拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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寒さ到来面倒事も到来するな

#200 ちょっとずつ感じるのデス

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SIDEシアン

 雪将軍から採れた素材も回収し、僕らは帰路についていた。

「魔法ギルドでの報告も終わったけど…‥‥ワゼ、この雪将軍の氷塊から綺麗な氷像ってできるよね?」
「ハイ。溶けにくい氷ですので、熱での加工は難しいですが、削れないことはないので可能デス」

 シャキンっとノミやピッケル、彫刻刀のようなものを腕を変形させて出現させ、答えるワゼ。

【メイドとしての仕事なのでしょうかね?】
「これもメイドとしての嗜みなのデス」

 ハクロの言葉に、胸を張って答えるが…‥‥まぁ、うん、ツッコミをは放棄しよう。

 


 何にしても、ポチ馬車を進め、森の中に入り、家へ向けてもう少しというところである。

「あれ?なんか見えない?」
【え?】

 馬車から家の方を見ていたのだが、何か光って見えたような気がした。

 目を凝らして見れば、何か大きなものが出来ているのだが…‥‥。

「‥‥‥そう言えば、出かける前にロールが何か作る気満々だったような」
【それがあの作品らしいもの……なのでしょうか?】

 妙に嫌な予感を勘z煮つつ、馬車が停車し家に着いた。


「あー!帰ってきたにょー!!」

 下車すると、とてててっとロールが駆けよって来た。

 だが、僕らは彼女よりも、家の真横に作られたそれを見て驚いていた。

「ロール、何を作ったの、これ?」
「氷のお城にょ!」

 どやぁっと自慢げに笑い、そう紹介するロール。

 そこに建設されていたのは、大きな氷の城であった…‥‥。









【シャゲシャゲ、シャゲェ】
「ふんふん、なるほど。調子に乗ってしまったと」

 僕らの外出中に完成された氷の城をロールに案内されている間、やってきたドーラに僕らは説明を細かく受けた。

 いわく、ロールは元々家の周囲に、いくつもの氷の氷像を作って、僕らを楽しませるつもりだったらしい。

 元雪の女王というのもあって、氷系統の魔法などの扱いが得意なようで、最初はドーラもモデルになりつつ、あちこちに小さめの氷像を作ったそうな。

 だがしかし、何となく物足りなさを感じ…‥‥

「展示場を作るつもりで、最初は小さな小屋。作品増えて邸。そして最終的には城になったのか……」
【シャゲェ】

 うんうんと頷くドーラであるが、どうもこいつも共犯らしい。

 流石に全部を氷の基礎でやるのは強度不足だったらしく、蔦や木を生やし、それらを支柱にして固めていったそうだ。

 ドーラ的には子供の面倒を見ていただけらしいが…‥‥それでもこういう作品作りにはヒートアップしてしまい、気が付いたら取り返しのつかないこの状況になっていたらしい。

【どおりで、中にちょっと木々が見えるわけですよね。装飾とかは結構綺麗なのですが‥‥‥】

 その説明にハクロも苦笑しているが、まぁ何とも言い難い。

 ロールとドーラが協力した結果、まさかこんなものが生まれるとは思っていなかったが…‥‥やってしまったものはしょうがないだろう。

 それに…‥‥

「ここがロールの部屋でー、ここを開くと二人の部屋につながってすぐにとびこめるにょ!」
「おー、仕掛けとかも凝っているね」
「色々と頑張って工夫したにょ!」

 えっへんと胸を張り答えるドーラのその微笑ましい姿に、僕らはほだされる。

 まぁ、流石にやり過ぎだという事で叱る事もできただろうけれども、一生懸命創意工夫した努力の後も多いし、怒る事は無い。

 むしろ、ここまで頑張ったことを褒めるべきかなあっとちょっと迷うのであった。



 とはいえ、これはドーラとロールの共同制作した氷の城とはいえ、材料はほぼ氷。

 暑くなる季節には、おそらく溶けてしまうだろうし、寒い今季節ならではのもの。

 いつかは消えてしまう勿体なさを感じさせつつも、僕らはロールの案内を受けつつ、城内を巡って楽しむのであった。


……その一方で、何やらワゼたちがスケッチしながら記録していたのだが‥‥‥どうするきなのだろうか?

 なんか予想できるけど、聞きたくないような気がする。


――――――――――――――――――――――
SIDEミスティア

「ふへぇ……ようやく、ある程度片付きましたわね」
「フー」

 こたつに入り、ぐでっと伏せるミスティアに、フィーアは持ってきたお茶を置いた。



 ボラーン王国、城内。

 第2王女の仕事としての書類を片付け、今は休憩の時である。

「にしても、こたつの生産をなんとか取りつけられたのは大きいですわ。城内では交代制にするとは言え、なんとか民にも流通できそうですわね」

 この今使っているこたつに関して、製作者であるワゼとも連絡をフィーア経由で取った結果、無事にこたつの製造権を獲得し、生産を計画できるようになった。

 この寒い季節にしか使えないようなものだが、それでも需要は高く、利益は大きいだろう。

「さてと、残る問題が…‥‥こっちですわね」

 そうつぶやきながら、彼女が目を通したのは、先ほど確認していた国交に関しての書類。

 この雪が降り積もる季節の中、ボラーン王国と関係を結んでいる国々のいくつかから使節団が派遣されてくることが決定したのである。

「セント王国、ニューボン国、デルドリア共和国……その他数か国が決定したのは良いですけれども、ちょっと面倒ですわね」

 このいくつかある国の内、最近入ってきた情報ではやり取りが少々面倒そうな国もある。

 しかも、こういう使節団は通常その国の文官とか外交官などがあるはずなのに、何を考えたのか、王子・王女なども一緒にやってくる国もあり、それらが非常に面倒な相手のものもあるのだ。

「兄様姉様方わたくし‥‥‥そういった関係で狙ってくる可能性もありますし、単純に城下街などで迷惑をかけるような人もいる時点で、断りたいのですけれどね」

 国づきあい上、都合だけで断り切れることもないし、相手の失態待ちという事ぐらいしかできない。

 とはいえ、嫌な予感がひしひしと伝わっており、どう考えても無事ですまない未来しか見えない。


「んー……フィーア、シアンさんたちにこの時期はここに来ないように伝えられないかしら?絶対に迷惑をかけるどころかやらかす輩がいるのですからね」
「フ!」

 了解と言うようにびしっとフィーアは答え、通信を始める。

……まぁ、この地へ来なくとも、相手が自ら向かう可能性もあるだろう。

 そして場合によっては盛大にシアンたち相手にやらかし、それこそ戦争‥‥‥いや、それすらも生ぬるいような蹂躙劇が起きそうな気がする。

 せめて心の方で防衛策をあらかじめ練ってもらう方が良いだろうと考えつつ、彼女は面倒さに溜息を吐くのであった…‥‥。


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