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春間近、でも頭春は来ないで欲しい
#274 踊ってもらうのデス
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SIDEシアン
‥‥‥新女王が、襲われそうになった今回の件。
普通に発表すれば、いかに無事でも、即位式があって早々の事件に、縁起でもないと思われるだろう。
かと言って、秘密裏に処理するような真似は無い。
ならばどうするか?いかに制裁を与えつつ、他国にもある程度の牽制が可能か?
その答えは、割と単純、ちょっと非道。けれどもやらかしたことを考えると情状酌量の余地は無い。
都合のいい生贄として、やってもらうしかあるまい‥‥‥
「という訳で、そちらの国の王子たち‥‥‥いや、お前の兄たちでもあるんだし、ちょっと協力しろ」
「ああ、わかった。問題ないし…‥‥彼女との婚姻が成せれば、あの女王も義母のようなものだし、それに害をなそうとしたことを考えると、こちらとしても救いようがないからね」
シスターズの手によって、既にトパーズは救出済み。
こいつ自身も、流石にかばいようがないというか、元からかばう意味もないようだ。
聞いた話によれば、カルパッチョ商国の国王が娼館で死亡したという情報があったが、その国王は自然死ではなく、普通に毒殺されたらしいからな…‥‥その毒殺犯も、どうやらあの愚物たちらしいからね。
何にしても、処分を始めますかね。
―――――――――――――――――――――
SIDEゲイリーとラダン
「…‥‥はっ!!」
「‥‥う”あっ!!」
‥‥‥‥互に、何か悪夢でも見ていたかのように、ゲイリーとラダンは跳ね起きた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ‥‥‥こ、ここは‥‥‥」
「お、王城‥‥‥か?」
周囲を見渡すと、カルパッチョ商国の城内の一角。
どうもそこに倒れるような形で寝ていたらしい。
「‥‥‥あ、あれは‥‥‥夢だったのか?」
「にしては、現実味が強かったような‥‥‥」
最後に覚えているのは、何者かによる攻撃で気を失ったこと。
体を見てみるが、何も傷ついてはおらず、まるで夢だったかのように思えてしまう。
ふと、気が付いてみれば、何やら周囲が騒がしい。
「なんだ…?」
「何が起きている?」
あれが夢だったのかはさておき、未だに状況が把握できない中、その騒ぎの方へ彼らが向かい‥‥‥そして、見てしまった。
「新国王、トパーズ様ばんざーい!!」
「ようやく、新しい王が出来たぞぉぉぉぉ!!」
「なんだとぅ!?」
「なんですとぅ!?」
そこにあった光景は、今まさに民衆たちに祝福され、即位式式を受けている最中の、彼等の弟である王子。
いや、新国王となっているので、もはや国王とでもいうべきなのだろうか。
「一体何が起きているんだ!?」
「いや、そもそも今がいつなのか‥‥‥おい!!ちょっとそこのお前!!」
混乱の中で、ラダンは適当に、手短にいた者に声をかけた。
「おお、これはこれは第1,2王子であった方々、一体どういうご用件ですかな?」
「どうもこうもではない!!」
「な、何故あいつがこの国の新国王になっているんだ!?」
「何故‥‥‥と、言われましても、あれ?お二人もあの時いらっしゃったでしょう?」
「何がだ!!」
「嫌だなぁ、お忘れですかな。あの退位式の場で、国王陛下が正式にトパーズ様を次期王として任命し、おふた方は明後日から別々の領へ赴き、そこの領主となられるのでしょう?」
「「はぁっ!?」」
聞いたこともないし、覚えすらもない。
いや、そもそも自分たちが殺害したはずの国王による任命とか、意味が分からなすぎるのだ。
「どういうわけだ!?あの国王は確かに、ボラーン王国で亡くなっていたはずだろ!?」
「んん?ああ、でも今は確かに亡くなってますよ」
「いや本当にどういう事!?」
多くの情報というか、受け入れられない現実に混乱を極めていく中で、その者は仕方がないと呆れたように、詳しく説明をし始めた。
‥‥‥ボラーン王国での新女王誕生から、実はすでに2週間以上、経過しているらしい。
その中で、ゲイリーとラダンの本人たちは気絶していたはずなのに、どういう訳か普通に生活していたらしく、つい先日退位式が行われた際にも出席し、いつも通りの権力争いのようなことをしていたらしい。
だが、国王がようやく腹に決めたのか、第3王子を次期王と指名し、二人は臣籍降下して一領主として支えるように言われ、大人しく引き下がったそうなのだ。
「で、おととい頃に、国王陛下は心臓発作で死亡したと伝わり、本来は喪に服すのですが‥‥‥その遺言書には、そのような事をせずとも、暗い話題をふっ飛ばすぐらいの明るい即位式を行えとあり、現在行われているわけでございます」
「いやいやいやいやいやいや!?覚えが本気で無いぞ!?」
「無効だ無効だ、これは陰謀だぁぁぁぁっ!!」
自分達にとっての信じられない事実に、二人は叫ぶがその声は誰にも届かない。
周囲に響き渡るのは、二人の訴える声よりも、新たな国王を祝う歓声や祝福の言葉だけであり、誰も気には止めてくれない。
「そうは言われましてもねぇ、あとで反乱でも起こすのかという位、お二人は素直に引き下がって従ってましたよ?」
「いやだから、本気でやってもいないのだが!?」
二人の最後に残っている記憶としては、女王を性的に襲おうとして、制裁を受けたあの記憶。
そこからずっと気絶していただろうし、自分たちが普通に過ごすわけがないのだ。
「ああ、でももう無理でしょうね。何しろ、トパーズ様はなんと婚約者も今回得たようですからね」
「はい!?」
「うっそだろう!?」
「ええ、そればかりは疑いたくなりましたよ。何しろお二人の争いに適当に介入しつつ、そんな素振りも見せなかった殿下が、まさか婚約者を得てくるとは予想外でしたからね。ほら、あのセバスジャンさんも本気号泣で周囲がドン引きしてますよ」
言われてみて見れば、トパーズの御付きでもあった執事のセバスジャンが、国王となったトパーズへ向けて本気の号泣をしながら祝辞を述べていた。
「まぁ、その婚約者様は、まだ結婚年齢ではないためにこの場に姿はありませんが…‥‥その親が、とんでもない方であったのは、また驚きでしたね」
「その親とは何だ!?」
「確か、今代の魔王と呼ばれる方でしたね。魔王の娘を婚約者にされるとは、これはこれでまた思い切った事ですしねぇ」
けらけらと笑う目の前の人物に、ゲイリーとラダンは絶句した。
自分達でさえ、未だに婚約者もいないのに(女癖の悪さゆえに)、弟に出来ていた婚約者。
しかもその婚約者の親が、最近聞いた魔王というのであれば、それこそかなりどでかい後見人が付いたような物であろう。
「まぁそんなわけでございまして、今はこの式を楽しんでいる最中なので、一旦失礼させてもらいますよ」
そう言い、その者は場を去った。
あとに残された二人は、未だに衝撃が大きくて、動くことができない。
「‥‥‥父上の殺害に気が付かれたようなそぶりもあったのに、それもないとはどういうことだ?」
「いや、何でそもそも生きているような真似をして、我々が普通に王位から離脱するような真似を見られているんだ‥‥?」
あまりにも情報量が多く、自分達でも絶対にやらないような行為などに対して、理解ができない。
ただ一つ言えるのは、彼らは王位を求めることができず、明後日にはどこかの一領主として、過ごさせられうということであろうか。
「‥だめだ、何も分からねぇ。王の座も王配の座も得られないうえに、何処かの領主だと?」
「いや、ちょっと待て。なんだこれは」
混乱する中で、ふと彼らはあるものを見つけた。
それは、この即位式に関してのお知らせ的な張り紙であり、でかでかと様々な事が書かれており‥
「‥‥はぁ!?予定される位は男爵だと!?貴族位の中でも下の方ではないか!!」
「美談風にまとめ上げられているが、本気でやった覚えはないぞ!?」
‥‥‥普通、王族が臣籍降下したところで、公爵とかそのくらいの高いくらいに就くだろう。
だがしかし、彼らが配属されたのは、商国内でも非常に厳しいとされる地方であり、そこの一男爵になると書かれていたのだ。
男爵も一応貴族であり、低い位とはいえ、平民よりはまだ裕福。
けれども、王族であった無駄にプライドの高い彼らにとっては、当然受け入れがたい事である。
「‥‥‥ど、どうすべきだ‥‥‥」
「このままだと、明後日には向かわされるだろし…‥‥愚弟が王になった今、逆らおうにも王命とされれば逆らいきれんぞ」
その現実に拒否反応を示し、彼らは必死になって考える。
「落ち着け落ち着け、まだ我々がやった事とか、そういうのは正確には伝わっていないだろうし、国王殺しの罪で処分されることは今だけはないと考えればいいだろう」
「ああ、愚弟がどういう訳で黙っているのかは知らないし、国王がどうやって動いたのかもわからないが‥‥‥亡くなったのであればそこは考えなくても良いだろう」
「だが、そうなれば問題はこの領主となっての追い出しのような真似だが…‥‥受け入れられないな」
「ああ、とすれば…‥‥明後日までという期限であれば、少なくとも明日もまだここに残れるだろう」
「あの様子だと、臣籍降下させられたとはいえ、まだ王子の権限もありそうだし‥‥‥ここならば、自分の資産も使いやすい」
「であれば…‥‥やる事は一つか」
「「…‥‥愚弟を暗殺してもらい、その中で次期王を速攻で決めるぐらいか」」
互いに足りない頭をフル回転させて、彼らはそう導き出す。
順番が狂っただけで、今はただ、トパーズをすぐに王位から引きずり降ろしてしまえば良い。
そう短絡的に考え、彼らは動き出すが‥‥‥‥ある事に、気が付くことは無かった。
本来であれば国王の死に関しては喪に服して弔うはずだが、国王の遺言で明るくしているこの式の後で、やらかせばどうなるのかという事を。
既に周囲にいくつもの目があり、彼らの行動がしっかりと監視され、記録されていたことを。
「‥‥‥さぁて、軽くおぜん立てしつつ、茶番劇を開けそうかな」
「国内よりも、国外でのほうが始末も楽ですしネ」
そして、上空からも、彼らの動きを見る者たちがそうつぶやいたことに、ゲイリーとラダンは全く気が付くことはなく、ちょっとばかり整えられた破滅への道を、見事に突き進み始めるのであった…‥‥
‥‥‥新女王が、襲われそうになった今回の件。
普通に発表すれば、いかに無事でも、即位式があって早々の事件に、縁起でもないと思われるだろう。
かと言って、秘密裏に処理するような真似は無い。
ならばどうするか?いかに制裁を与えつつ、他国にもある程度の牽制が可能か?
その答えは、割と単純、ちょっと非道。けれどもやらかしたことを考えると情状酌量の余地は無い。
都合のいい生贄として、やってもらうしかあるまい‥‥‥
「という訳で、そちらの国の王子たち‥‥‥いや、お前の兄たちでもあるんだし、ちょっと協力しろ」
「ああ、わかった。問題ないし…‥‥彼女との婚姻が成せれば、あの女王も義母のようなものだし、それに害をなそうとしたことを考えると、こちらとしても救いようがないからね」
シスターズの手によって、既にトパーズは救出済み。
こいつ自身も、流石にかばいようがないというか、元からかばう意味もないようだ。
聞いた話によれば、カルパッチョ商国の国王が娼館で死亡したという情報があったが、その国王は自然死ではなく、普通に毒殺されたらしいからな…‥‥その毒殺犯も、どうやらあの愚物たちらしいからね。
何にしても、処分を始めますかね。
―――――――――――――――――――――
SIDEゲイリーとラダン
「…‥‥はっ!!」
「‥‥う”あっ!!」
‥‥‥‥互に、何か悪夢でも見ていたかのように、ゲイリーとラダンは跳ね起きた。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ‥‥‥こ、ここは‥‥‥」
「お、王城‥‥‥か?」
周囲を見渡すと、カルパッチョ商国の城内の一角。
どうもそこに倒れるような形で寝ていたらしい。
「‥‥‥あ、あれは‥‥‥夢だったのか?」
「にしては、現実味が強かったような‥‥‥」
最後に覚えているのは、何者かによる攻撃で気を失ったこと。
体を見てみるが、何も傷ついてはおらず、まるで夢だったかのように思えてしまう。
ふと、気が付いてみれば、何やら周囲が騒がしい。
「なんだ…?」
「何が起きている?」
あれが夢だったのかはさておき、未だに状況が把握できない中、その騒ぎの方へ彼らが向かい‥‥‥そして、見てしまった。
「新国王、トパーズ様ばんざーい!!」
「ようやく、新しい王が出来たぞぉぉぉぉ!!」
「なんだとぅ!?」
「なんですとぅ!?」
そこにあった光景は、今まさに民衆たちに祝福され、即位式式を受けている最中の、彼等の弟である王子。
いや、新国王となっているので、もはや国王とでもいうべきなのだろうか。
「一体何が起きているんだ!?」
「いや、そもそも今がいつなのか‥‥‥おい!!ちょっとそこのお前!!」
混乱の中で、ラダンは適当に、手短にいた者に声をかけた。
「おお、これはこれは第1,2王子であった方々、一体どういうご用件ですかな?」
「どうもこうもではない!!」
「な、何故あいつがこの国の新国王になっているんだ!?」
「何故‥‥‥と、言われましても、あれ?お二人もあの時いらっしゃったでしょう?」
「何がだ!!」
「嫌だなぁ、お忘れですかな。あの退位式の場で、国王陛下が正式にトパーズ様を次期王として任命し、おふた方は明後日から別々の領へ赴き、そこの領主となられるのでしょう?」
「「はぁっ!?」」
聞いたこともないし、覚えすらもない。
いや、そもそも自分たちが殺害したはずの国王による任命とか、意味が分からなすぎるのだ。
「どういうわけだ!?あの国王は確かに、ボラーン王国で亡くなっていたはずだろ!?」
「んん?ああ、でも今は確かに亡くなってますよ」
「いや本当にどういう事!?」
多くの情報というか、受け入れられない現実に混乱を極めていく中で、その者は仕方がないと呆れたように、詳しく説明をし始めた。
‥‥‥ボラーン王国での新女王誕生から、実はすでに2週間以上、経過しているらしい。
その中で、ゲイリーとラダンの本人たちは気絶していたはずなのに、どういう訳か普通に生活していたらしく、つい先日退位式が行われた際にも出席し、いつも通りの権力争いのようなことをしていたらしい。
だが、国王がようやく腹に決めたのか、第3王子を次期王と指名し、二人は臣籍降下して一領主として支えるように言われ、大人しく引き下がったそうなのだ。
「で、おととい頃に、国王陛下は心臓発作で死亡したと伝わり、本来は喪に服すのですが‥‥‥その遺言書には、そのような事をせずとも、暗い話題をふっ飛ばすぐらいの明るい即位式を行えとあり、現在行われているわけでございます」
「いやいやいやいやいやいや!?覚えが本気で無いぞ!?」
「無効だ無効だ、これは陰謀だぁぁぁぁっ!!」
自分達にとっての信じられない事実に、二人は叫ぶがその声は誰にも届かない。
周囲に響き渡るのは、二人の訴える声よりも、新たな国王を祝う歓声や祝福の言葉だけであり、誰も気には止めてくれない。
「そうは言われましてもねぇ、あとで反乱でも起こすのかという位、お二人は素直に引き下がって従ってましたよ?」
「いやだから、本気でやってもいないのだが!?」
二人の最後に残っている記憶としては、女王を性的に襲おうとして、制裁を受けたあの記憶。
そこからずっと気絶していただろうし、自分たちが普通に過ごすわけがないのだ。
「ああ、でももう無理でしょうね。何しろ、トパーズ様はなんと婚約者も今回得たようですからね」
「はい!?」
「うっそだろう!?」
「ええ、そればかりは疑いたくなりましたよ。何しろお二人の争いに適当に介入しつつ、そんな素振りも見せなかった殿下が、まさか婚約者を得てくるとは予想外でしたからね。ほら、あのセバスジャンさんも本気号泣で周囲がドン引きしてますよ」
言われてみて見れば、トパーズの御付きでもあった執事のセバスジャンが、国王となったトパーズへ向けて本気の号泣をしながら祝辞を述べていた。
「まぁ、その婚約者様は、まだ結婚年齢ではないためにこの場に姿はありませんが…‥‥その親が、とんでもない方であったのは、また驚きでしたね」
「その親とは何だ!?」
「確か、今代の魔王と呼ばれる方でしたね。魔王の娘を婚約者にされるとは、これはこれでまた思い切った事ですしねぇ」
けらけらと笑う目の前の人物に、ゲイリーとラダンは絶句した。
自分達でさえ、未だに婚約者もいないのに(女癖の悪さゆえに)、弟に出来ていた婚約者。
しかもその婚約者の親が、最近聞いた魔王というのであれば、それこそかなりどでかい後見人が付いたような物であろう。
「まぁそんなわけでございまして、今はこの式を楽しんでいる最中なので、一旦失礼させてもらいますよ」
そう言い、その者は場を去った。
あとに残された二人は、未だに衝撃が大きくて、動くことができない。
「‥‥‥父上の殺害に気が付かれたようなそぶりもあったのに、それもないとはどういうことだ?」
「いや、何でそもそも生きているような真似をして、我々が普通に王位から離脱するような真似を見られているんだ‥‥?」
あまりにも情報量が多く、自分達でも絶対にやらないような行為などに対して、理解ができない。
ただ一つ言えるのは、彼らは王位を求めることができず、明後日にはどこかの一領主として、過ごさせられうということであろうか。
「‥だめだ、何も分からねぇ。王の座も王配の座も得られないうえに、何処かの領主だと?」
「いや、ちょっと待て。なんだこれは」
混乱する中で、ふと彼らはあるものを見つけた。
それは、この即位式に関してのお知らせ的な張り紙であり、でかでかと様々な事が書かれており‥
「‥‥はぁ!?予定される位は男爵だと!?貴族位の中でも下の方ではないか!!」
「美談風にまとめ上げられているが、本気でやった覚えはないぞ!?」
‥‥‥普通、王族が臣籍降下したところで、公爵とかそのくらいの高いくらいに就くだろう。
だがしかし、彼らが配属されたのは、商国内でも非常に厳しいとされる地方であり、そこの一男爵になると書かれていたのだ。
男爵も一応貴族であり、低い位とはいえ、平民よりはまだ裕福。
けれども、王族であった無駄にプライドの高い彼らにとっては、当然受け入れがたい事である。
「‥‥‥ど、どうすべきだ‥‥‥」
「このままだと、明後日には向かわされるだろし…‥‥愚弟が王になった今、逆らおうにも王命とされれば逆らいきれんぞ」
その現実に拒否反応を示し、彼らは必死になって考える。
「落ち着け落ち着け、まだ我々がやった事とか、そういうのは正確には伝わっていないだろうし、国王殺しの罪で処分されることは今だけはないと考えればいいだろう」
「ああ、愚弟がどういう訳で黙っているのかは知らないし、国王がどうやって動いたのかもわからないが‥‥‥亡くなったのであればそこは考えなくても良いだろう」
「だが、そうなれば問題はこの領主となっての追い出しのような真似だが…‥‥受け入れられないな」
「ああ、とすれば…‥‥明後日までという期限であれば、少なくとも明日もまだここに残れるだろう」
「あの様子だと、臣籍降下させられたとはいえ、まだ王子の権限もありそうだし‥‥‥ここならば、自分の資産も使いやすい」
「であれば…‥‥やる事は一つか」
「「…‥‥愚弟を暗殺してもらい、その中で次期王を速攻で決めるぐらいか」」
互いに足りない頭をフル回転させて、彼らはそう導き出す。
順番が狂っただけで、今はただ、トパーズをすぐに王位から引きずり降ろしてしまえば良い。
そう短絡的に考え、彼らは動き出すが‥‥‥‥ある事に、気が付くことは無かった。
本来であれば国王の死に関しては喪に服して弔うはずだが、国王の遺言で明るくしているこの式の後で、やらかせばどうなるのかという事を。
既に周囲にいくつもの目があり、彼らの行動がしっかりと監視され、記録されていたことを。
「‥‥‥さぁて、軽くおぜん立てしつつ、茶番劇を開けそうかな」
「国内よりも、国外でのほうが始末も楽ですしネ」
そして、上空からも、彼らの動きを見る者たちがそうつぶやいたことに、ゲイリーとラダンは全く気が付くことはなく、ちょっとばかり整えられた破滅への道を、見事に突き進み始めるのであった…‥‥
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