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いざ、魔法屋へ……
#18 豚の調理法デス:前編
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SIDEシアン
「…‥‥良し、この改良で多分だいぶマシになったかな?」
「恐らくはそうかト。まぁ、惜しむらくはほとんどが木製の部品デス。耐久性の問題上、定期的なメンテナンスが必要ですが…‥‥まぁ、これで大丈夫になるはずデス」
【とは言っても、いまいちピンとこない改良よね」
う~んと背伸びしつつ、僕のつぶやいた言葉に、ワゼとハクロは答えた。
ちょっと思った以上に馬車の改良に呑めりこんで、色々と前世の知識も加えて、合うようにしてみた結果、目の前の馬車は、通常よりもちょっとだけいびつな形をしていた。
「ここのギアを操作すれば、走っているフェンリル(夫)が一定の速度を出していたとしても、都合のいいように調整できるはずなんだよなぁ‥‥‥」
フェンリル(夫)に牽引させる部分には、ルームランナーを元にして考案した新たな動力装置を付けていた。
車輪がついており、ルームランナーのようなところの上で駆けてもらうと、この車輪も連動して動くのだが、木を削って作った歯車を組み込んであり、調節してその速度を加減することができるようになったのだ。
これで、急加速による負荷なども軽減できるだろうし、色々と細工を施したから、前みたいにげぶぉうっと酔うような事はなくなると、期待を持って居たその時であった。
ズドォォォン!!
「「【!?】」」
突然、何やら大きな爆発音が聞こえた。
「何だ、今の音は?」
「森の外からした様デス」
【一体何があったのでしょうか?】
ふと気が付けば、ダッシュでフェンリル夫婦が走っていくのが目に見えた。
どうやら彼らがこの森に張ってある結界に、何かされたようで、気が付いたと言ったところなのだろうけれども…‥‥何かこう、面倒な予感がした。
「‥‥‥ワゼ、一応行ってみようか?」
「ご主人様が出向かれる必要はないでしょウ。私が行きマス」
【一応、私も行きます。シアンさんはここでちょっと待っていてください】
何事か気になったが、ワゼとハクロは互に行くようだが、僕には残っていてほしいらしい。
ちょっと不安だが‥‥‥まぁ、彼女達なら大丈夫だろう。
とりあえず、許可して二人はその音の方へ向かったが‥‥‥‥何事もなければいいなぁと、僕は思うのであった。
―――――――――――――――――――――
SIDE豚肉予備軍もとい神官たち
「…‥‥ええい!!結界が全然破れないではないがぁ!!」
ハルディアの森、外部にて、森の結界に向けて放った魔法がうんともすんとも、全く聞いていない様子に、でっぶぅんと贅肉を揺らして、その神官の格好をした肥え太った豚男はそう叫んだ。
その豚男の名はマブージュル。この森があるボラーン王国の隣国にある、神聖国ゲルマニアの神殿に使えている神官の一人。
だが、彼が着ている衣服は、通常の神殿に努める神官の衣服とは異なり、なにやら色々な刺繍が施された物であり、自分は他の者たちとは異なる、選ばれた人間だとマブージュルが増長する原因ともなっていた。
そんな彼らがここにいるのは、マブージュルが偶然神殿内にて、ある話を聞いたからだ。
「我が国を支える預言者様が、予言したのだぞ!!その内容として、どうやらこの森に魔王となるような物が顕現したと言う。善なのか悪なのかは不明だが、魔王というならば当然悪に決まっているはずだ!!」
そう勝手に結論づけ、予言の内容も中途半端にしか聞きかじっていなかったマブージュルは、考えに考えて、この際、自ら魔王討伐へ向けて動いたのであった。
……その肝心の預言者や、神殿の方はまだ動きを見せないのに、完全な独断専行である。
善なのか悪なのかはよく聞いていなかったが、魔王という響きからして、マブージュルは勝手に悪と決めつけ、討伐すれば莫大な報奨金や高い地位が約束されるかもしれないと、見事なまでの目先の欲につられたのだ。
そんなわけで、正面突破というのは流石に愚策だという事は分かっていたので、不意打ちで仕留める予定であったが…‥‥どういう訳か、このハルディアの森に入ろうとしたら、彼が連れてきた私兵もろとも弾き飛ばされたのだ。
そして、なんども突撃した末に、どうにもならない苛立ちから魔法を放ち、結界を破ろうと試みたのであった。
まぁ、この時点で相当彼はやらかしているのだが…‥‥‥
「ええいい!!しつこいなこの結界は!!大体、神獣とか言うが、所詮はモンスターだろうし、徹底的に潰しても構わないはずだろう!!これだけの兵力があれば、大丈夫だろうしな!!」
そう叫ぶマブージュルであったが、所詮負け犬の遠吠え。
全く結界を越える事が出来ず、どうしたものかと悩み始めた…‥‥その時であった。
【‥‥‥ここで何をしている、豚の、いや、オークのごとく肥え太った醜き者どもよ】
「!?」
声がしたので、その方向を彼らが見てみれば、そこには大きな二頭の狼の姿があった。
いや、その大きさは明らかに通常のものよりも大きく、それぞれ緑(薄め)、白色の体毛を纏っていた。
「そうか、お前らがこの森を包む結界を管理しているという神獣どもだな!!この高貴なる私、マブージュルの命令だ!!結界をすぐさま排除し、我に使えて魔王退治に行こうぞ!!」
【‥‥‥はぁ?何を言っているんだコイツは】
【頭が残念な方かしら?残念ながら、お断りさせていただくよ】
マブージュルはびしっと決めポーズを付けてそう言った途端、目の前の二頭の狼たちは呆れたような声を出しつつ、殺気を徐々に強め始めた。
【神獣であるあたしたちに対して不遜すぎる言葉遣いに、どう考えても結界にはじかれてしまう屑人間が来たようだねぇ?】
【結界から出て、直ちに潰すか?】
その行動に、狼たちは…‥‥フェンリル夫妻はあきれ果てた。
どれだけ傲慢で、強欲で、馬鹿なのだろうか?
こいつにまともな思考回路は絶対にないだろう、とフェンリルや、ようやく追いついて見ていたワゼたちは、そろってそう思うのであった。
「…‥‥良し、この改良で多分だいぶマシになったかな?」
「恐らくはそうかト。まぁ、惜しむらくはほとんどが木製の部品デス。耐久性の問題上、定期的なメンテナンスが必要ですが…‥‥まぁ、これで大丈夫になるはずデス」
【とは言っても、いまいちピンとこない改良よね」
う~んと背伸びしつつ、僕のつぶやいた言葉に、ワゼとハクロは答えた。
ちょっと思った以上に馬車の改良に呑めりこんで、色々と前世の知識も加えて、合うようにしてみた結果、目の前の馬車は、通常よりもちょっとだけいびつな形をしていた。
「ここのギアを操作すれば、走っているフェンリル(夫)が一定の速度を出していたとしても、都合のいいように調整できるはずなんだよなぁ‥‥‥」
フェンリル(夫)に牽引させる部分には、ルームランナーを元にして考案した新たな動力装置を付けていた。
車輪がついており、ルームランナーのようなところの上で駆けてもらうと、この車輪も連動して動くのだが、木を削って作った歯車を組み込んであり、調節してその速度を加減することができるようになったのだ。
これで、急加速による負荷なども軽減できるだろうし、色々と細工を施したから、前みたいにげぶぉうっと酔うような事はなくなると、期待を持って居たその時であった。
ズドォォォン!!
「「【!?】」」
突然、何やら大きな爆発音が聞こえた。
「何だ、今の音は?」
「森の外からした様デス」
【一体何があったのでしょうか?】
ふと気が付けば、ダッシュでフェンリル夫婦が走っていくのが目に見えた。
どうやら彼らがこの森に張ってある結界に、何かされたようで、気が付いたと言ったところなのだろうけれども…‥‥何かこう、面倒な予感がした。
「‥‥‥ワゼ、一応行ってみようか?」
「ご主人様が出向かれる必要はないでしょウ。私が行きマス」
【一応、私も行きます。シアンさんはここでちょっと待っていてください】
何事か気になったが、ワゼとハクロは互に行くようだが、僕には残っていてほしいらしい。
ちょっと不安だが‥‥‥まぁ、彼女達なら大丈夫だろう。
とりあえず、許可して二人はその音の方へ向かったが‥‥‥‥何事もなければいいなぁと、僕は思うのであった。
―――――――――――――――――――――
SIDE豚肉予備軍もとい神官たち
「…‥‥ええい!!結界が全然破れないではないがぁ!!」
ハルディアの森、外部にて、森の結界に向けて放った魔法がうんともすんとも、全く聞いていない様子に、でっぶぅんと贅肉を揺らして、その神官の格好をした肥え太った豚男はそう叫んだ。
その豚男の名はマブージュル。この森があるボラーン王国の隣国にある、神聖国ゲルマニアの神殿に使えている神官の一人。
だが、彼が着ている衣服は、通常の神殿に努める神官の衣服とは異なり、なにやら色々な刺繍が施された物であり、自分は他の者たちとは異なる、選ばれた人間だとマブージュルが増長する原因ともなっていた。
そんな彼らがここにいるのは、マブージュルが偶然神殿内にて、ある話を聞いたからだ。
「我が国を支える預言者様が、予言したのだぞ!!その内容として、どうやらこの森に魔王となるような物が顕現したと言う。善なのか悪なのかは不明だが、魔王というならば当然悪に決まっているはずだ!!」
そう勝手に結論づけ、予言の内容も中途半端にしか聞きかじっていなかったマブージュルは、考えに考えて、この際、自ら魔王討伐へ向けて動いたのであった。
……その肝心の預言者や、神殿の方はまだ動きを見せないのに、完全な独断専行である。
善なのか悪なのかはよく聞いていなかったが、魔王という響きからして、マブージュルは勝手に悪と決めつけ、討伐すれば莫大な報奨金や高い地位が約束されるかもしれないと、見事なまでの目先の欲につられたのだ。
そんなわけで、正面突破というのは流石に愚策だという事は分かっていたので、不意打ちで仕留める予定であったが…‥‥どういう訳か、このハルディアの森に入ろうとしたら、彼が連れてきた私兵もろとも弾き飛ばされたのだ。
そして、なんども突撃した末に、どうにもならない苛立ちから魔法を放ち、結界を破ろうと試みたのであった。
まぁ、この時点で相当彼はやらかしているのだが…‥‥‥
「ええいい!!しつこいなこの結界は!!大体、神獣とか言うが、所詮はモンスターだろうし、徹底的に潰しても構わないはずだろう!!これだけの兵力があれば、大丈夫だろうしな!!」
そう叫ぶマブージュルであったが、所詮負け犬の遠吠え。
全く結界を越える事が出来ず、どうしたものかと悩み始めた…‥‥その時であった。
【‥‥‥ここで何をしている、豚の、いや、オークのごとく肥え太った醜き者どもよ】
「!?」
声がしたので、その方向を彼らが見てみれば、そこには大きな二頭の狼の姿があった。
いや、その大きさは明らかに通常のものよりも大きく、それぞれ緑(薄め)、白色の体毛を纏っていた。
「そうか、お前らがこの森を包む結界を管理しているという神獣どもだな!!この高貴なる私、マブージュルの命令だ!!結界をすぐさま排除し、我に使えて魔王退治に行こうぞ!!」
【‥‥‥はぁ?何を言っているんだコイツは】
【頭が残念な方かしら?残念ながら、お断りさせていただくよ】
マブージュルはびしっと決めポーズを付けてそう言った途端、目の前の二頭の狼たちは呆れたような声を出しつつ、殺気を徐々に強め始めた。
【神獣であるあたしたちに対して不遜すぎる言葉遣いに、どう考えても結界にはじかれてしまう屑人間が来たようだねぇ?】
【結界から出て、直ちに潰すか?】
その行動に、狼たちは…‥‥フェンリル夫妻はあきれ果てた。
どれだけ傲慢で、強欲で、馬鹿なのだろうか?
こいつにまともな思考回路は絶対にないだろう、とフェンリルや、ようやく追いついて見ていたワゼたちは、そろってそう思うのであった。
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