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王族とは何なのか
#115 ちょっとしたきっかけになればいいのデス
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SIDEシアン
……臨死体験とは、こういう事を言うのであろうか。
そう思いながら、僕は体育座りをしながら、目の前を流れる川を見ていた。
向こう岸には綺麗なお花畑があり、おいでおいでと手を振る人や、来るな来るなと追い払うようなしぐさをする人たちがいる。
どっちだよと言いたいが…‥‥まぁ、この場合逃げるのが正解であろう。と言うか、気のせいかそのおいでおいで組が前世の兄や父に似ている気がする。
いや、なんかR18のスプラッター物のような、色々と欠けているグロイ姿なんだが‥‥‥絶対にろくでもないことが待ち受けている未来しか見えない。
そう思って立ち上がり、くるっと体の向きを変えて僕は逃亡を開始し……
「‥‥‥はっ!」
気が付けば、目が覚めていた。
見渡せば、そこは旅館の一室。
宿泊場所であったが‥‥‥どうも記憶の前後に欠落があった。
「えっと‥‥‥あれ?僕は確か、ここの温泉に入って‥‥‥どうしたんだっけ?」
「そのまま存分に楽しみ、あがったあとに眠気が来たので、寝ていたのデス」
っと、つぶやきに対しての返答が来たので、その声の主を見れば、ワゼがそばにいた。
いつものメイド服を浴衣アレンジしたものにしており、ちょっと珍しい姿である。
「そうだったかな?でも、なんかこう、色々と見えたような‥」
【えっと、シアン。それは気のせいですよ】
「ええ、間違いないですわ」
ハクロにミスティアも近くにいたようで、そう答える。
……なんとなく目を泳がせているよう見えるのだが‥‥‥怪しい。
とは言え、確かめるすべもないし、この件について保留することにした。
なんとなく、顔面に硬い何かがめり込んだかのような痛みがあるようだが、これも気のせいだと思いたい。
「というか、ミスティアが何でこの部屋にいるの?」
元々彼女は、僕らとは違う件でここに宿泊することになり、部屋は違うはずである。
風呂上がりのついでに遊びに来た……にしては、何やら空気が違うように感じられた。
「ご主人様、それにはある事情があるのデス」
「というと?」
「風呂場での仕切り半壊で、」
「いやいやいやちがうのよ!!」
【そそそ、そーですよ!!ある理由がありまして!!別に温泉でどうのこうのと言う訳ではないのです!!】
ワゼが説明しようとしたとたん、彼女達は急に慌てふためき、遮った。
落ち着いて話を聞けば、なにやら少々手違いがあったらしい。
「部屋が無くなったぁ?」
「ええ、それがですね、わたくしの兄が元々ここを予約していたのですが、どうやらつい先ほど、何処かで手違いでもあったのか、そこに別の宿泊客が泊まる事になっていたようですの」
【王族としての権力はあるけれども、わざわざ民に迷惑をかけたくないという事で、ミスティアさんは自分から出たのですよ。で、シアンにはまだ相談しませんでしたが、それならば私たちの方に来ないかと、さそったのですよ!】
要は宿の不手際という事なのであろうか?
そんな理由であれば、仕方がないとは思うが…‥‥
「それだとちょっと不味くないかな?ミスティアって第2王女だし、迂闊に同じ部屋だと、後々いろいろと言われない?」
「それは大丈夫ですわ。どうせわたくしの王位継承権は低いですし、そこまで気にされることはないですわね。そもそも、シアンさん、あなたのワゼやミニワゼと言った者たち関係で交渉役にも任じられてますし、交渉で色々と話していたとすれば、まったく問題はないのです」
「そういうものなのか」
何かを隠されているような気もしなくはないが、こういう時は追求をしない選択を取ったほうが良さそうだ。
とは言え、流石に同室なのは色々と言いたくなるので、部屋にハクロお手製の糸でのカーテンで簡易的な仕切りを設け、ちょっとだけ男女の配慮をしてもらうのであった。
しかし、仕切りね‥‥仕切り?壊れやすそう‥‥ん?なんかあるような…‥‥
―――――――――――――――――――――――――
SIDE女性陣
……何とかこの場をごまかせたことに、ハクロたちは安堵の息を吐いていた。
実は、ミスティアがこの部屋に来ることになったわけは、別に手違いが起きたとかそういうわけではない。
そう、そもそもの元凶は、浴場の仕切り破壊である。
宿の経営者に話をして、修理そのものはこの温泉都市だと、温泉関係であれば1日もかからずに直してくれるそうなのだが、その修理費を請求されたのだ。
手持ちにそんな都合よいお金をハクロたちは持ち合わせていなかったが、そこでミスティアが名乗りを上げ、自身の部屋代を修理費に充ててくれたのである。
後できちんと返済できるのだが、それでも部屋を失わせてしまったことは申し訳ない。
そんなわけで、彼女をハクロたちは自分たちの泊まる場所へ招き入れたのであった。
……もう一つの理由として、風呂場でのことを記憶に残されると困るので、あのショックでシアンの頭から抜けている可能性もあるが、念のために確認する必要性から、共に部屋に来たというのもあった。
なお、気絶していたシアンを着替えさせ、何もなかったように布団を設置し、寝かせたのはワゼであったが、その一部始終を彼女達が見てしまったのは不可抗力である。
これはこれで、バレるとシアンの方から男の尊厳的なもので色々と言われそうなので、黙っておくことにしたのであった。
【でも‥‥シアンも男だったという事を認識させられましたね…‥‥】
「忘れていたのかしら……いやまぁ、わたくしとしても否応なく、ええ、不可抗力で見てしまいましたが…‥」
「二人とも、興味がない振りをしてばっちり見てしまった様子を記録しましたが、コレ、後でご主人様に見せましょうカ?」
【「絶対に消去して!!」】
さらっと告げたワゼに対して、息の合ったツッコミを彼女達は行った。
とは言え、普段は何気なく接して過ごしていたが…‥‥こうもまざまざとみてしまったがゆえに、むしろ羞恥心がこちらに来てしまうのはなぜなのだろうか。
「何でこんなことで、頭の中に無駄そうな内容が記録されるのかしら……」
【あうう‥‥‥私の方を忘れていたのは良いんですが、これはこれでどうなのか…‥‥】
頭を抱え、無駄に悩む二人を見て、ワゼは少し苦笑する。
メイドゴーレムである彼女にとっては、人の感情などそこまで知る必要もないのだが…‥‥こうも見ていると、むしろ色々と面白い。
まぁ、だからこそとある企みとやらに乗り、ここに来たのだが‥‥‥どうやらまだまだ、楽しめそうな様子である。
この事で、意識が変化しそうではあるが、むしろこじらせてより一層変な方向に行きかねない面白さに、ワゼは修正をかけるべきか否か迷いつつ、笑うのを密かに我慢するのであった…‥‥
……一方で、別の問題が都市内で起き始めていた。
だが、それにシアンたちが気が付くのは翌日の事である…‥‥
……臨死体験とは、こういう事を言うのであろうか。
そう思いながら、僕は体育座りをしながら、目の前を流れる川を見ていた。
向こう岸には綺麗なお花畑があり、おいでおいでと手を振る人や、来るな来るなと追い払うようなしぐさをする人たちがいる。
どっちだよと言いたいが…‥‥まぁ、この場合逃げるのが正解であろう。と言うか、気のせいかそのおいでおいで組が前世の兄や父に似ている気がする。
いや、なんかR18のスプラッター物のような、色々と欠けているグロイ姿なんだが‥‥‥絶対にろくでもないことが待ち受けている未来しか見えない。
そう思って立ち上がり、くるっと体の向きを変えて僕は逃亡を開始し……
「‥‥‥はっ!」
気が付けば、目が覚めていた。
見渡せば、そこは旅館の一室。
宿泊場所であったが‥‥‥どうも記憶の前後に欠落があった。
「えっと‥‥‥あれ?僕は確か、ここの温泉に入って‥‥‥どうしたんだっけ?」
「そのまま存分に楽しみ、あがったあとに眠気が来たので、寝ていたのデス」
っと、つぶやきに対しての返答が来たので、その声の主を見れば、ワゼがそばにいた。
いつものメイド服を浴衣アレンジしたものにしており、ちょっと珍しい姿である。
「そうだったかな?でも、なんかこう、色々と見えたような‥」
【えっと、シアン。それは気のせいですよ】
「ええ、間違いないですわ」
ハクロにミスティアも近くにいたようで、そう答える。
……なんとなく目を泳がせているよう見えるのだが‥‥‥怪しい。
とは言え、確かめるすべもないし、この件について保留することにした。
なんとなく、顔面に硬い何かがめり込んだかのような痛みがあるようだが、これも気のせいだと思いたい。
「というか、ミスティアが何でこの部屋にいるの?」
元々彼女は、僕らとは違う件でここに宿泊することになり、部屋は違うはずである。
風呂上がりのついでに遊びに来た……にしては、何やら空気が違うように感じられた。
「ご主人様、それにはある事情があるのデス」
「というと?」
「風呂場での仕切り半壊で、」
「いやいやいやちがうのよ!!」
【そそそ、そーですよ!!ある理由がありまして!!別に温泉でどうのこうのと言う訳ではないのです!!】
ワゼが説明しようとしたとたん、彼女達は急に慌てふためき、遮った。
落ち着いて話を聞けば、なにやら少々手違いがあったらしい。
「部屋が無くなったぁ?」
「ええ、それがですね、わたくしの兄が元々ここを予約していたのですが、どうやらつい先ほど、何処かで手違いでもあったのか、そこに別の宿泊客が泊まる事になっていたようですの」
【王族としての権力はあるけれども、わざわざ民に迷惑をかけたくないという事で、ミスティアさんは自分から出たのですよ。で、シアンにはまだ相談しませんでしたが、それならば私たちの方に来ないかと、さそったのですよ!】
要は宿の不手際という事なのであろうか?
そんな理由であれば、仕方がないとは思うが…‥‥
「それだとちょっと不味くないかな?ミスティアって第2王女だし、迂闊に同じ部屋だと、後々いろいろと言われない?」
「それは大丈夫ですわ。どうせわたくしの王位継承権は低いですし、そこまで気にされることはないですわね。そもそも、シアンさん、あなたのワゼやミニワゼと言った者たち関係で交渉役にも任じられてますし、交渉で色々と話していたとすれば、まったく問題はないのです」
「そういうものなのか」
何かを隠されているような気もしなくはないが、こういう時は追求をしない選択を取ったほうが良さそうだ。
とは言え、流石に同室なのは色々と言いたくなるので、部屋にハクロお手製の糸でのカーテンで簡易的な仕切りを設け、ちょっとだけ男女の配慮をしてもらうのであった。
しかし、仕切りね‥‥仕切り?壊れやすそう‥‥ん?なんかあるような…‥‥
―――――――――――――――――――――――――
SIDE女性陣
……何とかこの場をごまかせたことに、ハクロたちは安堵の息を吐いていた。
実は、ミスティアがこの部屋に来ることになったわけは、別に手違いが起きたとかそういうわけではない。
そう、そもそもの元凶は、浴場の仕切り破壊である。
宿の経営者に話をして、修理そのものはこの温泉都市だと、温泉関係であれば1日もかからずに直してくれるそうなのだが、その修理費を請求されたのだ。
手持ちにそんな都合よいお金をハクロたちは持ち合わせていなかったが、そこでミスティアが名乗りを上げ、自身の部屋代を修理費に充ててくれたのである。
後できちんと返済できるのだが、それでも部屋を失わせてしまったことは申し訳ない。
そんなわけで、彼女をハクロたちは自分たちの泊まる場所へ招き入れたのであった。
……もう一つの理由として、風呂場でのことを記憶に残されると困るので、あのショックでシアンの頭から抜けている可能性もあるが、念のために確認する必要性から、共に部屋に来たというのもあった。
なお、気絶していたシアンを着替えさせ、何もなかったように布団を設置し、寝かせたのはワゼであったが、その一部始終を彼女達が見てしまったのは不可抗力である。
これはこれで、バレるとシアンの方から男の尊厳的なもので色々と言われそうなので、黙っておくことにしたのであった。
【でも‥‥シアンも男だったという事を認識させられましたね…‥‥】
「忘れていたのかしら……いやまぁ、わたくしとしても否応なく、ええ、不可抗力で見てしまいましたが…‥」
「二人とも、興味がない振りをしてばっちり見てしまった様子を記録しましたが、コレ、後でご主人様に見せましょうカ?」
【「絶対に消去して!!」】
さらっと告げたワゼに対して、息の合ったツッコミを彼女達は行った。
とは言え、普段は何気なく接して過ごしていたが…‥‥こうもまざまざとみてしまったがゆえに、むしろ羞恥心がこちらに来てしまうのはなぜなのだろうか。
「何でこんなことで、頭の中に無駄そうな内容が記録されるのかしら……」
【あうう‥‥‥私の方を忘れていたのは良いんですが、これはこれでどうなのか…‥‥】
頭を抱え、無駄に悩む二人を見て、ワゼは少し苦笑する。
メイドゴーレムである彼女にとっては、人の感情などそこまで知る必要もないのだが…‥‥こうも見ていると、むしろ色々と面白い。
まぁ、だからこそとある企みとやらに乗り、ここに来たのだが‥‥‥どうやらまだまだ、楽しめそうな様子である。
この事で、意識が変化しそうではあるが、むしろこじらせてより一層変な方向に行きかねない面白さに、ワゼは修正をかけるべきか否か迷いつつ、笑うのを密かに我慢するのであった…‥‥
……一方で、別の問題が都市内で起き始めていた。
だが、それにシアンたちが気が付くのは翌日の事である…‥‥
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