拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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何をやらかしてくれるのでしょうか

#121 清きことデス

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SIDEファンクラブHWG

……ハクロファンクラブ、HWGの会議室。

 その部屋は今、血の海に沈んでいた。

 報告として、どうやら恋愛感情が芽生え、事故に近い形とは言えキスをしたという情報が入ったのはまだ良い。

 だがしかし、その報告の最中で、ついうっかりなのか、それともわざとなのか……とある絵が混入されており、全員それを見てしまったのである。

「ふ、ぐ……わが生涯に‥‥‥一片の悔いなし‥‥」
「我々‥あの方の幸せを想うがゆえに、婚姻等は良いが‥‥‥コレハ、流石にはんそ……く、ごふぅっ」
「ああ、死んだ爺ちゃんがみえるぜげふふふ…‥‥」

 机に伏せ、床に倒れ、血を吹き出しながら倒れる組織の幹部たち。

 彼らが今、報告書で見ていたのは、昨日どうやらようやく彼らが崇める者が想い人と気持ちを理解しあったという報告書であったはずなのだが‥‥‥

「ど、どこの馬鹿が‥‥‥いや、これはむしろ素晴らしい方というべきなのか‥‥‥これを入れたのだ」
「不意打ちに‥‥‥近い、そして尊すぎる」

 力尽き、一人、また一人と意識を失う。

 彼らが見ていたのは、ハクロがシアンとキスしてしまった写真というもの……のはずであったが、もう一枚、あるモノが混入していたのだ。

 先日、会員のあるモノが提案し、第2王女付きという事で逝かせた温泉旅行に関しての報告書に入るはずであった写真が、どういう手違いが、一枚混じっていたのだ。

 それも、どう見ても女湯で盗撮に近いような、その被写体がハクロであったというのが‥‥‥





―――――――――――――――――――
SIDEシアン


【ふ~ふふん♪ふふ~ん♪】
「ハクロ、それ何の歌?」
【気分が良い、ノリと何かで作った即興曲ですよ!】
「何かって何!?」

 馬車に乗りながら、ハクロの回答に僕はツッコミを入れていた。


 先日の告白から三日。

 告白したとはいえ、まだまだ互に恋愛初心者と言うのもあって、どう付き合えば良いのかわからないところがある。

 何しろ、僕の方は前世に恋愛経験はないし、ハクロはハクロでアラクネの群れに元々いたが、群れでは異性に対して恋愛よりも捕食の意味合いの方が強かったのだ。

 そのため、互にぜんぜんわからない。

 なので、色々書物などから学びつつ、清い関係で交際している状態なのであった。



 本日もいつも通り魔法ギルドで依頼を受け、達成し、帰還しているのだが…‥‥こういう何気ない日常の中で、少しずつ関係を深める事が出来れば良いなぁ‥‥‥

……まぁ、ハクロが告白以来上機嫌となって、たまに変な鼻歌が出ていたり、何かを編みこんでいると思っていたら10メートル越えの長すぎるマフラーであったりと、いろいろやらかしているが。


 どうもハクロ、気分が良くなりすぎるとちょっとばかり暴走に近いところが出るようだ。


 何にしても、そのやらかしもそう大した被害は出ないから別に気にすることもあるまい。

 精々、ポチが‥‥‥いや、これはある意味被害だけど、まぁ語るまでもないよね。


「しかし、いざ交際して見ても、中々進みにくいような‥‥」
【こういう時に、頼れそうな人がいればいいんですけれどね】

「あ、たぶん良い例ならありますヨ」

 と、そこでふとワゼがそう口にした。

「良い例?」
【何かありましたっけ?】
「こういう交際関係などに関して、互に悩むのであれば、既に夫婦となっている人たちに聞くのが手っ取り早いのデス」

「‥‥‥そっか、ロイヤルさんたちに聞いてみれば良いのか」
【それは盲点でしたよ!】

 目から鱗というか、確かに身近にいる夫婦である。

【あれ?でもそれって有用な手段になりますかね?】
「ん?何か不安点でもあるのかな、ハクロ?」
【ええ。確かにロイヤルさんはポチと夫婦ですが、そもそもあの方々はどうやって夫婦になったのでしょうか?】
「‥‥‥言われてみれば、確かにそうだよね?」

 ポチは見事に尻に敷かれている形とも言えるが、あの夫婦はどうやってくっついたのだろうか?

 ロイヤルさんの祖父であるヴァルハラさんが、そうあっさりとポチに渡すとも思えないし、そもそも祖父ってことは祖母やその両親などもいるだろうし、それらからポチがロイヤルさんを勝ち取る事が出来るかと言えば、否としか言いようがない。

「もしかして僕ら、ある意味この世界最大の謎に迫ろうとしているのだろうか?」
【何でしょう、思いっきり触れてはいけない話題のような、それでいて気になる話題ですね】

 互に顔を見合わせ、想像しても全然あの二頭がどうやって夫婦になったのか、理解できない。

 そもそも、話をしてくれるのかどうかという事もあるが‥‥‥とりあえず、明日辺りにでも尋ねて見て、聞いてみようかと思うのであった。


「‥‥‥現在、牽引しているポチさんに聞いたほうが早いという言葉は、飲み込んでおきましょウ」


――――――――――――――――――――
SIDE???

……そして丁度その頃、シアンたちがある意味世界最大の謎の一つに踏み込もうとしている中、ある国では報告がなされていた。


「‥‥‥ふむ、やはり何カ月もかけて調査したが、全然わからないという事だけか」
「はっ、辛うじて生きながらえた、当時の現場の生存者にも及びましたが、支離滅裂で、情報の引き出しは困難かと思われます」

 ボラーン王国から離れた、とある国。

 その国の王城内で出された報告を読み、くだらないとばかりにその者はばっと捨てる。

「一国の軍を潰した情報があるというのに、その潰した勢力は不明。隠されたものほど、暴きたくなるものなのに、全然見る事が出来ぬな…‥‥」
「目撃者も数少ないようですし、当時その現場にいた者たちは少ないようですからね。ただ、ボラーン王国側の王女の一人が、当時その現場いいたという記録であれば、残ってました」
「ただし、聴き出せぬか……。こうなれば、仕方がないな」

 はぁっと溜息を吐き、その人物は立ち上がる。


「こうなれば、この帝王自身がボラーン王国へ赴き、調べるしかあるまい。都合の良い事に、もうじき国交関係の条約改定式も間近であるし、その時期に出向き、聴きだしてみよう」
「すいません陛下‥‥‥この諜報部隊である我々が、ふがいないばかりに手を煩わせるような事になってしまって……」

 帝王と自称する人物へ、報告したその配下の者は涙ぐむ。

「うむ。別にそれは良いだろう。ただ、調査能力の改善のために、あとで全員、わが国の国境全周20周全速力で走り抜け」
「さらっときついお仕置きが!?」


……何にしても、何やら違う騒動が引き起こされようとしていた。

 そして、ついでにと言わんばかりに、とある神聖国の方でも何かが起こされるようであったが、彼らはまだ、その事を知らないのであった‥‥‥
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