拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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春間近、でも頭春は来ないで欲しい

#247 いや本当に、誰得なのデス

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SIDEシアン

‥‥‥ワゼの元になったらしい、試作機メイドゴーレム。

 が、起動早々ERROR多発など、前途多難さが滅茶苦茶見られた。

「むしろ、あれからよくワゼになったな…‥‥ワゼの時は一発で起動していたんだけど‥‥‥」
「余計な機能が多い分、処理しづらくなったとかじゃないですの?」

 何にしても、ワゼの手によって再改造を施され、ようやく無事に彼女は動き出した。

 名前も付けておくべきかと思ったが‥‥‥どうやらその必要性は無かったらしい。

「試作機とは言え、きちんと名前データはあったようデス。『00』とゼロが二つで『ゼロツー』という名前になっていたようでシタ」
「なんというか、意外にもついていたんだな‥‥‥」

 安直なような気もするが、試作機ということを考えるとおかしくもないのだろうか?


【まぁ、そんなことを考えるよりも‥‥っと、このぐらいで良いですかね?】
「んー、多分これで良いのかにょ?」

 取りあえずゼロツーの話題はさておき、ハクロたちは今、卵を転がす転卵作業を行っていた。

 鳥とかが行うような行為であり、中身を偏らせずに、なおかつ固めないようにするために一日に数回は行うようなのだが、その回す程度がまだ手探りだ。

「問題はありまセン。おそらく今のままで良いかと思われマス」

 卵をチェックし、ワゼがそう健診結果を下す。

 孵化まではまだ時間がかかるが、今のところ中身は順調に成長しているようだ。

「早く生まれて欲しいけどな‥‥‥まだかなぁ?」
【シアンと同意見ですよ。私だって、シアンとの子供に早く顔を見せて欲しいですからね】

 ぬくぬくと温められている卵を撫でつつ、僕らはそう語り合う。

 中身はまだわからないし、どの様な子なのかはわからないが‥‥‥それでも大事な子供たちなのは間違いない。

「弟なのか、妹なのかはっきりして欲しいにょ。いっその事、てこてこと卵の状態で歩き回ってほしいにょ」
「流石にそれは怪奇現象ですわ‥‥‥」

 ロールがぷくっと待ち遠しそうに頬を膨らませてつぶやく。

 僕らの卵が勝手に動くという光景は‥‥‥うん、どうしよう。それは無いだろうと思う自分と、ありえそうだと思う自分がいるなぁ。

 何しろこの世界には魔法もあるし、卵との時から動けてもおかしくはないかもしれない。



ガッシャァァァァン!!

「‥‥‥なんか割れた音が」
「だからこそ、ココへ寄らせられないんですよね…‥‥ご主人様方の大事な卵を割りそうですからね‥‥‥とりあえず、叱ってきマス」

 聞こえて来た音に対して、頭が痛いようなそぶりを見せつつ退出するワゼ。

‥‥‥そう、今の音、おそらくゼロツーがやらかした音。

 ワゼが改良を施し、起動までの時間などを問題なく出来たようなのだが、流石に人格等を形成する部分などには手を出せなかったらしい。

 で、その部分でどうもワゼには無いというか、その製作者の趣味だったのか‥‥‥何かドジをやらかすところがあったらしい。


「また割ってどうするんですか、ゼロツー。それでも私の姉でしょうカ?」
「-----!!----!!」
「だから何でそういう泣き方をするんですカ!!」

 扉の向こう側、やらかした現場でのワゼの叱り声が聞こえてくるが、ゼロツーの声が聞きづらい。

 まぁ、ワゼの試作バージョンという事は、彼女にとっての姉で間違いないだろうが…‥‥


【シアン、ゼロツーさんの言葉って非常に聞きにくくありません?】
「というか、あれで喋れていますの?」
「いや、多分まともに動いていないとは思うんだよね」

 修理され、改良され、ワゼの原型という事あって、彼女は前バージョンのシスターズとは違って、きちんと喋れるはずである。

 だがしかし、どういう訳か言語関係部分がおかしくなっており、正確に発音できなくなっているのだ。

 ワゼいわく、原形ゆえに元々ある程度の言語機能は備わっているはずだったらしいが…‥‥


「‥‥‥データが吹っ飛んで、再学習中だというのもあるかもね。案外言葉って、意味を理解して使うまでが時間かかるからなぁ」
「普段の私たちはそうそうわからないですわよね」

 正直言って、普通に言葉を話せる身としては、そういう苦労が今ひとつピンとこない。

 まぁ、小さい時は言葉足らずだったりするし、学習していかなければ使えないものが多かったからね。


【ゼロツーさんの言葉がはっきりするのと、孵化のどちらが早いですかね?】
「んー、卵の方かな。僕らの子の方が多分早い」
「わたくしはゼロツーさんの方ですわね。あれでもワゼさんの姉ですし、多分そう近い内ですわね」
「ロールとしては卵の方にょ!弟か妹の方が、絶対に早いにょ!!」

 ちょっとした賭け事になるけど、答えが出るのは多分そう遠くはないはず。


「-----!!--!!」
「ああ、何で今度はそれをやらかすのですカ?‥‥‥え?…‥‥邪魔なら削げばいいでしょウ!!」
「------!?」


「なんか物騒な言葉が出て来たぞ」
【ワゼさんにしては珍しく声を荒げていますね‥‥‥】

 ワゼにとっては、ある意味姉のような存在ゆえに、どう付き合うべきか測っている部分もあるんだろうなぁ‥‥‥一部で嫉妬しているような気もしなくはないけどね‥‥‥‥

 というか多分、その製作者僕と同じ転生者の可能性もあるなぁ‥‥いや、転生者じゃなかったとしても、それはそれで頭が色々やばそうな人のような気もするな。

 何にしても、そもそもとんでもないメイドを作る時点で、相当頭がやばい人なのは間違いなさそうである。

「これでもし常識人とかだったら、世界そのものを疑いたくなるかもね」
「その気持ちは分かりますわ。常人が彼女達を作ったとすれば、それこそ信じたくない領域ですわよ‥‥‥最近、ようやくここの無茶苦茶さにも慣れてきてたところですしね…‥‥」
【なんか二人とも、遠い目になってますよ?】

 これ以上考えてもキリが無さそうだし、今はただ、卵を温かく見守るか…‥‥神がいるならば、何故のようなメイドを誕生させる運命を作ったのか、すごい問いかけたいな。ああ、そうだ。預言者辺りに聞けないかな…?
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