけの状態。
けれども、魔法をひとたび使えば、人間の女性が立っているように見える光景と化す。
「‥‥‥あ、確かにこの辺、ハクロのモフモフの毛があるかも」
【調整して、見えないにしているだけ。けれども、これで私も人間っぽく、見えるかな?】
「見えると言えばみえるけど…‥‥見えないようにごまかしただけで、あまり変わってないんじゃ?」
【‥‥‥‥うん】
自信満々そうに言っていたが、思わず指摘してしまうとあからさまに意気消沈をするハクロ。
まぁ、確かに見せかけのごまかしだけでやっているのだが…‥‥使う機会、そんなにないような気がする。
「そもそも、ハクロはハクロらしくあればいいと思うんだけどね」
【キュルゥ、私も、人間になりたいのに】
はははっと苦笑してそう口にすれば、ぷくっと頬を膨らませてハクロは抗議してくるのであった。
別に無理して、見せかけなくても良いんだけどなぁ‥‥‥あ、でも人間のように見えるハクロというのも新鮮と言えば新鮮かもしれない。
いざという時にでも、使える…‥‥かな?
ぐいいいっと体を伸ばしつつ、自分がさっきまで来ていた皮を脱ぎ、ハクロはそうつぶやいた。
今の時間はまだ夜中であり、月明かりが差し込んでいる中で脱皮をしていたのである。
衣服もきちんと丁寧に脱ぎ去って、一糸まとわぬ姿になりつつ、先ほど脱いだ抜け殻を隅へ置く。
【成長、している‥‥‥のかな?まだ、大人じゃないのかな?】
脱ぎたてながらも自分の体を見まわし、何か変化がないのか細かく観察をするハクロ。
こうやって脱皮を繰り返すことで大人になるとは思うのだが…‥‥まだ大人になっていないのだろうか?
いや、違う。もう間もなく脱皮をしなくなる時が来ると、ハクロは感じている。
自分の体の変化もそれまでのはずであり…‥‥その時が来たら、ようやく大人の仲間入りを出来るはずだろう。
【出来れば、アルスと同じ、人間になりたいけど‥‥‥でも、やっぱりなり切れないのかも】
自分の蜘蛛の身体や、調子を確かめるために出した魔力の翅を見つつ、ハクロはそうつぶやく。
人の身体に近い容姿を得たとはいえ、それでも人ではない。
人ならざる存在が人の身に近づくのは容易い事ではないだろうし、そもそも自分の変化自体が制御できているわけでもないのだ。
少々要望が入っているだろうが…‥‥それでも完全ではない。
【お月様‥‥‥色々与えてくれるなら、人の身体もくれたらいいのになぁ】
月明かりが差し込む中で外を見て、彼女はそうつぶやく。
‥‥‥自分が人であろうともなかろうとも、アルスはハクロを受け入れてくれた。
なので、自分が人間でなくても問題はないのかもしれないのだが…‥‥それでもやっぱり、人間になってあげて同じように過ごしたいと思う時があるのだ。
【アルス乗せて、喜んでもらえて、色々出来るけど…‥‥人の身体も、ちょっと羨ましい】
蜘蛛の身体に乗せて移動できるし、ふわもこな毛で喜ばせられるけど、アルスと同じような視点に立ってみたい。
彼が大好きだからこそ、よりよく知るためにその視点も感じ取りたいのだ。
【でも、そうできないけど…‥‥何か良い手段がないかな?】
うーんと腕を組んで考え込むが、そう良いアイディアは出てこない。
それと先ほどから裸なので、ちょっと薄ら寒くなってくる。
【キュル‥‥‥良いアイディア、無いのかなぁ…‥‥】
衣服を着こみ、小さくなる薬で小さくなり、寝ているアルスの頭部の下へ潜り込む。
今晩は枕として働きつつ、アルスの頭を背中に乗せながら考えこむ中で…‥‥ふと、ハクロは気が付いた。
【‥‥‥そういえば、お月さまの光って壁は通さないけど、窓は通すよね?光がとおって、さえぎって‥‥‥あ、もしかして、これならできるかも?】
差し込む月明かりを見る中で、ハクロは光の見え方に気が付く。
通すものもあるし、通さないものもある。鏡があれば反射し、やりようによっては光を後ろから前に移して透明になるような真似もできるだろう。
であれば、その光の性質を利用してできることはないのか?
そう思いつきつつ、眠気に誘われて眠り…‥‥朝になって、その考えをすぐにまとめ上げた。
「‥‥‥見せたいもの?何なの、ハクロ?」
【思いついたの、私の見え方、変える方法】
朝、朝食後に授業まで時間がある中、ハクロが話をしてきた。
なんでも夜中に思いついたことがあるそうで、それを実践したいらしい。
周囲には他の生徒たちもおり、何かハクロがするらしいというので興味を持って野次馬となっているが‥‥‥何をする気なのか?
【私、蜘蛛の身体ある。人の容姿に近いけど、人じゃない。それ、わかるよね?】
「まぁ、そりゃ見た目通りだもんね」
【だったら、この蜘蛛部分、見えなくなったらどうなの?私のこの食指、足に見えたらどう?】
「…‥‥人間っぽい姿になるんじゃ?でも、そう都合よく体を消せないよね?」
【ううん、私、出来るはず。魔法の中に、光を利用するのが合って‥‥‥多分、これで良いはず】
いうが早いがハクロは手をかざし、魔法を使用した。
周囲に小さな光の弾が浮かび上がり、ハクロの周囲をくるくる回り始める。
【屈折の仕方、見え方、通過率計算‥‥‥‥角度調整して、これでいける!!】
その言葉と共に光の弾が強く輝き、一瞬その姿が光に飲み込まれた後‥‥‥‥直ぐにその姿を現した。
そしてその姿を見て、周囲で見ていた生徒たちも、僕も驚愕をさせられる。
「「「‥‥‥え?」」」
そこにいたのは、確かにハクロなのだろう。
だがしかし、その容姿は慣れ親しんだものではなく、しっかりと‥‥‥人間のような足で立っていた。
蜘蛛の身体は失せて、しっかりと立つような様子は…‥‥一人の人間のように見えるのであった。
【成功したよ!!】
「どうなってんのそれ!?」
‥‥‥詳しく聞くと、どうやら光の進み方などを無理やり魔法で捻じ曲げ、蜘蛛部分を見えなくしたらしい。
そして補うように食指を脚らしくみせつつ、大地に立つように‥‥‥魔力の翅を透明化させて、浮いているのだとか。
つまり、体の存在その物は変化はなく、実際に魔法を解除すればただ浮いているだけの状態。
けれども、魔法をひとたび使えば、人間の女性が立っているように見える光景と化す。
「‥‥‥あ、確かにこの辺、ハクロのモフモフの毛があるかも」
【調整して、見えないにしているだけ。けれども、これで私も人間っぽく、見えるかな?】
「見えると言えばみえるけど…‥‥見えないようにごまかしただけで、あまり変わってないんじゃ?」
【‥‥‥‥うん】
自信満々そうに言っていたが、思わず指摘してしまうとあからさまに意気消沈をするハクロ。
まぁ、確かに見せかけのごまかしだけでやっているのだが…‥‥使う機会、そんなにないような気がする。
「そもそも、ハクロはハクロらしくあればいいと思うんだけどね」
【キュルゥ、私も、人間になりたいのに】
はははっと苦笑してそう口にすれば、ぷくっと頬を膨らませてハクロは抗議してくるのであった。
別に無理して、見せかけなくても良いんだけどなぁ‥‥‥あ、でも人間のように見えるハクロというのも新鮮と言えば新鮮かもしれない。
いざという時にでも、使える…‥‥かな?
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