拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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力の差

#67 嵐の到来デス

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SIDEシアン

 プールでの気怠さも乗り越え、再び僕らは水の中を泳いでいた。

「水かけもいいけど、やっぱり泳ぐのが一番の醍醐味かな?」
【うーん、泳ぐのは得意ではありませんが、でも楽しいですよね】

 僕のつぶやきに対して、ハクロも泳ぎながら答える。


 身体の構造上、アラクネの彼女は上半身が人とほぼ同じとは言え、下半身の蜘蛛の部分が少しばかり水の中では動きにくいらしい。

 といっても、精々バタ足がしにくい程度で、犬かきのような泳ぎ方だけではなく、身体を横方向に一直線に伸ばし、クロールモドキのような方法で泳げるのだ。

‥‥‥ただまぁ、やっぱりバランスが悪いせいなのか、上半身の方が浮いているような気がする。



 何にしても、泳ぐのは気持ちがいい。

 大量の水の用意や建設などの手間は、通常ならばかなり大変であろうが、今回は魔法やワゼで楽できたからなぁ…‥‥


 と、のほほんとのんびりしつつ、ミニワゼシスターズが対水中用にスクリューなどを試し、その過程でハクロが打ち上げられたりと、色々とやっていたその時であった。



「ン?」

 ふと、ワゼが何かに気が付いたように動く。

「どうした、ワゼ?」
「何かが接近してきていマス。ロイヤルさんと正体不明の気配1名デス」
「正体不明?」

 フェンリルのロイヤルさんが何か用事があってくるのであればわかるが、その正体不明の気配とは何だろうか?

 その報告を見ていると、森の中から白いフェンリルことロイヤルさんと、その正体不明の者とやらが出て来た。

 見た目的には忠誠的な顔立ち、髪形をしていて、女性なのか男性なのかわかりにくい。

 ただ、その背中には翼のようなものが生えており、白とか黒ではなく、金色と混沌とした色がそれぞれにあった。

「‥‥‥誰?」

 フェンリルのロイヤルさんが人を連れてくるのは珍しいというか、見たことなない人である。

 いや、そもそもその背中に翼がある時点で人じゃないかな‥‥?



「ロイヤルさん、そちらかの方は誰でしょうカ?」

 と、考えている間に、ワゼが先に質問をしていた、

【ああ、こちらは森の外から来た…‥‥】
「旅の詩人、ファイスと申します。以後お見知りおきを」

 ロイヤルが答える前に、その人物……ファイスはそうお辞儀しながら、名乗るのであった。


――――――――――――――――
SIDE神聖国ゲルマニア:神殿内部


…‥‥神聖国にある神殿にて、とある部屋があった。


「‥‥‥バイタルサイン、異常なし…‥‥滅びた国の技術とは言え、これはこれでなかなか大変ですよね」
「普段、私たちは神殿の掃除程度しかしませんからね‥‥‥こういう頭を使うような作業は大変です」

 その部屋はあちこちに様々な道具が置かれ、それぞれを操作する巫女たちの姿があった。

「にしても、何故預言者様はわざわざ義体の内、あの翼があるタイプを使ったのでしょうか?」
「なんでも、移動が楽だとか…‥‥人に見られるリスクなどを考えぬからな」

 そう答えつつ、巫女たちは預言者の体に異常がないように、細心の注意を払う。


「でも、わざわざ向かった理由が…‥‥自ら予言したことでの、気になった点の確認って…‥‥」
「ああ、それは色々とあるからなぁ…‥‥予言したところで、それが確実という訳でもないし」
「意味合いも少し変わるからね‥‥‥」
「どういうことですか?」

 巫女の質問に対して、他の巫女たちは答える。


…‥‥通常、「預言者」と呼ばれる方の意味合いの「預言」と、その方が放つ「予言」は似たような言葉でも、その意味合いは異なる。

「預言」というのは神託‥‥‥‥つまり、神から承る言葉で有り、「予言」では未来を予測するのだ。


 前者であればほぼ確定で有り、後者であれば不安定な部分もあるのだ。


「とは言え、預言者様はややこしいから前者の方の意味で名乗りつつ、後者の言葉で人に告げるのよ」
「まぁ、それでも前者、後者の意味でのことを繰り返してしまう事があるようで、それで不正確性も一部あったりするのよね」
「人の魂も糧に行うのだが、ここ最近の腐れ魂は味は良くても栄養価が微妙らしいからなぁ…‥‥」
「魂に、栄養ってあるのかしら?」

 色々と言いつつも、要はその予言した言葉に沿わないことがある可能性もあり、そのために預言者は時たま自ら確認するために動くらしいのだ。

 ただ、身の安全も考えて、この神殿に本体を置きつつ、偽りの義体で外に出るらしいが‥‥‥


「とは言え、今回はその予言の正確性だけではなく、純粋な興味もあるらしいけれどね」
「えっと、純粋な興味でしょうか?」
「ああ、ほら、以前成されただろう?魔王の予言がさ」

 その言葉を聞き、巫女は納得する。

 善なのか悪なのかまでは分からないが、とりあえず強大な存在がこの世界に出現したという話を。

「で、預言者いわく、ここ最近喰らっていた者たちの中に、少々繋がりがありそうなのがあって、出も何か違うという事で興味を持ったらしい」
「ああ、魔王ってどのような方なのかわからないし、安全のためにわざわざこうしたのね」

 そこまできて、ようやく巫女は納得した。

 疑問が溶けてスッキリとしつつ、それぞれ再び作業に戻る。


「にしても、この義体?とやら、滅びた国からのものらしいけれど‥‥‥‥まねできないほど、すごいものよね」
「ああ、預言者様としては偶然譲ってくれた方がいたらしいからな。そのおかげで自分の身体は安全な状態で危険な場所にも出向けると喜んでいたな」
「でも、できれば壊れた時用にもっと欲しかったりするけれども…‥‥これってどのぐらい昔のものだったかしら?」
「さぁ?でもできれば連絡を取れればいいが…‥‥亡くなっている可能性もあるんだぁ」

 そう言いながら、彼らは作業を黙々とする。

 預言者が帰還した時に、不備が無いようにきちんと手入れをしておくのだ。

 ただ、これがあるせいで、時たま預言者が物凄い突拍子もない行動を起こしたりするので、できればない方が良かったりとも、思っていたりするのは、全員一緒であった…‥‥‥
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