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寒さ到来面倒事も到来するな
#208 起こるべき時はデス
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SIDEハクロ
【ふぅ‥‥‥本当に温泉は良い物ですね‥‥‥】
「わかるにょ、わかるにょ……」
温泉都市ネオ・オルセデスに訪れて3日目、本日も温泉にゆっくりとハクロたちは浸かっていた。
2泊3日程度の予定ではあったが、温泉数が増えていたので3泊4日ほどに変更し、今日はそれぞれ違う所へという事で、シアンとは違う温泉へ彼女達は来たのであった。
「セ~」
「シ~」
ついでに、ハクロたちもある程度戦闘はできるとはいえ、護衛代わりとしてミニワゼシスターズが交代でやってきており、共に浸かっていた。
【この湯、何でしたっけ……】
「脱力の湯らしいにょ‥‥効能は、仕事中毒者に余暇を思い出させるほどの平穏らしいにょ‥」
【そんなものでもないのに、私たちにもしっかり効きますよね‥】
ふぃ~っといい湯加減と効能に、脱力して緩むハクロとロール。
ミニワゼシスターズの方も見れば、こちらもちょっとばかり脱力しているようであった。
【ああ、肩こりとかもあるので結構楽ですよ‥‥‥】
うーんっと腕を伸ばしつつ、だらんっと脱力するハクロ。
「‥‥おかあしゃん、ワゼの前で言うのはやめた方が良いとは思うにょ」
そのぶるんっとしたものを見ながら、ロールはそう注意したのであった。
……何気にこの温泉で中を深め、養女としてハクロをお母さん呼びにできている成長もあった。
何にしても、2日目という事でより多くの温泉をと思っていたのだが、この脱力の湯で動く気力が失われる。
のぼせ防止という事で、30分以上入浴していた場合は従業員が注意してくれるそうだが、それでもこの脱力感は気持ちがいい。
【あー‥‥‥できれば子宝の湯とかに行きたいのに、なんかここで浸かっているのが楽ですね~】
「妹か弟が欲しいので、行ってほしいけれども……脱力するにょ~」
ふぅっと息を吐きつつ、そろって湯を楽しむハクロたち。
従業員たちの注意が来たので、なんとか湯から這い上がり、次の湯へ目指す。
【えっと、子宝の湯はこっちでしたっけ?】
「パンフにあるけど‥‥‥ありすぎるにょ」
温泉都市ゆえに、種類が豊富過ぎて目的の効能があれども被っている湯が多い。
どれが良いのか迷いつつ、ミニワゼシスターズに適度な情報収集を頼み、選択していた……その時であった。
ドォォォォォォン!!
【「!?」】
突然、温泉都市に似つかわしくない轟音と振動が響き渡り、往来していた人々と共にハクロたちもびっくりして動きを止める。
【な、何ですか今の!?】
「何かが爆発したにょ!?」
周囲が騒ぎ始め、ハクロたちもうろたえつつ、とりあえず現状把握をしようとその音がした方向を見た。
「なんか黒煙が上がっているにょ!!」
【火事ですか!?】
「んー違うにょ!」
音がした方向には黒煙が噴き出ており、何かが焼けた形跡はある。
けれども、何か違う様子にハクロたちは警戒をした。
【グモモォォォォ!!】
「ぎゃぁぁあ!!」
【ベツモーン!!】
「なんか吹き飛んでるにょ!?」
【あれは‥‥‥ここの従業員たちでしょうか?】
悲鳴が上がったと思えば、何かが吹き飛んでいた。
何かが薙ぎ払ったようにも見え、人もモンスターも問わずにふっ飛ばされる。
人間ならまだしも、警備員として働いていたケンタロスにトロール、ヘビーコングと言った重量級なども吹き飛ばされており、ただ事ではない様子がはっきりと感じ取れた。
【とりあえず、避難しましょう!何かが暴れているのならば、さっさと逃げたほうが良さそうで、】
「っ!!危ないにょ!!」
ロールを蜘蛛の背に乗せ、人々が逃げる方向へ避難しようとするハクロ。
その背に乗りつつ、ふと雪の女王時代の勘というべきものが働き、ロールはとっさに氷の魔法でカベを作った。
がっぎぃぃぃぃん!!
【ひゃっ!?】
「セーフ!!」
何かが直撃し、間一髪で防ぎきれた。
だがしかし、この一撃でロールは次の攻撃を悟る。
「‥‥‥不味いにょ!!」
再び来る攻撃に備え、ロールは氷の槍を構え、それを受けきった。
ガァァァァァァァン!!
「っ!!」
「ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
攻撃を受けきられたことにいら立ったのか、咆哮をあげる襲撃者。
素早く氷の槍を振りかぶり、距離を取る。
「‥‥‥何者にょ」
そこにいたのは、禍々しい大剣を構えた一人の男性。
その大剣から出続けている黒い煙を纏わせており、目に光はなく、焦点があってない。
全身ボロボロでもあり、重症そうだが‥‥‥‥むしろ、その持っている剣の影響を受け、より身体を侵食されているように思えた。
【なんですかあれ!?】
「分からないにょ……でも、絶対にヤヴァイものに間違いないにょ」
「セー!!」
「シー!!」
事態の急変を受け、シスターズも戦闘態勢に移り、謎の襲撃者へ武器をそれぞれ構える。
ミニワゼシスターズ間の通信もあるので、ワゼたちが駆けつけるのに数分もかからないと思われたが、今はその数分すらも怪しいかもしれないとロールは感じ取った。
「‥‥‥おかあしゃん、逃げるにょ」
【何を言っているのですか!!ロールも一緒に逃げましょう!!】
「そういう場合じゃないにょ!!あの一撃と言い、足を狙ってきている感じがありましたが‥‥‥あれの狙いは多分」
「があああああああああああああああああああああああああああああ!!」
ロールが言い切る前に、その謎の襲撃者が動き出す。
シスターズが武器を繰りだし、抑えようと動くが‥‥‥
ぐにょぃん
「セ!?」
「シ!?」
「キモイにょ!?」
人間の姿を持っているのに、まるでスライムのごとく変な動きを見せ、攻撃をかわす。
そして素早くハクロたちの元へ寄って来て、その剣を振りかぶった。
「があああああああああ!!ごいづをよごぜぇぇぇええええええ!!」
「させないにょ!!」
ハクロの背から跳躍したロールが受け止め、がきぃんっとぶつかり合う氷の槍と禍々しい大剣。
ぶつかり合った衝撃波が周囲に吹き荒れ、軽いものであれば吹き飛んでいく。
「よごぜよごぜよごぜ、おべがごいづをいだだぐんだぁぁぁ!!」
「くっ!!」
何度も何度も攻撃を受け、なんとか応戦するが今のロールは幼い体。
雪の女王リザの時の状態ならいざ知らず、流石に大の男との力量差が出てしまう。
【させませんよ!!】
ここでばっとハクロが動き、糸を飛ばして男の手に巻き付ける。
その糸はいつもの真っ白なモノではなく、何か液体が塗られていた。
ジュワァァァァァ!!
「ぐがあああああああああああああ!!」
【ちょっと手荒いですが、ワゼさんから護身用にともらっておいた『攻撃特化改良型物体X』をしみこませてます!!】
「相当えぐいものだったにょ!?」
液体が塗られた個所から煙が上がり、抑えて苦しむ男。
かつて違う種類のものを飲んだ身としては、同情するレベルだったが、今はそれどころではないロール。
素早く氷の魔法を発動させる。
「とりあえず、全身拘束するにょ!!『アイスプリズン』!」
男の全身が氷に包まれ、瞬時に凍結し、動きが止まった。
完全瞬間冷凍ゆえに命を奪う事はないが、これでとりあえずは封じる事が出来た…‥‥と思った、次の瞬間であった。
バキィッツ!!
「うそっ!?」
氷漬けになり、止まったかと思われた活動はまだ動いていた。
氷を突き破り、大剣を振るう男。
それと同時に、その剣の軌跡に黒い線が引かれ、飛翔してくる。
【不味いですよ!!】
「セ!」
「シ!!」
ハクロの糸のネット、ミニワゼシスターズたちの腕が変形し障壁を発生、瞬時にロールの展開した魔法で出来た氷の壁。
その3重の瞬間的な防御は‥‥‥‥その線を防ぎきれなかった。
ドッガァァァァン!!
大爆発が起き、その衝撃波で吹き飛ぶハクロたち。
「うわああああ!!」
【きゃあああああ!!】
「セー!!」
「シー!!」
何とか空中で体勢を取り直し、受け身を取ろうとロールが動く中、その目は見た。
男が地面を粉砕するほどの脚力で蹴り上げ、飛んでくる様子を。
そしてそのコースの先には‥‥‥
「もらっだあああああああああああああああああああああ!!」
【へ!?】
ハクロがおり、彼女めがけて男が飛翔する。
そして己が傷つくのもいとわないのかその刃の部分を片手で持ち、持ち手を彼女へ突き出す。
どごぉう!!ごっ!!
【っが!?】
その一撃は、彼女の蜘蛛の部分の腹に当てられ、さらにもう片方の手で続けて彼女の上半身の人部分の腹に当て、衝撃が伝わる。
その衝撃によってハクロは気を失い、地面に落下する前に………
「もぢばごべねぇがら、びとまずぶっとべぇぇぇぇ!!」
男が再び剣を握り直し、黒い靄を纏わせて鈍器のように彼女をふっ飛ばした。
そのまま天の星のように吹っ飛んでいくハクロ。
「ま、待つにょ!!おかあしゃんを、連れてかせは」
「だまれえええええええええええええ!!」
着地し、男を止めようとするロール。
だが、男は吠え、地面に剣を振りかぶり、再び衝撃波を発生させ、周囲に土ぼこりが舞って覆い隠す。
そして、晴れた時にはすでに姿はなく、シアンたちか駆けつけた時には、どさくさに紛れて攻撃を喰らわされたのか、全損・半壊したミニワゼシスターズと共に呆然としているロールの姿があるだけであった‥‥‥‥
【ふぅ‥‥‥本当に温泉は良い物ですね‥‥‥】
「わかるにょ、わかるにょ……」
温泉都市ネオ・オルセデスに訪れて3日目、本日も温泉にゆっくりとハクロたちは浸かっていた。
2泊3日程度の予定ではあったが、温泉数が増えていたので3泊4日ほどに変更し、今日はそれぞれ違う所へという事で、シアンとは違う温泉へ彼女達は来たのであった。
「セ~」
「シ~」
ついでに、ハクロたちもある程度戦闘はできるとはいえ、護衛代わりとしてミニワゼシスターズが交代でやってきており、共に浸かっていた。
【この湯、何でしたっけ……】
「脱力の湯らしいにょ‥‥効能は、仕事中毒者に余暇を思い出させるほどの平穏らしいにょ‥」
【そんなものでもないのに、私たちにもしっかり効きますよね‥】
ふぃ~っといい湯加減と効能に、脱力して緩むハクロとロール。
ミニワゼシスターズの方も見れば、こちらもちょっとばかり脱力しているようであった。
【ああ、肩こりとかもあるので結構楽ですよ‥‥‥】
うーんっと腕を伸ばしつつ、だらんっと脱力するハクロ。
「‥‥おかあしゃん、ワゼの前で言うのはやめた方が良いとは思うにょ」
そのぶるんっとしたものを見ながら、ロールはそう注意したのであった。
……何気にこの温泉で中を深め、養女としてハクロをお母さん呼びにできている成長もあった。
何にしても、2日目という事でより多くの温泉をと思っていたのだが、この脱力の湯で動く気力が失われる。
のぼせ防止という事で、30分以上入浴していた場合は従業員が注意してくれるそうだが、それでもこの脱力感は気持ちがいい。
【あー‥‥‥できれば子宝の湯とかに行きたいのに、なんかここで浸かっているのが楽ですね~】
「妹か弟が欲しいので、行ってほしいけれども……脱力するにょ~」
ふぅっと息を吐きつつ、そろって湯を楽しむハクロたち。
従業員たちの注意が来たので、なんとか湯から這い上がり、次の湯へ目指す。
【えっと、子宝の湯はこっちでしたっけ?】
「パンフにあるけど‥‥‥ありすぎるにょ」
温泉都市ゆえに、種類が豊富過ぎて目的の効能があれども被っている湯が多い。
どれが良いのか迷いつつ、ミニワゼシスターズに適度な情報収集を頼み、選択していた……その時であった。
ドォォォォォォン!!
【「!?」】
突然、温泉都市に似つかわしくない轟音と振動が響き渡り、往来していた人々と共にハクロたちもびっくりして動きを止める。
【な、何ですか今の!?】
「何かが爆発したにょ!?」
周囲が騒ぎ始め、ハクロたちもうろたえつつ、とりあえず現状把握をしようとその音がした方向を見た。
「なんか黒煙が上がっているにょ!!」
【火事ですか!?】
「んー違うにょ!」
音がした方向には黒煙が噴き出ており、何かが焼けた形跡はある。
けれども、何か違う様子にハクロたちは警戒をした。
【グモモォォォォ!!】
「ぎゃぁぁあ!!」
【ベツモーン!!】
「なんか吹き飛んでるにょ!?」
【あれは‥‥‥ここの従業員たちでしょうか?】
悲鳴が上がったと思えば、何かが吹き飛んでいた。
何かが薙ぎ払ったようにも見え、人もモンスターも問わずにふっ飛ばされる。
人間ならまだしも、警備員として働いていたケンタロスにトロール、ヘビーコングと言った重量級なども吹き飛ばされており、ただ事ではない様子がはっきりと感じ取れた。
【とりあえず、避難しましょう!何かが暴れているのならば、さっさと逃げたほうが良さそうで、】
「っ!!危ないにょ!!」
ロールを蜘蛛の背に乗せ、人々が逃げる方向へ避難しようとするハクロ。
その背に乗りつつ、ふと雪の女王時代の勘というべきものが働き、ロールはとっさに氷の魔法でカベを作った。
がっぎぃぃぃぃん!!
【ひゃっ!?】
「セーフ!!」
何かが直撃し、間一髪で防ぎきれた。
だがしかし、この一撃でロールは次の攻撃を悟る。
「‥‥‥不味いにょ!!」
再び来る攻撃に備え、ロールは氷の槍を構え、それを受けきった。
ガァァァァァァァン!!
「っ!!」
「ぐあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
攻撃を受けきられたことにいら立ったのか、咆哮をあげる襲撃者。
素早く氷の槍を振りかぶり、距離を取る。
「‥‥‥何者にょ」
そこにいたのは、禍々しい大剣を構えた一人の男性。
その大剣から出続けている黒い煙を纏わせており、目に光はなく、焦点があってない。
全身ボロボロでもあり、重症そうだが‥‥‥‥むしろ、その持っている剣の影響を受け、より身体を侵食されているように思えた。
【なんですかあれ!?】
「分からないにょ……でも、絶対にヤヴァイものに間違いないにょ」
「セー!!」
「シー!!」
事態の急変を受け、シスターズも戦闘態勢に移り、謎の襲撃者へ武器をそれぞれ構える。
ミニワゼシスターズ間の通信もあるので、ワゼたちが駆けつけるのに数分もかからないと思われたが、今はその数分すらも怪しいかもしれないとロールは感じ取った。
「‥‥‥おかあしゃん、逃げるにょ」
【何を言っているのですか!!ロールも一緒に逃げましょう!!】
「そういう場合じゃないにょ!!あの一撃と言い、足を狙ってきている感じがありましたが‥‥‥あれの狙いは多分」
「があああああああああああああああああああああああああああああ!!」
ロールが言い切る前に、その謎の襲撃者が動き出す。
シスターズが武器を繰りだし、抑えようと動くが‥‥‥
ぐにょぃん
「セ!?」
「シ!?」
「キモイにょ!?」
人間の姿を持っているのに、まるでスライムのごとく変な動きを見せ、攻撃をかわす。
そして素早くハクロたちの元へ寄って来て、その剣を振りかぶった。
「があああああああああ!!ごいづをよごぜぇぇぇええええええ!!」
「させないにょ!!」
ハクロの背から跳躍したロールが受け止め、がきぃんっとぶつかり合う氷の槍と禍々しい大剣。
ぶつかり合った衝撃波が周囲に吹き荒れ、軽いものであれば吹き飛んでいく。
「よごぜよごぜよごぜ、おべがごいづをいだだぐんだぁぁぁ!!」
「くっ!!」
何度も何度も攻撃を受け、なんとか応戦するが今のロールは幼い体。
雪の女王リザの時の状態ならいざ知らず、流石に大の男との力量差が出てしまう。
【させませんよ!!】
ここでばっとハクロが動き、糸を飛ばして男の手に巻き付ける。
その糸はいつもの真っ白なモノではなく、何か液体が塗られていた。
ジュワァァァァァ!!
「ぐがあああああああああああああ!!」
【ちょっと手荒いですが、ワゼさんから護身用にともらっておいた『攻撃特化改良型物体X』をしみこませてます!!】
「相当えぐいものだったにょ!?」
液体が塗られた個所から煙が上がり、抑えて苦しむ男。
かつて違う種類のものを飲んだ身としては、同情するレベルだったが、今はそれどころではないロール。
素早く氷の魔法を発動させる。
「とりあえず、全身拘束するにょ!!『アイスプリズン』!」
男の全身が氷に包まれ、瞬時に凍結し、動きが止まった。
完全瞬間冷凍ゆえに命を奪う事はないが、これでとりあえずは封じる事が出来た…‥‥と思った、次の瞬間であった。
バキィッツ!!
「うそっ!?」
氷漬けになり、止まったかと思われた活動はまだ動いていた。
氷を突き破り、大剣を振るう男。
それと同時に、その剣の軌跡に黒い線が引かれ、飛翔してくる。
【不味いですよ!!】
「セ!」
「シ!!」
ハクロの糸のネット、ミニワゼシスターズたちの腕が変形し障壁を発生、瞬時にロールの展開した魔法で出来た氷の壁。
その3重の瞬間的な防御は‥‥‥‥その線を防ぎきれなかった。
ドッガァァァァン!!
大爆発が起き、その衝撃波で吹き飛ぶハクロたち。
「うわああああ!!」
【きゃあああああ!!】
「セー!!」
「シー!!」
何とか空中で体勢を取り直し、受け身を取ろうとロールが動く中、その目は見た。
男が地面を粉砕するほどの脚力で蹴り上げ、飛んでくる様子を。
そしてそのコースの先には‥‥‥
「もらっだあああああああああああああああああああああ!!」
【へ!?】
ハクロがおり、彼女めがけて男が飛翔する。
そして己が傷つくのもいとわないのかその刃の部分を片手で持ち、持ち手を彼女へ突き出す。
どごぉう!!ごっ!!
【っが!?】
その一撃は、彼女の蜘蛛の部分の腹に当てられ、さらにもう片方の手で続けて彼女の上半身の人部分の腹に当て、衝撃が伝わる。
その衝撃によってハクロは気を失い、地面に落下する前に………
「もぢばごべねぇがら、びとまずぶっとべぇぇぇぇ!!」
男が再び剣を握り直し、黒い靄を纏わせて鈍器のように彼女をふっ飛ばした。
そのまま天の星のように吹っ飛んでいくハクロ。
「ま、待つにょ!!おかあしゃんを、連れてかせは」
「だまれえええええええええええええ!!」
着地し、男を止めようとするロール。
だが、男は吠え、地面に剣を振りかぶり、再び衝撃波を発生させ、周囲に土ぼこりが舞って覆い隠す。
そして、晴れた時にはすでに姿はなく、シアンたちか駆けつけた時には、どさくさに紛れて攻撃を喰らわされたのか、全損・半壊したミニワゼシスターズと共に呆然としているロールの姿があるだけであった‥‥‥‥
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