拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

文字の大きさ
66 / 459
力の差

#62 計画のお披露目なのデス

しおりを挟む
SIDEワゼ

 深夜、辺りは暗く、森では梟のような声がなく頃、ある一室にてワゼは作業をしていた。

 作業台には、あの首都で買った簡単な造りのゴーレム人形3体があり、それぞれにワゼはある仕掛けを施していたのである。


「っと、D3回路はこれで良いとして…‥‥ええと、GH34は省略、SD23は小さくデスネ」

 首都内である程度の材料も仕入れ、さらに自身の一部を分解し、構造をきちんと把握していく。

 自己修復機能のせいで元に戻るので、その前に素早く構造を把握し、いかにして改良できるかなどを考えねばならない作業であったが、ワゼはやり遂げていった。



「ふぅ、あとは明日の朝見せればいいでショウ」

 作業を終え、一息をつくワゼ。

 前々から考えてはいたが、いざ実現するとなると少しだけワクワクする高揚感を彼女は理解していた。

「ふふふ、これでよりご主人様の役に立てるはずデス」

 メイドとしての本能か、そう笑うワゼ。

 何にせよ、作業を終えたので片づけをし、少々自身の回路も弄ったので、その修復と改善などを施すために、機能を一旦シャットダウンするのであった。



―――――――――――――――――――――――
SIDEシアン

「えっと、ワゼ、それらは何かな?」

 朝、僕らは朝食のために家の中のダイニング来たのだが、何やらワゼが3つの黒い箱を設置していた。

 どことなく、物凄く見覚えがあるような気がするのだが‥‥‥‥


「ふふふ、では、お披露目いたしましょウ」

 ワゼがニヤリと笑い、その箱を開封した。

 ぷしゅ~っと音を立て、中から何かが飛び出す。


「ツーッ!」
「スーッ!」
「フーッ!」

 ババッと飛び出し、それぞれがポーズを決める。

「「「参上!!ミニワゼシスターズ(ツ)(ス)(フ)!!」」」

「‥‥何だこれぇ!?」

 飛び出し、ポーズを決めているのは、ワゼを小さくデフォルトしたような人形たち。

 あまりの衝撃に、僕は思わずそう叫ぶのであった。

…‥‥あれ?そう言えば何でハクロも驚きそうなのに、驚いていないの?




 とりあえず、ワゼから説明を僕は受けた。

「え?『万能家事戦闘人型ゴーレム』のワゼ製02、03、04号機?」
「ええ、日頃の家事や先日の戦闘時に、力不足を感じましたので、改善として作り上げたのデス」

 説明し、にやりと笑みを浮かべるワゼに対して、02~04号機、通称『ミニワゼシスターズ』たちは同じような表情を浮かべた。

 ワゼをずいぶんとデフェルメして省略し、機能をやや制限して01であるワゼよりもだいぶ性能は落ちるそうだ。例として、言語機能が不完全で、ちょっとドーラのような喋り方になるらしい。

 一応、見分けがつくように全部そっくりではなく、02は赤髪、03は青髪、04は黒髪である。

 だが、小さくした分、ワゼとは異なる機能も備え付けてあるのだという。

「まずは『フライフォルム』デス!」

 ばっとワゼが手で指示を出すと、ミニワゼシスターズは頭からプロペラのようなモノを出し、飛び始める。

 ラジコンヘリかと言いたくなるが、意外に飛ぶ速度が速い。

「計算上、飛行速度は最大で100キロ、ただし、改善点などがありますのでまだまだ向上するはずデス」

 この時点でだいぶ頭おかしいようなレベルなのだが…‥‥え?まだあるの?

「続けて、『ブーストダッシュフォルム』デス!」

 続けてワゼが指示を出すと、ミニワゼシスターズは着陸し、今度はガシャコンっと何かの変形音を出したかと思うと、それぞれの足元に大きなタイヤが出現した。

「こちらは最高速度200キロ、悪路も対応可能なようにキャタピラなどに変形可能なのデス」

 …‥‥飛行の2倍の速度なのか。というか、もはやこれってメイドなのか?

「そして、『ウェポンフォルム』デス!」

 その言葉で、今度はミニワゼシスターズのそれぞれの一部が変形した。

 02は両手に機関銃と、肩から大砲2つ。
 03は両手に鎖鎌、肩から腕が生えて盾が2つ。
 04は両手にハンマーと、肩から腕が生えて双剣2つ。

 それぞれ異なる武器を構え、びしっとポーズを決めた。


「先日のアンデッド集合体に対しての有効打の無さを実感したので、効果は抜群になるように細工を施した武器に、遠距離、中距離、近距離のどれでも対応可能なように、武器を追加いたしまシタ」
「ツーッ!」
「スーッ!」
「フーッ!」

 ワゼの説明に対して、ミニワゼシスターズたちは武器を実際に動かし、扱えていることをアピールしてきた。

 その様子は一見可愛らしいが、凶悪な武器を使っているので少々サイコパスチックである。

…‥‥このメイドたちは、本当にメイドなのか疑問になって来たぞ。


 なお、説明によれば全体的な能力としてはワゼの劣化だが、あえて武器の種類を限定したことで、戦闘能力はそれぞれワゼに匹敵するのだという。

 いや本当に、メイドではないような…‥‥まぁ、良いのか?




 とりあえず、お披露目も終わったようなので、一応各自に名前を付けることにした。

 機体番号で言うのも味気ないし、ワゼとしても名前があったほうが都合が良いそうだ。


「それじゃあ、『01』で『ワゼ』としていたから…‥‥」

 普通に考えるのならば、『02』は『ゼツ』、『03』は『ゼリー』、『04』は『ゼフォー』となる。

 けれども、ちょっと安直だしなぁ‥‥‥英語の言い方での数字を付けただけだし、もっと別のだとドゥ、トロワ、カトル、ドヴァー、トリー、チェトィリエ…‥‥いや、これ全部名前の前に「ゼ」を付けること前提にしたが、いっその事、外国での数字の発音そのままで良いか?

 だったら発音的に、いちばん似合いそうなのはドイツ語で‥…

「『ツヴァイ02』、『ドライ03』、『フィーア04』ならどうかな?」
「ツー……ツツ!!」
「スー、スススッ!」
「フーフフフフフフ!」

 とりあえずつけて見たところ、3体とも気に入ったらしい。

 名前はそれぞれ、『ツヴァイ02』、『ドライ《03》』、『フィーア《04》』で良いようだった。

「と言うかワゼ、これどうやって作ったんだ?」
「先日の首都で購入させていただいたあの人形たちを元にしたのデス」

 ああ、あの簡易ゴーレム人形か…‥‥え?ってことは、あれから改造してこうなったというの?

 それならば、もっと別のゴーレムがあったらどうなるのか。


 少しその疑問に興味が出たが、この3体のミニワゼシスターズの魔改造ぶりを見て、絶対に後悔するレベルの代物になりそうな気がしたので、今後は出来るだけ防ごうかなと思うのであった。

 ワゼだらけの軍団…‥‥シャレにならないよね?

 性能自体はワゼより低いらしいけれども、それで本当に低いのかがそもそも疑問である。

 ワゼのスペックがオーバースペック過ぎて、劣化させたところでちょうど良いのだろうか‥‥‥‥うん、考えるのをやめた方が良さそうだな。


 とにもかくにも、小さな家族が増え、少しだけ我が家は賑やかになるのであった。



‥‥‥なお、ハクロが驚いていなかった理由としては、どうやらワゼにその計画を聞かされていたそうで、ミニワゼたちの衣服を作っていたらしい。

 せっかくなので驚かしたほうが面白いと思って、黙っていたそうだけど‥‥‥‥かなりやばい爆弾みたいな3つ子を誕生させたのに加担し、それを黙っていたという事で、お仕置きで頬を僕はつねったのであった。

ぎゅううううう…‥‥
【いたいいたいでふシアン!!】
「はぁ、サプライズ的にしたかっただろうけれどさ、できればこういう重要そうなことは、きちんと教えてもらわないとね。という訳で、もう数分ほどぎゅっ」
【あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!】

「あれ?私の方にはおとがめなしなのデスカ?」
「ワゼにはやりようがないからね。でも、できれば今度からはきちんと話してよ?」
「わかりました。胸に刻んでおきマス」
「ツー!」
「スー!」
「フー!」
しおりを挟む
感想 1,076

あなたにおすすめの小説

ReBirth 上位世界から下位世界へ

小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは―― ※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。 1~4巻発売中です。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜

あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。 その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!? チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双! ※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中

【死に役転生】悪役貴族の冤罪処刑エンドは嫌なので、ストーリーが始まる前に鍛えまくったら、やりすぎたようです。

いな@
ファンタジー
【第一章完結】映画の撮影中に死んだのか、開始五分で処刑されるキャラに転生してしまったけど死にたくなんてないし、原作主人公のメインヒロインになる幼馴染みも可愛いから渡したくないと冤罪を着せられる前に死亡フラグをへし折ることにします。 そこで転生特典スキルの『超越者』のお陰で色んなトラブルと悪名の原因となっていた問題を解決していくことになります。 【第二章】 原作の開始である学園への入学式当日、原作主人公との出会いから始まります。 原作とは違う流れに戸惑いながらも、大切な仲間たち(増えます)と共に沢山の困難に立ち向かい、解決していきます。

処理中です...