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いざ、魔法屋へ……
#25 魔法屋のためにちょっと鍛錬
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SIDEシアン
魔法屋に就いた翌日、シアンは少し朝から鍛錬をしていた。
「『スプラッシュミスト』」
霧状にした水を畑にまきつつ、続けて別の魔法を試す。
「『サマーライト』」
ミニ太陽とでもいうような、小さな光の球を創り出し、畑全体に注がせる。
すると、ぴよこっと小さな芽が畑から次々と生えてきた。
「おお、植物の生長を促す魔法ですネ」
【なんか面白いことになってますね】
その様子を見ていたワゼとハクロがそうつぶやいた。
「うん、大体この程度でいいかな」
ある程度自分の魔法の状態を確かめたところで休憩し、彼女達の方へ体を向けた。
「ワゼ、昼前に一度魔法ギルドへ行って、初めての依頼を受けたいけれども、馬車は大丈夫かな?」
「大丈夫デス。細かな調整も終えましたし、フェンリル(夫)も呼べマス」
【ついでに、ちょっと装飾を変えましたよ。毎日同じと言うのも味気ないですし、今日は花柄模様のシートを付けてます】
「そうか、じゃぁもうちょっとしたら行こうか」
「了解デス」
魔法屋に登録したのは良いが、どのような依頼があるかはわからない。
と、ここでふと僕はある事を思いついた。
「あ、そういえばハクロ、ちょっといいかな?」
【ん?なんでしょうか?】
僕の言葉に、ハクロが首をかしげた。
「昨日ギルドへ行ったときにさ、使い魔と言うものを持って居た人がいたんだよ」
魔法ギルド内で、蛇を纏わりつかせていたり、その他なにかしらの生物を近くに置いていた人たちを僕は思い出す。
少々調べて見たところ、どうやら魔法屋の場合、ちょっと地力だけじゃどうにもならないことがあるようで、その時のために使い魔と呼ばれるものを使役することがあるそうだ。
わかりやすくイメージするのならば、魔女の黒猫や梟などがあるだろう。
なにはともあれ、そういった使い魔と言うものを登録しておくことができるらしいので…‥‥
「それで思いついたんだけど、ハクロってモンスターだし、正直言って人前に出にくいじゃん?それでさ、堂々と出歩くために、僕の使い魔として登録して見るのはどうかなと思って」
【…‥‥私が、シアンの使い魔に?】
その言葉に、ハクロは目を丸くした。
昨日外に出ても、馬車からは出ることはなかった。
群れを冒険者たちに襲撃されたのもあるし、アラクネと言うモンスターがそもそもどういった感じに思われているのかわからない不安もあるのだろう。
けれども、せっかくだし、自由に出歩いても問題ないようにと思ったんだけど……
「一応、気が悪かったり、気に入らないのであれば別に良いが、どうする?」
【いえ、やらせていただきますよ!それなら堂々と出歩けますし、最高です!!】
がしっと両手をつかみ、目をキラキラさせてハクロはそう言い切った。
「そう?だったら今日も、一緒に行こうか」
【ええ!!行きましょう!】
やる気がみなぎったのか、ハクロはそう答えるのであった。
「…‥‥ただの飯ぐらいの居候から、ランクアップできますしネ」
【う”っ】
ぼそっとワゼがつぶやいた一言に、ハクロがぎくっとするように固まったのであった。
……ワゼ、それ言っちゃだめなやつ。一応、毒液とか糸とかもらっているし、ただの飯ぐらいの居候じゃないからね?
何にせよ、彼女は使い魔としての登録に抵抗がないようなので、登録も依頼の初受注も兼ねて、外出の準備を僕らはし始めるのであった。
……ただ、この時僕は一つ、考慮に入れていないことがあった。
普段、一緒に過ごして居る分、見慣れていたというか、完全に頭から抜かしていたというべきか。
ハクロ自身も自覚はしていないようだったし…‥‥。
あの時、ハクロがアラクネの群れで、冒険者たちに襲撃された際に、何故彼女を前にして冒険者たちが争い始めたのか。
そして、この森に来るまでに色々と大変な目に遭っていたのは何故か。
その事に僕が気が付くのは、登録するために都市に着き、彼女が馬車から降りて、人目についたその時であった…‥
魔法屋に就いた翌日、シアンは少し朝から鍛錬をしていた。
「『スプラッシュミスト』」
霧状にした水を畑にまきつつ、続けて別の魔法を試す。
「『サマーライト』」
ミニ太陽とでもいうような、小さな光の球を創り出し、畑全体に注がせる。
すると、ぴよこっと小さな芽が畑から次々と生えてきた。
「おお、植物の生長を促す魔法ですネ」
【なんか面白いことになってますね】
その様子を見ていたワゼとハクロがそうつぶやいた。
「うん、大体この程度でいいかな」
ある程度自分の魔法の状態を確かめたところで休憩し、彼女達の方へ体を向けた。
「ワゼ、昼前に一度魔法ギルドへ行って、初めての依頼を受けたいけれども、馬車は大丈夫かな?」
「大丈夫デス。細かな調整も終えましたし、フェンリル(夫)も呼べマス」
【ついでに、ちょっと装飾を変えましたよ。毎日同じと言うのも味気ないですし、今日は花柄模様のシートを付けてます】
「そうか、じゃぁもうちょっとしたら行こうか」
「了解デス」
魔法屋に登録したのは良いが、どのような依頼があるかはわからない。
と、ここでふと僕はある事を思いついた。
「あ、そういえばハクロ、ちょっといいかな?」
【ん?なんでしょうか?】
僕の言葉に、ハクロが首をかしげた。
「昨日ギルドへ行ったときにさ、使い魔と言うものを持って居た人がいたんだよ」
魔法ギルド内で、蛇を纏わりつかせていたり、その他なにかしらの生物を近くに置いていた人たちを僕は思い出す。
少々調べて見たところ、どうやら魔法屋の場合、ちょっと地力だけじゃどうにもならないことがあるようで、その時のために使い魔と呼ばれるものを使役することがあるそうだ。
わかりやすくイメージするのならば、魔女の黒猫や梟などがあるだろう。
なにはともあれ、そういった使い魔と言うものを登録しておくことができるらしいので…‥‥
「それで思いついたんだけど、ハクロってモンスターだし、正直言って人前に出にくいじゃん?それでさ、堂々と出歩くために、僕の使い魔として登録して見るのはどうかなと思って」
【…‥‥私が、シアンの使い魔に?】
その言葉に、ハクロは目を丸くした。
昨日外に出ても、馬車からは出ることはなかった。
群れを冒険者たちに襲撃されたのもあるし、アラクネと言うモンスターがそもそもどういった感じに思われているのかわからない不安もあるのだろう。
けれども、せっかくだし、自由に出歩いても問題ないようにと思ったんだけど……
「一応、気が悪かったり、気に入らないのであれば別に良いが、どうする?」
【いえ、やらせていただきますよ!それなら堂々と出歩けますし、最高です!!】
がしっと両手をつかみ、目をキラキラさせてハクロはそう言い切った。
「そう?だったら今日も、一緒に行こうか」
【ええ!!行きましょう!】
やる気がみなぎったのか、ハクロはそう答えるのであった。
「…‥‥ただの飯ぐらいの居候から、ランクアップできますしネ」
【う”っ】
ぼそっとワゼがつぶやいた一言に、ハクロがぎくっとするように固まったのであった。
……ワゼ、それ言っちゃだめなやつ。一応、毒液とか糸とかもらっているし、ただの飯ぐらいの居候じゃないからね?
何にせよ、彼女は使い魔としての登録に抵抗がないようなので、登録も依頼の初受注も兼ねて、外出の準備を僕らはし始めるのであった。
……ただ、この時僕は一つ、考慮に入れていないことがあった。
普段、一緒に過ごして居る分、見慣れていたというか、完全に頭から抜かしていたというべきか。
ハクロ自身も自覚はしていないようだったし…‥‥。
あの時、ハクロがアラクネの群れで、冒険者たちに襲撃された際に、何故彼女を前にして冒険者たちが争い始めたのか。
そして、この森に来るまでに色々と大変な目に遭っていたのは何故か。
その事に僕が気が付くのは、登録するために都市に着き、彼女が馬車から降りて、人目についたその時であった…‥
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