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色々集めた結果を見せ始めたり
#420 エネルギー問題は特になしデス
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SIDEシアン
ワゼにより島作りもいよいよ大詰めというか、建物の建設ラッシュに入った。
と言っても、物凄いビル群とか大都市のような物を作るのではなく、僕らの別荘や道具置き場にする場所の目印になるような屋敷程度なのだが‥‥‥‥
「‥‥‥それでも、それ以外のやつが幾つか見えるけど、あれってなんだ?」
「島全体にエネルギーを届ける魔導発電所デス。エネルギー源として電気や魔力などが扱いやすいので、それらを発生させ、各部位に届ける‥‥‥まぁ、乗り物で言う所のエンジンや機関部と言ったところでしょウ」
島の中央部、大きな山が出来上がっているところに、豆腐建設というべきかわりと大雑把な建物を指し示しながら彼女はそう説明する。
なんでも、この島の移動手段の動力部やそのほか保管施設の明かりなどを調整するために必要なエネルギーを生み出す施設のようだ。
なお、燃料は日光やバイオマス…‥‥再生可能エネルギーと言うやつに近いらしい。
「とはいえ、電気だけでなく魔力も生み出す魔導炉心なども組み込んでますからネ。輸送するとやや洩れてしまうようで、パイプ周辺にその影響故か植物の異常成長など、課題が多いのが難点デス」
「輸送問題か…‥‥」
そのあたりは後々の改善事項なのだろう。
とりあえず今はつなげるだけつなぎ、ゆっくりと交換してどうにかするそうな。
いわば仮設置に近いようで、まだまだ完成とまではいかないようである。
「しかし、ほとんど出来上がって来たなぁ…‥‥この様子だと、何も無かったら自然の無人島に近いかも」
木々が生い茂り、あちこちで生態系が広がっている様は自然のものに近いだろう。
だがしかし、僕らは知っている。島の内部にはただの生態系だけではなく、神獣などが住み着いていることを。
「ついでに、自然界の精霊だとかそう言う類も寄ってきてしまいましたし‥‥‥想定以上に島の自然が豊かになっているようで、漁業や林業などをやったらだいぶ栄えるでしょウ」
「そこまでいくの?」
「ハイ。それに、無かったはずなのですがどういう訳かその手の類が住み着いたせいで、鉱山なども発生しましたからネ」
‥‥‥何と言うか、ワゼの想定外な部分もあったようで、鉱石などが取れるようになったらしい。
ダンジョン化に近いような気がするが、ダンジョンコアとかはこの島に無いし、温泉都市のダンジョンコア本人に尋ねて見たところダンジョン自体も発生していないようだ。
「とはいえ、尋ねたついでに話も持ち込まれまして、どうやらあのダンジョンコア最近増殖予定らしくて‥‥‥温泉を作るのであれば新しいコアを譲ってくれるそうデス」
「ダンジョンコアって増殖するの?」
なにやら不思議な事が増えたような気がするが、ツッコんだら負けな気がする。
温泉が作れるのであれば、せっかくなので作ってもらおうかなとも思えるのだが‥‥‥‥とりあえず、後で家族全員に話して、楽しみに待ってもらうとしよう。
「にしても、この島だいぶ作られてきたけど、中身を見るととんでもないのしか詰まってないなぁ‥‥‥ここって下手すると、変な人たちに狙われないよね?」
「大丈夫デス。すでに対策済みですし…‥‥色々と新しい物も同時並行で開発中ですので、その心配はないでしょウ」
そうつぶやきながら、ワゼが空を見上げたが…‥‥そう言えば、聞いた話だと先日あたりに空の上の方にも何やら作成し始めたらしい。
天空の城でも作るのかと言いたくはなったが、それはそれでロマンがあるような気がするので何も言わないのであった…‥‥
「‥‥‥自爆用パスワードとか無いよね?」
「一応ありマス。万が一にも悪人の手に渡った時の対策ぐらいはしているのデス」
――――――――――――――――
SIDEゼリアス
「…‥‥それで、ここの主任技師にされたわけだが…‥‥なぜここに、他の奴らも集まっているのだろうか?」
「仕方が無いのデース。プロジェクトとして立ちあげたら、何故か皆さまが出資してきたからデース」
…‥‥悪魔ゼリアスの言葉に、シスターズの一人であり、現在その場に出張中のツェーンがそう答えた。
ここは、彼らの普段のいる場所ではなく、雲の上に作られた特別製の工場。
色々な手段を用いて固められた雲の上に建設し、そこでとあるものを製造しているのだが‥‥‥そこで働いている面々を見て、ゼリアスがそうつぶやくのは無理もないだろう。
何故ならば、シスターズが大勢集まっているのはまだわかるとして、それ以外の存在も多種多様に蠢いているからだ。
霧や羽虫、木々に犬猫‥‥‥‥普通はこういう作業に加わらないような生物たちが互いに協力し合い、建造作業に取りくんでいる。
しかも、その者たちはただの生物ではなく…‥‥
「神獣ならまだしも、神々とか悪魔とか、その他名状しがたき外なる神の使徒とかばかりなんだが‥‥‥」
「色々と伝手を辿ったらこうなったようデース。でも一応、皆まじめに働いているので問題ないデース」
そう言われると、そうなのかもしれない。
なぜならば、普通に出くわせば殺し合いになるような存在も混ざっているはずなのだが、この場では争いごとを起こさないようにして協力して作業を行っているからだ。
あとは、大抵その手の輩は面倒事を運んでくるようなこともあるのだが、そのようなそぶりも見せない。
まぁ、神ロキの話などもあるのだろうが‥‥‥‥それでも、手を取り合って作業をしている光景は平和と言えば平和だろう。
「…‥‥まぁ、仕方が無いか。一応報酬もあるからな…‥‥完成したら、何時でも利用可能になるよな?」
「ハイ。特別パスが発行されますので、持ちさえすればどのように利用しても良いのデース」
取りあえず、気にしないで作業に取り掛かればいいだけの話のようだ。
そう思いつつ、ゼリアスも作業に加わり始めるのであった…‥‥
「しかし、何で悪魔の俺がここの技師にされたのやら…‥‥普通に技術の神とかそこにいるだろ」
「それはそれで都合があるようデース」
ワゼにより島作りもいよいよ大詰めというか、建物の建設ラッシュに入った。
と言っても、物凄いビル群とか大都市のような物を作るのではなく、僕らの別荘や道具置き場にする場所の目印になるような屋敷程度なのだが‥‥‥‥
「‥‥‥それでも、それ以外のやつが幾つか見えるけど、あれってなんだ?」
「島全体にエネルギーを届ける魔導発電所デス。エネルギー源として電気や魔力などが扱いやすいので、それらを発生させ、各部位に届ける‥‥‥まぁ、乗り物で言う所のエンジンや機関部と言ったところでしょウ」
島の中央部、大きな山が出来上がっているところに、豆腐建設というべきかわりと大雑把な建物を指し示しながら彼女はそう説明する。
なんでも、この島の移動手段の動力部やそのほか保管施設の明かりなどを調整するために必要なエネルギーを生み出す施設のようだ。
なお、燃料は日光やバイオマス…‥‥再生可能エネルギーと言うやつに近いらしい。
「とはいえ、電気だけでなく魔力も生み出す魔導炉心なども組み込んでますからネ。輸送するとやや洩れてしまうようで、パイプ周辺にその影響故か植物の異常成長など、課題が多いのが難点デス」
「輸送問題か…‥‥」
そのあたりは後々の改善事項なのだろう。
とりあえず今はつなげるだけつなぎ、ゆっくりと交換してどうにかするそうな。
いわば仮設置に近いようで、まだまだ完成とまではいかないようである。
「しかし、ほとんど出来上がって来たなぁ…‥‥この様子だと、何も無かったら自然の無人島に近いかも」
木々が生い茂り、あちこちで生態系が広がっている様は自然のものに近いだろう。
だがしかし、僕らは知っている。島の内部にはただの生態系だけではなく、神獣などが住み着いていることを。
「ついでに、自然界の精霊だとかそう言う類も寄ってきてしまいましたし‥‥‥想定以上に島の自然が豊かになっているようで、漁業や林業などをやったらだいぶ栄えるでしょウ」
「そこまでいくの?」
「ハイ。それに、無かったはずなのですがどういう訳かその手の類が住み着いたせいで、鉱山なども発生しましたからネ」
‥‥‥何と言うか、ワゼの想定外な部分もあったようで、鉱石などが取れるようになったらしい。
ダンジョン化に近いような気がするが、ダンジョンコアとかはこの島に無いし、温泉都市のダンジョンコア本人に尋ねて見たところダンジョン自体も発生していないようだ。
「とはいえ、尋ねたついでに話も持ち込まれまして、どうやらあのダンジョンコア最近増殖予定らしくて‥‥‥温泉を作るのであれば新しいコアを譲ってくれるそうデス」
「ダンジョンコアって増殖するの?」
なにやら不思議な事が増えたような気がするが、ツッコんだら負けな気がする。
温泉が作れるのであれば、せっかくなので作ってもらおうかなとも思えるのだが‥‥‥‥とりあえず、後で家族全員に話して、楽しみに待ってもらうとしよう。
「にしても、この島だいぶ作られてきたけど、中身を見るととんでもないのしか詰まってないなぁ‥‥‥ここって下手すると、変な人たちに狙われないよね?」
「大丈夫デス。すでに対策済みですし…‥‥色々と新しい物も同時並行で開発中ですので、その心配はないでしょウ」
そうつぶやきながら、ワゼが空を見上げたが…‥‥そう言えば、聞いた話だと先日あたりに空の上の方にも何やら作成し始めたらしい。
天空の城でも作るのかと言いたくはなったが、それはそれでロマンがあるような気がするので何も言わないのであった…‥‥
「‥‥‥自爆用パスワードとか無いよね?」
「一応ありマス。万が一にも悪人の手に渡った時の対策ぐらいはしているのデス」
――――――――――――――――
SIDEゼリアス
「…‥‥それで、ここの主任技師にされたわけだが…‥‥なぜここに、他の奴らも集まっているのだろうか?」
「仕方が無いのデース。プロジェクトとして立ちあげたら、何故か皆さまが出資してきたからデース」
…‥‥悪魔ゼリアスの言葉に、シスターズの一人であり、現在その場に出張中のツェーンがそう答えた。
ここは、彼らの普段のいる場所ではなく、雲の上に作られた特別製の工場。
色々な手段を用いて固められた雲の上に建設し、そこでとあるものを製造しているのだが‥‥‥そこで働いている面々を見て、ゼリアスがそうつぶやくのは無理もないだろう。
何故ならば、シスターズが大勢集まっているのはまだわかるとして、それ以外の存在も多種多様に蠢いているからだ。
霧や羽虫、木々に犬猫‥‥‥‥普通はこういう作業に加わらないような生物たちが互いに協力し合い、建造作業に取りくんでいる。
しかも、その者たちはただの生物ではなく…‥‥
「神獣ならまだしも、神々とか悪魔とか、その他名状しがたき外なる神の使徒とかばかりなんだが‥‥‥」
「色々と伝手を辿ったらこうなったようデース。でも一応、皆まじめに働いているので問題ないデース」
そう言われると、そうなのかもしれない。
なぜならば、普通に出くわせば殺し合いになるような存在も混ざっているはずなのだが、この場では争いごとを起こさないようにして協力して作業を行っているからだ。
あとは、大抵その手の輩は面倒事を運んでくるようなこともあるのだが、そのようなそぶりも見せない。
まぁ、神ロキの話などもあるのだろうが‥‥‥‥それでも、手を取り合って作業をしている光景は平和と言えば平和だろう。
「…‥‥まぁ、仕方が無いか。一応報酬もあるからな…‥‥完成したら、何時でも利用可能になるよな?」
「ハイ。特別パスが発行されますので、持ちさえすればどのように利用しても良いのデース」
取りあえず、気にしないで作業に取り掛かればいいだけの話のようだ。
そう思いつつ、ゼリアスも作業に加わり始めるのであった…‥‥
「しかし、何で悪魔の俺がここの技師にされたのやら…‥‥普通に技術の神とかそこにいるだろ」
「それはそれで都合があるようデース」
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