213 / 238
選択は人次第
log-閑話 大人は見ているものでもあり
しおりを挟む
…エルフの見た目は、基本的に美男美女が多いと言われている。
だからこそ、その見麗しさゆえに、過去には狙われることも多々あったらしい。
しかし…
「…これでどうにか、例の神獣ちゃんを思いっきり観察しまくりたいけど、駄目でしょうか」
「…多分、この光景を見たら見麗しいよりもむしろ哀れに思うのかもしれないな…」
全力で土下座を行っているエルフもとい、モンスターに関してマッドで三日三晩語ってトラウマを植え付ける悪名が響き渡っているシルフィの姿を見て、彼女の監視役でもあるカンナは思わずそうつぶやく。
このような奇行は珍しいものでもなくなれたものではあるが、世間一般のエルフに理想像を抱く人が見れば儚い夢のように散ってしまうだろうと思えたからだ。
まぁ、このようなことをする理由に関しては、今回は明白だから良いだろう。
「例の神獣種…レイでしたっけ。またあの厄災種を連れた彼が、加えたというセイレーンの神獣種でしたか。貴女の悪名があちらにも思いっきり嫌と言うほど伝わってますから、確実に断られそうですよ」
「それでも、モンスターだからこそじっくりと観察し、調べたいんだよぉ!!何しろ、セイレーンってだけでもまともに相手をすれば破滅が待ち構えていたりするって話だけど、さらに神獣種で性質が結構変わっているようだし、色々と気になる点が多いんだよぉおおおおお!!」
カンナの言葉に対して、熱弁をふるうシルフィ。
モンスターに関してのこれだけの熱意を、まともな方に出せればいいのだが、いかんせん暑すぎて何かと捻じ曲がるというか、過去にやらかした呪いもあってうまく付き合えない点もあるせいで、接触させづらくあるのだ。
「特に神獣種、って点が重要なんだよ!もしかしたらこの身に宿る呪いの解呪になって、今後のモンスター研究が捗るかもしれないだろ!!」
「…呪い云々関係ない気がするんですけれどね」
ぐぅっと拳を力強く握りしめるが、そもそもその呪いにかかった原因を覚えているのかと、ツッコミを入れたくなるカンナ。
とあるモンスターによってやられたわけなのだが、その呪いをぶちまけた原因もシルフィ自身にあるため、呪いがあろうがなかろうが関係ない気がするのである。
と言うよりも‥‥
【…呪いが無くても多分、逃げますね、私たち】
【あれはある意味、呪い以上に悍ましいというか…人って怖かったんだなと、アンデッドの身になって理解させられるものでもあったな】
「と、聞いてますよ。モンスターである彼女たち本人から」
「それでもぉおおおお!!」
呪いが無かったら大丈夫なのかと、実はカンナは過去にこっそりハクロ達の元へ伺い、問いかけたことがあった。
その時の回答から予想できるのだが、合っても無くても多分変わることはないだろう。
(…本当にこの人は、本来は高貴な身の上のはずなのに、どうしようもないんですよね…)
呪いの有無、人であろうとなかろうと、なんにせよもう少しまともにやってもらえなければ意味がないと、彼女は確信しつつ、シルフィの絶対に変わらないであろうその気性に呆れてしまうカンナ。
今はとりあえず、やらかすことが無いように祈りながら、どうにかこうにか諫めておくのであった。
…なお、彼女のそのモンスターに対する熱すぎる熱意に関しては、悪魔側の方にも伝わっており、一時期はそれを利用できないかと作戦が練られていたりもしたが…利用したら、それはそれでコントロール不可のやばいモノだと早々に判断されて、無かったことになっているのは知る由もない。
ある意味、悪魔にすら恐れられる凶器のエルフとして、色々と有名であった…
だからこそ、その見麗しさゆえに、過去には狙われることも多々あったらしい。
しかし…
「…これでどうにか、例の神獣ちゃんを思いっきり観察しまくりたいけど、駄目でしょうか」
「…多分、この光景を見たら見麗しいよりもむしろ哀れに思うのかもしれないな…」
全力で土下座を行っているエルフもとい、モンスターに関してマッドで三日三晩語ってトラウマを植え付ける悪名が響き渡っているシルフィの姿を見て、彼女の監視役でもあるカンナは思わずそうつぶやく。
このような奇行は珍しいものでもなくなれたものではあるが、世間一般のエルフに理想像を抱く人が見れば儚い夢のように散ってしまうだろうと思えたからだ。
まぁ、このようなことをする理由に関しては、今回は明白だから良いだろう。
「例の神獣種…レイでしたっけ。またあの厄災種を連れた彼が、加えたというセイレーンの神獣種でしたか。貴女の悪名があちらにも思いっきり嫌と言うほど伝わってますから、確実に断られそうですよ」
「それでも、モンスターだからこそじっくりと観察し、調べたいんだよぉ!!何しろ、セイレーンってだけでもまともに相手をすれば破滅が待ち構えていたりするって話だけど、さらに神獣種で性質が結構変わっているようだし、色々と気になる点が多いんだよぉおおおおお!!」
カンナの言葉に対して、熱弁をふるうシルフィ。
モンスターに関してのこれだけの熱意を、まともな方に出せればいいのだが、いかんせん暑すぎて何かと捻じ曲がるというか、過去にやらかした呪いもあってうまく付き合えない点もあるせいで、接触させづらくあるのだ。
「特に神獣種、って点が重要なんだよ!もしかしたらこの身に宿る呪いの解呪になって、今後のモンスター研究が捗るかもしれないだろ!!」
「…呪い云々関係ない気がするんですけれどね」
ぐぅっと拳を力強く握りしめるが、そもそもその呪いにかかった原因を覚えているのかと、ツッコミを入れたくなるカンナ。
とあるモンスターによってやられたわけなのだが、その呪いをぶちまけた原因もシルフィ自身にあるため、呪いがあろうがなかろうが関係ない気がするのである。
と言うよりも‥‥
【…呪いが無くても多分、逃げますね、私たち】
【あれはある意味、呪い以上に悍ましいというか…人って怖かったんだなと、アンデッドの身になって理解させられるものでもあったな】
「と、聞いてますよ。モンスターである彼女たち本人から」
「それでもぉおおおお!!」
呪いが無かったら大丈夫なのかと、実はカンナは過去にこっそりハクロ達の元へ伺い、問いかけたことがあった。
その時の回答から予想できるのだが、合っても無くても多分変わることはないだろう。
(…本当にこの人は、本来は高貴な身の上のはずなのに、どうしようもないんですよね…)
呪いの有無、人であろうとなかろうと、なんにせよもう少しまともにやってもらえなければ意味がないと、彼女は確信しつつ、シルフィの絶対に変わらないであろうその気性に呆れてしまうカンナ。
今はとりあえず、やらかすことが無いように祈りながら、どうにかこうにか諫めておくのであった。
…なお、彼女のそのモンスターに対する熱すぎる熱意に関しては、悪魔側の方にも伝わっており、一時期はそれを利用できないかと作戦が練られていたりもしたが…利用したら、それはそれでコントロール不可のやばいモノだと早々に判断されて、無かったことになっているのは知る由もない。
ある意味、悪魔にすら恐れられる凶器のエルフとして、色々と有名であった…
41
あなたにおすすめの小説
俺の伯爵家大掃除
satomi
ファンタジー
伯爵夫人が亡くなり、後妻が連れ子を連れて伯爵家に来た。俺、コーは連れ子も可愛い弟として受け入れていた。しかし、伯爵が亡くなると後妻が大きい顔をするようになった。さらに俺も虐げられるようになったし、可愛がっていた連れ子すら大きな顔をするようになった。
弟は本当に俺と血がつながっているのだろうか?など、学園で同学年にいらっしゃる殿下に相談してみると…
というお話です。
【完結】辺境の魔法使い この世界に翻弄される
秋.水
ファンタジー
記憶を無くした主人公は魔法使い。しかし目立つ事や面倒な事が嫌い。それでも次々増える家族を守るため、必死にトラブルを回避して、目立たないようにあの手この手を使っているうちに、自分がかなりヤバい立場に立たされている事を知ってしまう。しかも異種族ハーレムの主人公なのにDTでEDだったりして大変な生活が続いていく。最後には世界が・・・・。まったり系異種族ハーレムもの?です。
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
転生メイドは絆されない ~あの子は私が育てます!~
志波 連
ファンタジー
息子と一緒に事故に遭い、母子で異世界に転生してしまったさおり。
自分には前世の記憶があるのに、息子は全く覚えていなかった。
しかも、愛息子はヘブンズ王国の第二王子に転生しているのに、自分はその王子付きのメイドという格差。
身分差故に、自分の息子に敬語で話し、無理な要求にも笑顔で応える日々。
しかし、そのあまりの傍若無人さにお母ちゃんはブチ切れた!
第二王子に厳しい躾を始めた一介のメイドの噂は王家の人々の耳にも入る。
側近たちは不敬だと騒ぐが、国王と王妃、そして第一王子はその奮闘を見守る。
厳しくも愛情あふれるメイドの姿に、第一王子は恋をする。
後継者争いや、反王家貴族の暗躍などを乗り越え、元親子は国の在り方さえ変えていくのだった。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる