拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~

志位斗 茂家波

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幸せを乱されたくないので、徹底したい

#373 ツッコミどころはどこに置けとデス

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SIDEシアン

「‥‥‥‥でかいな」
「でかいですわね」
【どれだけ成長しているのでしょうか、これ】

【シャゲェ?】

…‥‥久しぶりに本日、ドーラが姿を見せた。

 他の子たちの面倒見も結構よかった植物ゆえに、ヒルドたちも懐き、まだ野生に帰ってないというか変える気がない子フェンリルも和気あいあいとしてドーラの根元に群がっている。

 シャゲシャゲといつもながらの声を上げ、蔓を使って器用に子供たちを乗せたりぶら下げたり、ブランコにして遊んだりしているのは良いのだが‥‥‥‥

「いやいやいや、流石に大きくなり過ぎだよね、コレ」

 ハルディアの森での、子フェンリルたちの相手をする時とかは5~10メートルぐらいのサイズになっていたことぐらいは記憶にある。

 大きさが変動することが可能らしく、そのあたりは理解していたつもりではあったが‥‥‥

「サイズ、25メートルぐらいですわね」
【シャゲェ】

 今までの見慣れていた巨大サイズからさらに一回りも二回りも大きく成長しており、気のせいか蔓や葉っぱの形も所々異なっている。

 なんというべきか、筋肉質っぽい部分もあれば、洗練されたというべきか所もあるようで、大成長を遂げていたのだ。

「一体何がどうなっているのやら‥‥‥」
【シャゲシャゲェ】

 っと、疑問に思う中で、ふと思い出したのかドーラが何やらごそごそと頭の付け根でもさっと生えまくっている葉っぱの中から、手紙のようなものを取り出して、手渡してくれた。

「なにこれ?」
【シャゲシャゲェーゲ】
「ふむ、去る前にちょっともらってきた伝言書?」

 一体だれからなのか疑問に思いつつ、その手紙を開封し中身を読んでみる。

 そして読み終えた頃には‥‥‥僕らはどうツッコミを入れれば良いのか分からなくなっていた。


「‥‥‥いやまぁ、悪魔ゼリアスとか、そう言うのがいる時点で魔界とかがある可能性は考えていたよ」
「冥界とか言ってましたし、そう言う点では他の異世界の存在は想定してましたわね」
【そこで修行していたとか、そう言うのは良いのですが‥‥‥何ですか、この差出人は】

 内容によれば、ドーラがこことは異なる世界‥‥‥魔界と呼ばれるようなところで修行していた、という事は良く分かった。

 その修行相手がいて、その相手から渡された手紙だというのもよーくわかった。


 でもねぇ…‥‥その相手、差出人が物凄く何と言えば良いのか分からないんだけど。

「‥‥‥魔界の魔王って、僕とは違う世界の魔王ってどういうことだよ」
「というかそもそも、来訪の伝達ってどういうことかしら?」
【修行相手がおかしいような気がすると言うか、そもそもどうやって向かったのでしょう?】


‥‥‥ツッコミどころが多いというか、何と言うべきか、ツッコミ役不足な現状。

 何処からすればいいのかもわからず、こういう時のためにワゼにツッコミ専用シスターズでも作ってもらうべきかと思い始めるのであった…‥‥‥





―――――――――――――――――――――
SIDEゼリアス

「…‥‥3秒間だけの降臨か」
『そうさ、魔王陛下がそちらの世界へ出向くようだが、3秒以上居つくようなことがあればそちらから送り返してもらえないかと思って、連絡したんだ』

‥‥‥シアンたちが、深刻なツッコミ役不足に気が付いた丁度その頃。

 別大陸にある迷いの森、その内部にある一軒家にて、悪魔ゼリアスは魔界からの連絡を受け取っていた。

「いやまぁ、魔王陛下の降臨制限はそっちでかけられなかったか?そもそも、世界を渡るような真似なんてそうそうできるものでもないし、例外は…‥‥いや、どこぞやの神の龍とか精霊王とか、メイドに異界の旅人とか色々と多く存在するが、魔王陛下の場合は長く出来なかったはずだろう?」

 その連絡に対して、ゼリアスはそう返信する。

 


 この世界のとは異なる、魔界の方の魔王。

 それはゼリアスたち悪魔にとっては上司にあたるような存在でありつつ、本来はその立場につけるが押し付けているゼリアスにとってはそこまでのものでもない。

 まぁ、魔王と呼ばれるだけあって実力も治世もそれ相応にできており、評価は非常に高いとはいえ、そこまで無茶ができるような相手ではないことを理解しているのである。


 ただ、魔王と言えどもそれはその世界の魔王。

 異世界へ渡る魔法なども確かに持ち合わせているのだが、何かなければ非常に面倒な手順を踏まなければならず、そこまで長居できるわけもないのだ。

…‥‥というのは建前で、実は長居も可能。だが、ちょっと色々差し支えるのでできないように、現在は制限をかけられているというだけだったりもする。

『それがな、魔王陛下が最近どういう訳かより力を増した。そのせいで、下手すればそれ以上の降臨が可能な可能性が出てきたんだ』
「‥‥‥魔王陛下が力を増すのは、別に良い事なのではないか?」
『三秒という制限を設けて、仕事に励んでもらえるようにしているというのに、それ以上降臨されては仕事に支障が出るんだよ!!』
「‥‥‥ああ、なるほど」

 この世界の魔王‥‥‥シアンとは異なり、魔界の方の魔王はより仕事が多い。

 いや、別にシアンの方がサボっているとかではなく、そもそも世界の仕組みそのものが異なるので、魔王という存在の在り方も異なるのだ。

 ゆえに比較することも特にできないが、魔界の方の魔王は仕事が山のように舞位置にたっぷり出されており、サボられてしまえば臣下の悪魔たちの方に非常に迷惑が掛かってしまうのである。

 それなのに仕事量の多さで、時たま勝手に逃亡する癖もあるようで、そのせいで非常に心労が貯まっているらしいことを、この連絡士の心からの叫びで、ゼリアスは同情した。

「まぁ、わかった。場合によっては実力行使を行うが、相手は魔王陛下だ。実力はこちらの方があるが、鍛えていたならちょっと伸びる可能性もある」
『ぐぅ‥‥‥召還などでなければ顕現できぬこの身が恨めしい。ああ、というか貴殿が魔王になればそれこそ色々と‥‥‥』
「その事は断ったはずだ。というか、なる気もない。しつこいようなら逆に魔王の降臨時間延長に手を貸すぞ」
『すいませんでした!!』

 ちょっとした脅しに、相手はすぐに謝り、連絡が途切れた。

「‥‥‥ふぅ、あっちはあっちで、苦労しているようだなぁ」
「兄様、他人事のように言っているような気がしますが」
「そりゃ、他人事と言って良いからな…‥‥魔界なんて、今は亡き作家とかの宝庫とはいえ、長居するような場所でもないし、抜け出したくなる気分は分からなくもないからな」

 義妹ともいえるミーナの言葉に、そう返答するゼリアス。

 とにもかくにも、その降臨とやらの対策のために、出かける用意をし始めるのであった‥‥‥

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