絡みあうのは蜘蛛の糸 ~繋ぎ留められないのは平穏かな?~

志位斗 茂家波

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少し広がっていく関係性

log-142 うまい話には裏があったらしい

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―――エルメリア帝国の学園に設けられている図書室。

 学業に対して生徒たちがありとあらゆる情報を得られるように、様々な蔵書が収められており、知りたいことがあればすぐに調べて対応することができるのは魅力的だろう。

 また、場所によっては内容に専念するために固執が設けられていたり、書籍の貸し出しなども行われているが…人によっては集まって勉強会を開く場所としても利用されている。


 そう、それが例えとしても…



【ーーーと言うわけで、この公式が利用できることが分かります。応用ではp12のものも併用して行いますが、やる際には時間の計算式の一部で違う点があるため間違いを瞬時に確認する方法としては…】
「すいません、それだとp24のこれも使えそうなのですが」
【それがひっかけになっていまして、確かに似てますが必要な中身が足りなくて…】

【なのなの、この薬草はこちらの古い書籍と最新のものを比較すると効果が異なっているから、注意が必要なの。人間が調べて分かる内容で、今のもので覚えても良いけど、本当のものだと…】
「ほうほう、そのあたりの薬草の知識は、のちほど発表しないのでしょうか?」
【すでにやっているのなの。とはいえ、地方によって異なるものもあるためそのあたりの対応に関しては‥‥】

【魔法を扱う時は、ゆっくりと魔力を感知しながらやったほうが良いぜ。屋内だからこそ、派手なものは駄目だが…】
「うわぁぁ!!うっかりファイヤボールが本にあたるぅううう!!って、あれ?」
【ああ、問題ないぜ。ある程度の者なら、瞬時に相殺させられるしな】




「…おかしいな、皆で確かに勉強会をしようと思って誘ったけど…」
「まさか、全員受けに来るとは思わなかったですわね」

 放課後の、皆で集まっての勉強会。
 これはこれで一種の青春の一ページになりそうではあったが、ミラージュだけを誘ったはずなのに、やっていると他の生徒たちも次から次へと訪れて…ちょっとした塾の光景みたいな状態になっていた。


「まぁ、あっちグラビティ王国の学園でも、臨時教師みたいな感じで教鞭を振るうこともあったから慣れているけど、それでも良く来るなぁ」


 モンスターに教えてもらうということ自体が珍しくもあるだろうが、それでも人が多い。
 それだけこの学園内で勉学に飢えている人がいると考えれば、良いことなのかもしれない。

「わかりやすい、わかりやすいぞ、ここはこれでいいのか!!」
「人じゃない観点からの教えと言うのは、新鮮だなぁ」
「はぁはぁ、教師の格好をした彼女たちが美しい…インスピレーションがぁ…」
「可愛い美しい格好いい、三拍子がそろった教師陣は強いな」

「勉学以外の目的の人も混ざっているような」
「聞かないほうが良いですわよ。アレはアレで真面目に受けているようですもの」

…情操教育と言うべきか、生徒たちの性癖に関して一部ねじ曲がったものを植え付けつつあるような気がしなくもないが、彼ら自身の選択ならば、自己責任と言う形にしてもらいたい。

 ひとまずは、この勉強会はある意味成功しているので問題は無いと思いたいのであった…



【あの、マスター。先ほど教師陣営から連絡がありましタ】
「え、何か問題が?」
【『生徒たちだけとはもったいない。我々も美女…もといモンスターからの学びと言う滅多にないであろう機会を体感したいので、教師陣の知識をはぐくむための勉強会を求む』とのことでス】

 おい、教師陣。欲望が駄々洩れになってないだろうか。

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