157 / 238
少し広がっていく関係性
log-142 うまい話には裏があったらしい
しおりを挟む
―――エルメリア帝国の学園に設けられている図書室。
学業に対して生徒たちがありとあらゆる情報を得られるように、様々な蔵書が収められており、知りたいことがあればすぐに調べて対応することができるのは魅力的だろう。
また、場所によっては内容に専念するために固執が設けられていたり、書籍の貸し出しなども行われているが…人によっては集まって勉強会を開く場所としても利用されている。
そう、それが例え人ならざる者たちが教鞭をとっていたとしても…
【ーーーと言うわけで、この公式が利用できることが分かります。応用ではp12のものも併用して行いますが、やる際には時間の計算式の一部で違う点があるため間違いを瞬時に確認する方法としては…】
「すいません、それだとp24のこれも使えそうなのですが」
【それがひっかけになっていまして、確かに似てますが必要な中身が足りなくて…】
【なのなの、この薬草はこちらの古い書籍と最新のものを比較すると効果が異なっているから、注意が必要なの。人間が調べて分かる内容で、今のもので覚えても良いけど、本当のものだと…】
「ほうほう、そのあたりの薬草の知識は、のちほど発表しないのでしょうか?」
【すでにやっているのなの。とはいえ、地方によって異なるものもあるためそのあたりの対応に関しては‥‥】
【魔法を扱う時は、ゆっくりと魔力を感知しながらやったほうが良いぜ。屋内だからこそ、派手なものは駄目だが…】
「うわぁぁ!!うっかりファイヤボールが本にあたるぅううう!!って、あれ?」
【ああ、問題ないぜ。ある程度の者なら、瞬時に相殺させられるしな】
「…おかしいな、皆で確かに勉強会をしようと思って誘ったけど…」
「まさか、全員受けに来るとは思わなかったですわね」
放課後の、皆で集まっての勉強会。
これはこれで一種の青春の一ページになりそうではあったが、ミラージュだけを誘ったはずなのに、やっていると他の生徒たちも次から次へと訪れて…ちょっとした塾の光景みたいな状態になっていた。
「まぁ、あっちの学園でも、臨時教師みたいな感じで教鞭を振るうこともあったから慣れているけど、それでも良く来るなぁ」
モンスターに教えてもらうということ自体が珍しくもあるだろうが、それでも人が多い。
それだけこの学園内で勉学に飢えている人がいると考えれば、良いことなのかもしれない。
「わかりやすい、わかりやすいぞ、ここはこれでいいのか!!」
「人じゃない観点からの教えと言うのは、新鮮だなぁ」
「はぁはぁ、教師の格好をした彼女たちが美しい…インスピレーションがぁ…」
「可愛い美しい格好いい、三拍子がそろった教師陣は強いな」
「勉学以外の目的の人も混ざっているような」
「聞かないほうが良いですわよ。アレはアレで真面目に受けているようですもの」
…情操教育と言うべきか、生徒たちの性癖に関して一部ねじ曲がったものを植え付けつつあるような気がしなくもないが、彼ら自身の選択ならば、自己責任と言う形にしてもらいたい。
ひとまずは、この勉強会はある意味成功しているので問題は無いと思いたいのであった…
【あの、マスター。先ほど教師陣営から連絡がありましタ】
「え、何か問題が?」
【『生徒たちだけとはもったいない。我々も美女…もといモンスターからの学びと言う滅多にないであろう機会を体感したいので、教師陣の知識をはぐくむための勉強会を求む』とのことでス】
おい、教師陣。欲望が駄々洩れになってないだろうか。
学業に対して生徒たちがありとあらゆる情報を得られるように、様々な蔵書が収められており、知りたいことがあればすぐに調べて対応することができるのは魅力的だろう。
また、場所によっては内容に専念するために固執が設けられていたり、書籍の貸し出しなども行われているが…人によっては集まって勉強会を開く場所としても利用されている。
そう、それが例え人ならざる者たちが教鞭をとっていたとしても…
【ーーーと言うわけで、この公式が利用できることが分かります。応用ではp12のものも併用して行いますが、やる際には時間の計算式の一部で違う点があるため間違いを瞬時に確認する方法としては…】
「すいません、それだとp24のこれも使えそうなのですが」
【それがひっかけになっていまして、確かに似てますが必要な中身が足りなくて…】
【なのなの、この薬草はこちらの古い書籍と最新のものを比較すると効果が異なっているから、注意が必要なの。人間が調べて分かる内容で、今のもので覚えても良いけど、本当のものだと…】
「ほうほう、そのあたりの薬草の知識は、のちほど発表しないのでしょうか?」
【すでにやっているのなの。とはいえ、地方によって異なるものもあるためそのあたりの対応に関しては‥‥】
【魔法を扱う時は、ゆっくりと魔力を感知しながらやったほうが良いぜ。屋内だからこそ、派手なものは駄目だが…】
「うわぁぁ!!うっかりファイヤボールが本にあたるぅううう!!って、あれ?」
【ああ、問題ないぜ。ある程度の者なら、瞬時に相殺させられるしな】
「…おかしいな、皆で確かに勉強会をしようと思って誘ったけど…」
「まさか、全員受けに来るとは思わなかったですわね」
放課後の、皆で集まっての勉強会。
これはこれで一種の青春の一ページになりそうではあったが、ミラージュだけを誘ったはずなのに、やっていると他の生徒たちも次から次へと訪れて…ちょっとした塾の光景みたいな状態になっていた。
「まぁ、あっちの学園でも、臨時教師みたいな感じで教鞭を振るうこともあったから慣れているけど、それでも良く来るなぁ」
モンスターに教えてもらうということ自体が珍しくもあるだろうが、それでも人が多い。
それだけこの学園内で勉学に飢えている人がいると考えれば、良いことなのかもしれない。
「わかりやすい、わかりやすいぞ、ここはこれでいいのか!!」
「人じゃない観点からの教えと言うのは、新鮮だなぁ」
「はぁはぁ、教師の格好をした彼女たちが美しい…インスピレーションがぁ…」
「可愛い美しい格好いい、三拍子がそろった教師陣は強いな」
「勉学以外の目的の人も混ざっているような」
「聞かないほうが良いですわよ。アレはアレで真面目に受けているようですもの」
…情操教育と言うべきか、生徒たちの性癖に関して一部ねじ曲がったものを植え付けつつあるような気がしなくもないが、彼ら自身の選択ならば、自己責任と言う形にしてもらいたい。
ひとまずは、この勉強会はある意味成功しているので問題は無いと思いたいのであった…
【あの、マスター。先ほど教師陣営から連絡がありましタ】
「え、何か問題が?」
【『生徒たちだけとはもったいない。我々も美女…もといモンスターからの学びと言う滅多にないであろう機会を体感したいので、教師陣の知識をはぐくむための勉強会を求む』とのことでス】
おい、教師陣。欲望が駄々洩れになってないだろうか。
45
あなたにおすすめの小説
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
転生メイドは絆されない ~あの子は私が育てます!~
志波 連
ファンタジー
息子と一緒に事故に遭い、母子で異世界に転生してしまったさおり。
自分には前世の記憶があるのに、息子は全く覚えていなかった。
しかも、愛息子はヘブンズ王国の第二王子に転生しているのに、自分はその王子付きのメイドという格差。
身分差故に、自分の息子に敬語で話し、無理な要求にも笑顔で応える日々。
しかし、そのあまりの傍若無人さにお母ちゃんはブチ切れた!
第二王子に厳しい躾を始めた一介のメイドの噂は王家の人々の耳にも入る。
側近たちは不敬だと騒ぐが、国王と王妃、そして第一王子はその奮闘を見守る。
厳しくも愛情あふれるメイドの姿に、第一王子は恋をする。
後継者争いや、反王家貴族の暗躍などを乗り越え、元親子は国の在り方さえ変えていくのだった。
【完結】辺境の魔法使い この世界に翻弄される
秋.水
ファンタジー
記憶を無くした主人公は魔法使い。しかし目立つ事や面倒な事が嫌い。それでも次々増える家族を守るため、必死にトラブルを回避して、目立たないようにあの手この手を使っているうちに、自分がかなりヤバい立場に立たされている事を知ってしまう。しかも異種族ハーレムの主人公なのにDTでEDだったりして大変な生活が続いていく。最後には世界が・・・・。まったり系異種族ハーレムもの?です。
メインをはれない私は、普通に令嬢やってます
かぜかおる
ファンタジー
ヒロインが引き取られてきたことで、自分がラノベの悪役令嬢だったことに気が付いたシルヴェール
けど、メインをはれるだけの実力はないや・・・
だから、この世界での普通の令嬢になります!
↑本文と大分テンションの違う説明になってます・・・
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる