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面倒事は、何故やってくる
#33 夏に入りそうデス
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SIDE神聖国ゲルマニア
……神聖国ゲルマニア、その国にあるとある神殿の内部にて、再びある召喚が行われようとしていた。
先日、豚肉予備軍を喰らったのは良いが、たまには何か変わった愚者を食べてみたいという、この国の預言者と呼ばれる存在によって、使用を決定したのだ。
とはいえ、愚者をそのまま太らせて食べるとか、育ち切るまで待つ方法では面白くない。
時々何か変わった刺激を与えてもらった方が良いという事なので‥‥‥今回呼び出す愚者には、とある新しい方法を試すつもりであった。
「と言うか、よく喰えるよな‥‥‥魂の方をメインとしているとはいえ、流石に嫌じゃないか?」
「まぁ、俗物とかそう言った類が減って良いのですが‥‥‥あまりにも頻繁にやるときれいごとが多くなり過ぎて、それはそれで過ごしにくい事も分かっているそうですしね」
召喚の部屋にて、巫女たちは会話する。
「世の中には腐ったやつがいても、手出ししにくかったりするからねぇ」
「先日、新たに一人、精神が壊れた男を回収できたそうだけれども、足りないらしいからね」
そのため、他国にこっそり工作員を入れつつ、ダメ人間を作ってみたりしているのだが‥‥‥ついでに国の腐敗した部分の一掃もしているので、特に咎められることはなかった。
何にせよ、いよいよ別世界の新たな愚者が呼び出される。
最終的には預言者の下へ逝かされる運命にあるだろうが…‥‥はたして、どのような人物が出るのであろうか‥‥‥
――――――――――――――――
SIDEシアン
「…‥‥たまには何か、変わった依頼でもないかな?」
その頃、都市アルバスの魔法ギルドにて、シアンは依頼が貼られている掲示板を見ていた。
【ん?何か変わったものですか?】
「ああ、ちょっとね。たまには何かこう、刺激が欲しいんだよ」
この世界へ来た当初はまだ過ごしやすい気候であったが、季節があるのか最近少しづつ気温が上がり始めていた。
そのため、何かこう、涼しそうな依頼とかあれば、面白そうだなと僕は思っていたが‥‥‥そんなに簡単に見つかるわけでもなさそうである。
「とはいえ、他にある依頼は‥‥‥」
畑仕事での水の補給、土魔法での土壁作成、火の魔法でファイヤーダンス及び日輪くぐり……いや、最後のこれは何?どこかでサーカスでもやっているの?
【個人的には、この『プぺオンの実採取』も良さそうなんですけれどね】
「プぺオンの実?」
「データアリ。動く木の実として有名で、採取する難易度がちょっと高い方のようデス」
動く木の実?どんなのだろうか?
【えっと、単純に書くのであれば……いや、糸で表すとこんなものです】
しゅばばっとあやとりのように糸を動かし、ハクロが作って表現したものは‥‥‥メロン?
【甘くてとてもおいしく、群れで見つけたら皆目の色を変えて一斉に襲ってましたからねぇ】
しみじみと懐かしそうに語るハクロ。
ところで今、気になる単語として「襲う」ってあったけど、本当にどういうものなのだろうか?
とにもかくにも、興味を持ったので僕はその依頼の受注を決定するのであった。
「‥‥‥でも、気になったけどさ、こういうのは冒険者の方の領分なんじゃ?」
「ああ、それがですね、どうやらこの都市の冒険者ギルドは今休業中なんデス。そのため、依頼の中で魔法屋も受注可能そうなものが回されているようデス」
「へぇ……でも、何で休業に?」
「どうも冒険者ギルドのギルド長が何かやらかしたそうで……ほら、指名手配の紙がありますヨネ?あれにありマス」
見れば、いかついような、それでいて頼りなさそうなおっさんの絵が描かれた指名手配所があった。
まぁ、僕は魔法屋で、魔法ギルドに所属しているから関係ないもんね‥‥‥‥
……神聖国ゲルマニア、その国にあるとある神殿の内部にて、再びある召喚が行われようとしていた。
先日、豚肉予備軍を喰らったのは良いが、たまには何か変わった愚者を食べてみたいという、この国の預言者と呼ばれる存在によって、使用を決定したのだ。
とはいえ、愚者をそのまま太らせて食べるとか、育ち切るまで待つ方法では面白くない。
時々何か変わった刺激を与えてもらった方が良いという事なので‥‥‥今回呼び出す愚者には、とある新しい方法を試すつもりであった。
「と言うか、よく喰えるよな‥‥‥魂の方をメインとしているとはいえ、流石に嫌じゃないか?」
「まぁ、俗物とかそう言った類が減って良いのですが‥‥‥あまりにも頻繁にやるときれいごとが多くなり過ぎて、それはそれで過ごしにくい事も分かっているそうですしね」
召喚の部屋にて、巫女たちは会話する。
「世の中には腐ったやつがいても、手出ししにくかったりするからねぇ」
「先日、新たに一人、精神が壊れた男を回収できたそうだけれども、足りないらしいからね」
そのため、他国にこっそり工作員を入れつつ、ダメ人間を作ってみたりしているのだが‥‥‥ついでに国の腐敗した部分の一掃もしているので、特に咎められることはなかった。
何にせよ、いよいよ別世界の新たな愚者が呼び出される。
最終的には預言者の下へ逝かされる運命にあるだろうが…‥‥はたして、どのような人物が出るのであろうか‥‥‥
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SIDEシアン
「…‥‥たまには何か、変わった依頼でもないかな?」
その頃、都市アルバスの魔法ギルドにて、シアンは依頼が貼られている掲示板を見ていた。
【ん?何か変わったものですか?】
「ああ、ちょっとね。たまには何かこう、刺激が欲しいんだよ」
この世界へ来た当初はまだ過ごしやすい気候であったが、季節があるのか最近少しづつ気温が上がり始めていた。
そのため、何かこう、涼しそうな依頼とかあれば、面白そうだなと僕は思っていたが‥‥‥そんなに簡単に見つかるわけでもなさそうである。
「とはいえ、他にある依頼は‥‥‥」
畑仕事での水の補給、土魔法での土壁作成、火の魔法でファイヤーダンス及び日輪くぐり……いや、最後のこれは何?どこかでサーカスでもやっているの?
【個人的には、この『プぺオンの実採取』も良さそうなんですけれどね】
「プぺオンの実?」
「データアリ。動く木の実として有名で、採取する難易度がちょっと高い方のようデス」
動く木の実?どんなのだろうか?
【えっと、単純に書くのであれば……いや、糸で表すとこんなものです】
しゅばばっとあやとりのように糸を動かし、ハクロが作って表現したものは‥‥‥メロン?
【甘くてとてもおいしく、群れで見つけたら皆目の色を変えて一斉に襲ってましたからねぇ】
しみじみと懐かしそうに語るハクロ。
ところで今、気になる単語として「襲う」ってあったけど、本当にどういうものなのだろうか?
とにもかくにも、興味を持ったので僕はその依頼の受注を決定するのであった。
「‥‥‥でも、気になったけどさ、こういうのは冒険者の方の領分なんじゃ?」
「ああ、それがですね、どうやらこの都市の冒険者ギルドは今休業中なんデス。そのため、依頼の中で魔法屋も受注可能そうなものが回されているようデス」
「へぇ……でも、何で休業に?」
「どうも冒険者ギルドのギルド長が何かやらかしたそうで……ほら、指名手配の紙がありますヨネ?あれにありマス」
見れば、いかついような、それでいて頼りなさそうなおっさんの絵が描かれた指名手配所があった。
まぁ、僕は魔法屋で、魔法ギルドに所属しているから関係ないもんね‥‥‥‥
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